「ふんふふんふふ〜ん♪ ふんふんふん♪ ふ〜ふふんふふ〜ん♪」


 穏やかに晴れた、学校がおやすみのある日。
 真上よりちょっとだけ西に傾いた太陽さんが、ぽかぽか陽気で姫たちを照らす下を、
 ちょっとだけ大きな買い物袋を両手で抱えながら、陽気な鼻歌混じりに歩いていく。
 内巻きにセットした左右の髪は、姫の歩くリズムに合わせてフワフワと軽く揺れてましたの。
 その姫の隣には、左右の耳の横に施した三つ編みをおんなじように揺らすロングヘアの女の子が、
 おんなじように買い物袋を抱えて、おんなじ歩調で歩いてましたの。


「これで材料は全部揃ったのかな?」

「ですの♪ さぁ、あとは心を込めて作るだけ、ですの


 弾むような声で答えてから、これからの一仕事にムフンと意気込む。
 これからふたりで、ふたりの大好きなあの人のために、キュートな可愛いパティシエに大変身

 待っていてね、にいさま♥♥










 

SWEET SEASON













 姫の名前は白雪ですの。
 お料理が得意でお菓子作りが大好きな、どこにでもいるようなとっても可愛い女の子、なんて
 姫には11人のねえさまと妹たち、そして1番上に大好きなにいさまがいますの。
 なにか深〜い事情から、今はみんなバラバラに暮らしています。
 でも、一緒には暮らしてはいないけれど、どんな家庭よりもみーんな仲良し
 そしてねえさまや妹たちは、みんなにいさまのコトが大好き。
 姫も、将来はにいさまのお嫁さんに……なんて、いや〜ん♥♥

 今日は、そんなたくさんの兄妹の中のひとり、可憐ちゃんといっしょにショッピングに行きましたの。
 そ・れ・は……ふたりの大好きなにいさまのために、ふたりで心を込めた手作りクッキーを贈るため、ですの♥♥
 午前中にクッキーの材料を揃えて、午後からはその材料を使って姫の家でクッキーを作るんですの。
 チョコチップクッキーやアーモンドクッキー、体のことを考えたごまクッキーから豆乳クッキーまで。
 姫が考えたレシピを可憐ちゃんにご教授して差し上げながら、
 バラエティに富んだ姫オリジナルのクッキーを、ふたりの心をたっぷり込めて作りますの
 あ、ちょっとした隠し味は……企業秘密ですの
 飛び切りあま〜くて、おしゃれでおいしいクッキーを、可憐ちゃんふたりで、にいさまの心にお届けします ムフン♥♥

 今はそのお買い物の帰り道。
 クッキーの材料の他にも、おしゃれのためのちょっとしたアクセサリーや小物も一緒にお買い物もしたり、
 おなかがすいたからからおしゃれなカフェに入って、一緒におしゃべりしながら軽く食事を済ませたりと、
 ちょっとした女の子同士のショッピングも楽しんできましたの。
 でも楽しくて忘れちゃいけませんの、メインはあくまでも愛情たっぷりクッキー、ですの!


「ねえ……もう帰ろうよ四葉ちゃん……」

「ナニ言ってるんデスか! 今日は、可憐ちゃんと白雪ちゃんを同時にチェキできる日なんデスよ!
 このチャンスを逃がすテはないのデス!」


 と、姫たちの後ろから、ヒソヒソ話のような……でも全然隠す気の無いような普通の大きさの話し声が姫の耳に入りましたの。
 それは可憐ちゃんと同じ姫の兄妹の、鈴凛ちゃんと四葉ちゃんの声でしたの。

 ふたりはとってもなかよしさんで、よくコンビで探偵団ごっこなんかをやっていますの。
 もっとも、鈴凛ちゃんは四葉ちゃんに強引につき合わされてるだけかもしれませんけど。
 きっと今も電柱の裏にでも隠れて、姫の後ろで四葉ちゃんの言う「チェキ」に勤しんでるはずですの。


「四葉ちゃんたち、今日はずっとついてきてるね」

「ですの」


 実は、四葉ちゃんたちがショッピングの途中から姫たちを尾行していること、姫たちとっくに気がついていましたの。
 だけどそのことは――鈴凛ちゃんはどうか知りませんのけど――四葉ちゃんは気づかれていないと思ってますの。
 だから姫たち、四葉ちゃんのことを思って、四葉ちゃんたちの尾行には気づかないフリをしてあげてますの。
 これこそ「家族を思いやる気持ち」ですの、ムフン……


「これも、可憐ちゃんが可愛いからですのね」

「ち、違うよ! 白雪ちゃんが、だよぉ……」

「いーえ、違いませんの!」


 可憐ちゃんは、姫よりもほんのちょっとだけ可愛くて、みんなにも優しく接するとっても良い子なんですの。
 引っ込み思案でおとなしいと言えばそうですけど……でもそれは思いやる気持ちを持っているから。
 だから、可憐ちゃんは特にみんなから好かれているって、姫は思っていますの。
 実際、姫も可憐ちゃんのことはと〜っても大好きですの
 こ〜んな可愛い子が姫と同じ姉妹だなんて、姫は幸せモノですのね♥♥

 四葉ちゃんもきっと、そんな可憐ちゃんの魅力にメロメロになっちゃったんですの。
 ……あ、こんな言い方すると、四葉ちゃんが特殊な嗜好の持ち主に見えちゃいますの……イヤーン♥♥


「ううん、やっぱり可憐なんかじゃなくて、白雪ちゃんだよっ!
 白雪ちゃんは可憐と違って、みんなにお料理やお菓子をいっぱい作ってくれるから……
 だから可憐なんかよりもみんなに好かれて……」

「そんなことないですの! 可憐ちゃんは姫なんかよりも可愛いから、みんなからも愛されてるんですの!」


 お互い、「可愛い」と「好かれている」の譲り合いのちょっと変な光景。
 誰だって自分の方が可愛い、好かれてるって思われる方が良いに決まってるっていうのに。
 でも、それでも姫は、やっぱり可憐ちゃんの方がそうだと思うんですの。
 今だって、可憐ちゃんは本当に遠慮深いですの。まあ、そんな可愛いところが可憐ちゃんの魅力ですの
 だからきっと、後ろの方から聞こえるふたりの会話に耳を澄ますと、姫とおんなじ意見を言うに決まってますの。


「ねぇ、四葉ちゃん……念のために確認するけど、そーいう趣味の人じゃないよね?」

「もー、ナニ言ってるんデスか? そんなの違うに決まってるじゃないデスか。
 四葉のイチバンは兄チャマデス」


 やっぱり、四葉ちゃんが特殊な嗜好だなんて姫のイケナイ妄想でしたの。
 そんな風に考えちゃってごめんなさいですの、四葉ちゃん。


「じゃあ……白雪ちゃんたちは?」

「同率1位デス もしくは女の子部門1位デス♥♥

「さいですか……」


 呆れ気味に答える鈴凛ちゃん。
 でもそんな鈴凛ちゃんの声とは反対に、姫はちょっとドキッとしたのと嬉しいって気持ちが込みあがってきましたの
 だって、姫もトップに選ばれるだなんて……ムフン、光栄ですの
 でも、素直に可憐ちゃんの方が可愛いって言ってくれればいいのに……絶対、姫なんかより可愛いと思うのに……。


