ネタ振りラリー過去ログ

第十回 お題『妹達の60年史』(熊谷はさみさんからの出題)

 

妹達が60歳までに体験する主な出来事を考えて下さい。箇条書きでOKです。

というのも、公式のシスプリはとても閉鎖的です。
各キャラはとても狭い世界、短い時間を生き、家庭内に収まる愛情の輪っかをくるくる回すだけです。
あからさまに人工的な、無菌室的空間。
たとえばほら、アニメの24話くらいのサブタイトルが『はじめてのお客様』だったでしょ?
ありえませんって! こんなに外部との交流がない家庭。(ていうか山田をカウントしてないし)

だから、回答者の皆さんはどうか妹達を社会に解き放って下さい。
公式にありえない第一の要素は、「社会参加」です。
学生時代を終えたら、妹達も何かしらの職業に携わるでしょう。
それぞれが目標を抱き、現実と戦っていくはずです。

そしてもう一つのありえない要素は「老い」です。美しくも醜くも、人間は経験とともに歳を重ねます。
「ゲームのキャラは歳をとらない」という制約から、妹達をしばし開放するのです。
今まで無縁だった生老病死の中に置いてみてください。(でも鞠絵はそうでもないか)

皆さんの想像100%で結構です。
栄光も挫折もひっくるめて、人間ドラマが展開されることでしょう。
ストーリー的な起承転結は求めませんから、出来事だけ羅列すれば十分です。

 

なりゅーの回答

いや、さすがに最後だけあって難易度の高いお題が来ましたね・・・。

うちは百合サイトですが、あまりそれに偏った答えもどうかと思いましたので、
「百合」、「兄あり」、「兄なし」、全てに対応させるため、
眞深以外は、「子供」と「結婚相手」に関してのコメントを極力控えさせていただいただきました(苦笑
年代があやふやなのは、妹たち自身の年齢があやふやだから(苦笑

とりあえず、何とか絞り出した回答は以下の通りです。



可憐

 ・ごく普通に中学、高校と卒業、別にピアニストを目指していたわけではないのでそれまでにピアノは辞める。
 ・普通か普通上の大学に通う。
 ・卒業後ごく普通に中小企業の会社に勤める。
 ・20代後半までにごく普通に結婚し、寿退社。
 ・ごく普通の専業主婦をごく普通にこなす。根が真面目なのでサボったりはしない。
 ・ごく普通の生活で、ごく普通の幸福を得る。
  たまに学生時代の友達とお茶を飲みに行ったりなどして、
 ・60歳、ごく普通に老いた。
  このご時世「普通に生きる」という最も難しい生き方を実践し、今後も普通に生きる。
  実は誰よりも凄いことをこなしているが、本人はもうちょっと変化のある生活をしたかったようだ。


花穂
 ・高校、大学と、ドジだけど平凡な生活を続ける。
 ・大学卒業後、それなりに勉強をしてから小さな花屋を開く。
 ・職業柄(?)森林保護や砂漠化のニュースが妙に気になる。
 ・30代、とうとう砂漠に渡り森林保護のため自然を増やそうとスケールのでかいことを始める。
  本人曰く、「地球さんを応援しちゃいます♪」
 ・60歳、徐々にだけど確実に花穂の成果が出始め、砂漠に緑は蘇りつつあった。
  恐らく花穂はその結末を見届けることはないが、花穂の業績はきっと実を結び、
  ひとつの砂漠に緑を取り戻すことができるだろう。



 ・とりあえず普通に高校まで卒業。
 ・体育大学に入学し、在校中にスカウトされ、オリンピックのマラソン選手を目指しはじめる。
 ・女子オリンピック選手に選ばれる。
 ・オリンピック選手としてテレビ番組に出演するようになる。
 ・しかし金メダルを取れないまま、選手生命を終える。
 ・昔とった杵柄、元オリンピック選手としてテレビ出演するようになる。この頃番組中に顔面パイを経験。
 ・気がつけばバラエティ番組のレギュラーに。
 ・30代前半、ドラマ出演なども頻繁にこなすようになり、以後タレントとして特にバラエティでいじられ続ける。
 ・40代後半、仕事も減り、普通に暮らし始めるが、本人はその生活に満足・・・というか安心する。
 ・60歳、「あの人は今」に出演、その時またいじられた。


咲耶
 ・高校在学中にスカウトされアイドルデビュー。
 ・高校卒業後、大学には通わずにアイドルとして本格的に活動。
 ・しっかりとした実力が伴っており、10代のうちにオリコン1位を取り、その年に紅白出場を果たす。
 ・ドラマやバラエティなど、様々なテレビ番組に出演するようになる。
 ・ポ○モン映画で映画限定キャラの声を担当させられる(ぇ
 ・20代後半、ハリウッドへ渡り全米デビューに挑戦。
 ・大成功とはいかなかったもののそれなりの成果を上げて日本に戻ってくる。
 ・30代後半、シミやそばかす、小ジワなどが目立つようになり、
  美容に更なる注意を払いつつ、自分の老いを実感してくる。
 ・40代、まだまだ若いと言われ、タレントとしても未だに大活躍中。
  しかし、その裏で必死に老化と戦っており、その努力は誰にも見せない。
 ・60歳、結局芸能界にずっと居座り続け、その業界で古株として新人からは怖がられながらも、
  同時に尊敬の目で見られて、最後までその生き方を貫く。
  誰よりも早く結婚するかと思われたが、結局結婚はしないまま。
 ・ただし、これは愛する相手がいない状態、
  百合であろうと兄であろう愛する対象がいれば、
  咲耶は「たった一人の愛する人」を最優先に全く違う人生を歩む。


雛子
 ・実は絵描きの素質が在ったため、高校時代には美術部に入り、賞も貰う。
 ・本格的に絵の道に歩むより、幼い頃の絵描きの素質の元となった絵本作りにあこがれるようになる。
 ・大学卒業後は絵本作家に弟子入り。
 ・20代後半に絵本作家デビュー、30前半には実力もつきぼちぼち売れ始める。
 ・大きくはないが小さくもない位置でぼちぼち売り続けるが、その内結婚を機に絵本作家引退を考えはじめる。
 ・主婦に専念することを選び、絵本作家は引退。
 ・60歳、普通でない人生を歩むと思われたが、結局は普通の人生に落ち着いてしまう。
  でも、雛子自身は普通の生活に戻って気が楽だと感じている。


鞠絵
 ・小学校入学前に病気が発覚、療養所に入院。
 ・自分に姉妹(兄妹)が居たことを聞かされ、
  新しく出来た姉妹たちと楽しく過ごす(ここらへんが「シスプリ」の年代)。
 ・療養の甲斐あって、十代の内に退院することができる。
 ・予てよりの夢だった看護婦になるべく、看護学校へ入学。
 ・趣味で小説も書くいて、それなりに賞は貰えるが、小説家としてはデビューしない。
  あくまで趣味の範囲と実力。
 ・卒業後、無事に看護婦になる。
 ・結婚に伴い看護婦を辞める。
 ・愛する人と、ごく普通の生活を送り、それが何よりも幸福だということを実感。
 ・60歳、それまでに鞠絵自身には特に何もないが、
  若き日に病気がちな日々を送った彼女にとっては「何も起きない」自体がイベント。
  それ以後も特に何事もなく平凡だけど幸せな日常を送り続けた。


白雪
 ・小中高と普通に学校を卒業。
 ・大学時代、本当に好きな人を見つけ、その人をひっそり想い続け始める。
 ・毎日お弁当を作ってあげるが、それ以外は遠くから見守るだけ。
  積極的なのか消極的なのか分からない付き合い方をする。
 ・卒業後ひっそりと想い続けた相手に気持ちが通じたのか、やっと付き合い始める。
 ・健全な付き合いの末とうとう結婚、大好きな人と普通の主婦として暮らす。既に30近く。
 ・ご近所でお料理の上手な奥様と評判に。
  ただし料理教室などは開かずに、普通の主婦として暮らしていく。
 ・大好きな相手ただひとりのために、日々新しい料理を開発し続ける生活を送る。
  たまに成功する。
 ・60歳、料理上手な主婦として普通に暮らしている。
  が、裏では怪しい料理・・・もとい愛情はたっぷりの新メニューを作り続ける生活を送る
  よく外では「料理教室を開けばよかったね」と言われるが、
  その時白雪の結婚相手はこっそり首を横に振っていたりする。


鈴凛
 ・高校の時に念願の留学を果たす。
 ・数年後、アメリカで技術を身につけ帰ってくる。
 ・そのまま有名企業に入社。
 ・画期的発明を連発し、徐々にその地位と実力を高めつつ、若き天才女技術者の名を馳せお金に困らなくなる。
  と思いきや、利益より技術に目がいっていて全然手元に残らない(一応普通に暮らせるけど)。
 ・30代の頃、ついにメカ鈴凛をモデルとした量産型アンドロイドを試みる。
 ・この頃メカ鈴凛に異変。パーツが古くなったことや、当時の技術不足が原因と分かる。
 ・メカ鈴凛に限界。「人間」として生きた彼女を誇りに思い、
  当たり前に「悲しんで」、もう一人の自分に別れを告げた。
 ・40代前半頃、メカ鈴凛をモデルとした量産型アンドロイドの試作機完成。
  ただし、人格プログラムや学習プログラムなどはあえて外して作り上げた。
  メカ鈴凛を見て、無闇に「命」を作ることを拒んだためである。
 ・60歳、メカばかりに目がいっていて結局男を捕まえ損ねる。ただし本人は別段気にしていない。
  新たな技術を探求し続け、勤勉に発明の日々を送り続ける。


千影
 ・10代の終わりごろ突然失踪。
 ・それから十数年後、目撃情報が入る。
  既に30代半ばのはずだが、姿は当時のままだったとのこと。
  恐らく娘と推測される。
 ・怪事件が良く起こる廃ビルで再び目撃されたとの情報が入るが、結局見つけられない。
  それ以後、廃ビルでの怪事件の噂はなくなったとか・・・。
 ・同じように怪事件の起こる場所から目撃情報が入るが、すぐに行方を暗ましてしまう。
 ・ある日、彼女の姉妹の誰かが原因不明の病に臥した。
  その時、当時と変わらぬ姿の千影が姉妹の前に現れる。
  「家族を巻き込むな」と強い口調で言い漏らしていたらしい。
 ・それからまた姿を暗ますが、今度は思ったより早く見つかる。
 ・その時、娘かと思われていたが、実は正真正銘本人だったことが、本人の口より判明。
 ・同時に千影の口から失踪した理由が告白される。
  自分のせいで家族が「闇に潜むもの」たちに襲われるため、
  それに巻き込まないために去ったらしい。
 ・そして、家族とそれ以来会わないよう告げるが、
  「それでも私たちの家族だ」という姉妹たちの言葉に胸を打たれ、
  自分のしてきたことは決して無駄でなかったと知り、泣き崩れた。
 ・それ以後、たまには家族の温もりが懐かしくなり、ときどき安全な時などに皆の前に顔を出すようにはなった。
 ・年齢的には60歳時、今も家族のために闇に潜むものと戦っている(ぇ
  ちなみに若さの秘訣(ぇ)は教えてくれないまま。


春歌
 ・大学卒業後、国語の教師に就職。
 ・弓道部の顧問も勤める。が、薙刀部の顧問より薙刀が上手い。
 ・そのせいで薙刀部の顧問と薙刀対決、楽勝ではなかったものの苦戦したでもなく普通に勝利。
 ・その噂が広がり、元々高かった生徒からの人気も更に高まる。
 ・最強教員伝説の幕開け(ぇ
 ・家庭科の先生と刺繍対決!
  僅差で春歌の勝ち、その後、家庭科の先生と固い友情で結ばれる。
 ・美術の先生と芸術対決!
  春歌は「華」で対抗して芸術力を競う。
  結果は、美術の先生のセンスに誰もついてこれず、パッと見きれいな春歌の勝ち。
 ・定年間近の国語の先生との書道対決!
  しかし書道の素晴らしさを理解できるものがおらず、結局引き分け。
 ・給食のおばちゃんと料理対決!
  春歌の圧倒的勝利。
  しかし春歌は給食の領分を遥かに越えた「郷土料理」を出してしまったため、無効試合となる。
  勝負に勝って給食に負けた一戦だった・・・。
 ・泥棒と対決。
  宿直の日に学校に泥棒が侵入、捕まえるために合気道で投げ飛ばした。
 ・その後様々な対決があるものの、春歌は何とか勝利をものにしてきた。
  しかし全てが楽な戦いはなかった。
 ・などとアホなことに付き合わされて、気がつけば50歳。
  以後、たまに勝負を持ちかけられるものの、それ以外は普通に教員生活を送っていく。
 ・60歳、定年を迎える。生徒たちに見送られながら家に帰ると、
  受け持ったほとんどの生徒から寄せ書きが送られてきて、嬉し涙を流しながら教職を終えた。


四葉
 ・高校卒業後、名探偵の助手に。
 ・師の教えもあり探偵のノウハウを習得、そのうち自立して自分の事務所を持つようになる、この時20代後半。
 ・腕はそれなりに立つが、持ち前のおっちょこちょいっぷりで客足は良い訳ではない(悪くもないけど)。
 ・ある事件をきっかけに、ある警部と面識を持つようになる。
  以後、その警部が依頼を持ち込んできてくれるため、生活はそれなりに安定はするようになる。
 ・ある日、警部から難事件を持ち込まれ、犯人のトリックを見事暴き、名実共に一時有名になる。
 ・その甲斐あってか、それからしばらくの間テレビなどに多少出演。
 ・世間とは冷たいもの、ブームが去って仕事が一気に減る。
 ・事件がサッパリこなくて事務所の危機。
 ・今月どうやって過ごせば良いのか困っているところに警部から依頼が来る。
  あまり大したことはないけれども、今月を乗り切るためには仕事を選ぶ余裕はなかった。
 ・実は意外な展開が待っており、かなり臨時収入を手に入れ、
  しばらくは仕事は少なかったものの、生活は安定する。
 ・師の死、わんわん泣きじゃくるかと思われたが静かに冥福を祈る。
  しかし、部屋でひとりになった途端、堰を切ったように大声で泣く。
  師の存在は、四葉にとってそれ程大きなものだった。
 ・師の死をきっかけに心機一転、より名探偵になるべく意気込む。この頃30代後半なりかけ。
 ・ある日、警部紹介の難事件で間違った推理を示したことで事務所の危機。
 ・しかし、ふとした証拠品から実は四葉の推理の方が真実であったことが判明、事務所も名前も持ち直す。
 ・また事務所の危機。
 ・また持ち直した。
 ・またまた事務所の危機だがまた何とか持ち直した。
 ・体力的に動き回ることに限界を感じる。大体40代。
 ・やむを得ずであっても、方針を変えたため事務所の危機。
 ・難事件解決、持ち直す。
  この時、今までの積み重ねから実力もかなりのものになり、おっちょこちょいも起こさなくなったので、
  その方針でも安定して暮らしていける。
 ・40代後半なりかけ、友人の警部が殉職、長年の友のため静かに冥福を祈る。
 ・60歳、知る人ぞ知る女名探偵として、それなりに有名に。
  この頃には落ち着いた貫禄をかもし出すようになっている。
  ちなみに、婚期は逃した(苦笑


亞里亞
 ・良いとこのお嬢様だったため、英才教育を施され、
  成績優秀、運動神経抜群、春歌並に何でもできるようになる。
  が、その反動で、高校入学時には完全に性格が反転。
  せっかちで猫っ被りの、外面は良いがお転婆な性格へと変貌する。
 ・高校時代、そんな亞里亞にライバル登場。
  でも軽くあしらう。恐らく春歌に対する柿ノ本さんっぽい相手。
 ・高校卒業、もっと続くかと思われたがライバルとの関係はそれっきりとなる。
 ・有名一流大学に通い、ここでも成績優秀。
  ただし「天才」や「才能」といわれ、自分の努力はなんだったんだとムカつく日々を送っている。
 ・亞里亞の引き取り先の父親が病の床に伏せたため、大学卒業後に即財閥を引き継ぐことに。
 ・無問題ではなかったものの、自身の勤勉な努力の甲斐あってか、財閥自体は安定。
  ここでも「才能」やら「天才」やら言われてちょっとムカつく。
 ・よく抜け出すようになり、秘書にまでなって亞里亞について来てくれたじいやを未だに困らせる。
 ・亞里亞に縁談が出る。しかしそれは政略結婚に近いものだった。この頃まだ20代。
 ・心無い結婚ではなく、自分が本当に愛した人と生涯を歩むため、
  全てを捨てて自由奔放に生きる道を選ぶ。
 ・苦労はあっても、自身の能力や今まで培った精神力で乗り切る。もはや当時の亞里亞ではない(苦笑
 ・途中何度もじいやに居場所を見つけられ「戻ってきてくれ」と説得されるが、全て断る。
 ・とうとうじいやも折れ、亞里亞はこれで財閥の手から完全に自由となった。
  じいやは亞里亞との関係は切らず、財閥関係の人間には内密に付き合い続ける。
 ・30代前半にして、何にも縛られることなく静かにのんびりとした生活を送る。
  もともとの性格がそうだったためか、その生活に非常に馴染んでいる。
  でもせっかちのまま。
 ・60歳、高齢の割に運動も勉強もまだまだいけるため、何でもできる美人のおばあさんとしてご近所で有名。
  「こんな自分も、小さい頃は内気で何もできなかった」などと近所の子供たちに話していそう。


眞深
 ・危ういながらもなんとか高校を卒業。
 ・私立の大学に入学。
 ・大学を卒業するが、手に職はなくフリーターとして生きる。
 ・兄の燦緒はしっかりエリートコースを歩んで居るが、それに頼らずにひとりで暮らしていく。
  生活は大変だったが、持ち前のタフさとしぶとさで何とか生き延びる。
 ・大学卒業から2年後、とうとう手に職を持つ。でも力仕事。
 ・なかなか報われない人生を歩む彼女だが、ある日転機が訪れる。
  職場でイイ男に出会い、一目惚れ。
 ・でもあっけなく振られる。
 ・今度は冴えない男に出会う。
  しかし根は真面目で相手のために尽くせるタイプ(海神航みたいなタイプと思ってください)。
  最初は馬鹿にしていた彼に、徐々に魅かれるようになり、気がつけば1年でゴールイン。
 ・彼のことは「カッコ良くないがカッコイイ」と評価するのが口癖になる。
 ・彼とは共働きで生活するが、子供ができたことを機に退職、専業主婦になる。30歳。
 ・子供ができたことと、共働きでなくなったことにより、金銭的に生活が苦しくなる。
  が、持ち前のタフさとしぶとさで、彼を引っ張りつつ、何とか生き延びてゆく。
 ・子供の学費やら、税金やら、妙に庶民派が続く。
  お陰でおばさんクサさに磨きがかかる。
 ・そんなこんなで60歳、なかなか苦労人で報われがたい人生だったけど、
  「ま、こんな人生もなかなか楽しかったよ」と、気楽に前を見て、これからも人生を楽しんで生きていく。


