『さて、第1回戦は挑戦者小森さんの勝利という形で……―――』


第1回戦を終え、再びマイクを通して司会を進める四葉ちゃん。
その間、鞠絵ちゃんはルールにより、花穂ちゃんが持ってきたティッシュくじから次の勝負方法を選別している。
四葉ちゃんは一生懸命なにか話してくれていたけど、残念ながらアタシの頭にはまったく内容が入っていなかったりする。

なぜかというと……


(鞠絵ちゃんに有利なヤツ……鞠絵ちゃんに有利なヤツ……!)


ガラにもなく神頼みなんかしてたからだ。

ふだん神様なんて信じていないくせに、こういう時だけ都合良いなぁなんて、自嘲気味にも考えていたけど、
どうも人間切羽詰るとなりふり構わなくなるらしい。

鞠絵ちゃんが引いたくじが四葉ちゃんに渡される。
結局何を話していたかはサッパリだ。


『それではー、第2回戦の発表デス。 第2回戦は……』


四葉ちゃんはさっきと同じように、そこまで言って演出のため間をためる。
その間、花穂ちゃんもさっきと同じように小太鼓を叩く。
次の試合が重要なものだけに、その間がアタシには凄く長く感じられた。
途中、小太鼓を叩き損ねてスティックを落としていたのは、花穂ちゃんのお約束ということで。

そして、ついに第2回戦の内容が発表される。
その内容とは……


『"野球"で対決デス!!』
「や、野球ぅ〜っ!?」


それを聞いたとき愕然とした。

鞠絵ちゃんには後がない。
なのに、よりにもよってそんな大事な勝負で運動系の対決がくるなんて……。
体の弱い鞠絵ちゃんにとっては圧倒的に不利じゃないの……。
そもそも、野球のどこにアタシとの関係が?


「えっと……鈴凛ちゃんといえばメカ。
 でもメカを扱うのにも、重い鉄の塊を運ぶ体力や、突然のアクシデントにも対応できる反射神経など、
 それなりの運動神経が必要デス、チェキ……なんだってさ」


……さいですか。











 

対決しました

その3 −打ちました−













「野球はいいけど……一体どうやって勝負する気?」


とまあ、多少落胆しつつも、当たり前の疑問をぶつけてみる。
普通のルールなら最低9人対9人。
しかし、1対1の対決で、更にはここにいる全員を合わせてもまだメンバーは圧倒的に足りない。


「まあ野球っていっても、本当に試合するわけじゃアリマセン」
「うん……っていうか物理的にそれ無理だけど」
「おふたりには単純にバッティングで勝負してもらいマスので―――」








 ……



 …………



 ………………








そんなわけでやってきましたバッティングセンター。


普段来ないからこれが普通なのか少なめなのかよく分からないけど、
他のお客さんはぱらぱらと、そんなに多くはなかった。
それでも、女の子5人がバッティングセンターなんてやっぱり珍しい組み合わせなのか、多少の注目は浴びていた。


「フム……1回20球デスか……じゃあ10球ずつで勝負にしましょう」


四葉ちゃんがその辺にあった看板で、このバッティングセンターの料金等と確認する。
四葉ちゃんの言う通り、ここのバッティングセンターではどうやら1回20球でバッティングができるみたいだ。
アタシも別なところにあった張り紙で確認した。

1回分の半分の10球ずつで、勝負ということになるらしい。
まあ数も丁度妥当だろう。


「で、その内単純にどれだけ多くのボールを打ち返せるかの勝負でいいデスね?」
「ええっと、つまり当たりは問題にしないということですか?」


四葉ちゃんは、参加者側ふたりに簡単に勝負方法の確認をすると、小森さんが聞き返す。


「ハイデス。 飛距離や方向は関係なしに、バットでボールを打ち返した数を競い合いましょう。
 おふたりとも、それでいいデスか?」
「はい、構いません」
「ええ、分かりました」


参加者ふたりは、そのルールに同意の返事を返す。
まあ確かに、アタシには飛び方や当たり具合でフライとかよく分らないし、公平な立場にいる四葉ちゃんや花穂ちゃんも、多分そうだろうからね……。