「もうーっ! ただオンナノコ同士だから、イッパイイッパイふれあいたいって、そーいう感情デスよっ!
 大体、おふたりは女の子として可愛いとおもいませんか!?」

「そりゃあ……あのふたり、女の子女の子してて可愛いのは認めるけどさぁ……。
 それにしたって、四葉ちゃんのはちょっと行き過ぎじゃあ……」

「あ〜んな可愛いおふたりがノーガードで並ばれると……なんか、いぢりたいとか考えちゃうじゃないデスか〜


 …………。


「ああン、おふたりとも、ホントーに可愛くて、可愛くて、可愛くて可愛くて可愛くてぇ……
 調べても調べても調べても調べても調べても調べても調べても調べても調べても調べても調べ足りまセン♪」

「ちょっとダーク系SS入っちゃってるよ……」

「おふたりに四葉のキッスの嵐を送りたいデス〜、らぶゆ〜」

「四葉ちゃん、絶対アブナイ」

「キッスなんてスキンシップデスよっ。クフフっ クフフフっ♥♥ グフフフフっ♥♥♥


 …………………………。


「どうしたの白雪ちゃん? 苦いお薬でも飲んだみたいな顔をしちゃって……」

「な、なんでもないですの!!」


 可憐ちゃんは、姫に良い立場を譲ることに夢中で、四葉ちゃんのデンジャーなワードはきいてなかったみたいですの……。
 だったら姫も、四葉ちゃんの危険域を突破しちゃってた言葉に気づかないフリをして、現実から目を逸らしちゃいますの


「へ、ヘイ、可愛い彼女たち! お、おちゃしない」


 と、丁度公園を横切ろうとした時でしたの。
 突然、その公園の中から姫たちをお誘いしようとする声が……。
 いや〜ん♥♥ いくら姫たちが可愛いからって、ナンパなお兄さんが声を掛けてきちゃいましたの〜♥♥

 でも、そんなナンパな台詞とは裏腹に、その声は上ずっていて、緊張の面持ちを隠しきれないような口調でしたの。
 そんな初々しいところも、なんだか可愛いというか、母性本能をくすぐられちゃうというか……
 も、もうっ、姫ったら、一体なに考えてるんでしょう……!? 姫はにいさま一筋ですのに……。

 隣の可憐ちゃんに目を向けると、お誘いされるのは初めてなのか、なんだかドキドキ真っ赤になっちゃってましたの。
 そして、どうしたらいいか分からず、「どうしようか」もしくは「なんとかして」な視線をちらちらと姫の方に送ってきますの……。
 ひ、姫だって、こんなこと…初めて、で……どうしたら良いかなんて分かりませんの〜〜っ……!

 でも、可憐ちゃんだって姫に負けじとにいさま一筋。
 姫たちの可愛さにメロメロになっちゃったナンパなお兄さんには気の毒ですのけど、
 ここはハッキリ断わって上げるのが親切なはずですの!


「あれ? 衛ちゃん」


 そう、例え相手が衛ちゃんでもはっきり……………って、衛ちゃん?

 あれこれ考えていた姫よりも一足早く、ナンパなお兄さんに振り向いていた可憐ちゃん。
 その声に反応して姫も目を向けると……そこに居たのはナンパなお兄さんなんかじゃなく、
 ましてや男の人なんかでもない……姫の、"姉妹"の、衛ちゃんの姿が……。

 予想もしていなかった衛ちゃんの姿に驚いて目をまんまるにしちゃった姫たちに、
 衛ちゃんはあはは、なんてカラ笑いを向けて答えてましたの。


「も、もうっ! 花穂ちゃんが絶対上手くいくって言うからっ」

「え〜、だって衛ちゃん、下手な男の子よりもカッコイイから」


 そして、お隣には花穂ちゃんの姿が。
 おふたりは「すっごく恥ずかしかったんだよ」、「絶対上手く行くと思ったんだけどなぁ」とそれぞれ言葉を交わしてましたの。
 なんだですの、このナンパは花穂ちゃん発案のイタズラだったんですの。


「うふふっ……そうだよね。だって衛ちゃんからそんなことするわけないもんね」


 可憐ちゃんの言う通りですの。
 衛ちゃんはオトコノコみたいな外見の割にとってもシャイで、
 こんな風にお誘いするだなんて、とてもじゃないけどできないような照れ屋さんなんですの。


「失礼だなぁ……ボクだって、その気になったら……」


 衛ちゃんは、サッと手早い動きで、可憐ちゃんの腰に手を回し、右手を左手で掴んで、グイッとその華奢な体を抱き寄せましたの。


「え? え? え?」


 困惑する可憐ちゃんの耳元に、そっと顔を寄せて、いつもよりもハスキーで、とっても凛々しい声で囁くように……


「可憐ちゃんを…、本気で誘うことだって、できるんだよ……」

「―――〜〜〜〜〜っっ!!??」


 ……可憐ちゃんを、一発でトマトみたくしちゃいましたの……。
 言葉じゃなくて、かもし出す雰囲気で……。


「な、なんて……わぁあああっ?! ぼぼぼ、ボクっ! な、ナニやってるんだろうね! あ、アハハっ!!」


 やっぱり恥ずかしかったらしく、慌てて可憐ちゃんから離れて、衛ちゃん「その気」はそこでタイムオーバー。
 でも、今一瞬だけ見せた、可憐ちゃんに攻め寄る衛ちゃんの姿は本物のオトコノコみたいで……
 まるでにいさまみたいに凛々しくて……一瞬、姫の方もドキッとしちゃいましたの……。
 にいさまごめんなさい……。


「え、えと……そ、それでっ! ふ、ふたりはっ…な、なんでここに!?」


 一方、まだ衛ちゃんの魅力に参っちゃってる可憐ちゃんは、全然立て直せていないらしく、
 さっきの衛ちゃん以上に上ずった声で、一生懸命話題を逸らそうとしてましたの。
 衛ちゃんも衛ちゃんで、なんだか可憐ちゃんに負けじと紅い顔でうつむいていましたの。

 でも、可憐ちゃんの動揺、分からなくもないんですの。
 もし姫が誘われちゃってたら……きっと姫だって……。


「え、っと……ボクはね、ちょっとトレーニングにここまで来たんだ」

「花穂はね、花穂はね、衛ちゃんの応援に来た―――きゃあっ!?」


 と、話しているその途端に、なんと花穂ちゃんがこけちゃいましたの。
 さすがは花穂ちゃん、動きなんて全くゼロのところでこけちゃうなんて、並大抵のドジじゃないですの。


「大丈夫ですの……?」

「う、うん……花穂ドジだから……こんなの慣れっこだよ」


 えへへっ、だなんて無理矢理作った笑顔で答える花穂ちゃん。
 強がってはいるけれどやっぱり痛いらしく、目からは涙がうっすらと浮かび上がってましたの。
 ちょっと心配になって駆け寄ってみると、花穂ちゃんの膝の辺りから血が……。


「大変ですの!」


 姫、慌てて花穂ちゃんの手を引いて、近くのベンチに荷物と一緒に花穂ちゃんを座らせました。
 そして、公園の水飲み場で持っていたハンカチを濡らして、急いでその傷の応急処置をしておきましたの。


「あ、ありがとう……白雪ちゃん」

「いいえ、どういたしましてですの


 だけど花穂ちゃんのおひざのケガは実際は見た目よりもずっと浅くて、姫、大袈裟に声をあげちゃいましたけど、
 なんだかそのせいで姫の方が逆に迷惑かけちゃったかもしれませんの……。
 でもそんな不安は無用だったみたいで、花穂ちゃんは姫を感謝のまなざしで見つめて、
 その上「なんだかママみたいだね……」なんて付け加えてまで……いやん 花穂ちゃんったらっ♥♥
 ママみたいだなんて……姫、ちょっと照れちゃいますの〜♥♥♥