メカ鈴凛
 ・鈴凛の手により作られる。
  起動実験やその度のデータ収集から始まっているので、明確な誕生日時はハッキリしない。
 ・学習型AIを搭載し、鈴凛の努力や他の妹たちとのふれあいにより、
  最初は赤ん坊みたいだったメカ鈴凛も、わずか1年ちょっとでそれなりの知識や技術などを身につける。
 ・鈴凛留学。とりあえず妹たちが快く面倒を見てくれて、同時に鈴凛を忘れないという役目も果たされる。
 ・破損箇所修理や、老朽化したパーツの交換などでよく皆を困らせた。
 ・皆とは違い、自分の姿が変わらないことを微妙にコンプレックスに感じ始める。
  これが学習型AIの成果なのだろうが、彼女自身はあまり嬉しくないようだ。
 ・鈴凛が留学から帰ってくる。以後鈴凛の元で生活。
 ・姿が変わらないことを鈴凛に相談した結果、外形を違うものにするかと提案され、
  そのことに「なんだか違う」と感じ、結局その姿のまま過ごすことに落ち着く。
 ・この頃メカ鈴凛に異変。大元のパーツが古くなったことや、当時の技術不足が原因と分かる。
 ・データを別の個体に移せば済むことだったが、メカ鈴凛はそれを拒否。
  様々な経験や出会いを経て、誰よりも人間らしく成長した彼女は、
  「自分」を何よりも大切にしたいという結論を導き出し、亡びを抱えた体でもそれを受け止め、背負って生きていきたいと望む。
  そのためバックアップデータを全て消去してもらい、残り少ない余生を送ることを選んだ。
 ・人のそれとは違うけれども、彼女にも確かに「老い」が在り、本人もそれを受け入れることを望んだ結果である。
 ・メカ鈴凛にとうとう最期の時が訪れる。
  皆の悲しむ姿に囲まれてたそれが、「愛されること」をであると自分なりの結論を導き出し、
  悲しんでくれる人がいる自分は、確かに「死ぬ」のだと理解し、
  自分が幸福であったと実感する中、たくさんの姉妹たちともう一人の自分に別れを告げ、
  そしてその機能を停止させる・・・。



こんな感じの結果となりました・・・。
総じてあまり熊谷さんの望んだ結果には至らなかった気がします・・・。
すみません、一部ヘンな答えで(汗

全てにおいて50代の様子は書けませんでしたが、
おそらく理由としては、生活が定着すると時が流れるのは早いってことでしょう(苦笑

ちなみに、熊谷さんが期待したまりりんもきちんと用意いたしました(ぇ



おまけの「まりりん」(鞠絵×鈴凛):
 ・出会ってから一緒に時を過ごしていくうちに、お互いに魅かれるようになる。
 ・言葉にはしていなくても、自分たちが両想いなのは既に勘付いているが、
  「一緒に居られればそれで良い」と結論づけ、お互いの関係上これ以上進まないように暗黙の了解を取る。
 ・なんかあって押さえ切れなくなった(ぇ
 ・お互い、「お互いでなければダメだ」と思い知り、更に周りからの理解も得られ、
  結局お互いを愛することを選ぶ。
 ・鈴凛の留学前に小さな結婚式を挙げる。
  鞠絵は皆の手作りのウェディングドレスに身を包み、ふたりは永遠の愛を誓う。
 ・法的には無効なので、式を挙げた当日から、お互いの中で「夫婦」になったことに。
  要するに「大切なのは気持ち」だということ。
 ・鈴凛留学、主に手紙やメールでやり取りをする。
  途中鈴凛が会いたいなどと弱気なことをいうけど、
  鈴凛のためを思い鞠絵は会いたい気持ちを抑えて渇を入れる。
 ・でも長期休みの時などはケチケチせずに帰ってくる。
  そのため咲耶に金返せといびられる。
 ・鈴凛が留学を終えて帰ってくると、本格的に一緒に暮らす方向に話が進む。
 ・それに伴いもう1度結婚式を開こうと鞠絵が提案。
  鞠絵の希望により、今度は鈴凛がウェディングドレスに身を包む。
 ・以後「姉妹間」というのを除けば普通の結婚生活を送り、それぞれ上記に示した人生を歩む。
 ・この場合鈴凛は、“男”は捕まえ損ねたが鞠絵はしっかりと捕まえてたりする(笑


鞠絵、鈴凛の年表に加えてくれれば良いように作りましたので(笑

 

直月秋政さんの回答

ちなみに、雛子、千影、春歌、柿ノ本さんの四人には私情入れさせてもらいますのでご了承くださいませ(爆



@可憐の60年史(兄抜き)

・高校卒業後ピアノを本格的に極める為に有名音楽大学に入る。
・在学中、綾小路にプロポーズされるが、「可憐の好みじゃない」と即答。諦めきれない綾小路は再三に渡って交際を申し込むが、ついに可憐は卒業間近に公衆面前で綾小路を拳で殴りつけて「しつこい人はもっと嫌い」と切り捨てる。
・音大卒業後、数年ほどヨーロッパ留学。
・帰国後、プロのピアニストとしてデビュー。知名度や派手さはないが、堅実に固定ファンを得ていく。
・三十代半ばには知る人は知る程にはメジャーになっている。
・四十歳頃、仕事で知り合った男性音楽家と出会う。自分と生い立ちや歩んできた道、さらに思考が似ていることに互いに親近感を覚え、結婚とまではいかなくて半同棲生活を営む事に(可憐は大学時代の事があってそれ以来独身主義)相手も可憐を女性としてではなく良き朋友として接する。
・五十代の頃、その男性音楽家と共同で作った曲が人気を呼んで一躍時の人に。しかし、可憐はこれを人生の区切りとしてプロの世界から引退を決意する。
・六十歳、引退した可憐は男性音楽家と共に小さな街で子供達相手に音楽教室を開く。子供や孫はいないが幸福な余生を送る。
・その後、八十代まで生きて、朋友の男性音楽家に看取られる。



A花穂の60年史(兄あり)

・高校生初めの頃、兄に恋人が出来てショックを受ける。一時腑抜けになって生気がなくなる。
・高校三年時、今までの自分を振り返って「応援する事が自分の生きがい」という事を思い出す。ここで兄への思いを振り切って応援の対象を兄から不特定多数の人々へと移行。
・高校卒業後、普通の大学に進学。そこでチア部の実績を買われて大学のチア部副部長に一年次に抜擢される。
・チアに励みつつ、他に人々を応援し元気付ける方法はないものかと模索する日々を在学中は送る。
・大学を卒業。就職もあまりする気がなかったので大学院へと行ってさらに考える日々を過ごす。
・大学院卒業後、人々を元気付けるには自然の力が有効と結論を出した花穂は趣味でやっていた花を育てる事に着眼して各地に花を植えて育てていこうと計画する。
・しばらくの間資金集めの為に会社(植物関係を扱う会社)に就職。そこで資金と知識を蓄える。
・四十歳のとき会社を退職して暖めてきた計画を実行に移す。植物の苗を集め、全国の荒野に花を植えて育てていく。
・最初は挫折続きであったが、挫けそうになる度に昔の事を思い出して初心に帰って再チャレンジする日々が続く。
・五十代の頃には理解者や協力者が増え始め、日本中、世界中の環境団体からボランティアが出向してきて協力するように。
・六十歳頃にはささやかながら新聞の紙面に「日本の自然を元気づけ応援し続けている人」などと紹介されるようになる。
・ちなみに、結婚は夢に夢中でうっかり考えてなかった。というかドジっ子がここで発揮される「花穂ドジだから結婚するの忘れちゃったvv」(爆)



B衛の60年史(兄抜き)

・中学高校と球技以外のスポーツでは万能っぷりを示してオリンピック候補に選ばれる。
・高校時にはオリンピックに出場(ウィンタースポーツ系)して全国的に有名になる。中性的な容姿からか、男性よりも女性ファンが多い。
・高校卒業後、スポーツの才能を買われて某一流企業に入社。その後も数回オリンピック出場を果たして好成績を収める。
・三十代半ばにトラックに轢かれそうになった子供を庇って生死の境を彷徨うことに。なんとか一命は取り留めたものの、スポーツ選手の生命線は絶たれてしまい二度と急激な運動は出来ない身体に。
・四十代初めに退社。二、三年程複雑な気持ち(プレッシャーやキツイトレーニングスケジュールからの開放感とスポーツが出来なくなった事への失望感←絶望ではない。そのお陰で子供を助けられた事の方が衛的には良いと考えてるので)で故郷で静かな生活を送る。
・その後母校の中学から臨時体育講師として生徒を指導してほしいと依頼される。衛はそれを承諾。
・その後は体育教師として子供達に優しく運動を教えたり、スポーツの素晴らしさを語ったりする日々を送ることに。子供達を見る衛の目は昔の自分を思い出すかのようにとても優しい目をしていた。
・ちなみに結婚の機会はなかった。何せ衛ファンの女性達が男性を徹底的に衛に近づけさせなかった為。衛としてはファンの好意(?)を感謝するべきやら悲しむべきやら・・・。



C咲耶の60年史(兄あり)

・高校時代は学校のアイドルとして男女共に好かれていた。相変わらずシスコンである。
・大学時にスカウトされてモデルに。在学中は二束草鞋の日々を送る。
・大学三年時、兄がついに恋人を作り咲耶との「妹以上恋人未満」の関係に終止符を打つ。その後兄は長い間期待させた挙句の終止符への罪悪感に良心を痛めながらも結婚して仕事の都合で海外へ。
・絶望のあまり咲耶は半年程大学を休講しモデルの仕事も半年ばかりキャンセルして家に引きこもる。そしてリストカット(未遂含んで)を数回起こす。その後失語症にもなる。
・一時は精神病院への入院を懸念された咲耶だが、半年以上独りになって考えた末に、咲耶は兄への深い愛に胸を痛ませながらも立ち直る事を決意する。
・大学を一年留年してしまうがなんとか無事卒業した咲耶はモデルの仕事をしながら演劇の世界に足を踏み入れる。その仕事への情熱は兄の事を忘れる為だと言われても否定できないのではあるが。
・演劇での咲耶の才能が開花し、咲耶は一躍演劇女優として有名になる。咲耶の写るモデル雑誌も飛躍的に売り上げを伸ばす事に。
・映画やドラマ、その他テレビ出演のオファーが多くきたが、咲耶は全てを断り演劇の舞台と雑誌以外には立つ気はないと宣言する。
・三十代になる頃には演技の技術は熟練の域に達し、世界でも認められる演劇女優としての地位を確立する。
・三十五歳頃に「おばさんが紙面に出でも読者さん喜ばないでしょう」と言う理由で雑誌モデルからの引退を表明。演劇一本にその情熱と才能を傾ける。
・四十八歳頃、兄と兄の妻が飛行機事故で死亡。それを聞いた咲耶はショックのあまり翌日に迫った舞台公演をキャンセルしてしまう。
・その後、葬儀後に咲耶は兄の子供と対面する兄と兄の妻との間には四十過ぎになるまで子供がいなく、最近ようやく生まれたという。その幼い男の子は昔の兄にそっくりであった。
・咲耶は兄の子供引き取る事を決意。そして涙を流しながら兄の子供を抱きしめながら誰にも聞こえないように小さく呟いた。「……お帰りなさい、お兄様」
・その後五十歳まで女優として働いた咲耶は引退して兄の子供を慈しむように育てる事に。兄の子供は周りの子供や近所の人から「お前の母さん五十って言うけど嘘だろ。すっごい若く見えるぞ」と言われる。
・そして十数年後、兄の子供が成人して結婚するのを見届けた咲耶は自宅の自室で息を引き取る。その顔は満足そうな笑みを浮かべていた。
・ちなみに結婚はしていません。咲耶は兄に振られた後も兄を愛していたから兄以外の男はアウトオブ眼中なのです。



D雛子の60年史(兄抜き 百合)

・小学生の頃、千影と大恋愛の末に恋人同士に。幼いながらも千影への好きは他の人への好きとは違う好きなのだと自覚するように。
・中学生になり、千影に釣り合うような、千影を護れるぐらいにカッコよくなる事を決意して色んな方面で血の滲むような努力を行う。
・高校生のときには身長180p近くの外国人モデル並みに良い女になる。男女問わず雛子に好意を寄せてくるが、雛子は千影ラブ熱は過熱していてその姿は咲耶二世(笑)学校の生徒会長なんか勤めちゃう文武両党な才女に。
・大学は勿論一流大学に進学。さらにバイクの免許を取ってバイトで溜めたお金で黒のウィングスラッシャー(中古)を購入。女性をキャーキャー言わせる凛々しいお姉さまになるが、千影の前では一人称「ヒナ」なお子様っぷりは消えない。
・大学卒業後は一流企業に入社。バリバリのキャリアウーマンになって会社にとって無くてはならない存在に。しかし千影との時間を潰したくない雛子はどんなに忙しくても八時間労働したら飛んで帰るし、主張は2泊3日以上のはお断り、接待と称して深夜遅く飲むなんて論外というマイペースっぷりを見せる。なので出世にはあまり縁の無い。しかし雛子は気にしないでいる。
・三十代の頃、雛子は自宅で千影とささやかながら二人っきりの結婚式を挙げる。「ちゃんとした結婚式でなくてごめんね」と謝る千影に雛子は「千影ちゃんが傍に居るだけで充分過ぎるよ」と幸せそうに返答。甘甘っぷりは昔から衰えず。
・四十代半ばに会社を辞めて家事に専念する事に。
・五十過ぎに千影と共に人気の少ない山奥に山荘を購入して静かに二人の世界を噛み締める。
・そして天寿を全う。
・幸せ過ぎる人生を雛子は送ってそうです(笑)



E鞠絵の60年史(兄あり)

・十代の半ばを療養所で過ごすが、この時期に鞠絵の病気の特効薬が開発されて鞠絵の体調は少しずつ回復していく。
・療養所で養生する日を過ごすが、その間に猛勉強してついに医大への進学を勝ち取る(兄上様の為に医者になるのが目的)
・偶然にも兄も同じ学校へ進学(鞠絵の為に医者になるのが目的)していた事が発覚。しかも動機も似たり寄ったりだったので兄妹は照れたように苦笑しあうことに。
・大学へ通える程に健康がよくなってきた鞠絵は兄と共に勉学に励む日々を送りつつも、兄と普通の生活を営める事の幸せに舞い上がる。
・大学から大学院へ。鞠絵と兄は医学の道を究めていく。
・卒業後、医者になった鞠絵と兄は同居する事に。しかし職場は同じではないので鞠絵は少しガッカリ。
・それからしばらくの間は何もない日々が続くが、鞠絵は大手病院の腐敗っぷりに辟易して閉口していた。嫌気が差して何もかも投げ出してしまいたい気持ちに駆られていた。
・その事を兄に相談すると、兄は「収入は激減するが、小さな街で開業医を二人でやるか?」と提案してきた。鞠絵はその案に賛成してその日の為の準備を始めた。
・そして三十代半ばに大手病院を去り、兄と共に小さな街で開業医となる。
・ちなみに兄も鞠絵も結婚していない。かといって禁忌の関係に陥らずに優しいプラトニックな関係である。
・二人とも腕がいいのでそこそこ評判となる。
・六十歳になる頃には休憩中に診察椅子に腰掛けてミカエル六世(ミカエルの曾曾孫あたり)の頭を撫でながら兄とまったりしていたり。



F白雪の60年史(兄抜き)

・料理大好きな白雪は中学高校と遺憾なくその実力を発揮している。
・高校の頃、「世界を回って料理の腕を極めたいんですの!」と決意。高校卒業後にヨーロッパへと飛び立つ。
・ヨーロッパ、アメリカ、アジアの有名料理店を回って下働きや修行をすること早十数年。三十歳のときに日本へ帰国を果たす。世界を僅か十数年で極めた白雪の才能は脅威とまで言える。
・さらに白雪は日本各地の料理を極めるためにさらに七、八年放浪する。その間に成人して料理店を経営するにまで立派になったカズくん(キャラコレに出てきた白雪好きな男の子)に告白される。白雪は「こんなおばさんでもよければ、それともう少しだけ持っていてくれたらいいですのv」と笑顔で応じる。
・三十八歳のときに約束どおり結婚。カズくんの経営する店にて料理長として就任。公私共に二人三脚で店を切り盛り。
・世界の味を極めた白雪の独創的な料理の数々が評判を呼び、瞬く間に五つ星レストランになる。
・四十五歳時にチェーン店第一号店を開く。
・四十七歳時には第二号店を開くが、味や技法の拡大空洞化を恐れて店は三店しか開かない。
・六十歳の時に弟子や部下に店を任せられると判断して第一線から退く。しかし料理への情熱が衰えてない事を夫(カズくん)は気づき、料理学校を開設してそこの校長になる事を勧める。
・今現在は料理学校の校長兼教師として弟子の指導に当たっている。




G鈴凛の60年史(兄あり)

・高校時代に既に海外の有名技術系大学から誘いがきていた。兄と離れたくない鈴凛は悩むが、兄が「こうなれば俺も付いて行ってやる!」と漢気溢れる決意を告げたのですぐさま留学。
・兄は家事を鈴凛は勉学と研究と分担して留学の日々を過ごす。その間に様々な発明品や論文を制作して天才少女街道まっしぐら。でもアニキへのラブとメカ鈴凛の日々のバージョンアップは欠かしていない。
・二十五の時に大学院を卒業。ついでに博士号もとってたりする。その後直ぐに現地の研究所のスタッフとして就任する。家の事はアニキとメカ鈴凛が担当。
・日々充実した時間を過ごすが、二十五にもなって大好きなアニキとの進展ナシな事に少し不満を感じる。
・二十九歳のとき、来年には三十路になる事に変な危機感を抱いた鈴凛は戸籍を捏造して「アニキ、実は私達血の繋がった兄妹じゃないの!」と大芝居を打つ。優しいが単純豪放なアニキは「あっ、そうなの?じゃあ結婚しようか」と戸籍を見て信じきってしまって結婚。事実を知っているメカ鈴凛は呆れたように溜息を吐いたが、二人から「じゃあメカ鈴凛は私の娘だよvv」と言われて悪い気はしないので黙っておくことに。
・三十五歳時には研究所スタッフのチーフになって研究所の第一人者になっている。
・アニキは家事の達人になり、その実力は冷蔵庫の乏しい在り合せの物で雑炊などの料理を作れたりするほどに。
・四十歳のときに研究所の日本支部の支部長として日本に帰国する。
・その後何かしら世界をアッと驚かす発明や研究を続ける。
・六十歳にときに引退。故郷に戻り実家のラボを改築してジジのように発明品を弄る日々を過ごす。その隣には優しく寄り添う夫であるアニキと、科学の日進月歩を詰め込んだパーフェクトサイボーg(ゲフゴフン!)……人間により近づいた感のある娘のメカ鈴凛が居たのであった。



H千影の60年史(兄抜き 百合)

・雛子と恋人同士になった千影は幸せな日々を送っていた。
・ただ生活するには働かなくてはいけないので、路上で占い師を始める。某占い師ライダーよりも的中率が高く、日を追うごとに客は増えていき、一日で十万は軽く稼ぐ程であった(ちなみに一回五百円)
・雛子が就職する前は家事は半々だったが、雛子が就職した後は家事は千影が一手に引き受けることに。雛子が申し訳なさそうに誤るのを千影は笑って「気にする事はない」と言った。千影にとって、雛子の為に何かするのが喜びであるから。
・雛子が三十歳のときに結婚。ちなみに千影はこの時点で四十なのだが、外見は殆ど変わってなかった。
・六十歳の頃に人気の少ない山奥に山荘を購入して静かに二人の世界を噛み締める。
・千影が八十歳の頃に雛子死亡(七十歳)千影は雛子を昔のように腕の中に抱いて死を看取った。
・そして雛子の亡骸を桜の木下に埋蔵した千影は静かに目の前にいない雛子に語る。
「私は生き続ける。この自我のまま、千影という名を持ったまま。生きて生きて生き続けて、この星が滅ぶまで。遥かな時間の果てに、この世の最後のひとりとなって生きて、最後の命が尽きる瞬間、私はキミに証明するだろう。
私の愛は、永劫だったと……」
って、ごめんなさい(汗)千影の台詞は炎の蜃気楼の最終巻の直江の台詞殆どそのまんま引用です(爆)でも千影に言わせても違和感ないなぁこの台詞。
というわけで、千影も最後の最後まで幸せだったということですね。