「では、さっきは鞠絵ちゃんの番からでしたので、今度は小森さんからにしましょう」
「あ、わかりました、焼肉ちゃん」


    ガシャンッ


打席との壁になっている金網のネットに、頭から突っ込む焼肉ちゃん……ではなく四葉ちゃん。
どうも小森さんの中では四葉ちゃんは焼肉ちゃんらしい。


「なななナンデスか!? そのニックネームは!?」
「え、あの、ちょっと名前の方、覚えているか自信なくて……申し訳ありません……」


まあ、確かに小森さんにとっては、アタシはクラスメートで、鞠絵ちゃんは……まあ、小森さんにとって即インプットな立場の人間。
でも、四葉ちゃんはアタシの妹ってだけだから、四葉ちゃんの名前はまだ記憶に薄いのかもしれない。
アタシには他にも姉妹はいっぱいいるから尚更。
よくよく考えてみれば、花穂ちゃんの名前も、昨日間違えたっきり口にしてなかったな……。

でも「焼肉ちゃん」なんてあだ名つけられるくらいなら、素直に名前間違えられてた方がマシだと思うのはアタシだけ?












まずは先攻、小森さんの番。


「お姉さま! 私のこの打球、お姉さまに捧げます!」


小森さんは、打席に入るなり早速そんなことをアタシに向けて言ってくる。
客足はそんな多くないけど、それでも注目されるからそういうの勘弁してくれませんか?


小森さんは打席の近くにある機械をいじってから打席に立った。
機械からの指示が届いたらしく、バッティングマシーンがその動きを始める。

小森さんはその様子をジッと凝視しながら、バットを構え、自分の元へボールが放られるのをただじっくりと待つ。

そしてとうとう第1球目が小森さんに向けて放り投げられた!


「届けっ! 心にっ!!」


妙な掛け声を口走り、力の限り思いっきりスイング!


    ブゥンッッ


小森さんは思いっきりバットを振り抜く。
その豪快なスイングによって発生した空が切り裂かれる音は、金網ネットを挟んだ向こう側に居るアタシたちのところまで響いた。


    ガシャーンッ


その音に少し遅れて、ボールが小森さんの後ろの金網ネットに当たって、そんな大きな音が辺りに響いた。
うん、空を切り裂くんじゃなくて、ボールに当てなきゃ意味がない。


「……ぷっ」


いくら敵でも笑ってあげるな鞠絵ちゃん!

あー、小森さんなんか小刻みに震えだしたよ。
多分聞こえて、恥ずかしいやら悔しいやらの感情が渦巻いてるよ……。






小森さんは、続けて2球、3球と「ムキーッ」と言わんばかりに、半ば自棄になりながらバットをブンブン振り回す。


    ブゥンッッ

    ガシャーンッ


    ブゥンッッ

    ガシャーンッ



しかしいずれも豪快な空振り。

どうやら小森さんは大人しそうな外見通り、運動はあんまり得意じゃないようだ……。
このまま当てることも出来ずに終るんじゃないのかと、誰もが思い始めた時、


    キンッ……


「あ」


そんな鈍い音が小森さんの振ったバットから発せられた。

4球目にしてやっと、小森さんはバットをボールに当てることに成功したのだ。
前3回の豪快な空振りがあるだけに、誰のものとも分からない短い声がその場に漏れていた。

まあ、当たり自体は大したことない。
本来なら小森さんが一塁に着く前にボールの方が先に着いてアウトにされそうなボテボテのゴロ。
しかし今回の場合は、これでも紛れもなく1ポイントが与えられるのだ。


「お、お姉さま! 見てくれました!?」


当てたことがそんなに嬉しかったのか、感激と驚きの入り混じった顔と声をアタシの方に向けてくる小森さん。
っていうかあんなゴロを捧げられてアタシに一体どうしろと?