「白雪ちゃんは、絶対良いお母さんになるよね

「花穂ちゃんの言うとおりだよね。ボクもそう思うよ!」

「あ、可憐もそう思うな」


 姫たちのところまでやってきた衛ちゃんも、花穂ちゃんの言葉に首を立てに振っていましたの。
 そして可憐ちゃんも、姫とおんなじようにベンチに荷物を置きながら、同じように答えてくれましたの。

 イヤーン みんなしてそんな風に言われたら、なんだか姫、ますます照れちゃいますの〜♥♥♥♥

 でも、ママみたいだなんて……姫にはまだまだ早い話……
 その前ににいさまとの愛を深めなくては、ですの……ムフン♥♥


「あ〜あ、女の子同士でも良いなら、花穂が白雪ちゃんをお嫁さんにするのになぁ……」


 ………………………………。


「え? あれ? どうしたの?」


 突然の衝撃発言に、姫たちの周囲の空間は思わず静まり返る。
 その原因を口にした等の花穂ちゃんが、ただひとりその理由を理解していませんでしたの。


「あっ!! ちちち違うよ! 花穂そーいう意味で言ったんじゃなくて!
 えっと、その……だ、だからぁ……そのくらい良いお嫁さんになるって、ママになれるって、そう言いたかっただけでぇ……
 もちろん1番はお兄ちゃまなんだけどぉ………」


 自分が言った言葉の意味にハッと気がついて、慌てて訂正をはじめる花穂ちゃん。
 なんだ、姫、思わず花穂ちゃんにプロポーズされちゃったかとビックリしちゃいましたの。
 要するに、それくらい姫のこと、理想の「お嫁さん」に像としてみているって、ことなんですのね。
 ムフン 嬉しいお言葉ですの〜♥♥


「だ、だから……花穂が衛ちゃんだったら、絶対白雪ちゃんをお嫁さんにしているって言いたかったの!」

「花穂ちゃんマチナサイ。ボクこれでも女の子デスヨ」

「そうだ、衛ちゃんのお嫁さんになれば良いんだよ!!」

「いや、なに名案ってつもりで言ってるのさ!? 突拍子ないし、花穂ちゃんの得ないし、そもそも女の子同士でダメだし」


 言えば言うほどどんどん泥沼化していく花穂ちゃんに、衛ちゃんの鋭いツッコミが入ってりますの。
 このふたり、もしかしたら天性の漫才コンビなのかもしれませんの。
 漫才コンビと言えば……


「クフフフゥ……おふたりとも可愛いデス……ベリーぷりてぃーデス……」

「四葉ちゃん……既になんかアヤシイ人だよ……」


 公園の入り口付近の茂みから聞こえてくるあの探偵団のおふたりも、立派な漫才コンビですの。


「あ、白雪ちゃんだー」

「可憐ちゃんも、なの……」


 と、またまた唐突に、今度はまだ幼さの残るふたつの声が姫の耳に届きましたの。
 弾むような口調と静かでのんびりした口調の、聞き覚えのある正反対のふたつの声。


「雛子ちゃん、亞里亞ちゃん」


 それは、姫たちの兄妹の中では一番幼い雛子ちゃんと亞里亞ちゃんのふたりでしたの。
 衛ちゃんと花穂ちゃんと会えただけじゃなく、雛子ちゃんたちにまで会えるなんて、なんだかすっごい偶然ですの♥♥


「白雪ちゃ〜ん」
「白雪ちゃ〜ん……くすくす」


 姫の名前を呼びながら駆け寄ってくる幼いふたり。まるで姫に会えたことが本当に嬉しいみたいに。
 そこまでふたりに好かれてると思うと、姫、シアワセですの


「おかしおかしー」
「おかしなの〜」


 ………………これって、愛されてるってコト……ですの?


「ふふふっ……白雪ちゃん、本当にふたりに好かれているんだね


 でも「=おかし」って見られて好かれてますの。
 それはそれでモノでつってるようでビミョーな気分ですの……。


「くすくす……亞里亞ね……白雪ちゃんのために高級食材をご用意します……。
 だから、もっといっぱい……おいしいショコラやケーキ、作ってね……


 それだったら亞里亞ちゃん家のパティシエさんに直接作ってもらった方が良いと思うんですの。
 っていうか、おかしのない姫って、ふたりに価値があるんでしょうか……?


「でもでも、可憐ちゃんだって姫に負けじと好かれますの! ほら、よくピアノ演奏聞かせてあげてるじゃないのですか」


 姫にばかりふたりが駆け寄ってきちゃったものだから、可憐ちゃんに誤解させちゃうんじゃって思ってそう口にしましたの。
 さっきの話の続きになっちゃいますのけど、やっぱり可憐ちゃんの方が好かれてるって、可憐ちゃんに伝えたかったから……。


「絶対可憐ちゃんだって、十分ふたりに愛されてるんですの ですのよね、ふたりとも」

「うんっ!」


 雛子ちゃんは持ち前の元気さのまま、姫の思った通りのお返事を元気に答えてくれましたの。
 ほらっ やっぱり可憐ちゃんだって好かれてるんですの


「亞里亞は……音楽も……好き?」


 亞里亞ちゃん、自分のことなんですのから、疑問に思わないで自信を持って言うんですの。
 っていうか、モノとかなくて人間で見て欲しいんですの。


「でも……ヒナ、くらしっくってよく分からないんだよね……」

「うふふっ じゃあ今度は雛子ちゃんの好きな曲を弾いてあげる。楽譜さえあればなんだって弾いて上げられるからね」

「…だったら……ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲……………ピアノソナタ『月光』を……頼んでも良いかな………?」


 と、またまたまた突然に、丁度雛子ちゃんたちが駆け寄って来た方向から、
 静かで、とても落ち着いたイメージの凛と澄んだ声が聞こえてきましたの。
 顔を上げて目を向けてみると、まるで男の人のスーツのような黒い服を着こなして、
 それでも、その端麗な顔立ちやスレンダーなスタイルからハッキリと女性と分かるその姿は、千影ねえさまのお姿でしたの。

 千影ねえさまはちょっとミステリアスで、ちょっと変わってて、ちょっと恐い感じもしますのけど……
 でも反面、それもカッコいいって思わせるくらい、人を惹きつける不思議な魅力を持っている、クールな姫たちのねえさまですの


「千影ちゃんも公園に来ていたんですか?」

「ふたりの付き添いだって」


 可憐ちゃんの質問に、花穂ちゃんが答えましたの。
 そういえば、花穂ちゃんたちは公園に居たんですのから、同じく公園に居た3人とは当然会っているはずですのね。


「だけど……まさかこんな所でキミ達に出会えるだなんて…………、フフ……運命だね……………」


 ほんの少しだけお口を綻ばせて、姫たちに出会えた喜びを表現していましたの。
 千影ねえさまの表情は普段滅多に変わることのない表情だから、ほんのわずかな変化でもとても新鮮。
 分かる人にはとても"嬉しい"がつまっているってことが分かる微笑みなんですの。

 そして、その微笑み顔のまま、流れるような自然な動作で、姫の顎に手を添えて、
 まるで心まで見透かすように姫の瞳を覗き込むと……そのまま顔を近づけ始め……って、え? え!? え、ですの!?
 まさか、ねえさま……姫に……ききききキスを〜〜〜!?!?!