I春歌の60年史(兄あり 百合)

・学生時代は人の目を気にせずに柿ノ本さんにアタックし続ける。
・でも何故か学校の成績良いから大学には推薦入試でしかもトップで合格。一流学校の法学部に。
・在籍中も柿ノ本さん(何故か同じ大学同じ学部になってしまう)を追い掛け回して男と言えば兄君さまぐらいしか興味のないちょっと変人な女性としてある意味大学名物に。でも美人で文武両道だからファンは居る。
・大学卒業後お稽古事で鍛えた芸術的才能を発揮。茶道、華道、舞踊などで若き俊才として有名になる。容姿の秀麗さからあらゆるメディアでも注目される。
・二十八歳の時に弁護士の資格を取得。ここまで来ると完璧超人である。
・二十九歳のときに柿ノ本さんとの婚約を発表。しかも全国放送のテレビ番組にて突然の会見を行う大胆不敵っぷりに全国は驚倒した。その後怒り狂った柿ノ本さんに結婚式当日までの数ヶ月間はロクに話しかけてもらえなかったというオチがある(当たり前か)
・結婚後、柿ノ本さんと平凡なサラリーマンをしている兄君さまとの夢の同居生活を営む。柿ノ本さんは憮然と、兄君さまはおっとりと春歌との生活を過ごす事に。
・四十歳の頃文化勲章などを貰って結構芸術の大家になってたり。でも春歌は柿ノ本さんと兄君さまとイチャつく事しか頭になかったり。
・四十九歳のときに自伝を出版。タイトル「ワタクシの愛の人生上巻〜兄君さまとワタクシ〜」「ワタクシの愛の人生下巻〜ワタクシと柿ノ本さんvv〜」。内容は自伝というより惚気トークばっかり。しかも下巻は柿ノ本さんとの過激で赤裸々なベットでの描写が掲載されており、自伝としては異例の「二十歳未満は購入禁止」と年齢制限付いた上に本はビニールで閉じる程であった。本が出版された後、春歌の頭には痛々しいぐらい包帯が巻かれており、しばらくの間柿ノ本さんは外に出る時はサングラスコート姿で春歌から二メートルは離れて歩いたという(当たり前2)
・なんだかんだ言って三人はほのぼのと六十まで過ごしている。



J四葉の60年史(兄抜き)

・高校、大学と無難に卒業して探偵の養成所の門を叩く。
・数年の修行後、念願の探偵となり街の一角に探偵事務所を開く。
・ただ依頼はあんまり来ずにバナナパフェを無駄に食う日々が続く。
・ある日、ついうっかりクリスタルパワーを浴びて超光戦士へと燦然してしまう。
・そしてウンチク好きなライバルと死闘を繰り広げたり、「サバじゃねぇチェキ!」とか叫んだり、ライバルが都知事に立候補したのに張り合って立候補して落選したり、借金しただけなのに敵の闇法廷にて死刑判決くだされてしまったり!!
……ごめんなさい、物凄くこちらのネタです。探偵繋がりで。チェキが全然想像できないので(苦笑)



K亞里亞の60年史(兄なし)

・中学高校とお嬢様学校へ通う。そこで歌姫として学校のアイドルに。
・高校卒業後、フランスへ帰国してフランスの大学へ通う。
・大学卒業後、亞里亞は実家で父親の秘書を務める。この頃には子供の時のような甘えんぼうで泣き虫な所はナリを潜め、しっかりとしたお嬢様へと成長していた。
・三十代の頃、父親の後を告ぐ。本来ならば女性である亞里亞が当主になる事はありえない事だが亞里亞の家の直系は近年男児に恵まれず、しかも亞里亞の才幹はヘタな男よりも遥かに上であることから、父親も保守的な考えを見直す事となったのだ。
・その直後、亞里亞は結婚する。相手は亞里亞の会社系列の平社員で、偶然街で会って遊んだときから気になっていたのだ。偉大な才能があるという人物ではないが、実直誠実な真面目な青年であった。
・三十一のときに男児を設けて父親を狂喜させた。その後も二人の息子と一人の娘に恵まれて家庭円満を築いた。
・それから育児をしつつ夫や一族の者達の補佐を得ながら仕事をこなす日々を送る。
・六十歳になるころには会長職についており、女当主としての貫禄を見せるが、プライベートでは一族の子供達から「お歌の上手なお祖母ちゃん」と慕われていた。


こんな感じですかね。柿ノ本さんも書こうと思いましたが、ほとんど春歌と被りますすし、しかも春歌に迫られ続ける人生なのは見え見えですしね(核爆)あと、眞深も四葉以上に想像し難いといいますか、なんか平凡すぎる一生を過ごしそうな感じですし(汗)

 

朝枝鈴夏さんの回答

この題、ワタシが同人誌で描いてみたいタイトルなので、今此所では
答えを差し控えさせて頂きたく想いまする。非常にかつ非情でモウシワケナイが…この題は
同人誌製作の上でしか考えられませヌ、故に今回は可憐だけ回答させて頂く所存です。

可憐
(14歳から)
16歳の頃、三日間意識不明級の風邪に倒れる、無論入院。
退院後、保険証と言うものを見て、自分と兄はれっきとした実の兄妹である事を知る。
18歳の頃、ピアノの腕を認められて音楽専門学校に入学。
22歳の頃、卒業、都会に出るかこのまま地元で音楽教室を開くかの選択をせまられ、
兄と離れたくないが故に後者を選ぶ。
(23歳の頃、咲耶(27歳)が家の家業を継ぎ、副社長となる。)
26歳の頃、音楽教室廃業、高齢少子化の果ての生徒数減が原因である。
(27歳の頃、鈴凛(29歳)が、生物完全複製機、変異性遺伝障害の特効薬を開発する。)
                             ↑変異性遺伝障害の特効薬開発の
(28歳の頃、亞里亞(21歳)の親が総理大臣となり、結果として、二親等結婚が合法化される。)
+29歳の頃、上の法律により、あろう事か兄(のクローン)と結婚。
また同時に音楽教師として地元の、咲耶の会社グループの私立小学校に勤務。
+30歳の頃、長女出産。
+33歳の頃、長男出産。
(34歳の頃、鞠絵(36歳)が描いた兄妹恋愛漫画が世界中で大ヒット。)
+35歳の頃、次女出産。
45歳の頃、依願退職。趣味として鞠絵のもとで漫画家のアシスタントを始める。
50歳の頃、亞里亞(43歳)と久しぶりに会い、自分の音楽教師になってと言われる。
+57歳の頃、長女家族が初孫出産。
58歳の頃、作曲家引退。
+59歳の頃、長男家族が孫出産。
64歳の頃、50年ぶりに兄(本物)に手紙を出す。「可憐は、今も幸せです」と。
68歳の頃、次女に見取られながら閉幕。

…長い、目を背けたくなるであろう事もしっかり書かねばならないと言う点では、かなり
苦戦しましたナ…。とは言え、ワタシなりと言うか、不可能でない現実と、他の妹が
作用して転機となった部分だけでも結構大きい様な…。
しかし、此れはワタシが世界を作ったらの話なので、あんまりマジメに受けとらない事
もついでにお願いしておきまする。
+印は「結婚した」の仮定、何もないのは「結婚しなくても」の仮定です。
他の妹については…、同人誌描いてからでないとなので、それはご容赦を…。

 

ヤバさんの回答

可憐・・・無難に高校卒業後、某音大に入学。大学2年の時、アイドルになった咲耶と再会し、密かに交際し始める。大学3年で長年の努力が報われ、留学の話が。
それを聞いた咲耶は猛反対したが、結局半ば破局状態で留学することに・しかしそれは咲耶のように羽ばたく人間になりたかったから。自分の性格の殻を破った瞬間である。
大学卒業後に本格的に留学。血の滲むような努力の末、留学5年・27歳でプロピアニストとなる。帰国すると咲耶は三十路。
でもアイドルとしての人気は衰えず相変わらずの大スター。可憐もそれに負けないほどの著名なピアニストになっていた。帰国後すぐには咲耶に会わず、1年後、クリスマスリサイタルを目前に控え、12月20日にたった一人のために秘密のリサイタルを開く。相手は咲耶。終了後、二人は愛を確かめ合う。
その後は平凡にラブラブな暮らしを送る。よかったね。他詳細は咲耶のところで。


花穂・・・竜崎先輩に誘われてチアリーディングで有名な某高校に入学。相変わらず最初のうちはイマイチな彼女だったが、2年の冬にようやく開花。
3年の最後の大会では全国3位に入賞する。大学でもチアを続けようと思ったが、数学ができなくて浪人。花屋でバイトしながらの浪人生活の末、ギリギリ補欠入学。
念願かなってチアを続けるが、高校時代のような成長も活躍も見られず、普通に終わる。大学卒業後は社会の荒波に揉まれながら、結局バイト先の花屋で仕事を続ける。
その後OLになった竜崎先輩と再会。しかし特にどうすることもなく、二人はそのまま別れる。花穂28歳の時、花屋の店長が交通事故で死亡。
他の店員にも押され、花穂が店長に。他の店員たちの温かいサポートもあって何とか店を続ける。そこでまた竜崎先輩と出会い、気持ちを打ち明けられる。
店長としてみんなをまとめ、頑張ってきた花穂にもう怖いものなんて無い。「先輩・・・わたしも先輩のこと、ずっと・・・」ちう。
のち花穂34歳の時、山神燦緒首相が同性結婚法を成立させ、花穂と竜崎先輩もそれに合わせて結婚する。よかったね。


・・・女子高にて陸上で大活躍。カッコいいけど童顔で小柄な体格は相変わらずで、そこがまた上級生下級生問わず大人気。「まもまも」と呼ばれることに。
体育大学に進学し、短距離の名選手として名を馳せる。国体で3種金メダル獲得。すげえ。オリンピック出場も有力視されていたが、流石にそこまでの実力はなかった。後に体育教師になり、母校で教員生活を始める。中学生からの付き合いであった鞠絵とはずっと続いており、しかし平行線のままであった。
「まもセンセー、センセーは結婚しないんですかー?」「え・・・結婚・・・先生は・・・そのちょっと・・・ね」
真剣に鞠絵とのことを考えなければならない。衛26歳は悩んだ。しかし悩むことが既におかしいと気づき、鞠絵27歳の誕生日に一緒に住むことを提案する。
鞠絵も同意し、同棲。「10年以上も・・・待たせ過ぎよ・・・」「ごめん・・・でも、その分幸せにする」
その後32歳の時に学校がテロ集団に占領されたが、同僚になっていた春歌、そして何故か来ていた千影とたった3人で学校を解放するという伝説を作る。
あとは結婚もしました。


咲耶・・・高校2年で芸能プロダクションにスカウトされデヴュー。高校生活との両立はなかなか難しいものだったが、持ち前の才能と能力で切り抜ける。
デヴュー曲は「LOVE DESTINY」とか何とか。そのルックスとオープンなキャラが女性男性両方から支持され、あっという間に国民的アイドルになる。
22歳でドラマ「恋のバトルは0ゲーム」にて初主演。演技力においてもその才能を発揮する。全てが順調だった頃に男性芸能人とのでっち上げスキャンダルを噂され、あまりのしつこさにブチキレ、放送禁止用語を連発してしばらく芸能界から身を潜めることに。そんな折に可憐と再会、密かに交際をスタートさせる。
しかしその心の支えの可憐が留学すると言い出して猛反対。結局可憐は行ってしまい、その怒りと悲しみを力に昇華させ、芸能界に復帰。
以前よりも遥かに凄まじい勢いで咲耶旋風を巻き起こす。30歳になって可憐の噂を聞き、気になりつつも「もう知らないわ、可憐のことなんて・・・」と素直になれず、仕事に神経を傾けていた。しかし可憐からコンサートの招待状が届き、咲耶31歳の誕生日に行うという。行ってみると観客は咲耶一人。
「咲耶にごめんなさいと・・・今もずっと大好きだよっていう気持ちを込めて・・・・・・」
可憐のほうがずっと大人になっていたことを知り、驚くと共に嬉しくて、涙を流す咲耶。終了後、二人は愛を確かめ合う。
後に咲耶が可憐と交際していることを、可憐の承諾も得てカミングアウトし、同性愛ブームを巻き起こす。恐るべしアイドル。
同性結婚法制定後結婚。死ぬまで仲良く暮らしましたとさ。


雛子・・・中学生の時に科学・宇宙の不思議に強烈な興味を持ち、高校では科学物理に関しては全国模試で常に10位をキープするという天才振りを見せる。
その一方で文系科目がからっきしダメだったので亞里亞に教えてもらいながら、何とか某理科大学に入学。物理工学を専門にし、ひたすら勉強した。
未知への探究心を人一倍強く持っていた彼女は、興味を持ったことに関してはわかるまで何事も放棄しなかった。「ヒナ、つまんな〜い!ぶ〜」と言っていた時代が懐かしい。
その後大学院にまで進み、博士号を獲得。千影の睨んでいた通りたいそう美人に育った雛子は、日本の美人教授ベスト3に入賞する美人博士となった。
亞里亞とは道は違えども親密な関係は続けており、亞里亞とのデートのために講義とか論文書きとか学会とかをサボって、天真爛漫すぎる博士とも呼ばれた。
博士になってからも研究は続け、35歳の時に「ガンダムは作れるか」をテーマにした論文を書いてその論理の正当性で学界を騒がせる。
39歳になると今度はNASAからのオファーを受け、宇宙開発計画に参加。スペースコロニー建設についてのスタッフの一人となる。
しかし12人の妹の集まりなどを優先しすぎて追い出され、日本の恥と呼ばれるが「名誉よりも家族」と言い放って学会を追放された。その後は母校でこっそりと教師をして過ごす。
46歳の時、日本人から「ビーム粒子理論の開発」ということでノーベル賞が出たが、実はそれは雛子がNASAにいた頃に確立していた理論だった。
しかし悔しいと思うことも無く、純粋にこう言ったという。「兵器作らされなくて良かった」と。


鞠絵・・・高校2年生に上がる春に病気が完治し退院。衛の家にお世話になりながら趣味として小説を書き始める。
衛が女子高で人気が高いのは知っていたが、「衛ちゃんは絶対わたくしから離れられないから大丈夫♪」と言って心配はしていなかったと言う。
事実、衛はどんなに揺さぶられようとも鞠絵のことが気になって仕方なかったらしい。流石策士。
推薦入学で早めに大学進学が決まった折、以前にこっそり小説を投稿していた琥珀乃(こはくの)文庫で大賞を取ってしまい、大学生と小説家を兼任することになった。
ちなみに作品名は『わたしらのためだろ!!』。3姉妹が百合っぽい話に乗りながらアクションしまくる、よくわからん作品。ペンネームは「鞠影衛星」
それはさておき持ち前の精神力と真面目さで講義と執筆・締め切りを切り抜け、大学を卒業。ついに真の小説家になる。
『わたしらのためだろ!!』シリーズは鞠絵の代表作になり、女子中高生を中心に大人気を博した。
その一方で32歳の時、12人の妹たちで過ごした日々を綴った自伝的作品『百合の花を持って』を執筆。これもまた人気作となって、後にドラマ化。
それに咲耶が出演したりと、何とも不思議な縁である。衛との仲は上記の通り。それまではアパートで一人暮らしだったが、担当の小沢さん(♀・鞠絵よりも3つ年下で鞠絵の大ファン)が
毎日のように取り立てに来て、しかも大体泊まりになってしまうので一人暮らしでもなかったかもしれない。
「鞠影先生!早く原稿上げてくださいよ〜!!あと3分で書いてくれないと間に合わないですよ〜!!」「あ〜・・・そうね・・・ちゅーしてくれたら書けるかも」
「えぇ!!?」「嘘よ嘘」「先生!!」
小沢さんをからかうのが衛に会うことの次に楽しみだったらしい。でも衛もそのリアクションゆえに遊ばれていたのも事実だった。
衛と同棲してからは小沢さんと衛の見えない戦いを楽しんでた、ある意味悪女。
33歳の時衛の学校で講演会を開くところ、学校がテロ集団に占拠され鞠絵も拉致されたが衛他の活躍により無傷で解放される。
今度はそれをネタにして『セーラー服で撃たないで』を執筆する。後、衛と結婚。順風満帆に暮らしましたとさ。


白雪・・・普通に高校を卒業後、調理師になるため専門学校に進学。自分の趣味と才能を存分に発揮できる専門学校は楽しいものだったが、イマイチ足りないものを感じていた。それでも調理師の免許だけは取り、修行することを決意する。日本の様々な料理店に弟子入りし、さらに腕を磨くが、それでも白雪の心は満たされない。
「わたしは・・・何がほしいの・・・?」実際どこの技術も取得してきた。自分は今、何でもこなせる料理人になった。なのに何故?
腕は確かだが道を見つけられない白雪は、26歳の時偶然一軒の料理屋を見つける。「岡星」というその店はこぢんまりとしていたが、白雪はふらりと入ってみた。
そこには何人かのサラリーマンらしき人々が晩酌をかわしていた。その中の一人の女性に誘われて白雪もお酒をともにする。酔った白雪は自分が料理人だと言い、調理場を借りて一品作ってみる。それを食べた黒い服のサラリーマンが「君の料理は確かに上手い。だが、技が過ぎているな」と言う。
山岡という名のその人は、白雪の技術には決め手が無い。どれもが中途半端に並べられているだけで、上手く作用していないと。
白雪は衝撃を受けた。自分に足りないもの、自分が欲していたものはこれだったんだと。自分が本当にやりたい料理の一つも見つけられないで、全てを網羅しようと言うのが間違いだったのだ。
山岡はさらにとんでもないことを言った。「君の改革・・・俺たちに貸してくれないか」なんと山岡は、あの究極のメニューの担当者だったのだ。
これを逃しては成長する機会はきっと無い。相手が海原数山(すうざん)でも、やらなくてはいけない!!「はい!!よろしくですの!!」
白雪は数ある料理の中からフランス料理を選んだ。デザートの文化、何よりかつて共に住んでいた妹たちに、一番支持された料理だったから。
山岡の紹介してくれたシェフの下で修行を積み、打ち合わせを何度も重ねて海原数山の至高のメニューに挑む。これに引き分け、白雪は自信をつける。
そしてフランスへ留学。本場で厳しい修業を積み、「日本のアンドレ・ピック」と称されるまでになる。後に日本でレストランを開業。1年に一度だけ「妹の日」を設けて貸切にし、
妹全員で食事会を開いた。生涯独身を貫き、ひたすら料理人として生き続ける。「ほうちょうが恋人・・・ですの!」