「当てました!! 私、今ボールに―――」


    ガシャーンッ


「……あ」


アタシの方を向いていた小森さんの横を、ボールは当たり前のように通り過ぎ、再び小森さんとアタシたちを挟んだ金網ネットに直撃。
ああ無情、無感情な機械は小森さんの感激など気にも留めずに、プログラムされた通りにボールを放ってしまったのだ。


「うん、感激するのはいいけど後にした方がいいよ、まだボール来てるから」












「えー、結果は、小森さん3球デス」


バッティングマシーンから球を10回放ってもらい、小森さんの番は終わりを迎えた。
一旦機械を止め、小森さんはアタシたちの元に戻ってくる。

結果は今四葉ちゃんが言ったとおり3球、すなわち3ポイント。
ちなみに全部全然前に飛ばず、ボテボテと目の前を転がっただけの、しかも内2球はファールボールな転がり方という、
まさに「当てただけ」のお手本のような打球だった。


「ふぅ……」


しかし、当の小森さんは、そのボテボテの結果に満足しているようで、その顔は妙にすがすがしさを感じさせるものだった。

これは……うん、あれだ。
他の人から見ると大したことなくても、その人にとっては快挙って事はよくある。
多分、小森さんにとっては当てたこと自体が快挙なんだろうな……。

なんて、その妙に輝かしい笑顔を見てひとり納得していた。


「じゃあお次は鞠絵ちゃんの番デスね」


お次は鞠絵ちゃんの番。

小森さんは3球打ち返していたので、とにかく3球、かするだけでもいいから打ち返せればいい。
引き分けの場合はどうするか知らないけど、少なくとも3球打ち返せれば負けることはない。

たった3球……確かにたかが3球だけど……
でも病弱で、ついこの間まで療養所に入院していた鞠絵ちゃんにとって、それは大きな壁かもしれない……。
小森さんのボテボテの実力にちょっとだけ安心してたけど、よくよく考えてみたら、とても安心なんてできる状況なんかじゃなかった……。


「あの、その前に確認しておきたいのですけど……どんな形であれ、ボールを前に飛ばすことができれば、それは得点されるんですね?」
「ハイデス。 それに……もしそうじゃなかったら、小森さんのは0点デス……」


四葉ちゃんは、後ろで恍惚の表情でベンチに座り休んでいる小森さんに気をつかうように、台詞の後ろの方を小さな声で苦笑気味に話していた。


「分りました」


そう返すと、鞠絵ちゃんは打席へ向かった。

3回勝負中、鞠絵ちゃんは既に1回戦目を敗退している。
つまり、もしここで鞠絵ちゃんが負けるようなことになれば……。


(もしそうなったら、アタシはどうすればいいの……?)


鞠絵ちゃんと別れて、代わりに小森さんと付き合うのだろうか?

そんなこと……大体ふたりとも、何でアタシなんか賭けて勝負してるのさ!?
どっちかっていうと、アタシの方が鞠絵ちゃんか小森さんを賭けて誰かと勝負しそうなイメージじゃないの?
どーして、大人しそうでパッと見いかにも女の子なふたりが、ガサツそうであんまりおしゃれじゃないアタシを賭けて勝負するわけ?
自慢じゃないけどお姫様ってガラじゃないよ、アタシは!

……なんて頭の中で微妙に趣旨のずれた文句をひとりぶつぶつ愚痴ってた。












そして後攻、鞠絵ちゃんの番。
小森さん同様、打席の近くにある機械をいじってから打席に立った。
第1球目……バッティングマシーンが、鞠絵ちゃんに向けてボールを飛ばそうと、その動作を始める。

その時、


「え!?」


誰もが鞠絵ちゃんの動きに驚いた。
鞠絵ちゃんは、なんと持っていたバットを水平に持ち替えたのだ。


「ば、バントっ!?」


    コンッ……


アタシが言葉を口にするのとほぼ同時に、鞠絵ちゃんは自分めがけて飛んできた第1球目をバットに当て、
見事に"前に"転がしていた。


「これで、1点ですね……」


静かに、そう発言する。


「「「「あっ!」」」」


鞠絵ちゃん以外全員が声を揃えて驚いた。

簡単なことだけど気がつかなかった。
というより、ヘンに盛り上がったりしててそこまで頭が回らなかったと言った方が正しいかもしれない。
そう、さっき鞠絵ちゃんが確認していたようにこの試合のルールは、
『飛距離や方向は関係なしに、バットでボールを打ち返した数を競い合う』というもの。