「ストップ・ザ・チェキック!!」

ぐあっ!?


 と、ここに来て、今までずっと舞台裏に潜んでいた四葉ちゃんがとうとう表舞台まで降り立ってきましたの。
 それにしてもチェキックって……「チェキ」と「キック」を足して「チェキック」、ですの……?
 ああ、四葉ちゃんらしい安直なネーミングですの……。
 というか四葉ちゃん、お顔はダメですの、折角のねえさまの綺麗な顔が台無しになっちゃいますの。


「あ〜、もう四葉ちゃんったらぁ……」


 仕方ないという感じに、相棒の鈴凛ちゃんも続いて登場。
 まあ、最初からいるのは知っていましたから、この際衛ちゃんたちと一緒に輪に加わってくれた方が、姫としては良いと思いますの。
 姫たちのところに来るなり「千影ちゃんごめんね」と代わりに謝る鈴凛ちゃんは、なんだか四葉ちゃんの保護者さんみたいでしたの。


「千影ちゃん見損ないました! オンナノコにまで手を出すだなんて!! そんなヘンタイさんだったなんて!!」


 四葉ちゃんは派手に登場するやいなや、鼻血だらだらで地面に突っ伏す千影ねえさまを見下し、
 ビシッと指を突きつけながら責め立てましたの。


「チクショウ、うらやましいなっ! デスっ!!」


 台無しですの。


「あんなに四葉たちの前で語り尽くしていた兄チャマの想いは、全部タテマエだったんデスかっ!?」

「…いや…………私はもちろん兄くん一筋だよ………。
 ただ私は……別に兄妹だ他人だ…男だ女だに拘らず…………ただより美しいものに……心魅かれるだけさ……………」


 まあ、差別なく良いものは良いと言える。そういう精神は見習いたいところですのけど……でもそれって一筋ですの?


「…なんていうか………12人一緒じゃダメですか? ……って感じで…………」

「それって節操がないだけですのっ!?」

「しかも、兄妹みんな水準高いじゃないか! Let's 博愛!!

「プレイボーイなだけですのーっ!!?」


 いつもの寡黙な口調じゃなくて、妙なノリになっちゃったねえさまにツッコミを入れる。
 ああ、なんか自分のイメージの中ではありえない光景に、姫、ちょっと頭の切り替えが上手くいきませんの……。
 あ、訂正ですの、ねえさまは女の人だから「プレイガール」でしたの。


「え? 可憐も…入っちゃってるん、ですか?」

「ヒナもなの?」

「四葉もデスか!?」

「アタシも入んの!?」

「ええっ!? ぼぼボクもっ?!?」

「花穂もー?」

「亞里亞も、なの……?」


 口々に千影ねえさまの12人切りの宣言(意訳)に問い返すみんな。
 まあ、自分もメンバーに入れられちゃったら、確かに気になっちゃいますの……。


「………………」


 すると、千影ねえさまは突然黙って、ここにいる全員を吟味するように見回してから、


「なんていうか……8人一緒じゃダメですか? って感じで」

「「「「「「うわっ! 4人カットして訂正された!?」」」」」」」


 ああ、千影ねえさまだけはいつも突拍子過ぎて、姫、ついていけませんの……。


「4人カットして訂正されちゃったの……」


 亞里亞ちゃんはのんびり過ぎてついていけませんの……。

 コロコロと代わる場の流れに、頭が追いつけなくなった姫は、
 思わず呆れ気味に「一体誰が抜けたんですの……?」なんてこぼしてしまいました。

 ……それが、まずかったですの……。


「…安心したまえ…………キミ達ふたりは……生き残り組みだよ」


 いつの間にか、姫の後ろに回り込んでいた千影ねえさま。
 丁度姫と可憐ちゃん間に割り込むように入ってくると、肩に手を置いて、グイッと姫たちをそれぞれ抱き寄せましたの。


「しかも……………上位に、ね………」

「で、ですのっ?!」

「え!? え!? か、可憐もですか!?」


 手を動かし、まるで蛇さんのように首筋に指を這わせながら、
 唇の端を軽く持ち上げた妙に妖しい微笑のままで、姫と可憐ちゃんをかわるがわる色目をつかって見比べるねえさま。


    ぞわわわわ〜


 あ、安心できませんの……!
 姫にはそんな趣味ないですの、姫はにいさま一筋のですの……!
 可憐ちゃんだって、本当は姫以上ににいさまに執着をギラつかせていますのっ!


「フフフ…………さぁ行こう………ふたりだけの世界に……………」

「3人ですの! いえ、3人なら良いってワケでもないですのけどっ!」

「どっちでも構わないさ…………」

「姫はどっちでもゴメンですのーーーっっ!?」

「チェキック・the・Legend!

がはっ!?


 途端、千影ちゃんの体は再び豪快に吹き飛んでいきましたの。


「ダイジョーブでしたか、おふたりとも!?」

「あ、ありがとうですの……」


 姫たちをヘンな世界に連れて行こうとするイケナイねえさまの魔の手から救ってくれたのは、
 まあ台詞からも分かりましたけれど、四葉ちゃんその人でしたの。
 っていうか、何が伝説なんですの?


「でも……」

「チェキ?」

「ちょっと、やりすぎですの……」


 千影ちゃんの体は、さっき以上に豪快に吹き飛んで、今もゴロンゴロンと地面を転がり続けてますの……。
 姫に続くように、可憐ちゃんも「そうだよ、千影ちゃんが可哀想だよぉ……」なんて、同じ意見を口にしますの。


「……おふたりは、四葉よりも千影ちゃんの方が大切なんデスか……?」


 折角助けてもらったというのに、被害を加えようとした千影ねえさまの方ばかり気に掛ける姫たちに、
 四葉ちゃんは不意に、寂しげな顔と口調を向けて来ましたの。
 その目は……ほんのちょっとだけ潤んだ瞳になって……。


「やっぱり、千影ちゃんの方が、繋がりが……キズナが、強いからデスか……?」

「え?」

「四葉、みんなと違って……一緒にいられなかったから……ずっと、イギリスでひとりきりだったカラ……」


 四葉ちゃんは、姫たちへの答えというよりは独り言のように、
 「みんなとの付き合いが短いから」とか「もっとみんなと居たかった」とか、そんなことを呟き始めてしまいましたの。


(……そう、だったんですのね……)


 寂しいから。
 だから四葉ちゃんは……ちょっとだけ行き過ぎちゃうものを求めちゃってたんですのね……。


「亞里亞も……フランスで「ええい、黙れデス! ブルジョア!!」


 ………………今のは見なかったことにしますの。


「そんなことないですの! 四葉ちゃんはみんなにちゃんと愛されていますの! ねぇ、可憐ちゃん」

「はい、そんなことないです。みんな四葉ちゃんのこと、大好きですよ……。もちろん、可憐も……」

「ホント……デスか?」

「もちろん姫もですの


 姫たちは、寂しさに打ちひしがれそうになっていた四葉ちゃんを励ましてあげましたの。
 だって、姫たちの言葉はウソ偽りのない本当のことなんですのから。
 それでも、まだ四葉ちゃんの不安は解消できないみたいで……なんだかもじもじと呟くようにこう言ったんですの。


「だったら…………てクダサイ……」

「え? 今なんて?」

「だから……四葉に……キッス、してクダサイ……」


 ………………………………。


「ええええええぇぇっっ!?!?」


 四葉ちゃんったら、さっきの千影ねえさまに対抗してか、そんな要求を……そ、そんな……キスだなんて……
 でもでも、四葉ちゃんは姫たちとの絆を感じたいから……だからそんなことを言ったわけで……
 でもでもでも、女の子のキョウダイで……そんな……い、イケナイですの〜っ!!??!