鈴凛・・・工業高校に入学→工業系大学に進学。大学1年の時に買った年末ジャンボ宝くじが大当たり。一億。「やったぁぁぁ!!やったぞぉぉぉ!!!(by檜山修之)」
これを元手に株参加。さらに先物取引と短期売買を繰り返して儲けて損して儲けて損してと来て、ちょうど一年後には30億まで増やす。しかし金の魔力で鈴凛はすっかり変わってしまい、研究の一切を止め、悪徳商人のようになってしまっていた。そんな折に四葉に出会い、「こんなのは鈴凛ちゃんじゃないDEATH!!」と言ってビンタを受けたところ正気に戻る。「アタシは・・・なぜこんな無駄な時間を・・・・・・」さっそく今まで放棄していた発明を再開するが、一億当たった運のツケが今更やって来た。
大学3年の初夏、発明の失敗により住んでいたアパートの部屋が大破。発明の殆どは塵となり、部屋を追い出されることに。しかし僅かに残った研究資料や発明を持ち出し、家を建て、一念発起して発明を再開する。雑草根性で頑張り、大学を次席で卒業。後4年間アメリカへ留学する。帰国後は某重工会社に就職してしばらく時を過ごす。
33歳。今まで貯めていた貯金を元手に独立。有限会社:ベル・バイ・ツーを興す。会社は鈴凛社長の独創的な発明とその実質的効果が認められて、大成功。
40歳には念願の完全自立2足歩行人型ロボ・メカ鈴凛の発明に成功。しかし結局世に出すことは無く、家で愛でるという程度に留まった。
40を過ぎるころには世界のトップ企業の仲間入りを果たし、長者番付にも常連になった。
四葉との仲は大親友であり続けて、恋愛という感情にはならなかった。しかし誰よりも互いを信頼していたのは確かである。生涯独身。


千影・・・高校卒業後、「実家に帰ります」という置手紙と共に姿をくらます。本当は単身ヨーロッパに渡り、彼女が前世から住んでいた古城で隠居生活を始める。
そこは千影の魔力で人間の目から見えないし、入ることもできないので安全。隠居生活の割にはちょくちょく日本に帰り、妹たちの様子を見てはまた古城に帰っていった。
でも一年に一回の妹の日にはちゃっかり食うもの食っていく。その度に妹たちの相談事を受けたりしていた。花穂とかは大学進学すべきか否かを占いで決めてもらったし。
その調子で生き続け、たまに現れては若いまま全く変わらない姿で人間との違いを見せていた。
衛「ホント変わらないね、千影は」千影「いいことばっかりじゃ・・・ないんだぞ・・・」鞠絵「お葬式はよろしくお願いするわね♪」
千影「11人分看取るのは・・・なかなか骨が折れるな・・・」鞠絵「それくらいの労があってもいいでしょう?」千影「・・・・・・そうだね。そうかもしれない・・・」
この言葉通り咲耶から雛子まで全員が幸せに老衰死していく様を看取り、最後に自分も古城で来世に向けて眠りに付く。
「・・・また・・・来世」


春歌・・・高校・大学までは何の困難も無し。柿ノ本さんと同じ大学に進学し、同じアパートの部屋に住むという同棲生活を楽しみながら大学生活を送る。
ドイツ語・英語など外国語が達者だった彼女は通訳にでもなろうかと思っていたが、子供と触れ合える教師の道を選ぶ。柿ノ本さんとの間に子供は作れないことを憂いて、せめて母親の気分を少しでも味わいたかったのかもしれない。教員採用試験に臨むが、ここで初めての挫折。
しかし柿ノ本さんの「あなた私を倒した女でしょ!!なら、もっとしゃきっとしなさいよ!!」の言葉に復活する。
持ち前の努力の精神で一年頑張り続け、次の年の採用試験には見事合格。英語教師になる。
30〜35歳までを母校で過ごし、その間に衛と再会する。上記の通り、そこでテロ集団と対決。銃弾の雨を潜り抜け、生徒の誰にも怪我をさせずに解放した。
剣道部の顧問も勤め、人生で3回、生徒を全国まで導く。ちなみに柿ノ本さんとはずっと一緒に暮らしてます。
教員生活の中で何故か因縁をつけられることが多く、何度も勝負することに。柿ノ本さん曰く「悔しいけど春歌は強い。だからみんな挑みたくなるのよ・・・」らしい。
勝負の一つにはキャベツに千切り対決とかあったが、春歌が千切りを超えた極細切りを精密にこなしてしまったことから一瞬でカタをつけてしまう。
あとバレンタインデーにチョコ何個もらえるか対決(女子高時代)。そんなんだから女生徒からも人気が高く、柿ノ本さんも気が気じゃなかったらしい。
結婚してくださいと本気で女生徒に言われて困ったことも。
定年までは生徒に人気のある、美人な先生ということで平凡に暮らし、定年の時に卒業させた生徒たちからもねぎらいの言葉を貰い、泣く。


四葉・・・高校卒業後、某眠りの人の探偵事務所に弟子入り。何故か常に殺人事件や難事件にぶち当たり、死にそうになりながら経験を積む。
その中で眠りの探偵が推理する時口を開けていないのに何故しゃべれるのかと疑問に思って裏に入ってみたらメガネの小学生が居てびっくりした。
そのことからさらに巨大な陰謀に巻き込まれる。が、その話はいいや。
全てが一件落着した後、25歳にして探偵事務所を設立。元々才能はあったようで、命がけの体験からその才能も開花して本物の推理力を身につけた。
仕事は尾行や浮気調査。飼い猫探しに殺人事件まで明るくこなし、いつの間にかチェキっ娘四葉の通り名で有名になる。
「チェキッと参上、チェキッと解決!!その名も、名探偵四葉!!この事件・・・ワタシが必ず暴いて見せるデス。グランパの名にかけて!!」
なんだよそりゃ。
何かにつけて鈴凛に対し、最新の小型カメラ、麻酔銃入り時計、電子顕微虫眼鏡、スパイグッズ搭載手帳などなどを作ってと無茶なお願い事をしまくった。
四葉の意識の中ではちょっと好きかもしれないという感情があったが、一番の親友という関係に満足していた。
のちにジャパン・ホームズと呼ばれ、後世の探偵たちの憧れになった。


亞里亞・・・中学時代にその美声を見込まれ、雛子の推しもあって声楽部に入部。この頃には今までの反動ですっかり強気に育っていたが、こういうことに関してはちょっと照れがあった。しかしやる内に見事にハマリ、声楽部のエースになる。だが逆にその類まれ過ぎる才能から周りからは明らかに浮いてしまい、その力を十分に発揮できなかった。それをすぐに悟った亞里亞は高校に、いや、人生においてこれに賭ける事を決意。偶然雛子と予定していた進学先も声楽が強かったのでそのまま進学。
雛子が科学にハマる一方でどんどん歌うことにのめり込んでいく。しかし2人の距離がいつの間にか開いてしまっていたことに気づき、一時部活を休みがちになるが、「ヒナはそんなことぐらいで亞里亞ちゃんのこと忘れたりしないよ!!それとも亞里亞ちゃん、ヒナのことそれくらいにしか思ってくれてなかったの!?違うでしょ・・・違うでしょ・・・!!亞里亞ちゃん、それじゃ昔とおんなじだよ!!」この言葉に一喝され、復活。同時に雛子への感情が親友を越えた一線になってきていることを感じる。
後大学は別れ、音大でもその才能を如何なく発揮。早くも留学の話が持ち上がる。
しかし留学先でホームシックと雛子への想いが溢れてしまい、力が出せない。そんな折に雛子から届いた一通の励ましの手紙にまた復活する。
ここで雛子への気持ちがやはり恋心であると確信。もっと大きな人間になって、そうしたら雛子にちゃんと告白しようと決意する。
亞里亞の成長は性格の変化だけでなく、行動力にも激しく影響を与えた。
帰国後、雛子がもの凄い偉くなっていることを知り、互いに励ましあう。しかし忙しさにかまけて告白するという誓いを忘れてしまう。
大学卒業後にまた留学。天才的ソプラノ歌手と銘打たれ、世界的に有名になる。雛子もいつの間にやら博士。
そしてようやく29歳の妹の日、何年も秘め続けてきた想いを伝え、見事結ばれる。本人たちはこっそりしたつもりだったが、こんな楽しいことを咲耶を初めとする姉たちが見逃すはずも無く、恥ずかしいシーンまでたっぷりと拝まれた。後30歳で紅白歌合戦特別ゲストとして参加。咲耶と同じステージに立つ。
60歳を過ぎても歌は続け、生涯一歌手として生き続ける。


眞深・・・高校を普通に卒業するも夢も見つからずぷらぷらしていたところ、山田と再会しお笑いコンビを結成する。しかし流石にお笑いの道は厳しく、苦節7年かけて初テレビ出演なるもそれ以降はさっぱり。27歳にしてお笑いの道を諦める。その後、兄・燦緒が国会議員になる。この頃既に二人の間にわだかまりは何も無かったが「アタシはあんちゃんとは違う・・・」という彼女らしからぬ劣等感が一方的な軋轢を生んでいた。そんな折、燦緒の秘書が脱税をし、燦緒にも様々な嫌疑がかけられた。幸い燦緒はお咎め無しだったもの、それの所為で燦緒はぐったり疲弊してしまう。「・・・あんちゃんのようになれなくても・・・助けてやってもいいんじゃないの?」一念発起した眞深は大学受験への勉強を始め、なんとその年に一発合格を果たす。そこからの眞深の躍進振りは凄まじく、とんとん拍子に上へと昇っていく。そして36歳、山神燦緒議員の秘書となる。初め近親者優遇だとの批判も受けたが、眞深はそれらの批判を跳ね飛ばすように活躍した。
何より妹として、激務に疲れた燦緒の心を最も癒してあげたことが一番の大活躍だった。その支援もあって燦緒が48歳で内閣総理大臣に就任。様々な革命的改革を次々と打ち出す。特に同性結婚法は時流に合わせた大英断だった。
「あんちゃん・・・お疲れ!」「これからさ・・・だが・・・ありがとう、眞深・・・」
いつのまにか、この二人が一番シスプリだったとは、本人たちが一番気づいていなかった。


サブキャラ

じいや・・・亞里亞が大学に進学した後はやり遂げた気持ちになってメイドを退職。それまでに得た様々なスキルを利用してキャリアウーマンに転身。
ある日風邪気味で病院に行ったところ、いつも鞠絵の傍にいた看護婦さんと再会し、親密な関係になる。のちに大人の関係になり・・・・・・。


柿ノ本さん・・・春歌と交際しながら普通に人生を送り、大学卒業後は弁護士に。気は強いが一旦弱気になるととことん弱いという弱点を突かれてしばらく落ち込むが、春歌に励まされて復活。燦緒の弁護士を務めたりもした。


こんなん出ましたけど。最後だからって気合入れたら凄く長くなりました。でも楽しかったです。
あと山岡さんの名前は士郎じゃありません。吾郎です。

 

熊谷はさみさんのコメント

ありがとう! マジありがとう! 超ありがとう!
最終回は私が大喜びする番でした。なりゅーさん、今までで文句なく最高の回答でしたよ!
人間らしい苦悩をこうも見事に描くとは、完全に想像の上を行かれたッ!
数々のドラマある回答から、貴方に宿るSSS(SSスピリット)をひしひしと感じました。
そして直月さんも、リアルで詳細な人生劇場を12幕。本当に感謝感激です!
雛子と千影の百合にも、なんて言うか静かな情熱を感じましたよ。
朝枝さんのは……ものすごく同人誌欲しくなりました。
可憐だけでも苦戦されたでしょうが、幸せな生涯を心から祝福したくなる内容でした。
ヤバさん、セリフ盛りだくさんのイベントフルな回答をありがとうございました!
百合要素のためかクロスオーバー多くて楽しいです。どうしようもなく最高だ! 山神首相ブラボー!

しかし皆さん、すごい文章量でしたね……4〜5行くらいを予想してたんですけど。
最後の最後まで、本当にありがとうございます!

ではコメントと、私の回答を以下にお伝えします。
自分で出題しておきながら、すごく、ものすごく苦労しました。(無理に航を絡ませるから……)

 

可憐

彼女の場合、ピアノに置くウエイトがその後の重要な分かれ道となりましたか。
ピアニストとしてエレガントな一生を送るのは、最も公式の可憐に近い、ファンを裏切らぬ回答だと思います。
しかし、なりゅーさんの言うとおり「平凡」というのは何よりも得がたく、尊いものなのでしょう。
結婚相手が兄のクローンというのも……彼女の絶対に譲れない、芯みたいなものを感じました。

・高校時代、数々のピアノ発表会で好成績だったので、音大受験を決意。
・しかし、あろうことか綾小路も一緒に受験すると言い出した。そんな彼に受験日前日、下剤入りケーキをプレゼントする。
・しかし結局音大には合格せず。併願していた私立大の文学部に入学。
・大学から一人暮らし開始。言い寄る男共を上手く使いながら、女友達と楽しい4年間を過ごす。
・でもやっぱり兄が恋しく、携帯電話の料金がとんでもないことになる。
・22歳で大学卒業後、ごく普通の商社にOLとして入社。
・しかしその翌年、ボロボロになった航(兄)が可憐のアパートに転がり込んで来る。同居開始。
・航はすっかり腑抜けになっており、バイトも長続きせず、兄でありながら可憐に養ってもらう身に。
・そんなろくでなしの航だが、可憐も初めは同居生活を喜んでいた。
・しかし、だんだん「以前のお兄ちゃんじゃない」ことに気づいてくる。半ひきこもりの航と息詰まる生活が続く。
・28歳の頃、会社が倒産。しばらくパートで食いつなぐ。
・再就職のあてもない可憐だが、一流のコンサートホール運営者となった綾小路が数年ぶりにプロポーズしてくる。
・さんざん悩んだ末、仕方なく綾小路と結婚。それでも航は同居を続ける。
・翌年の夏、せっかく綾小路が紹介してくれた職場でもロクに働かない航に対し、可憐は初めて「大嫌い!」という言葉を使う。
・その翌日、航はいなくなっていた。妹達全員に連絡するが消息不明。
・喪失感に打ちひしがれる可憐。そこへ追い討ちをかけるように綾小路が事故死。わずか2年足らずの夫婦生活だった。
・未亡人となった可憐は遺産を継ぎ、コンサートホールの運営者として成功する。
・しかし航を失ったことがきっかけで、彼女の中で「自分の力で生きたい」という情熱が最燃焼してくる。
・32歳でピアノ調律師の資格を取得。コンサートホールは部下に任せ、独立開業していく。
・35歳。航から手紙が届き、無事に人生を再スタートしたことを知る。
・そして独身のまま、60歳まで平穏無事に過ごす。年に一度、兄妹が全員集合するのが何よりの楽しみである。

 

花穂

おっと、フラワーコディネーターとか妥当な線に落ち着きませんでしたか。
やはり花穂は見くびっちゃいけませんな。でかい事を成し遂げる力を秘めています。
お二人とも自然環境に貢献する道を描かれましたが、私も見事にかぶっちゃいました。
チアは何年後まで続けるのか……微妙なところですね。
思えば公式では本当に「兄しか」応援しなかったなぁ、花穂って。
そう思うだけに、「地球さんを応援しちゃいます!」がすごく壮大に聞こえました。

後から読んだヤバさんの回答でも、ひたむきに努力し続ける姿は花穂らしかったです。
竜崎先輩とは実に長い平行線だったんですね。報われて良かった。

・中学時代、兄と別居してからはチア熱も冷めた。
・高校時代、何があったのか非行に走り、レディースの姐さん達から飼い猫として可愛がられる。
・しかし高3で更生。猛勉強した結果、国立大の農学部に合格。自分に自信を持ち始める。
・畜産学の実習では、自分のミスでニワトリを一匹死なせてしまった。その責任を痛感した花穂は、これ以降急激にドジが少なくなっていく。
・20歳のとき、大学の先輩と一緒にアフリカへ農業支援のボランティアに行く。そこで砂漠化の深刻さと、現地の人々の切実な貧困を知る。
・卒業後もNGOに所属し、アフリカの農業支援を続ける。「伝統的な焼畑農業をやめ、近代的な定地耕作に転換することで、砂漠化と飢餓を一挙にくい止められる」というアイディアを、老体の教授に代わって実践することに。
・27歳までにかなりの成果を挙げ、ひとまず帰国する。そして更なる研究のため大学院に進学。
・同じ年、大学院で知り合ったカンボジア人の留学生と結婚。
・28歳で長男を、30歳で長女を出産。
・30代も強く、ひたむきに彼女は生きる。地肌が少し黒くなったので肌荒れが目立たず、逆に若く見える。
・43歳になって過労が出た彼女は、日本の病院に入院。
・ちょうど退院するころ教授が亡くなり、葬儀に参列。
・夫も花穂の身体を気遣ってくれて、日本に定住する。
・ガーデニングハウスを営みつつ、母親として幸せな生活を送る。
・53歳の頃には、長男が雲南省で貿易会社を興す。

 

やっぱりスポーツです、彼女は。
しかし肉体勝負の仕事ゆえ、どれだけ続けられるかが重要な問題になってきます。
なりゅーさんの回答では、引退後も比較的明るい衛が維持されていて嬉しかったです。
衛にバラエティ番組ってすごく合ってる気がする!
直月さんとヤバさんの回答では、教育者として後人生を送っていましたね。似合うなあ。すごく似合う。
特に直月さんの衛には人格者の輝きを感じます。けど、ファンの行動はかなり問題あると言うか……

・中学時代に数々の大会成績を挙げ、高校入学と同時に、各運動部から猛烈なスカウトを受ける。
・断るのが不得意な衛は結局、陸上・水泳・柔道部に助っ人参加。
・高校時代にもらった女子からのラブレターが、せんべいの缶に収まらなくなる。
・周囲の期待に流されるまま、スポーツ推薦で一流大学への合格が決まる。
・大学時代、陸上一本にしぼり更なる努力の日々が始まる。
・何度か国体選手に選ばれる。オリンピックの候補にも挙がり、選抜を勝ち抜く。
・しかし、周りの視線に弱い性格のため、ついに金メダルを取ることはなかった。
・30歳で引退。その後はスポーツインストラクターとしてフィットネスジムに勤める。
・ジムに通ってたおばちゃんから縁談を持ちかけられ、32歳でお見合い結婚。
・夫は4歳年下の公認会計士で、気が弱く神経質そうなタイプだった。(家事はすごく得意)
・そんな正反対の夫婦だが、不思議と円満な夫婦生活をおくる。
・36歳。衛には子供が生まれなかったが、夫の親戚の女の子(当時4歳)を養子に迎えて育てることになる。
・とても内気だった娘は、衛を「世界一かっこいいママ」と思い、明るく活発な子に育っていく。
・49歳。娘もスポーツ推薦を受けるのだが、衛は「自分の行きたい道を行きなさい」と教える。
・そのまま60歳まで、大病を患うこともなく健やかな生活を送る。

 

咲耶

直月さんの回答ではかなりハードな展開になってますが、それだけ愛に真剣な彼女の心境が伝わります。
この内なる波乱が、シリアスドラマとして見事に完成していて、もうこれSSとして通用するでしょう!
なりゅーさんの回答では、確固たる自信を貫く咲耶の強さが表現されていました。
「古株として新人から恐れられる」のあたりに、妙な説得力を感じるんですけど……
芸能人時代のネタとしては、ヤバさんの面白さには敵いませんや!