つまり当てるだけで得点されるなら、打ち方は問題じゃない。
例えそれがファールボールでも、誰が見てもアウトだと分かるようなゴロでも、バントで転がしたボールでも。


「ちょッ、あんなのアリですか!?」


当然というか、小森さんにとっては勝利が目前なだけに四葉ちゃんに抗議に出てた。


「ムムム……これは盲点でした……。 確かに、ボールを打ち返すだけで得点なら、あの方法でも……」
「感心していないで、早くやり直しの指示を!?」
「……残念デスけど、その必要はアリマセン。
 なぜなら、ルール上は"ボールを前に飛ばすことができれば、どんな形であれ1点"というもの。
 四葉もウッカリしていましたが、ここは寧ろ鞠絵ちゃんの頭脳プレーの方を評価しマス。
 体力もそうデスが、鈴凛ちゃんのパートナーになるなら柔軟な思考力がある方がいいはずデスからね」


しかしそんな小森さんに抗議も空しく、審判を勤める四葉ちゃんも、鞠絵ちゃんの行為を正当なものと判断した。


「で、でもあんなのって……」
「それに……言っちゃ悪いデスけど、鞠絵ちゃんのバントの方が小森さんより良いコースで前に転がっていマスし……」


それは、もし鞠絵ちゃんのバントを容認しなければ、
小森さんのあの3球もノーカウントとされ良くて引き分けの状態、という意味だろう。

これには小森さんもとうとう押し黙った。
自分的には快挙でも、やっぱり傍目には大したモノじゃないって分かっているようだ。

というか、言っちゃ悪いけど小森さんならバントでも空振りしてそう……。


「ず、ずるいです!! まともにやって勝てないからって……そんなっ……!
 私だって苦手だけど、きちんとスイングしたのにっ……! 正々堂々と勝負しなさい、鞠絵さん!!」


難なく3球目も前に転がす鞠絵ちゃんに、興奮気味に非難を浴びせる小森さん。
確かにズルいといえばズルいんだけど……でもこれも立派な作戦なんだよ。

惚れた弱みか、そうひいき目に見てしまうアタシ。

まあアタシがそんなこというと何かと問題がありそうだし、なにより審判に認められている以上はそれも正当な方法。
特になにも言う必要もないだろうと、その場は黙ってることにした。






ただ―――






「え?」


この勝負はそのまま終わるほど単純なものではなかったらしい。





鞠絵ちゃんの勝利を決定付けるはずの4球目が飛ばされようとした瞬間、鞠絵ちゃんがバントの構えを解いたのだ。

いや、それだけじゃない。
片側の足―――ピッチャー側の足を上げ、ここにきてバッティングフォームを構えたのだ!
そう、それも普通の構えではなく、俗に言う「一本足打法」のフォームで!

鞠絵ちゃんがフォームを構えた時には、ボールは既に手元にまで迫っていた。
が、しかし、鞠絵ちゃんはタイミングを外すこともなく、そのボールに標準を定め、思いっきりスイング。


    カキィーーンッッ


気持ち良いくらいの快音を響かせながら、まるで青空に吸い込まれるように高く、遠くへとボールを打ち返したのだった!