「……うーん……分かった、いいよ」

「か、可憐ちゃんっ!?」


 姫が思い悩んでいると、なんと可憐ちゃんったらダイタンにもOKのお返事を返しちゃいましたの!
 か、可憐ちゃん!? 可憐ちゃんはそれで良いんですの!?


「うふふっ…… 白雪ちゃん、四葉ちゃんにとってみたら、キスはスキンシップなんだよ」

「……へ? あ……!」


 そうですの、一言にキスって言っても色々ありますの。
 今まで外国暮らししてた四葉ちゃんは、向こうでも挨拶程度でキスしてきたはず……。
 でもそれは、お口にじゃなくて……ほっぺた、もしくはおでこに。

 も、もうっ、姫ったら、女の子同士なのにお口同士だなんて、イケナイ妄想しちゃいましたの……。
 ああ〜ん、すっごくすっごく恥ずかしい勘違いですの〜。


「ホントウデスか!?」

「うん、本当だよ


 可憐ちゃんが答えると、今までの不安そうな態度からは一転して、四葉ちゃんは嬉しそうなにっこり笑顔に早変わり。
 うふふっ…… やっぱり四葉ちゃんにはこんな明るい笑顔の方が似合ってますのね


「キシシシッ じゃあ……」


 そう言って、四葉ちゃんは目を瞑ると、お口をきゅっとつぼめて……可憐ちゃんに突き出し、て……


「「「「はいーーーーーっっ!?」」」」


 えっと……どうやら四葉ちゃんは、姫と同じ意味で受け取っちゃってたらしいですの……。

 そんな四葉ちゃんの態度に、可憐ちゃんだけじゃなく、
 その場にいた衛ちゃん、花穂ちゃん、それから姫も、声を合わせて驚いちゃいましたの。
 雛子ちゃんたちはよく分かってないらしく、首を傾げるだけで、千影ねえさまはさっきから地面に伏していましたの。
 ふと視界に入った鈴凛ちゃんは、いつも一緒に居て行動パターンが分かっていたからなのか、
 おでこに手を当てて「やっぱり……」ってため息を漏らしていましたの。


「よ、四葉ちゃん……キスって……お、お口に……なの……!?」

「んー♥♥


 当然、可憐ちゃんは、まさか四葉ちゃんがそこまでするだなんて思ってもみなかったから慌てふためくばかり。
 四葉ちゃんは可憐ちゃんから何を言われてもノーコメントのままで、そのままずいっと顔を近づけましたの。
 可憐ちゃんは、接近した四葉ちゃんに気圧されちゃうように後ずさる。
 もし後ろに下がっていなかったら、その拍子でそのまま可憐ちゃんは……しちゃった、かも……。
 というより、それを狙ってた……ですの?


「だ、だめだよっ! キ…キスはねっ……! た、大切だからっ……お兄ちゃんのだからっ!


 可憐ちゃん、何ドサクサに紛れてずうずうしいこと言ってるんですの!
 姫だって、にいさまのくちびる狙ってますの!
 でも、ここのままじゃあ可憐ちゃんの"大切"が、四葉ちゃんに奪われちゃいますの!
 いくら寂しがってるからって、スキンシップにだって限度がありますの! ワキマエというものがありますの!!


「もー! 可憐ちゃん、困ってるじゃないのですのー!!」


 だから姫、可憐ちゃんの両肩に手を寄せて、そのまま姫の体で可憐ちゃんを四葉ちゃんから隠すようにグイって引き寄せましたの。
 可憐ちゃんは姫にとって大好きな存在。
 もちろんヘンな意味なんかじゃなくて……姉妹として、同じ女の子として、
 にいさまを巡るライバルもなにも関係なくお守りしましたの。

 四葉ちゃんのおねだりから解放された可憐ちゃん。
 その口から、安心したように「白雪ちゃん……」なんて姫の名前を呼ぶ声がこぼれ出てきましたの。
 ムフン…… なんだか姫、今だけはナイトさんの気分ですの……。
 姫、自分はお姫様の立場って思っていましたけど、こういうのもたまには良いですのね


「抜け駆けはいけないね…………だったら、私にも……」


 すると四葉ちゃんとは反対方向――ちょうど遠ざけた可憐ちゃんのいる方向からそんな声が。
 なんと、さっき蹴り飛ばされた千影ねえさまがいつの間にか復活してますの!?


「亞里亞も……キスしたいの」

「えー! みんなでやるんならヒナもしたいよー」


 ね、ねえさまだけじゃないですの!? 約2名、キスの重要性を分からずに飛び入り参加しちゃいましたの!
 これは大変ですの! 四葉ちゃんのおねだりをきっかけに「可憐ちゃんのくちびる争奪戦」が始まってしまいましたの!!
 話題が話題だけに、衛ちゃんと鈴凛ちゃんは顔を赤くして、おろおろまごまご戸惑うばかりで……
 もうっ、ふたりともオトコノコみたいなクセに、こういうことにはホント弱いんですのねっ!


「だ、ダメだよっ! 可憐ちゃんの言うとおり、キスは大切なんだよっ」


 唯一、花穂ちゃんだけが、女の子として純情を持って止めに入ってくれていることが救いでしたの。
 でも、当然花穂ちゃんひとりで他の4人を抑えきることなんてできず、
 みんなして可憐ちゃんのくちびるを求めて、まるでどこかのホラー映画のゾンビさんたちみたいにじわじわと迫ってきましたの。


「もーーーっ!! いい加減にするんですのっ!!」


 みんなの態度に、とうとう姫の堪忍袋もぷっつん。
 姫だって、いつもにこにこ許すばかりじゃないですの!


「可憐ちゃんの大切、こんなコトで奪っちゃダメだって分からないんですの!?」

「それは…………」

「……?? くすん……」

「ありり? いけないことだったの?」


 ビシッと言った甲斐はありまして、ゾンビ軍のみんなピタッとその動きを止めてくれましたの。


「で、でも、四葉は―――」

「言い訳は聞きたくないんですの! みんながそのつもりなら……」


 未だ可憐ちゃんの肩を両手で抱き寄せた体勢のままだった姫は、みんなに向けた顔を可憐ちゃんに面と向かわせると……。


「姫が……奪っちゃいますの

「「「「「「「ええええぇぇっっ!?」」」」」」」


 と、思わぬ伏兵登場に一同驚きを隠せずに、揃えて大声を上げちゃってましたの。
 あ、亞里亞ちゃんはそんな気にしてなかったらしいですけど。

 当の可憐ちゃんはくるくる回っていく展開についていけず、姫がお顔を近づけ始めても、まったく動けなくなっちゃってましたの。
 抵抗もできないまま、真っ赤になって、「え? え? え?」なんて困惑の声を上げて可憐ちゃん。
 そして、とうとう観念したかのように、赤い顔のままで、目と口をぎゅっと閉じ、覚悟を決めちゃいましたの……。
 そのまま、姫は可憐ちゃんに顔を更に近づけて……


「なんちゃって


 あと数センチってところで顔を止めると、いたずらっぽくぺろっと舌を出してウインクを送りましたの。

 もちろん、本気でするワケないんですの。
 姫の"大切"だって、にいさまのためのとっておき、ですの♥♥

 可憐ちゃんは「へ?」なんて気の抜けた声を漏らしてすと、
 頭の整理がついたのか、安心したようにへなへなと力が抜けて、その場に崩れ落ちそうになってしまいましたの。
 でも、姫が肩を抱いていましたので、そのまま地面にぺたんと崩れ落ちちゃうことはなかったんですの。

 可憐ちゃんだけじゃなくて、四葉ちゃんや千影ねえさま、それに他のみんなも、姫の冗談に安心したようにほっと一息。
 でも亞里亞ちゃんはさっきからぼーっとしていますの。
 千影ねえさまったら「君のことは好きだが………危うくケシズミにするだけでは飽き足らず……持てる全てをつぎ込んで…………
 …輪廻転生の輪から……外してしまうところだったよ…………」なんてって、シャレにならないですのーーーっっ!?