・高校時代から事務所に所属。有望株としてレッスンを受ける。
・まず評価されたのは歌唱力。デビューシングルはオリコン初登場10位を記録。咲耶はそれに満足しなかった。
・「作詞をやらせて!」と言い出し、本人作詞のセカンドシングルはあっさりオリコン1位を獲得。
・高校卒業後、女優としても本格的活動を始め、大手の芸能プロダクションに引き抜かれる。
・すると同じ事務所に偶然、燦緒がいた。
・その後は歌手・モデル・女優として華々しい活躍を続ける。
・作詞の一件で文章に自信をつけた咲耶は、22歳でエッセイ集を出版。売上部数は写真集を上回った。
・しかし、25歳のとき燦緒とスキャンダルになってしまう。もちろん事実無根なのだが。
・マスコミの煽りに本人はプチキレ寸前だったが、燦緒の方から「俺はホモだ!悪いか!」とカミングアウトし、その場は収まる。
・27歳。芸能界のドロドロっぷりに辟易した咲耶は、引退して美容師専門学校に入学。
・卒業後、芸能活動の蓄えでいきなり自分の店を開業。カリスマとは呼ばれなかったが、そこそこ評判になる。
・30になっても結婚はせず。その頃、可憐が失業したと聞いて見舞いに駆けつける。そこで腑抜けの航を目の当たりにし、涙ながらにぶん殴る。(可憐に止められた)
・初めて兄に失望した咲耶だったが、独身生活は続けることを決意。美容師を続けながらメイクを総合的に学び、メイクアップアーティストとしての才能を真に開花させる。
・37歳。その腕前は皮肉にも芸能界御用達となり、懐かしさ混じりにテレビ局へ通う日が来る。
・同じ年、航から連絡が入り、まっとうな人生を歩みだしたことを知る。再び13人が集えることを誰よりも喜んだ。
・弟子達に慕われながらそのまま40、50代を過ごす。生涯独身。

 

雛子

職業はけっこうバラけましたね! 個人的には絵本作家が似合ってると思いますが、
なんせまだ若いだけに可能性は未知数すぎます。
一方、ビジュアル的には相当な美女に育つことが期待されてますね、彼女。
一人称「ヒナ」が何歳まで続くかも微妙な話なんですが……
天才として活躍する場合も、純真さが変わらないところが雛子らしくて安心しました。

・高校時代はボクシング部マネージャー。
・闘う男に魅せられて、スポーツ新聞を購読する女子高生誕生。格闘技観戦が趣味になる。
・身長はあれからそんなに伸びたわけではなく、155cmで成長が止まる。
・短大を卒業後、楽観的にフリーターを2年続ける。基本的にイベント好きなので、東京湾周辺を離れようとしない。
・イベントコンパニオンを何度も経験。キャンペーンガールにもなったが、それほど有名にはならない。
・ちょっと貯まった貯金で沖縄旅行に行き、観光業に強い関心をもつ。
・25歳。そろそろフリーターも潮時と、観光バスのガイドになる。
・入社1年目。初めてのガイドでは、集合時間に遅れた生徒を探しに行った自分が迷子になり、置き去りにされる。
・しかし、なぜか子供ウケするキャラのため、その後も小中学校の遠足や修学旅行のバスに添乗させられること多し。
・27歳で無名のプロレスラーと結婚。長男を出産し、育児休暇が明けると再びバスガイドに復帰する。
・34歳のとき、観光会社がリストラを敢行。しばらく失業手当を頼りに食いつなぐ。
・夫がそこそこ有名になってきたので、主婦業に専念しようかと思い始める。しかし、雛子は独身時代から家事が下手だった。
・そして35歳、おもちゃの卸売会社に再就職。
・10年も続けると託児所の空間プロデュースなども任せられ、感性を活かした活躍を続ける。
・そのまま60歳で定年退職するまで幸せな毎日を送る。

 

鞠絵

鞠絵はやはり、第一に病状の回復から始まります。看護婦か作家かの2択イメージがあるようです。 
ヤバさんの作家鞠絵は、余裕ある生き方が実に鞠絵らしくて楽しめました。作品のタイトルとか最高です。
鞠絵ならすごく優しくて立派な看護婦になるでしょうが、体力的にキツいと評判の仕事なのでちょっと心配。
なりゅーさんの言う「平凡自体がイベント」という見方にも、鞠絵らしい健気さを感じました。

・病気は高校2年のときに完治。ちなみに女子高。
・健康を取り戻した鞠絵は勉学に励み、全国模試でトップを争うほどになる。
・東大法学部に入学してからも熱心に取り組み、19歳のとき司法試験に合格。
・成人式の翌日、ミカエルが安らかに息を引きとる。
・卒業後は有能な政治秘書となる。ただし正義感が強いため、汚職とあらば上司だろうと即告発。
・「暴き屋」として恐れられた鞠絵は政治家から持て余され、それを察して自ら辞職。
・33歳。趣味で書き続けてきた小説を投稿してみる。
・結果、文学賞を受賞する。しかし、同時受賞者が16歳の女子高生だったため、鞠絵は彼女の比較対象としか見られなかった。
・内心マスコミに腹を立てる鞠絵だったが、それでもファンは着実に増える。
・政治秘書時代の体験を活かし、汚職劇をあからさまに暗喩した小説を執筆。それが原因で疑惑が起こり、汚職政治家4人を失脚させる。
・40歳。ドラマのシナリオも手がけるようになる。
・43歳。ひばりちゃんと再会。介護福祉士の彼女から話を聞き、社会福祉を見直す必要があると判断。
・46歳。周囲から衆議院選挙への出馬を薦められる。本人は少し迷った末、それを断る。
・鞠絵の考えは、「身体の不自由な人が必要としているのは、制度や設備以前に、まず愛」だということ。
・だから鞠絵は作品によって人間愛を訴え、人々の心を変えてゆく方法をとった。
・60歳までにはいくつか賞を取り、著名な文化人となる。

 

白雪

もう言うまでもなく料理一筋。それが彼女も一番幸せなんですね。
かと思えば、なりゅーさんはあえて普通の主婦を推しましたか。「たまに成功」って……「たまに」!?
ヤバさんの回答、こういうゲストキャラは面白すぎるので大歓迎です。怒涛の展開に笑えました。
それからカズくん! カズくん最高! もう白雪の結婚相手はあの少年以外にありえない気がする程です。
あーもうどうしよう?

・高校に調理部がなかったので、作ろうとしたら「5人必要」とのこと。
・部員獲得のため『すごいよ!マサルさん』を読み返す。
・いろいろあった末結成された調理部は、他校と5番勝負を繰り広げたりして、勉強そっちのけの楽しい高校生活を送る。
・家庭科と生物と化学は常に満点だったが、他は赤点まみれ(特に数学)だったので、補習の常習者だった。
・そんな白雪だが、短大の食物科へ進学。ファミレスでバイトしながら資格取得に励む。
・優秀な成績で卒業。栄養士の国家資格も取得する。
・自分の店を持つことを目標に、ホテルのシェフとして前途有望なスタートを切る。
・しかし5年後、マダムピッコリが急死。遺言状によれば、ある街で閉店中のパン屋(ピッコリの資産)を白雪に相続するという。
・相続税を払い、白雪は自分の店を手に入れた。
・開店記念に春歌から包丁が贈られてきた。曰く、京都の山奥で春歌が作ったものらしい。
・ホテルで働いていた頃の方が収入は良かったが、客の喜ぶ顔が見られる充実感で、白雪は幸せだった。
・しかし開店3年目の冬(28歳)、隣家の火災に巻き込まれ、店が全焼してしまう。
・悲嘆にくれる白雪を慰めてくれたのは、近所の男子高校生だった。当時17歳の彼は白雪にプロポーズする。
・「必ずこの町に戻って来るから、俺が大学を卒業するまで待ってて下さい!」と言われ、白雪もそれを受ける。
・ふと航が気になったが、その頃、航は可憐の家を出て失踪中だった。
・火災保険が下りたので、老朽化していたパン屋は新しく生まれ変わる。
・4年後、地元に戻ってきた彼とめでたく結婚。長女を出産。
・そのまま一家幸せに……と思いきや、結婚3年目にして夫が病死。
・夫の遺族が「孫と一緒に暮らしたい」と言うので、惜しまれつつパン屋を閉店。
・それからは栄養士の資格を活かし、定年まで給食センターに勤務する。再婚せず。

 

鈴凛とメカ鈴凛

とりあえず公式に基づき、アメリカ留学は外せませんか。
若くして天才技術者の道をほしいままにすると思いきや、ヤバさんの回答ではちょっとした遠回りがありました。
いいなあ、鈴凛は金の亡者でも。(そしてナイス四葉)
戸籍捏造のくだりは、入籍できたのかが気になりますが、メカ鈴凛が可愛いので問題なしです。

そしてなりゅーさんの「メカ鈴凛との死別」! これ凄いです。メカ鈴凛こそ今回の目玉です。
メチャクチャ感動しました! 彼女は立派に「人」だったと思います。本当マジ泣きしそうだったもん!
鈴凛は確かに「命の創造」に成功してたんですね……ああ、なんかもう神話クラスだ。
手塚治虫が採り上げそうなテーマだけど、慣れ親しんだキャラでやられると感動の重みが違いますよ!
メカ鈴凛の死と、その後の鈴凛の行動……メカ鈴凛が教えてくれたことは、鈴凛にとって大きな意味があったのですね。このへんSS化したら、間違いなくシスプリ史に残る名作になるでしょう!
逆に、永久に稼動し続けてもその先には悲劇が待っているのでしょうけど。(あ、千影がいるか)

・高校2年のとき、飛び級でアメリカの大学に進学。ここまでは計画通り。
・数々の研究で成果を挙げた彼女には、19で博士号が与えられる。
・しかし、自分の技術が兵器開発に応用されていることを知り、一度は科学に失望する。
・研究機関を去った鈴凛は、パーッと気晴らしにラスベガスへ向かう。
・ラスベガスで見事に金を使い切り、一文無しになる。
・ソフトを開発してその権利を10万ドルで売り、日本へ帰国。
・このとき鈴凛は20歳になっていたが、「科学を悪用させないためにも」と教育者の道を志す。
・中学の理科教師となるべく、教育学部を受験。そして合格。
・在学中、鞠絵と再会。この頃鈴凛はタバコを吸っていたが、鞠絵に正座で4時間説教されたので禁煙。
・卒業後、エリート達が集う有名私立中学で教師生活スタート。
・生徒は受験以外何も眼中にないような連中ばかりだったが、豪快な授業とユニークな実験で、生徒が次第に理科のおもしろさに目覚め、生き生きと勉強を始める。
・29歳のとき、中学に人力飛行機部が発足。鈴凛は顧問となる。
・大会では初出場で準優勝。(あくまで鈴凛はヒントしか出さず、生徒の力だけで作らせている)
・鈴凛に触発され、他の教師達も学校に革命を起こす。こうして「血の通わないエリート校」は大きく変化した。
・31歳のとき、国語教師にプロポーズされるが、本人は独身生活が好きなのでお断り。
・発明は趣味にとどめながら45歳まであちこちの学校を渡り歩き、教師生活を続ける。
・46歳から52歳まで、一流私立大の講師となる。研究論文が期待されるが、あくまで教育者としての生き方がメイン。
・53歳。つぶれかけた教材メーカーをほんの気まぐれで立て直す。
・その後、無性に機械いじりをしたい欲求が高まり、ジジのようなラボを構える。
・60歳まで病気一つ患うことなく、元気に生きる。
・ちなみに、生涯ギャンブルには負け続けた。

 

千影

彼女ほど「老い」を想像しにくいキャラもいないと思います。
そして同様に「社会参加」も。イレギュラーかつアウトローが板についたキャラですから。
だから、千影だけはずっと今のままでも仕方ないでしょう。と言うか、その方が似合ってます。
次々に家族の死を見取っていく彼女が何を思うか……想像すると切ない。
職業としては占い師が挙がりましたが、まさに適職。一日で200人以上となると相当な繁盛ぶりです。

・高校時代、無口な千影は孤立すると思われたが、逆にウケキャラとして人気者になった。
・人にもまれるのも悪くないと思い始めた千影は、思い切って自分改造計画に乗り出す。
・17歳の夏。保育士を目指していることを姉妹に打ち明ける。反応は「本気?」×11
・それでも可憐はピアノを教えてくれた。もともと筋が良かったので、すぐ習得する。
・周囲の心配をよそに保育士養成学校へ進学。
・千影は明らかに自分を変えようとしていた。傍からは「無理してる」ように見えても、本人それを楽しんでいるようだった。
・千影も、「もう二度と魔法は使わない」と自分に制約を課していた。
・そして卒業。20歳から保育園勤務を始める。
・幼児には第一印象で「こわい」と思われがちな彼女だが、もう以前の千影ではなかった。
・もともと姉妹一の子供好きだったため、一月もしないうちにすっかり「ちかげせんせい」が板につく。
・姉妹達は皆それに驚かされたが、幸せそうな千影を心から祝福するのだった。
・しかし28歳の冬、生徒が川で溺れて生死の境をさまよう。それを目の前にして、千影は最後の魔法を使う。
・それは死の運命を強制変更する、禁断の魔法だった。結果的に生徒の命を救った千影だが、その代償として魔の血に半分犯される。日光に極端に弱い体質になり、保育士を続けられなくなってしまった。
・生徒から最後の「ありがとう」は、今でも千影の耳に残っている。
・その後、さびれた映画館のチケット販売員としてしばらく働く。
・33歳。亞里亞の援助を受け、アンティークショップを始める。
・千影の店に近所の子供が訪ねてくるようになり、趣味で絵本を書き始める。
・近所で噂が立ち、子供の保護者は「怪しいおばさんに近づいちゃダメ」と教えるが、「ちかげさんは悪い人じゃないもん!」と、子供に守られる。それを知った千影は感激の涙を流す。
・鞠絵の勧めで絵本を出版社に送ってみたら、いきなり全国出版してくれるという。
・そこから絵本作家としての活動も続け、46歳のときに賞を受賞。しかし授賞式には行けなかった。
・48歳のとき、60の老紳士からプロポーズされる。でもさすがにお断り。生活の不都合もあるし。
・そのまま60歳まで、柱時計の振り子のように静かな毎日を過ごしている。千影の絵本は大人にも好評で、多くのファンレターが届く。
・自分は孤独ではない。毎夜訪ねてくる野良猫を撫でながら、そう思うのだった。
・今でも年に一度、兄妹が集まるパーティーは夜に行われている。

 

春歌

春歌が教師! 熱血教師! 言われてみて、ものすごく合ってる気がしました。
けど個人的に、英語よりは国語だと思います。和服着た英語教師って……
数々の対決を勝ち抜いていく春歌に、生徒はきっと前向きなチャレンジ精神を学ぶはずです。
柿ノ本さんに夢中な春歌も、おのろけっぷりが可愛くて良かったです。柿ノ本さんの反応も。
特に自伝が成人指定になっちゃうあたりとか。天才は何気なく世を騒がせるものですね。

・高校でも文武両道。なぎなたで全国優勝し、学業も優秀だったが、天然ボケなキャラは相変わらず。
・大学は国立の国文学科に入学。まったりと古典に親しみつつ、4年間を過ごす。
・と思いきや、夏休みには山寺で禅を組んだり、刀を打ったり、漆を塗ったり、色々な事にチャレンジしていた。
・数々の伝統芸能を習得していく春歌は、文化庁の役人、皆井を驚かせる。
・そこまで芸達者な春歌だが、どこか世間とズレているため就職がなかなか決まらず。
・「皆井さんの紹介で伝統工芸技術者になろうかな」、と本気で思っていたところ、山形の温泉旅館で働き始める。
・仕事熱心で愛想の良い春歌は、旅館の看板娘として誰からも愛される。(10年ぶりの新卒採用だったため、仕事場は年上ばかりだった)
・新しいパンフレットに露天風呂の写真を載せる際、ぜひモデルにと推薦される。本人は湯に入る前から赤面して倒れる。
・まさに「芸は身を助く」を体現する生き方。大学卒業までに身につけた技術・知識を活かし、様々な催し物を企画しては成功の連続。
・30歳の頃、旅館に迷惑行為を働いた地元ヤクザを一組つぶす。
・それ以来、何名かのヤクザに「姐さん」として慕われるが、春歌は彼らをうまく使い、労働の喜びに目覚めさせる。寺で修行した春歌の人徳はここで発揮された。
・33歳の頃、皆井が新婚旅行で泊まりに来る。春歌は心からもてなすが、それを見てふっと独り身が寂しくなる。
・この頃ひっきりなしに縁談が寄せられていたが、どうしても結婚する気になれなかった。
・36歳にして女将となる。地元の観光協会でも中心人物となり、才腕を発揮。
・同じ年、失踪していた航から連絡が入る。嬉しくて嬉しくて、心は少女に戻る。
・44歳。再びヤクザの抗争に巻き込まれるが、今度はケンカ両成敗。二組ともつぶす。
・47歳。松尾芭蕉がてらに、ローカル線に乗っての日本一周俳句の旅を計画。仲間からも応援されて、いざ実行。
・旅の途中、和歌山でつぶれかけた銭湯を立て直そうとしたが、ついに為し得ず。自分の力はとても小さく、周りの人間に支えられてることを思い知る。
・50台には俳句集をはじめ、何冊かの著書を出版する。
・60台もこんな感じで、たくましく生きるでしょう。

 

四葉

彼女も難易度高いと思います。だって、探偵にしちゃったらその後を想像するの難しいですよ?
最終的には名探偵として大成するようで、是非がんばってほしいです。
直月さんの元ネタは分かりませんが、ノリで笑えました。
なりゅーさんのは、師との出会いにまたドラマが隠されていそうです。

・高校2年。クラスメイトと一緒に高校生クイズ出場。地区予選の一問目○×に自信満々で間違え、ひんしゅくを買う。
・高校3年。ICPOを目指して一流大の法学部を受験。不合格。
・19歳にして私立探偵を開業。まともな依頼は来ず。
・そんな四葉が考えたのは、「指名手配犯をつかまえれば一気に有名になれる!」ということ。
・国際指名手配されているA級犯罪者の首を取りに、香港へ渡る。
・その理由とは? 「天才的な勘デス!」(あと、イギリス英語通じるから)
・しかし長期におよぶ地道な捜査により、本当に犯罪者の居所をつき止めてしまう。
・すぐさま警察に情報提供。犯人は逮捕されたが、とっくにビザが切れていた四葉も同時に逮捕される。
・22歳。日本に強制送還された四葉だが、探偵をやめる気はなく、積極的に営業活動を行う。
・と言っても、事件現場にいち早く駆けつけて、捜査にムリヤリ割り込もうとする程度。
・婦人警官となっていた竜崎に、たびたび厳重注意を受ける。
・一度公務執行妨害で逮捕されるが、結果的に四葉の情報が役に立ったので無罪放免。
・鳴かず飛ばずの日が続き、ヤジ馬根性で集めたフォーカスを新聞社に売って生活する日々。
・もういいかげん探偵は諦め、デパートの販売員として就職。(英語力を買われた)
・社内の情報通として女子社員の中心的存在となる。
・26歳のとき、デパートでエレベータートリックを使った殺人事件に遭遇。見事に事件を解決する。
・30歳のとき、社員旅行で春歌の旅館へ。そこで盗難事件に遭遇。事件を解決する。
・もしかして探偵の素質が今になって開花してきたのかも、と思い、いきなり退職。再び探偵を開業。
・でもやっぱり繁盛せず、1年で元の職場に出戻り。
・40前にして悟る。「探偵を本業にしない方が活躍できる」という法則。
・結婚など考える間もなく、イベントに満ちた人生を送る。
・50歳で退社。今までの体験を本にしようと、自伝のつもりで推理小説を書き始める。
・しかし、日本語の文才がなかったため、漫画の原作として使われることに。
・そんなこんなで面白おかしく生きながら、60を迎える。

 

亞里亞

千影と並んで浮世離れしてそうなキャラだから、皆さん苦労されたでしょう。
財閥の運営に才腕を発揮するというのも宿命を感じますが、そこから自由になったとき、彼女が何を欲するのか非常に興味あるところです。
一例としてソプラノ歌手が挙がりましたが、ここに至るまでにも相当な苦労を乗り越えているはず。
いずれにせよ、亞里亞の未来には努力による克己研鑽が期待されています。がんばれ!