痛快な当たり。
野球の事をよく知らないアタシにも理解できるくらいのクリーンヒット。
ホームランとは言わなくても、2塁打にはなったかもしれないってくらいに良い当たりだった。


「い、一本足打法で……しかもバスター……!?」


補足として、「バスター」とは、バントの構えをした後にヒッティング、つまり普通の打ち方に切り替えて打つこと。
ピッチャーが投げるまでバントの構えをしている訳だから、
それから普通の構えに直して打つのは当然難しい……はずなのに、更にそれでこの快打。

それをやってのけたのは、根っからのスポーツマンとか熱血野球部キャプテンでもなく、
大人しくて、まるで運動とは無縁そうなおしとやかそうな空気の漂う、いかにも女の子な感じの少女だったのだ。

そのあまりのギャップに、その場にいた全員は驚きのあまり言葉を失っていた。


「これで、文句はないですよね……小森さん」


散々非難の言葉を浴びせた小森さんに対し、その返礼とばかりにまざまざと実力の差を見せつけ、静かにそう聞き返す。
今の鞠絵ちゃんの打球に、小森さんが打った3球を全てあわせたとしても遠く及ばないのは一目瞭然。

小森さんはただ黙り込むしかなくなり、それは小森さんも、鞠絵ちゃんの勝利を認めたということに他ならなかった。


『だ、第2回戦は鞠絵ちゃんの勝利デス!!』


動揺を引きずりながらも、鞠絵ちゃんの勝利を高らかに宣言する四葉ちゃん。
これにて第2回戦は、鞠絵ちゃんの予想外な形での勝利という、またまた番狂わせ展開で幕を閉じたのだった。



……にしても、


(鞠絵ちゃんがあんなことできるなんて……)


体が弱く、運動が苦手と思っていた鞠絵ちゃんが、まさかあんな高等な打ち方をやってのけるとは……。
アタシはまだ、鞠絵ちゃんの事をよく分っていないんだな、としみじみしながら、
もっと鞠絵ちゃんの事を知りたいなぁ、なんて気楽に惚気てた……。
























「鞠絵ちゃんが4球で勝負つけちゃったので、まだ6球残ってマスね」


鞠絵ちゃんが打席から帰って来るなり、打席の方を見ながら四葉ちゃんがそんな事を言い出した。


「ん? そういえばそうだったね」
「…………四葉も打ってみていいデスか?」


わくわくと、何かを期待するような目をしながら、アタシの方に顔を向けてくる。
なんだか四葉ちゃん、鞠絵ちゃんと小森さんに影響されたのかな……?


「いや、まあアタシは構わないけど……」


まあ、これはこれで、最終戦の前のちょっとした休憩ってことでいいかもしれない。






……ってなわけで。






「いっきマスよー」


幻の第3打者、四葉ちゃんの打席がやってきました。

意気揚々と打席に立つ四葉ちゃん。
バッティングフォームを構えた状態で、バットでくるくる空中に弧を描くように回していた。


「クフフゥ……この名探偵が、華麗にチェキっと打ち返しちゃいマスよー!」


名探偵と野球の腕前は関係ない!
と、心の中でツッコンでおいた。
もっとも、今更「チェキ」の意味についてツッコムのは愚問だろう。

などとアタシがヘンな事を考えている間に、四葉ちゃんに向かってボールが投げられる。


「チェキチェキチェキ〜」


打つ時の掛け声も「チェキ」なんだ……。



    ガスッ
「ヂェギッ!?」


「…………あ」


ストレートに四葉ちゃんに目掛けて……というより四葉ちゃんの顔目掛けて飛んできたボールは、見事に四葉ちゃんの顔面にめり込んだ。

うあ……悲惨……。


「よ、四葉ちゃん!?」


顔面にボールを埋め込んだまま、その場に倒れこんでしまった四葉ちゃん。
その身を案じ、花穂ちゃんは四葉ちゃんの倒れている打席に急いで向かい、駆け寄って……


「四葉ちゃん、大じょ……きゃあっ!」


    ドグぁッッ
「ヂェギィィッ!?!?」


……追い討ちをかけていた。


「あ〜ん、花穂ドジだから、こけた拍子に四葉ちゃんの鳩尾に膝と、ボールの食い込んでる顔に肘鉄くらわせちゃった〜」


四葉ちゃん……ご愁傷様……。

 

 

 つづく……


更新履歴

H16・8/1:完成・掲載
H16・8/2:4つに分割して掲載・微修正
H18・7/23:サブタイトルを「〜ました」の形に改名


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