「も、もうっ! 可憐、本当にドキドキしたんですから!」


 可憐ちゃんは、一緒になってくちびるを狙い出した姫を叱るよう、ぷりぷりと可愛く怒っちゃいましたの。
 うふふっ、ちょっとした冗談ですのよ

 でもいくら可愛いからって鼻血はまずいですの、千影ねえさま。


「もうっ、白雪ちゃんったらぁ」


 他のみんなと同じように安心した花穂ちゃんは、バンッ、っと姫の背中を一押し。
 弾みで、姫の体が数センチだけ……前、に……


    ちゅっ


「「……ん?」」


 前には、可憐ちゃんの顔があって……今までで感じたことがないくらい、可憐ちゃんとの距離が縮まっていて……
 ……縮まるというより……距離がなくなったような……。
 ような……というよりは、本当に距離がなくて……。……へ? え?
 ……姫の"何か"と……可憐ちゃんの"何か"が当たってい…ますの……?


「「んっ?! んんっ!!??!」」


 姫…本当…に……、可憐ちゃん、と……?


「わっ! わぁーっ、ですのっ!?」

「え? え? え?」


 慌てて可憐ちゃんから距離を取りましたの。
 そこでやっと、近過ぎて全部見えなかった可憐ちゃんの顔がはっきりと見えるようになりましたの。
 可憐ちゃんは突然のことになにが起こったのか分からず、呆けたように同じ「え? え? え?」なんて、
 同じ言葉をくり返し口にしていましたの。


「え? なに? どうしたの?」


 花穂ちゃんはなにが起きたか分からないかのように、他の子たちにそう聞いていて、
 その質問に、なにか言い難そうに、真っ赤になってもごもご衛ちゃんと鈴凛ちゃん。
 亞里亞ちゃんは何故かくすくす笑って、四葉ちゃんと千影ねえさまは……石になっていましたの。

 状況から察するに、まさか姫…姫は……い、いや〜〜ん!?!?


「え、えっと……く…口……?」


 突然の出来事に、可憐ちゃんはなにが起きたかはハッキリとは分からなかったみたいで……
 ―――でも状況からなんとなく察しはついているみたいで、だから違うよねってことを確認するため、姫に短く聞いてきましたの。
 もちろん姫も何が起きたかなんてハッキリと分かりませんでしたの……。
 もし"そう"だとしても……姫、経験ないから……。

 可憐ちゃんはかなり言葉をはしょって訪ねてきましけれど、お互いの考えていたことは同じで、
 意思疎通はしっかりととれていましたのから、姫は正直に……それでも恐る恐る、答えましたの……。


「……口……ですの……」

「可憐も…………くち……なの……」


 ………………………………。


「「わわわわわ!?!??」」


 それってつまり、姫がフリでやったことを……フリじゃなくて本気で……って……イヤ〜ンっ!?!?!

 お互い、触れ合っちゃった部分を手で押さえながら、同じタイミングで更にお互いの距離を取りましたの。
 かあっと、頭に一気に血が上ってきて、姫も可憐ちゃんもあっという間に真っ赤っかになって……
 お胸もドキドキが止まらなくなって…………姫、そんなことするつもり……全然なかったのに……。
 ああ〜ん、にいさまのためのとっておきが〜〜〜。ショックですの〜〜〜。


「じ、事故……だよねっ……!? ねっ!?」

「……え? あ、も、もちろんですの! 事故ですの!!」


 お互いにトマトさんみたいに真っ赤っかーな顔を向け合いながら、
 事故だよね、事故だよね、って、相手よりは自分に言い聞かせるように、くり返し言い合いましたの。
 そ、そうですの、これは事故なんですのっ!


Go to hell〜……」


 横から、千影ねえさまが血の涙を流しながら、手に黒い光のような何かを収束させて、
 その中から「オォォォォォォ……」という怨念の呻き声が……―――


「ノォォォォォぉぉぉぉッッッッ!?!??」


 いやん、姫ったらはしたないですの……


「ち、千影ちゃん、ストップストップ!」

「ダメダメダメダメー! なんか良く分かんないけどそれ使っちゃダメーっ!!」


 大慌てで止めに入る衛ちゃんと鈴凛ちゃん。
 だけど、そんなふたりを気にも留めず、ねえさまは血の涙を流しながら姫たちを睨みつけて、


「よくも……よくも私の可憐くんに……いや寧ろよくも私の白雪くんにっ……!
 ああ、ちくしょう、どっちも羨ましいなっ!!」


 なんかヘンなことを口走ってますの!
 っていうか、ふたり一緒じゃダメですの〜〜!!


「そうかっ! 今可憐くんと口づけを交わせば、白雪くんとも間接キスできて一挙両党じゃん♪」


 また突拍子もないことを口走る千影ねえさま。
 ああ、千影ねえさま、いつもの凛々しいあなたはどこへ……?


「そーデス、イギリスではキッスはスキンシップなのデス! なので四葉ともしちゃいましょう! 両得キッスプリーズデス!!」


 四葉ちゃんは四葉ちゃんで全然スジの通ってないことを口走ってますし。
 って、まずいですの!?
 し…しちゃった……から、かえってふたりにやり易くなってるように思われちゃったですのっ!?


「ふ、ふたりともダメだよ〜!」


 そんなふたりの前に、果敢にも立ち塞がって止めに入ってくれたのは、なんと花穂ちゃん。
 ああ、花穂ちゃん……花穂ちゃんは乙女の純情の味方ですの……。

 でも姫と可憐ちゃんの純情にトドメを刺したのは花穂ちゃんですのけど。


「亞里亞も……キスする?」

「あ、亞里亞ちゃんも、ダメだ―――きゃぁっ!?」


 別の方向から―――花穂ちゃんからすれば後ろからも、亞里亞ちゃんからの争奪戦参加の意思表明が。
 花穂ちゃんはそれも止めようと振り返ったんですのけど……そのはずみで、花穂ちゃんはバランスを崩しちゃって、
 そのまま……――


    ちゅっ


「あ」


 騒がしくなりかけた場の空気が、その場に再び訪れた"一大イベント"でまたも一気に静まり返りましたの……。
 さっき姫が可憐ちゃんとし、しちゃった……時と、同じくらい。
 それもそのはずですの……。
 だって、だって……こけた花穂ちゃんは、その拍子に、亞里亞ちゃんと……


「花穂ちゃんも……キス、しちゃった……」

「わ、わわぁぁっ!?! 」


 その静まりを最初に破ったのは、衛ちゃんの……状況をはっきりと伝えてくれた言葉でしたの。
 角度の関係上、姫たちにもしっかりと、ふたりのお口が重なり合うのが目撃できましたの……。
 ああ、乙女の純情の一番の敵は、花穂ちゃん自身でしたの……。