・7歳の頃、フランスで美術・宝石鑑定士の資格を取得。
・中学1年の頃、視力が低下。下ぶちメガネをかけ始める。
・高校では天文部に所属。声楽は続けているが、皆の前では歌わない。
・高校卒業と同時に、使い物にならなくなった航に代わって、海神財閥の総裁となる。
・1年間で経営学を叩き込まれた甲斐あって、前ほどではないが財閥は持ち直す。
・その手腕は期待されたが、本人はつまらなそうだった。
・結局周囲の期待に流されるまま、23歳まで総裁を務める。
・どこか息苦しそうな亞里亞を見かねたじいやは、財閥の手から亞里亞をフランスへ逃がす。
・自由になった亞里亞は、とある町で小さな画材屋を始める。
・25歳の春、3歳年下の美大生に恋をする。勇気を出して告白するが、彼は浮気性だった。
・フランスが悲恋の地になってしまったので、日本へ帰国。
・海神財閥はすでに解体。じいやとは連絡が取れなくなっていた。
・それから美術鑑定士として開業。お金を貯めて洋館を買う、という目標をもつ。なぜなら、じいやと一緒に暮らした頃の洋館が、自分の最も「落ち着く場所」であったから。
・31歳で洋館を購入。次の目標はここに美術品を収集し、ギャラリーとして開放すること。
・33歳。何かスポーツを始めようと思いクリケットに興味をもつが、日本ではあまり行われていないので、ゲートボールを始める。老人達に混じって参加するうちに上達し、大会で優勝。
・35歳。フランスの税務局員サリスモンド(じいやの大学の先輩)から連絡が入り、じいやの死を伝えられる。
・何でも、メイドを辞めた後はイタリアでマフィア相手に戦っていたらしく、凶弾に倒れたとのこと。
・雨の日、亞里亞は葬儀に参列。そこで初めて、車椅子に乗ったじいやの弟(39歳)と出会う。
・彼は詩人で、最愛の姉を失った悲しみを詩にした。亞里亞はそれに感動し、曲をつけて歌にする。
・日本に帰った亞里亞は、可憐のコンサートホールを深夜借りて、聴衆のいないステージでその歌を思い切り歌った。「ありがとう」の涙を流しながら。
・42歳。地震によって洋館の一部が瓦解。しかし「壊れ方が良い」とのことで、そのまま直さないでおく。
・それからは何事もなく……たまに雛子と旅行したりしながら、静かな一生を過ごす。

 

眞深

俗世に生き、俗世に生かされ、俗世を愛す。そんな一般庶民の強さを誰よりも体現するのが彼女です。
貧乏クジを引くべくして引いてるようなキャラですが、だからこそ幸せになってほしい。
また、ヤバさんのように底辺から上層部へ駆け上がるパワーも見ごたえありましたよ。
百合回答が連立する中、意外なところで極上のシスプリを見せてもらいました。山神兄妹に幸あれ。

・部活に燃えることもなく、ひたすらバイトに励む高校時代を送る。
・最小限の単位で卒業した後も、迷わずフリーターとなる。根っからの勉強嫌いだが、「成績は悪くても頭は良い」タイプなので、器用に世を渡る。
・あまり一つの地に長居せず、日本各地を転々とする。その度にバイト仲間は増えていった。
・20歳。岡山できびだんごを売っていたが、タイ人の女友達から「祖国に帰って商売を始める。一緒に来ない?」と言われ、眞深もその話に乗る。
・ディスカウントストアみたいな商売は軌道に乗り、眞深は店長待遇になる。
・しかし24歳のある日、どうしても我慢できなくなり日本に帰ることにした。
・「どうして?」と友人が尋ねると、「カレーが違う!米も違う!……あたしやっぱり日本でカレー屋開くんだ!」
・強い意志を認めた友人はそれを快諾。眞深はタイを後にする。
・「でもドリアンにはちょっとハマったな」
・帰国後、いきなりカレー屋開けるはずもなく、高速道路のサービスエリアに就職して軽食を作る毎日。
・25歳のある日、同い年のトラック運転手に一目惚れし、プロポーズ。
・彼と結婚し千葉(夫の家)へ引っ越す。26歳には長男、28歳に次男、30歳で長女を出産。
・31歳のときから1年間、航が居候する。(詳しくは彼の項で)
・子供達も手がかからなくなってきたところで、県立高校の購買部に再就職。昼休みのヤキソバパン争奪を司る立場として、優越感を味わう。
・44歳。長男が新聞奨学生をやりながら国立大に進学する。
・47歳。夫の胃ガンが診断されるが、ストレスのない家族だったため笑いの力で治癒。すばらしい。
・次男、長女も国立大に進学。長男も一流企業に就職し、全てが順調。
・まあそんな感じで幸せな日々が続き、気づけば60。

 

その他の面々

・東大に現役合格したまではいいが、将来の目標も持てず、ただ勉強だけして過ごす。
・20歳。成人と同時に海神財閥の総裁となり、プレッシャーに潰されそうになる。
・そして実際、彼は潰された。2年のうちに海神財閥を破綻寸前まで追い込み、株主総会で激しく叩かれる。
・生来の気の弱さと、決断力のなさ。そして何より、今まで当然のように持っていた「妹達への依存心」が災いしていた。
・大学も卒業しないまま、ついに航は逃げ出す。次期総裁は亞里亞が就任することに。
・2年ほど、働きもせずダラダラと過ごす。
・ホームレスになりかけていた25歳のとき、山田と再会。
・山田は家に泊めるなど親切にしてくれた。しかし、かえって屈辱に感じた航はこう言う。
「いい気になるなよ! 山田のくせに僕を見下すな……お前には、妹もいないくせに!」
・山田は意味不明だったが、ショックを受ける。しかし航はもっとショックだった。礼も言わず山田のアパートを飛び出し、可憐のもとへ転がり込む。
(どうだ山田!……僕を好きでいてくれる妹達……これがお前との決定的な差だ!)
・航は最低の人間になり下がっていた。31歳まで可憐(と綾小路)にパラサイト。
・31歳の夏。可憐に初めて「大嫌い!」と言われ、家を出る。
・ホームレスとして生気を失っていたとき、偶然燦緒と再会。
・燦緒もまた、初めは航を「飼って」くれた。しかし、3ヵ月もするとこう言われる。
「もう出てけよ。お前は……別人だ。俺が好きだった航じゃない!」
・季節は冬。身も心も凍えた航は焚き火をする。そのとき火の不始末で、パン屋が1軒全焼する。
・32歳。ホモにも嫌われた航は人生に絶望し、夜の湾岸で投身自殺を図る。
・しかし、そこを通りがかったトラック運転手に助けられる。眞深の夫だった。
・眞深の家でお世話になり、人生をやり直すことを決意。自分の弱さを認め、何ができるか考えてみた。
「僕は所詮、学校の勉強しかできない人間……ならせめて、それを強みにしていこう」
・眞深一家の許しを得て、私塾を開く。1年半後には金が貯まり、教室を借りて本格的な塾にする。
・38歳。妹達に無事を伝え、今までのことを謝る。山田と燦緒にも謝罪し、友情を取り戻す。

 

燦緒

・18歳。一流大学入学と同時に芸能活動を始める。
・ルックスが良く演技力もあるので、俳優としてかなりの位置まで上り詰める。
・26歳のとき、同じ事務所の咲耶とスキャンダルになり、ホモであることを激白。
・多くのファンが失望したが、それとは別のファン層が新たに生まれ、芸能活動は続ける。
・ただし、出演は一気にバラエティに偏る。
・もちろん一生独身だった。

 

皆井

・高校では勉強一筋と思われがちだが、地味に将棋部主将を務めてたりする。
・東大法学部に現役合格。航と再会し、再び同級生になる。
・在学中に司法試験に合格し、優秀な成績で卒業。
・古いもの好きが高じて、文化庁の役人となる。重要文化財の管理や人間国宝の接待をする、若者に似つかわしくない毎日。
・しかし27歳。緩慢な仕事に税金を食いつぶしていることが後ろめたくなり、文化庁を辞める。
・弁護士になってからは、人権活動とかいろいろやる。(適当)
・34歳で在日韓国人女性と結婚。新婚旅行は山形の温泉。
・翌年、長女が生まれる。
・43歳。父親を亡くし、岩手の実家がせんべい屋の看板を降ろす。
・それからも地味に、ひたすら地味に生きる。
・一生古代史マニアであり続けたので、古墳見学などが楽しみだった。
・邪馬台国の場所をつきとめるのが、密かな夢だったらしい。

 

山田

・アニメの専門学校を卒業後、制作会社に入る。
・25歳。航を拾って一悶着。
・メカニックデザインのセンスを評価され、29歳で独立。
・30歳。独学でプログラムを勉強し始める。
・31歳。ゲーム会社を設立。初め4年は苦労するが、5年目に大ヒット作をとばす。
・38歳。なまじ成功した会社が乗っ取りの危機にあうが、皆井の助けでなんとか助かる。
・生涯一オタクを貫き、儲けては浪費の繰り返し。本人はすごく幸せそう。
・食生活に問題あったが、不思議なことに一度も病気にはかからなかった。
・女性といい関係になったことは、ただの一度もなかった。

 

竜崎

・中学、高校と生徒会長を務める。
・大学卒業後、警察官となる。捜査に割り込んでくる四葉を抑えること数回。
・とてもマジメなので駐車違反とかすごく厳しい。
・29歳で公務員とお見合い結婚したが、警官を辞める気はなかった。
・こうして定年まで、町の治安を守り続ける。
・ちなみに彼女の警棒は特別製で、バトンの長さまで伸びることはあまり知られていない。

 

綾小路

・音大受験の前日、下剤入りケーキを完食したが、「可憐ちゃんと同じ大学へ行くんだ!」という執念で試験を受け、奇跡的に合格する。
・試験官曰く、「あの時の彼には、何か鬼気迫るものを感じた」
・しかし肝心の可憐が落ちてしまったので、情熱は空回り。
・ピアニストになろうとも考えたが、コンサートホールのオーナーが運営者としてスカウトしてきた。数年のうちに成功をおさめる。
・28歳のとき、可憐と再会して10年ぶりのプロポーズ。OKをもらえた時は人生の絶頂だった。
・それから1年。綾小路は妻の誕生日プレゼントを持って、家路を急いでいた。
・そのとき歩道橋で不良と肩がぶつかり、からまれる。不良はプレゼントを歩道橋から投げ捨てようとしたが、そこに綾小路が飛びついて、転落死。
・葬儀を終えた後。可憐は初めて彼のために、少しだけ泣いてくれた。

 

ひばりちゃん

・小学6年生のころ、療養所で鞠絵と親友になる。
・高校卒業後、介護の専門学校へ進学。実習が忙しく、鞠絵との文通が一時途絶える。
・卒業後は介護福祉士として、各地の療養所や老人ホームで活躍する。
・ホームのおばあちゃんの紹介で、25歳でお見合い結婚。夫はマジメな測量士。
・26歳で長女を、28歳で長男を出産。
・しかし長男は未熟児で、生後2ヵ月で亡くなってしまった。
・33の頃、鞠絵が文学賞を受賞したことを知り、プレゼントを贈る。文通を再開。
・43歳で鞠絵と再開し、「お互い老けたね」と笑う。
・49歳。趣味のリボンアートが評価され、ささやかな個展が開かれる。場所は四葉のデパートの展示場。
・52歳。過労で倒れる。もともと身体が弱かったのだ。
・夫の介護もむなしく10日間の入院の後、この世を去る。
・葬儀に参列した鞠絵は出棺のとき、彼女の棺に書き下ろしの原稿を入れる。「天国で読んでね……」
・それは世間に知られることはない、2人の少女の友情物語だった。

 

小森さん

・中学3年から同人誌にのめりこみ、高校生の頃には大手サークルの筆頭となる。もちろん百合。
・多くのファンレターを彼女は喜ぶが、中には山田みたいなファンが混じってることをうざったく思う。
・私立の大学へ進んだが、漫画家デビューして売れ始めたので中退。
・レディースコミックの売れっ子として、荒稼ぎする。
・生涯にわたって百合ひとすじだったので、結婚はしない。
・アシスタント募集でも、面接できわどい質問されるから注意。

 

自分でもあきれるほど時間かけてしまいましたが、こんな感じです。
(柿ノ本さんは今回パスさせて下さい)

あ、それからなりゅーさんのまりりん!
これは、例のSSを思い出さずにはいられませんでした。『Twin rings』
あれのもう一つの展開、超ハッピーエンドって感じじゃないですか!
結婚式2回もやっちゃう気前の良さときたらどうだ!
「なんかあって」の部分が、そちらの各SSに相当するのでしょうが……

いやもう、さすがです。幸せのボルテージがすごいことになってます。
まりりんの真骨頂、ここでも見せてもらいましたよ。

 

3104さんからの回答

◆序論
 
「兄有り」「兄なし」「百合」など色々な60年史がありますが、私は熊谷さんと同様、アニシス(兄=航)の設定で考えてみました。また、13人兄妹が出会うまでの生い立ちなども創作しましたが、同時に私はオリジナリティーに乏しく、他の人のネタをパクったところも色々あって、その点はどうか大目に見てください(苦笑)。
 
 
 
◆プロローグ〜13人兄妹の父中心の前史
 
・日本でも有数の逸材と言われる外交官・海神氏(以下・父と呼称)には3人の子供が居た(長男・航、長女・鈴凛、次女・衛)。
・彼の妻は大変な美人だったが、衛を難産で産み、それが原因で若くして亡くなってしまう。
・衛が生まれた直後、父の仲間の外交官達が事故で大勢亡くなる。外交官の業績で、世界有数の大富豪であった彼は、身寄りのない仲間の遺児達(咲耶・千影・春歌・鞠絵・四葉・可憐・白雪)を養子として引き取った。
・だが、外交官という多忙のため、兄妹は血縁・非血縁隔てなく父の知り合いの家に送られ別々に育てられる事となった。
・うち長男の航は、父の元秘書であったじいや(男)に育てられ、航が7歳の時まで妹達は「お兄ちゃんの日」のみ会えるようにしたが、これ以降は引取先の家の事情もあり、「お兄ちゃんの日」も廃止されてしまった(妹達はこの記憶を覚えていたが、後に勉強生活を送る航はいつしか忘れてしまう)。
・父は3人の新たな養女(花穂・亞里亞・雛子)を迎えて同様に別々に育てさせる一方、大金をはたいて無人島を購入。新しい街の建設に乗り出した。これが言うまでもなく、後のプロミストアイランドである。
・父は子供達がある程度成長したのを期に、仕事の多忙ぶりで手が回せない自分の分まで、じいや達に子供達をプロミストアイランドに集めさせた。
・この際、じいや(男)にはマニュアル本を渡したが、航が一時島を去り、結局帰還した事件を知り、自分の行動が子供達を縛り付けていたという罪悪感に悩まされる事となる。結果、マニュアル本は封印し、子供達が自主的に成長するのを見守る事になった。
・航の高校卒業直前、父はプロミストアイランドを訪れ、初めて13人の子供と再会した。親の愛情を与えなかった事をわびる彼に対し、子供達は逆に自分たちがこうして巡り合わせてくれたのも父のおかげだと感謝し、親子のわだかまりは解け、無事和解した。
・父はその後も外交官という仕事上、なかなか子供達と会える機会がなかったが、2〜3年に一度の割合で会えるようにスケジュールを合わせるようにした。そして、息子・航の結婚式にも立ち会う事となる。
 
 
 
可憐
 
・幼い頃両親を事故で失い(外交官なのは父母どちらでも可、咲耶・千影・春歌・鞠絵・四葉・白雪も同様なので略)、航の父の母に育てられる。可憐は大変なおばあちゃん子で、彼女から兄の存在を知り、ロケットをプレゼントされる。
・ほとんど会ったことのない兄・航に初恋するが、小学生の頃、ピアノで知り合った綾小路から「兄妹は結婚できない」と言われて、思わずビンタしてしまう。この出来事が、可憐に現実の厳しさを思い知らされるようになった。
・直後、祖母が急死。すぐに別の家に引き取られ、綾小路とはぎくしゃくした関係のまま終わってしまう。
・その後飛び級を経て、プロミストアイランドで3年間兄妹と共同生活をするが、可憐が必要以上に兄に甘えているのは、甘えられるのも今のうちだけという切ない思いがあったからだ。
・ピアノの才能が認められて、某音大に入学。ピアニストを目指すことに。航への思いを断ち切るため、大学の女子寮に入った。
・大学生活とピアノの特訓のため、ウエルカムハウスになかなかに帰れず、卒業後も留学した事でさらにその機会が減ってしまい、一時兄妹達と疎遠になってしまった。
・久しぶりにウエルカムハウスに帰った時、姉の咲耶の様子がおかしいことに気づく。相談に乗ったところ、咲耶が結婚したいほど本気で航を愛している事を聞き愕然とする。
・しかし、その事での苦悩(詳しくは咲耶の欄参照)を聞いて、咲耶を応援することを決意。ここに自分の初恋に終止符を打った。
・ほぼ同時期に、綾小路と再会。10数年ぶりに和解した。
・航と咲耶の結婚前後から、可憐自身はピアニストとしての活躍を始める。繊細かつ情熱的な演奏は、特に女性からの熱い支持を受けた。
・40代になってからは、いよいよ世界的に知られるピアニストとなる。大物アーティストとの競演や、カーネギーホールでの演奏など輝かしい業績を残すが、本人はどこか腑に落ちない部分があった。
・50代以降リサイタルをほとんど止め、CDでの録音演奏や後身の育成に専念する。一方、スケジュールに徐々に余裕が生まれ、兄妹との交流がようやく本格的に復活。最低でも1年に1度は兄妹と会うようにし、家族だけのための演奏会も行えるように。
・ちなみに一生独身のままに終わり、航が亡くなると、翌年後を追うようにこの世を去った。死後、国民栄誉賞受賞。
 
 
 