 衛ちゃんの言葉で自分の状況をやっと理解できた花穂ちゃんは、
 声を上げながら、慌てて自分の女の子の純情を捧げてしまった相手から離れましたの。


「う、うぇ〜〜ん……花穂、花穂の……初めてだったのにぃ〜〜!」

「くすくす……亞里亞もキスしちゃったの……☆」


 花穂ちゃんは当たり前のように悲しんで、亞里亞ちゃんはやっぱり重要性を良く分かっていないらしく、
 姫たちと同じことができたと喜んでいましたの。
 多分、亞里亞ちゃんにとってキスっていうのは、「好きって言われた」と同意義程度の軽い気持ちで受け取っていると思うんですの。
 その「好き」には、恋も家族も男の子も区別がないから、だから喜んじゃっているんだと思いますの……。
 にこにこ笑う亞里亞ちゃんに、対称にわんわん悲しむ花穂ちゃん……。


「花穂ちゃん……元気ないないなの? 亞里亞のせい……?」

「え? …ううん、亞里亞ちゃんは悪くないよ……全部、花穂がドジなのが悪いんだよぉ……ぐすっ……」

「元気出して、なの☆」


    ちゅっ♥♥


「わわわっっ!?!??」


 全員がその光景にビックリして、その亞里亞ちゃんのダイタンな行動に目をまんまるにしてしまいましたの。
 哀れ花穂ちゃんは、セカンドキッスまでもが亞里亞ちゃんと……。
 キスの意味をしっかり理解していない亞里亞ちゃん自身は、ただ「好き」を伝えるだけの軽い気持ちで行なってるのでしょうけど、
 でもそれを「ラブ」で受け取っちゃう花穂ちゃんにとってはとても困った「好き」をなんですの。
 ああ、花穂ちゃんが、亞里亞ちゃんの手……いえ、お口によって、イケナイ世界へ連れて行かれますの……。


「いーなー、みんな仲良しさんでぇ……」


 傍から見ていた雛子ちゃんも、亞里亞ちゃん同様行為の重要性がまだ良く分かっていないらしく、
 女の子同士だっていうのに羨ましがって見ていましたの。
 幼さ故の無知は恐ろしいですの。


「じゃあヒナは衛ちゃんとする!」

「うぇぇっ!?!?」


 大変ですの、幼いふたりが道を外れようとしてますの。


「衛ちゃん、ちゅー♥♥

「だ、ダメだよーーーーっっ!!」

「でも衛ちゃん、オトコノコみたいだから適任だよ」

「イヤな適任だな、おい」


 っていうか、オトコノコとするものって分かっててですの、雛子ちゃん?


「まもるちゃ〜〜〜ん」

「だだだだめーーーーっっ!!」


 雛子ちゃんの積極的な押しに耐え切れず、衛ちゃんは逃げるようにいずこかに走り去っていきましたの。
 さすが毎日走っているだけあって、衛ちゃんの姿はあっというちっちゃく。
 雛子ちゃんはトテトテとした足取りで、「ちゅーしよー」なんて口にしながら、衛ちゃんを追っかけて行きましたの。
 ……というか、雛子ちゃんの将来が心配ですの……。


「ま、待ってよぉ〜! 花穂も、花穂も置いてかないで〜〜!」


 花穂ちゃんも、亞里亞ちゃんの押しにどうしようもなくなって、逃げる衛ちゃんについていくようにどこかへ行ってしまいましたの。
 ちなみに亞里亞ちゃんは、愛しの花穂ちゃんにしがみついたままでしたので、そのまま一緒にどこかへ……。
 っていうか花穂ちゃん意外とちからもち?

 ああ、亞里亞ちゃんの将来も気になりますの……。
 これは、早いうちにふたりにきちんと真っすぐな教育をしてあげなくては、ですの! ムフン


「花穂くんは亞里亞くんに…………衛くんは雛子ちゃんに任せて……………」

「四葉たちもレッツ・カップリングデス

「………………はッ!?」


 た、大変ですの! 残ったのは特に危ないふたりでしたの!

 四葉ちゃんはただのスキンシップのつもりかもしれませんのけど(それでも行き過ぎですの)、
 ねえさまのは明らかに深い関係を狙っての行動ですの! アブナイですの!! Warningですの!!
 このままでは姫たちふたりに、知らない世界に連れて行かれますの〜〜〜!!

 ……ま、まあ、既に可憐ちゃんと片足突っ込んじゃいましたけど……。
 で、でも1回しちゃったから軽々捧げちゃうとか、そういうものなんかじゃないですの!


「千影ちゃん、可憐ちゃんは譲りマスから、四葉に白雪ちゃんを任せてクダサイ」

「心得たでゴザル!」


 千影ねえさま、ゴザルって……。
 じゃなくってっ! さっきまで蹴ったりけられたりしてたクセにこんな時だけチームワーク良くならないで欲しいんですのーっ!


「白雪ちゃ〜ん クフフゥっ♥♥

「さあ……可憐くん…………行こう、ふたりだけの世界に…………」


 迫り来る四葉ちゃん、同様に千影ちゃんに迫られる可憐ちゃん……
 ああ、姫たち……このままもう一度イケナイ世界を垣間見ちゃうんですの……?

 これ以上は……これ以上は、


「イヤなんですの〜〜〜〜っっ!!」












    ビリビリビリビリビリッッッッ


「「チェキチェキチェキチェキ!?!?」」


 と、突然、千影ちゃんと四葉ちゃんがスパーク。
 青白い閃光が体中を走り、ガクガクと激しく痙攣を起こすふたりの骨格が、一瞬だけはっきりと見えた気がしましたの。

 っていうか、何故千影ねえさままでチェキという悲鳴で?
 露骨な手抜きのためにそういうネタにしちゃうのは良くないですの!
 というか、その解説に更に文章書き進めていたら世話ねーよ、ですの。


「もー、ふたりともいい加減にしなよ」


 と、四葉ちゃんたちの背後から愚痴のような文句が。
 崩れ落ちたふたりの背後から出てきた姿は……


「大丈夫だった? ふたりとも」


 鈴凛ちゃんですの!
 うっかりしていましたの。
 ふたりのインパクトが強すぎて、うっかり鈴凛ちゃんの存在を忘れていましたの。

 鈴凛ちゃんは、どこかに隠し持っていた改良型スタンガン――多分チカンさん撃退用のですの――で、
 四葉ちゃんたちをおとなしくさせてくれたんですの。
 方法はどうあれ、姫たちはアブナイ世界につれていかれずに済みましたの……。

 ……でも骨が見えるほどの電撃って法的人道的に大丈夫なんですの?


「なんとか、大丈夫でしたの……」

「あ、ありがとう……」


 鈴凛ちゃんは、めんどくさそうに「しょうがないな」と、千影ちゃんたちを一瞥してこぼしていましたの。

 窮地を救ってくれた鈴凛ちゃんは……まるでステキなナイト様でしたの
 さっきの姫よりも断然、カッコ良かったですの……♥♥


「ったく……。アタシだってね……白雪ちゃんたちのコト、大切に思ってるんだからね……」


 鈴凛ちゃんは、寂しそうな羨ましそうな、そんな感情が含まれたような物言いで、ぽつりと呟やきましたの。
 鈴凛ちゃん……ひょっとしたらふたりに嫉妬して……?