花穂
 
・プロミストアイランドでの同居生活が始まってから、3年間航を応援することに全てをつぎ込んだが、航が大学進学にあたり島を離れてしまい、目標を見失ってしまう。
・何をすべきか迷っていたが、花の世話や亞里亞・雛子ら年少組の面倒を見てきた経験から、応援の対象を航から不確定多数(特に弱者へ)に変化する。
・さらに、その詳しい進路にも悩んだが、あるボランティア活動で保育園の一日実習を経験し、これを期に保育士を目指すようになる。
・勉強との両立が難しくなり、大学におけるチアのハイレベル化も考えて、高校でチアは引退し、保育士の学業に専念。結果、見事教育系の大学に一発で合格。
・大学に入ってから、実際の保育実習の大変さに現実の厳しさを痛感するが、花穂はめげずに努力した。幼い頃、自信が無く臆病だった花穂は、その分その気持ちを誰よりも理解していた。子供達から厚く慕われたのもそのためである。だから、子供達の成長が何よりのも喜びであった。
・また、植物の知識があることも、子供達の話題にするだけでなく、保育園での農作業でも(最近の保育園では、畑があって作物を育てて子供の教育にしているところが多くなっている)大いに役に立った。
・保育士の資格も取り、正式に活動を開始するが、1年目にしていきなり大きな壁にぶち当たる。花穂が目を離したすきに、子供がケガをしてしまったのだ。幸いにも大事には至らなかったが、この事件で自信を失ってしまう。
・しかし同僚や自分を慕う子供達、そして兄妹の励ましを受けて、見事復活。この経験を生かし、徐々にドジをふまなくなってきた。
・その後は順調に活動していたが、可憐の紹介で知り合い、当時バツイチとなっていた綾小路の子供が児童の中にいた事から(綾小路の欄参照)、それがきっかけで交際が始まり、30代中頃なんと綾小路と結婚した。
・綾小路の連れ子は、花穂が保育士から突然母親になったことにとまどいを隠せなかったが、彼女の懸命な面倒の結果、本当の母のように慕うようになってくれた。
・その後、夫との間に2人ばかり子供が産まれ、たびたび休業を挟みながらも、保育士を続ける。教え子の中には、白雪や竜崎先輩の子供もいた。
・50代に入って、遂に保育所の園長先生を任されることに。児童や実子を育て上げただけでなく後輩の保育士の面倒もよく見る彼女は、もう昔の頼りない花穂ではなかった。
・60代に定年退職するも、すぐに同じ仕事に再就職。誰からも尊敬され、誰からも愛される先生として現役活躍中。
 
 
 
 
・航の数少ない実の妹として産まれるが、出産時に母親が死亡。直後、父が仲間の遺児を引き取ったため、義理の姉たちと同様に育てられ、後に別々に育てられる。
・プロミストアイランドに住み始めた当時は、金づちだった航を指導することも出来たが、徐々に女の子として体力に不安を感じ始める。
・それでも、スポーツを捨てず、体育大学に合格。
・球技は苦手なので、陸上を専門とする。全国大会などで優秀な成績を残すが、オリンピックには予選落ちして断念(ヤバさんのパクりだ)。
・大学卒業後もスポーツに打ち込みたかったので、コーチとして大学に残る。
・30代半ば頃に、数年前からつきあっていた男性(大学の知り合い)と結婚。あまり家事がうまくなかったので、夫は主夫となり、衛はコーチに専念。
・40歳前後で高齢出産、母子共に健康。結局子供はこの子1人だけであった。
・コーチから監督としてさらに指導に励むが、教え子がオリンピックで金メダルを取ったことから、衛も急に注目される。
・気さくで温かい人柄なので、教え子と共に一時テレビ業界に引っ張りだこになるが、ブームが過ぎると、何事もなかったかのように再び監督に専念。
・そんなこんなで、60歳を過ぎても後身の育成に励み続ける。
 
 
 
咲耶
 
・12人姉妹の中で最年長だったため(可憐は飛び級だが咲耶より年下)、当初からリーダー格として妹達を引っ張っていく。航と可憐が大学進学で、島を去った後はリーダーシップにさらに磨きがかかる。
・おしゃれに敏感だったため、デザイナー系の仕事に就こうと、短大に入学。
・卒業後はプロミストアイランドに帰り、1丁目の店で働き始めながら、家で再び妹達を仕切るようになる。
・以前から航のことが好きだったが、徐々に本気で航に愛している自分に気づく。しかし(血が繋がっていないとはいえ)航は兄であり、自分が結婚することで、築き上げた13人兄妹の関係が崩れてしまうのではないかと考え、深く悩み続ける。
・ウェルカムハウスのすぐ隣には教会があるが、咲耶は夜遅くこの教会で一人思い詰めて、号泣することもあった。
・妹達にはそんな事を気づかれないように明るく振る舞っていたが、外国でピアノを学ぶ可憐が久しぶりに帰ってきた時に、様子がおかしいと問われる。
・さんざん迷った末、ついに咲耶は「結婚したいくらいお兄様の事が好き、だけどそれでせっかく築いた兄妹みんなとの絆を失いたくないの!」と告白する。
・ところが可憐は意外にも、賛成してくれるどころか、2人の中を応援すると返答した。また、他の妹にも赤心をもって伝えれば納得してくれると言ってくれた。
・可憐もまた兄を愛しているのに、身をひいたことに深く感謝した咲耶は妹達を説得。そして、ついに航にプロポーズ。結果翌年、遂に航と結婚した。この時20代半ばで、12姉妹中最も早婚だった。
・この結婚に及び、咲耶は海神家との養子縁組を解消し、義理の兄妹から、航の妻として改めて妹達の姉となった。
・それから数年後、仕事と両立しながら兼業主婦をしていた咲耶だったが、航との子供を妊娠する。しかし、少しでも仕事を努力しようと無理をした咲耶は、勤務中に突然倒れ病院に運ばれる。本人は無事だったが、この事件でお腹の子供を流産してしまう。
・絶望の淵に落とされた咲耶は、家族や友人の懸命な励ましを受けるも、その大きな精神の傷はなかなか治らなかった。一時は再起不能とまで思われたが、数年間かけて少しずつ立ち直っていった。一方、仕事は引退し専業主婦となって、家族の面倒を見ることとなった。
・さらに数年後(30代前半)、再び航との子供を妊娠。今度こそは健康な子供を産んでみせると決意した咲耶。無事、男の子と女の子の双子を出産した。咲耶と航は、子供にそれぞれ「直人」「櫻子」と名付けた。名前の由来は言うまでもない(笑)。
・その後しばらくは主婦業に専念したが、プロミストアイランド買収事件(燦緒・皆井の欄参照)をきっかけに、政治学を学び始める(かつて1丁目で働いていた時、経済学も本格的に学んでいた)。
・子供達の育児が一段落すると、公務員試験を受け、公民館や役所で働き始める。
・50代、プロミストアイランドが人口・産業の発展に伴い、(静岡県沼津・伊東あたりから)町として独立。第1回の町長選挙に出馬し、見事当選。初代プロミストアイランド町長となる。
・生涯学習やサービス産業の発展などで、町の発展に力を尽くし、4期にわたって町長を歴任。話題を呼び、衆議院出馬の声も上がったがきっぱりと断った。5回目の選挙は辞退し、引退。
・80歳を過ぎた頃から体調を崩し始め、夫や子供、多くの妹・孫に見守られながら、その波乱に満ちた生涯を終える。
 
 
 
雛子
 
・姉たちと年が離れているため、かなり遅れて海神家の養女となる。ちなみに、咲耶とは実の従姉妹である。
・各地の家を転々と移されていたため、孤独な幼年期を過ごしたが、プロミストアイランドに住み始めてからは、航や姉たちの厚い愛情を受け、のびのびと育ち社交的な性格に。
・小学校時代は他の生徒に比べて割と背が高く、中学・高校を経て咲耶ほどではないが、すらっとした美人になる(背は160cm代まで伸びた)。
・大学時代にモデルにスカウトされ、普通の服装のみ(水着など厳禁)という条件でモデルとなる。清楚な雰囲気が人気となり一躍売れっ子となるが、芸能界に出る気はなかった。
・事実、はやり廃りの早いモデル業界では、人気に陰りが見え始めると、さっさと引退。大学卒業後に就職したOLに専念する。同じ課には偶然竜崎がいて、花穂の紹介でかわいがられる。
・30になる直前に、見合い話が舞い込む。相手はこれといった特徴こそ無いが穏和なサラリーマンで、見合いを承諾。そのまま結婚。
・結婚を機に退職し、4人の子供を産み子沢山の家族に。このため育児に専念、再就職をあきらめる。
・ところが、夫の会社が倒産。夫の再就職を手助けしつつ、パートなどをはじめ肝っ玉母さんぶりを発揮し始める。
・夫の再就職と定年、子供達の独立がすんでからは、夫とのどかな老後生活を送る。結局、(子沢山という事をを除けば)眞深以上に一般庶民的な人生であった。
 
 
 
鞠絵
 
・幼い頃は活発な少女だったが、小学校に入った頃から体調に異変が起きる。鞠絵はサルコイドーシスという慢性的な病気で、体調が良好なときには日常生活や運動も可能だが、必要に応じてあるいは定期的に療養所での検査・治療が求められるような難病だった。
・このため、小学校時代は療養所で入院せざるを得なくなり、インドア的な生活を強いられるようになる。また、視力が低下したのも、過度の読書のみならず、この病気が原因とも言われる。
・そんな鞠絵を支えたのは、幼い頃に会ったきりの兄・航と、看護師の百合子先生の存在であった。百合子先生の愛情ある教育が、鞠絵を温厚で病気にも立ち向かえる強い精神を持つ女性へと成長させた。
・プロミストアイランドでは、1年目の夏(第8話)を除き、特に大病を患うことなく、健やかに生活を送る。この頃から、雛子や亞里亞に本を読み聞かせるのが習慣になった。
・高3の時、遂にサルコイドーシスが完治(実際には若年で完治する場合もあれば、一生慢性的に続く場合もあるそうです)。念のため体調管理には気をつけるが、行動範囲が急速に広がった。
・文学的才能があったため、東京にある文学部の大学に入学。童話作家を志すようになり、高名な作家の公野某先生(笑)の所に弟子入りする。
・大学卒業後、環境の良いプロミストアイランドの実家に帰り、そこで航・咲耶夫婦と同居しながら、童話作家として活動を始める。
・27歳の時、自分と兄妹をモデルにした童話「12人の優しい妹達」(←熊谷さんのSSとは全くの別物)が、大ヒット。急速にファン層が広まる。
・その後なかなか大作に恵まれず、スランプに陥るも、何とか持ち直す。
・30代後半に、編集の担当者と結婚。その後も夫共々、ウエルカムハウスに引き続き暮らす。
・夫との間に子供は出来ず、妹・雛子の子供を一人養子にもらう。
・絵本作家として活躍する一方、教育番組系のドラマの台本も手がけるようになる。そして、大ヒット作「12人の優しい妹達」がアニメ化され、脚本も書き下ろす。高視聴率のこれまたヒット作に。
・その後も童話作家として活躍し続け、70代で死去。13兄妹の中では一番早死ではあったが、それでも苦しむことなく安らかな最期で、天寿を全うしたと言えるだろう。
 
 
 
白雪
 
・小学校の頃から、近所に住むフランス人・マダム=ピッコリの料理教室に通い始める。幼い頃から兄・航に恋心を抱いていたが、マダムの励ましがかえって現実の厳しさを教えるようになる(可憐と同様)。
・中学進学と同時に、プロミストアイランドに転居。当初は航(と姉妹)のためだけに料理を作り、自分の料理を食べたがる山田をうっとうしく思っていたが、山田が自分の料理を心から喜んで食べてくれたこと(第19話)から、考えを改め始める。
・元々白雪は博愛主義者だったため、航のためのみならず、あらゆる人に料理を作って食べてもらうことが生き甲斐になっていった。
・料理の腕を磨くため、亞里亞やピッコリの紹介でフランスに留学。厳しい修行の末、調理師の免許以外にも様々な資格を会得。日本に帰国し、洋食店で働き始める。
・しかし、料理の技術ばかりに目をとられ、食べる人に喜んでもらえることをおろそかにしていたことに気づく。
・多くの人々の元で、人々が心からおいしいと思える料理を作るため、改めて料理の修業を始め、日本各地を渡り歩く。
・努力が実り、遂に自分の店を開店。この時、既に40歳を過ぎていた。残念ながらピッコリは、高齢のため既に他界していた。彼女の墓参りをした白雪は、料理への道を作ってくれた恩師に厚く感謝した。
・決して大きくはないが、客から愛される店を経営を続け、やがて店の常連客の一人(カズくんでも可)と結婚。既に50近くの遅めの春だった。
・夫の定年退職に伴い店を後継者に任せ、故郷のプロミストアイランドに戻り、2丁目に新しく店を作る。ここで、再び人々に料理を振る舞う日々を過ごす。
 
 
 
鈴凛
 
・航のすぐ下の実妹であり、最も航とのつきあいは古かった。しかし、実妹・衛と他10人の姉妹がいたため、離ればなれになってからは鈴凛の記憶すら航はなくなってしまう(ひどい話だ)。
・ある中小工場を経営する親戚の家に預けられるが、そこの老主人をジジと慕いおじいちゃん子になる。ジジから技術を学び、発明好きな電脳系になったのはご存じの通り。
・プロミストアイランドに行くにあたり、ジジ達家族に別れを告げ、既に完成したプロトメカ1号と共に島に渡る。
・島に来て2年目(中3)、ジジの訃報が届く。葬儀に参加し、悲しみに暮れる鈴凛だったが、航からあつく励まされる。
・その一方で、アメリカへの留学を考えていた鈴凛は、航との残り少ない同居生活を思い切り充実したものにした。
・大学進学にあたり、アメリカに留学。この時までに、2メートルもあってかさばる問題点があったプロトメカ1号を、自分と同じ身長までに縮小・改造(形はそのまま)。メカ鈴凛に対し、ロボ鈴凛と改名した。メカ鈴凛は留学までにほぼ完成し、プロトメカ1号改めロボ鈴凛と共にアメリカへ渡った(メカ鈴凛は航に送った)。
・アメリカの著名な大学・大学院を首席で卒業し、若くして博士号を取得。NASAからオファーがかかり、数少ない日本人職員として勤務を始める。
・しかし、NASAの経営方針とそりが合わず対立、首になってしまう。技術の独占など、アメリカに嫌気がさした鈴凛だったが、無職になってしまったのでどうしようもない。そのままアメリカに残り、独立してベンチャー企業を始める。この時30歳。
・初めは経営難などで苦しむが、鈴凛の独創的な発明がアメリカだけでなく世界各地で認められ、一大企業に成長。まさにアメリカン・ドリームを表したような成功を収める。
・この間にアメリカ人男性と国際結婚。子供も産まれる。
・40歳を過ぎてから、日本にも支社を作る。
・50代になり日本に拠点を移し、同時に帰国。アメリカの日本人顧問として、小森を派遣する(小森の欄参照)。
・60代を過ぎ、外交官だった父をもしのぐ大富豪となった鈴凛だが、ロックフェラー財団のように、慈善事業にも積極的に乗り出す。多忙のため、兄妹と会える機会はそう多くないが、可憐同様1年に1度は全員と会えるようにしている。
 
 
 
千影
 
・出生に不明な点が多く、両親とされる外交官夫婦とも実の親子ではないと言われている。
・引取先もほとんど不明で、じいや(男)ですら知らなかった。
・高校卒業後は意外にも、普通に大学に進学、心理学・倫理を学ぶ。
・しかし、大学卒業後突如行方をくらます。兄妹はそろって心配したが、不定期で一度プロミストアイランドに現れ、近況報告をするようになる。
・それによると、どうやら外国で生活をしているらしく、のんびりと隠遁生活を送っていたり、家族に危害を加えようとする霊と戦ったりと様々。
・やがて最低1年に1度は、皆の前に現れては風のように去っていく独特のスタイルを確率。それでも兄妹の相談に乗ったり、結構みんなの面倒を見ている。
・とりわけ、咲耶と航が結婚するという問題に対しては、航に「私たち11人の姉妹はみんな、兄くんと咲耶君の結婚を祝福するよ」と言って励まし、2人の結婚を促した。当の千影本人は、来世にかけるらしい(笑)。
・相変わらずマイペースの性格だが、昔に比べて明らかに丸くなった。一方、(他の皆さんのコメント同様)20歳を境に、容姿に全く変化がなくなり、兄妹が皆年老いても、千影だけはいつまでも若いままだった。
・50代の頃、独特の倫理観を著す哲学書を出版、なぜかベストセラーに。ただし、印税の行先などは全く不明。
・まさに不老不死を表したような長命ぶりで、12人の兄妹の臨終を看取った後、姿を現さなくなるものの、その後も兄妹の子・孫達からまれに目撃情報が入る。
 
 
 
春歌
 
・実の両親がドイツを中心に活動していたので、一旦航の父に引き取られた後、仕事の関係で同じくドイツに暮らしていた祖母(両親のどちらかの母親)の元で、中学まで生活する。
・外国に住んでも、日本の伝統文化を忘れずに守っていく祖母の影響を受けて、すこしズレているものの大和撫子としての修練に明け暮れる日々を送る。
・ダンスホールの主人の妻の髪留めを見つけ、航との舞踏会ができた事をきっかけに、兄妹の中で最もプロミストアイランドの住人との交流が深くなる。
・春歌は元々礼儀正しく、これまでに修練した稽古事などで教養面に優れていたのが、何よりもの理由であった。
・文系の大学に進学し、文学部日本文学科を専攻。古文の勉強に励む一方、多くの部活に複数所属する。
・しかし、あまりのスケジュールの多忙により疲労がたまってダウン。航達の忠告で泣く泣く部活を1〜3つに減らす。このころから現実もしっかり見るようになる。
・大学卒業後は、様々な塾や習い事の先生のバイトを転々とするが、春歌本人はどこか物足りなさを感じていた。
・そんな中、たまたま帰省した時に家族だけでなく、ダンスホールの主人他プロミストアイランドの住人達と久々に再会し、話をしている内に安らぎを感じる。
・ちょうど姉・咲耶が1丁目で働いていたこともあって、自分もということで和風街路の3丁目で働くことに。以前と同じく剣道や茶道の教師をかけもちだが、じっくりと教育に専念できるなど充実した日々に変化していった。
・プロミストアイランドで働きながら、数々の伝説を残す(内容は熊谷さん、なりゅーさん達のエピソードと同じ)。
・たまたま上京した時、通りかかったビルで殺人犯の立てこもり事件が起き(四葉の欄参照)、警察に勤めていた柿ノ本と共に犯人逮捕に乗り出す。ところが犯人を説得していた四葉が誤って犯人に撃たれてしまい、激高して犯人に飛びかかり一瞬にして倒して取り押さえた。その後、無事四葉が息を吹き返すと、真っ先に駆け寄り号泣した。
・プロミストアイランド買収事件(燦緒・皆井の欄参照)では、危険な調査を行う四葉の警護を自ら買って出て大活躍をした。
・後に3丁目の総括を任され、現在に至る。結婚したか独身のままだったかは、どちらとも取れるが、結婚した場合はやはり守りがいのある、ちょっと頼りないけど穏やかな人(つまり航のようなタイプ)と結ばれると思われる。結婚した場合、彼女も子沢山になりそう。
 
 
 