「大切な…………資金源なんだから……」


 いやん、鈴凛ちゃんらしいお金目当てでしたの。












 鈴凛ちゃんは、焼肉と化した四葉ちゃんと千影ちゃんのデュオ「焼肉’s」を引き摺って、それぞれの自宅まで運搬してきましたの。
 去り際に、「ふたりとも、あったかい資金援助と、ふたりのイケナイ情事の口止め料待ってるよ」なんて、
 脅迫染みた資金援助を要求するという守銭奴っぷりを披露して。
 ……そういうトコロさえなければ、鈴凛ちゃんはとっても素敵な人だと思うんですのに……。

 そうして、まるで嵐のような慌しいお時間は去っていきました。
 姫と可憐ちゃんをぽつんと残して。

 可憐ちゃんと、ふたりきり……


「ぁぅ……」


 ふたりきりになれば、当然……さっきの事故が……頭を過ぎって……収まった胸のドキドキが、またはじまっちゃいました……。
 チラッと可憐ちゃんの顔を覗こうとしたら、可憐ちゃんも同じことを考えていたらしく、目が合っちゃって……
 なんだか恥ずかしくなって、お互い目を背け合っちゃいましたの……。


「あの……姫は、気にしませんから。ほら、女の子同士ではノーカウントって言うですの! ね」


 とりあえず、可憐ちゃんを元気づけるため、無理矢理笑顔を作って、どこかで聞いたことのあった話を口にしましたの。


「可憐は…………やっぱり気になっちゃうよぉ……」


 でも可憐ちゃんには、そんな姫の無理矢理取り繕ったような励ましはあんまり効果がなく、
 段々しぼんでいくような声で、なんだか思いつめたような表情になっていましたの……。


「お兄ちゃんと、って……決めてたのにな……」

「…………姫も、ですの……」


 キスは……女の子の一大イベント。
 無視するとかそんな心の整理、すぐにできるわけないですの……。
 姫だって、本当は……。


「ごめんなさいですの。姫があんなこと、冗談でやったばかりに……」

「ううん、悪いのは花穂ちゃんだよ

「それもうそうですのけど」


 とりあえず、この罪人の名は未来永劫刻んでおきますの。
 あ、でも花穂ちゃんは亞里亞ちゃんの手によって同じ目にあっちゃってますのね……しかも2回。


「白雪ちゃんが……可憐の…"特別"に、なっちゃったね……」


 静かに口にする可憐ちゃん。

 そうなんですのね……。可憐ちゃんの言うとおり、姫が……可憐ちゃんの"特別"な相手に、なっちゃいましたの……。
 ……そして可憐ちゃんが、姫の"特別"に……。


「でも許してあげます」

「え?」

「だって、白雪ちゃんは可憐の"特別"になったんですから」


 弾むように、さっきまでの深刻な表情がウソみたいにしれっとして、
 ちょっとだけほっぺたを赤く染めた微笑み顔を向けて言いましたの。


「………………それって、なんかヘンじゃないですの……?」


 しちゃったから特別になっちゃって、特別になったから許して……。
 それじゃあなんだかはじまりと結果が逆になっているような……。


「……まあ、いいですの……」


 可憐ちゃんは姫の大好きな相手……。
 キスする「好き」とは違うけれど、大好きな相手には変わりないから、姫も許しちゃいます


「可憐ちゃんも、姫の"特別"ですのから、ね


 お互い良く分からない理屈で納得し合うと、なんだかそれがとてもおかしくて、姫たちはくすくすと笑い合っちゃいました。
 そして一通りお笑い終えると、姫はそっと、可憐ちゃんの手を握りましたの。
 さっきのあんな出来事の後で急にこんなことしちゃったからか、
 可憐ちゃんはドキッてしちゃったのか、体をちょっとだけビクッてさせちゃってましたの。
 でも姫が笑いかけると、可憐ちゃんもにこって、もう一度笑顔を交換し合ったんですの。


「折角の甘い体験ですの。心の調味料として、にいさまへのクッキーに込めちゃいますの♥♥


 可憐ちゃんに可愛くウインク。
 可憐ちゃんも「うん」って、元気良く答えをくれましたの。
 そしてお互い、ベンチに置いていた荷物をそれぞれ片手で持つと、
 別にそうしようなんて言葉を交わしたわけでもないのに、どちらからともなくもう一度手を繋ぎましたの。
 荷物は片手で持つにはちょっと重い量だったけど……でも、もう片方の手を開けておかなきゃ、手が繋げませんもの、ね……


 さぁ、お家に着いたら……今日の甘い経験を調味料に、ふたりで飛び切りあま〜くておいしいクッキー……完成させますの……











あとがき

朝枝鈴夏さんからのまりりんちう絵のお礼として仕上げたリクエストSS!
リクの内容は『本気でなく半分悪戯的な「可憐総受け」または「白雪総受け」、
もしくは「白雪×可憐」、「花穂×亞里亞」、「衛×雛子」など、まだ描いてない組み合わせ』というものだったのですが、
なんだかどれか選べそうもなかったので、いっそのこと全部やってみました(ぇー
お陰で色々と中途半端になってしまったのではとも思いますが……どれかひとつでもちゃんとできてれば良しとしましょう(苦笑

今回、初の「兄あり」SSです! シスプリの二次創作なのに(爆
普段使わない兄の存在なのですが、「本気じゃない」を上手く表現できるため、
ちょっとしたチャレンジやバリエーションを広げる意味も込めて、「兄あり」の作品として仕上げてみました。
まあ、結局出番はないんですけどね(笑


それから、なにかと総受けは期待する人が多そうなので、「短く書ける総受け」を目指してもみました。
そのため、クドくなくまとめられるように、あえて全員参加は見送りました。
以前執筆した総受け作品「すきすき☆可憐ちゃん」が、それで莫大な量になってしまったので(苦笑
だけど、それでも結構な量に膨れ上がってしまいましたが……。

そういえば、1番適任そうな咲耶を外してしまいましたね……そうなると代わりに四葉が壊れてしまうらしいです。
あと、鞠絵はあえて外しました。どうも出してしまうと鈴凛とラブラブさせたくなって仕方ないので(苦笑
そもそも12人別居設定なので、鞠絵は療養所に入院していますし。
期せずして衛、雛子、鈴凛、四葉、亞里亞と、千影カプとしては大きめな相手が出揃ってしまいましたね。
なので、「12人一緒じゃダメですか?」のカットされなかったふたりは、それぞれの好みのキャラを残しておいて下さい(爆

そういうわけで、意外と実験的な要素が大きな作品かもしれません。
思った以上に趣味に走ってしまった作品でもありますが(笑
でも、いつも描いている「恋愛」よりも、こんな「恋に発展しないけど仲良し」な話も、新鮮で書いていて楽しかったです。


それから、リクエスト者の朝枝鈴夏さんが「SWEET TIME」がお気に入りだそうなので、タイトルもそれにかけてみました。
内容にも、似たような描写もちょこっと(笑
でも両方の内容には一切関係はありませんけど。
ちなみに、「SEASON」は「季、季節」ではなく「味付け、調味」という意味です。調べたらそう出てました。
丁度「TIME」とかかった、良い感じのタイトルになってくれて、偶然に感謝です(爆


余談ですが、文頭の鼻歌は、第一期のアニメで良く挿入曲として入ってた、
「ぱっぱ ぱっぱぱ〜 やっぱっぱっ ぱ〜やぱっぱっぱ〜♪」のリズムで。(←と書いて伝わるのでしょうか?)


更新履歴

H17・4/3:完成
H17・4/4:脱字修正
H17・4/10:誤字他修正
H19・3/19:誤字他修正


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