四葉
 
・イギリス人の祖父をもつクォーターとして生まれる。春歌同様、一旦航の父の養女となった後、イギリスに住んでいた祖父の元で暮らす。
・初等部からは寮に入るが、かなりトンでる性格のため、他の生徒や寮母と馴染めず孤独な少女時代を送る。何でも「チェキ」するようになったのは、その反動から。
・プロミストアイランドに住み始めた当時も実は少し浮いていたが、兄妹達が受け入れてくれるようになり、徐々に落ち着きも見せるようになる。
・初めは実際に探偵を目指し、探偵事務所の門を叩くものの、推察がイマイチ的はずれなところがあるので、むしろチェキ能力から観察力を買われ、事務所の先生からジャーナリストを目指した方がいいと言われる。四葉にとって探偵の道をあきらめるのは苦渋の決断だったが、大学進学に当たって経済学関係の大学に入り、ジャーナリストへの道を歩む事を決意する。
・大学卒業後すぐに新聞社に入社し、メキメキと頭角を現していく。当初はワイドショー関係のマスコミもしていたが、下世話なネタよりも本格的な事件などの取材の方が、元探偵志望の血が騒ぐのか得意として、主にそちらの担当に。
・ある日、新聞社のビルに殺人犯が人質を取り立てこもる事件が起こる。人質になったのは四葉と仲のいい同僚だったため、周囲の反対を押し切って犯人に人質を返すように単身乗り込んで説得を試みる。人質は解放されたが犯人はまだ投降せず、四葉は気が立っている犯人を引き続き説得した。しかし、その最中に駆けつけた警察が乱入。驚いて持っていた銃を暴発させた犯人は、誤って四葉を撃ってしまう。
・犯人は取り押さえられたが、腹部を打たれた四葉本人は意識不明の重体に陥り、すぐさま病院に運ばれて手術を受けた。だが、予想以上に傷は深く手術後も予断を許さない状況となった。
・昏睡状態の中、四葉は夢を見た。死んだ両親の幻影を見た四葉は思わず駆け寄ろうとするが、(夢の中にもかかわらず)突如現れた千影に「四葉君が行くのはそっちじゃないよ…」と言われ、足を止めて振り返った。その先にいたのは、残る10人の妹と最愛の兄・航だった。四葉は迷わず兄妹達の方向へ走り出した…。
・その直後、四葉は5日ぶりに意識を回復し目が覚めた。そこにいたのは、妹の危機に離れずについていた航が四葉の手を握っていたのである。奇跡的に死の縁から生還した四葉に航はもちろん、かけつけた姉妹は泣いて喜んだ。「兄チャマ、みんな…、四葉はもうこんな無茶しないデス…」と彼女はそう誓った。
・その後、体力もある程度回復して新聞社に復帰した四葉は、危険を伴う事件関連からは身をひき、ローカル誌などの日常的な取材をするようになった。決して派手ではないものの、なにげない発見などを楽しめるこの仕事を四葉は気に入り、ここでも面白い記事を作って人気を博すようになる。
・また、本人の希望により留置所にいる犯人との面会を実現させた。犯人は自分を更正させようとした四葉を撃ってしまった事をいたく後悔し、四葉はもちろん事件関係者に、心を入れ替えて反省すると言って厚く謝罪した。
・平凡だけど充実した日々を送る四葉に再び激震が走ったのは30歳になったばかりの頃であった。プロミストアイランドが不動産業者と結託した皆井に買収されそうになるという大事件が起こり(燦緒・皆井の欄参照)、何としてもプロミストアイランドを守るため、再び危険に身を投じる事となった。
・以前のような惨事を防ぐため、鈴凛に特製の超強力な防弾チョッキを作ってもらい、春歌の護衛と燦緒の情報提供の協力を得て、皆井達の不正を明らかにするため調査を行った。そして遂に決定的証拠をつかみ、警視庁も動きだし(柿ノ本の欄参照)皆井と不動産業者は逮捕され、プロミストアイランドは守られた。警察などから様々な感謝状などをもらった四葉は一躍時の人となったが、その後は再びローカル誌・新聞での取材に専念する生活に戻った。
・この仕事がまさに天職だったのか、40代以後もずっとマイペースにチェキ三昧の日々を送り続ける。ちなみに、チェキに夢中になるあまり、生涯独身のままだった。
 
 
 
亞里亞
 
・雛子と同じく、やや遅れて海神家の養女となるが、まもなくフランスに住む叔父夫婦(実際の両親の身内)で育てられる。
・家は豪華なお屋敷で、子供のいなかった叔父夫婦からは実の子のように愛情を育てられ育った。しかし、甘やかされて育ったためか、わがままで臆病な性格になってしまい、じいや(女)達は彼女の世話に手を焼く事になってしまう。
・プロミストアイランドに兄妹達が集合するにあたり、空港で育ての親やじいやと泣く泣く別れさせられ、そこで姉たちと出会う(CDドラマ参照)。その後、可憐達先発組4人と一旦離れて、他の8人と共にプロミストアイランドに渡った。
・当初はお屋敷の生活から共同生活になった環境の激変に、ある意味航以上に抵抗のあった亞里亞だが、兄妹達の協力で協調性を持ち、たくましく成長していった。航の不在時に、泣いている春歌にハンカチを持って慰める事ができたのも、その何よりのも証拠であり、初めての1年で姉妹の中で最も変わったのは、間違いなく彼女だろう。
・2年目にじいやが遅れてウエルカムハウスに入る。かつてのわがままな行動を反省し、じいやと和解した。
・その後もウエルカムハウスでのびのびと暮らしていたが、習い事などで多くの才能(歌など)を持っていたので、進路に悩む。その中で彼女は流暢に操れるフランス語を武器に、父のような外交官になる決意をする。兄姉達からは驚きの声が上がったが、最終的には全員からの励ましを受け、難関大学に見事一発で合格、法学部に進んだ。
・この頃の亞里亞は、生来のマイペースぶりに加え、穏やかかつやや浮世離れして飄々とした性格が島以外で多くの親友を生み出した。彼らは、後に外交官仲間として世界中にわたる交友関係を築く元になる。
・大学院まで勉学を重ね、外交官にはれて就職した後は、特に日本とフランスの間をまたにかけ(大使館勤務もする)、父をも上回る活躍を見せる。通訳いらずの類い希なき言語能力(英語やドイツ語も春歌・四葉指導の元でマスター)に加え、日本人離れした美貌と、透き通る歌声などの深い教養から、パーティーでは世界中の来賓客から注目される。時には、皇室やイギリス王室などのロイヤルゲストの主催するパーティーに参列する事も。
・35歳、大学時代からの知り合いの外交官仲間と結婚。しかし、お互いに仕事の多忙のためすれ違いの日々が過ぎ、数年後に離婚してしまう。兄妹で離婚したのは亞里亞ただ一人だったため、一時はその事で深く落ち込んでいたが、元夫とは以後も仕事上のパートナーとして共に支え合っていく事に。ちなみに、子供はいなかった。
・40代後半に、外交官としてのこれまでの業績から国連に所属する。時には紛争のいまだ絶えない中東地域にも足を運び、難民キャンプの訪問や、諸民族の和平運動など、全世界のために活動を続ける。その原点は、外交活動の中志半ばで命を落とした実の両親の想いが、娘の自分に伝えられたからなのかもしれない。
・50代になると、姉・鈴凛の慈善事業団体の活躍に協力。もちろん、1年に1度は兄妹と会えるようにしているが、それ以外のほとんどは60歳を過ぎてもなお、世界の平和と安定のために各地を飛び回る日々を送る。
 
 
 
眞深
 
・山神家長女として生まれる。燦緒は双子の兄である。
・両親は物心着いた時から不仲で、離婚まではいかなかったものの家庭内別居状態。燦緒と二人、幼い頃から自立して育ってゆく。
・しかし、才気あふれる燦緒に比べて平凡な自分にコンプレックスを抱き始め、それが兄との溝を徐々に深めていった。アニメ本編で燦緒から「ダメからさらにダメダメへ」と言われたのもそんな背景にある。
・だが、眞深はダメでもましてやダメダメでも全然なかった。コンクリートジャングルの東京で、自立した生活を送っている内に身につけた家事やサバイバル能力は、後にプロミストアイランドで大いに役に立つ事となる。同じ都心育ちでも、眞深は航や燦緒と違い、東京で人間として多くの事を学んでいたのであり、これが実年齢より大人びている(言い換えればおばさんクサく)ように見える原因となる。
・燦緒の命令でウエルカムハウスに偽の妹として1年間過ごす間に、航達との交流や燦緒との再会を経て、もう一度燦緒との兄弟仲を取り戻そうと決意。航に拒否されて打ちひしがれる燦緒に手をさしのべ、翌年共に改めてプロミストアイランドに住み始める。ちなみに、当初は『眞深美』という変名を使おうとしていたが、燦緒も来てしまったのですぐに『眞深』に名前を戻した。
・高校も大学もごく普通に進学していったが、やたらとバイトが多かったのが特徴。特にカレーチェーン店は「壱○屋」をはじめ、何年も色々な店を渡り歩いて、業界では有名人になった。
・大学後もしばらくはバイトを転々としていたが、食事店で働いた経験を生かし、栄養士の資格を取る事を決意。バイトとの両立で苦労しながらも、4年後見事合格。
・初めての勤務先は小学校で、好き嫌いを言う子供達を一喝。一日目にして子供達はみんな、給食を残さず食べるようになる快挙を成し遂げる(怒られるのが怖くて、残さなくなったとも言えるが…(笑))。その一方で、20代の内からその庶民的な性格から「給食のおばちゃん」と親しまれるようになる。
・30歳を過ぎて、燦緒がプロミストアイランド買収事件に関わっている事件が起こる(燦緒・皆井の欄参照)。島を第2の故郷と思っていた眞深は、再び燦緒との間に亀裂ができてしまう。しかし、燦緒が島を守るために内密に調査をしていた事が判明し、急いで詫びようとする。だが、燦緒はこの時既に病魔に冒されており、和解したのもつかの間、若くしてこの世を去ってしまった。
・兄の死に激しく後悔し涙に暮れた眞深は、魂が抜けたように無気力になってしまったが、そんな折、学校での彼女の同僚からの熱い励ましを受け徐々に立ち直ってゆく。航にも燦緒にも少し似ているその同僚といつしか交際を始めて、40歳を目前にしてめでたくゴールイン。
・40歳、42歳で2度にわたって高齢出産をし、2児の母になった。
・子育ての間はしばらく育児に専念していたが、子供達が学校に行くと、昼間はパート、夜は定時制の学校の栄養士として、多忙な毎日を送る。だが、若い頃身につけたサバイバル能力のおかげで、疲労で倒れる事も、更年期障害になることもなく順調に仕事をこなしてゆく。
・60歳で定年退職をするものの、すぐに栄養士の仕事を再開。例え相手が校長先生であろうと、食事に文句をつけさせないベテランとして君臨する。
・子供は反対に割と早く結婚し、孫もできる。徐々に仕事を減らしていって、働く子供達に代わり、孫の面倒をみる充実した幸福な老後を送る。
 
 
 
 
・海神家の長男として生まれるが、母親が早くして死去、父親は多くの孤児を引き取って航の妹としながら別々の家に送ったため(実妹の鈴凛・衛も)、孤独な幼少時代を送る。
・ただし6歳の頃までは、「お兄ちゃんの日」という特別な日に限り、妹と会うことができた(年少組はまだ生まれていなかったので、この経験はない)。
・中3までじいやに育てられて、高校受験失敗からプロミストアイランドに12人の妹と再会し、最初の1年間はアニメの表記通り。
・プロミストアイランドの3年間の高校生活の間、航は12人の妹たちの面倒を見る内に人間として成長した。元々面倒見の良い航は大学進学にあたって、教師(文系)になることを決意。今度ははっきりした自分の意志で大学に行って勉強するため、プロミストアイランドを離れることとなった。
・航は実父とは、プロミストアイランドに着いてからは、メールでやりとりをしていたが、卒業直後、仕事の合間をぬって父が島にやって来るという話を聞く。父との十数年ぶりの再会にとまどいを隠せない航だが、そんな彼を助けてくれたのはやはり妹達だった。妹の多くは、孤児になったところを父に引き取られた子が多く、「私たちのお父さん(お父様など、妹によって他にも呼び方は色々ある)は、優しい人のはずよ」と言われ、わだかまりを解いて、遂に再会。「親らしいことを何一つしてあげなかった」と詫びる父に対し、航は「これから親子の時間を新しく作ればいいじゃないか、父さん」と、自分の正直な想いを答えた。
・島を離れる当日、航は前よりずっとはっきり「必ずここへ帰ってくる」と言い、みんなの暖かい応援の元、島から離れていった(ただし、二ヶ月に一度の「お兄ちゃんの日」には必ず帰り、鈴凛がテレビ電話を作って、みんなが寂しくないようにしたりという条件付きで)。
・4年後、まだ頼りないけど立派に教師になった航は、赴任の関係でなつかしのプロミスアイランドに帰ってきた。初めて受け持ったのは中等部、雛子のクラスだったりした。生徒となった妹・雛子にからかわれもしたが、ちょっとブラコンだけど(笑)温厚で優しい先生として学校で人気となる。
・島ではこれまでと同じ、ウエルカムハウスの離れに住んでいたが、同居している妹の一人、咲耶がよそよそしいことに疑問を感じる。咲耶は真剣に航を異性として愛し始めていたのだが、鈍感な航は自分に何か問題があったのかと勘違いしていた。
・そんな折、久々に家を訪れた千影から、咲耶の想いを聞かされ愕然とする。咲耶が自分に兄以上の想いを抱いていることは前々から知っていたが、咲耶のただならぬ苦悩に罪悪感を感じ自問する航。しかし千影は、「私たち11人の姉妹はみんな、兄くんと咲耶君の結婚を祝福するよ」と言われて考え直す。そして、想いを包み隠さずプロポーズした咲耶を受け入れ、翌年結婚した。
・数年後、咲耶が自分との子供を妊娠するが、咲耶は流産という最大の悲劇に見舞われる(咲耶の欄参照)。
・咲耶だけでなく、航のショックもまた大きかった。しかし自分が頑張らなければ、咲耶が壊れてしまうと危惧した航は、精一杯愛する妻・咲耶を支え続けた。
・さらに数年後、再び咲耶は妊娠。かつての悲劇と、自分のような男が父親になっていいのかという苦悩が航にはあった。だが、人間として成長した航は、その悩みに打ち勝つ力も持っていた。無事咲耶は、男の子と女の子の双子を出産した。航と咲耶は、子供にそれぞれ「直人」「櫻子」と名付けた。
・35歳の頃、代議士となった皆井がプロミストアイランドを買収しようとする事件が起こる。この事件が半ば原因で、燦緒が命を落とす(燦緒の欄参照)。親友の死に、航は声を上げて号泣した。
・燦緒の葬儀時、航は人が変わったように皆井を罵倒した(皆井の欄参照)。葬儀の皆井の態度が許せなかったのだ。その後、四葉の独自調査により買収は未遂に終わり、皆井は、他の事件関係者とともに逮捕される。もし妹達と会わなければ、自分も皆井と同じ道を歩んだかもしれないと思う複雑な心境の航にとって、この事件はあまりに後味の悪いものであった。
・子供達が自立し始めた50代、咲耶がプロミストアイランドの町長選挙に出馬。当時、ある学校の校長にまで昇進していた航は、影ながら支援する。咲耶が町長として勤務する間も、家で良き相談相手となった。
・60歳で定年退職。大勢の教え子達から寄せ書きや花束を贈られ、思わず感涙する。(他の人達の春歌ネタのパクリである(爆))。その後は、のどかな隠居生活を送る。
・80歳の頃、鞠絵が死去。兄妹で、故人ができたのはこれが始めてであった。そして数年後、咲耶もまた自分や子供達に看取られながら、息を引き取った。悲しみとともに、そろそろ自分も迎えが来るのだろうかと思っていた航だった。
・ある日黄色い帽子の女の子が目の前に現れ、老体の自分を連れ出した。着いた先に待っていたのは、再会したばかりの頃の12人の妹達であった。いつしか自分も少年時代の頃に戻っていた航は、ゆっくりと妹達のもとへ駆けだしていく………。ひ孫の一人が、いすに座ったまま眠っている航を発見した。だが、彼は既に永遠の眠りについていたのだった。海神航、享年86歳。あの「お兄ちゃんの日」、プロミストアイランドに帰ってきた、ちょうど70年目の春であった。
 
 
 
山田
 
・家はやや裕福な家の一人息子として生まれる。甘やかされて育ったせいかあの性格に。ガルバンなどオタク街道まっしぐらで、あまりまともに勉強しなかった。そのためか、第一志望の高校に落ち、親のコネでなんとか星見が丘学園に入学。
・「第一回プロミストアイランド演芸大会」で努力賞だったリベンジとして、翌年航兄妹を巻き込んで、再び演芸大会に出場し優勝をねらう。その内容は、航兄妹を主人公にした自主映画で、山田は監督としてメガホンを取った他、ジオラマなども自ら買って出た。撮影を眞深、航の演技指導を燦緒に手伝ってもらい、映像作品として出品し、見事優勝を勝ち取った。この作品は後にケーブルテレビで島中に放送されて人気を博した。これが「シスタープリンセス・リピュア・ストーリーズ(Aパート)」である。
・大学受験で、航・可憐・眞深・燦緒がそろって合格したのに対し、一人だけ見事落ちてしまう。仕方がないので、翌年度はじいや(男)の依頼もあって、バイトにひたすらいそしんだ。
・そのまた翌年に何とか大学に受かり、フィギュアやジオラマで鍛えた手先の器用さから工学部に所属。卒業後、アニメ関係の会社に入社しようとしたが、単なるオタクでは受け入れてもらえず、再びバイト三昧の日々に。
・ある特撮番組でやられ役のバイトをしていたところ、偶然にも同僚にガルバンのファンがいて意気投合する。その同僚にガルバンのフィギュアが得意と自慢したところ、制作側から小・大道具の仕事をやってみないかとのオファーがかかる。迷わずその仕事に飛びついた山田は、以後特撮系のスタッフとしてジオラマの製作などに携わる。
・中堅スタッフになった頃、「機甲戦記ガルバン」が実写の特撮ものとして作られる。念願かなったこの仕事に、道具関係だけでなくコスチュームデザインなど多くのジャンルに取り組み、寝食惜しんで仕事に没頭する。元々タフだったためかダウンする事はなかったが、10sもやせてしまい久々に再会した航達を驚かせた。
・特撮版「ガルバン」は見事大ヒット、しかし入った大金をパーッと使い果たしてしまったため、家計は特に変わらず。
・反対に、特撮がふるわない低迷期にも陥るが、マイペースな山田にはあまり関係なかった。
・退職後はプロミストアイランドに戻り、趣味に生きる悠々自適の老後を送る。言うまでもなく独り身のままで、陽気すぎる性格は一生変わらなかったが、その人生は意外にまともであった。
 
 
 
燦緒
 
・山神家長男として生まれ、眞深は双子の妹である。両親の不仲から、妹の眞深だけが心許せる相手だった。
・しかし中学の頃から、エリート・高学歴になって見返してやると考え始め、眞深との兄妹関係を犠牲にしてまで勉強に集中。同じく勉強に全てを駆ける航に共感を持ち始め、わずか数ヶ月で親友となる。
・美駆鳥居高校に合格後、航とはメールで交換する一方、眞深を送ってプロミストアイランドに誘拐された(と燦緒は考えていた)航を呼び戻そうとする。
・曲折あって、航を島からとり戻した燦緒だったが、航の豹変ぶりにショックを受ける。しかしそれは、勉強にのめり込む前の眞深との仲の良かった頃の自分と重ねた燦緒は、思い切って、美駆鳥居高校を退学。新しい自分を探す為に、星見ヶ丘西学園に転校する。
・学校では人気が高そうな燦緒だったが、実際にはそれほどでもなかった。航にやたらとなついてくるので、ホモ扱いされ、レズの小森とともにイロモノとの評判だった。だが実際には、別に筋金入りのホモという訳でもなく、単に航に非常に好意的なだけであって、女性も意識はしていた。ただし、航の妹達とは(航をめぐって)ライバル関係であったので、彼女たちには全く恋愛感情を起こさなかった。
・高3の頃から、密かに竜崎と交際を始める。毅然としているだけでなく、部長として心を鬼にして自ら汚れ役を買う彼女に、なにか自分に通じるものがあったらしい。
・大学では経済学部に進学。その後も竜崎とは交際を続け、航と咲耶に先立って結婚。周囲を驚かせた(ほとんどの人が、燦緒が女性とつきあうような人だった事に驚いた)。入籍に際して山神姓を捨て、竜崎に名字を変えて婿入りした(竜崎先輩には名前がないので(爆))。
・不動産業者に勤務しながらも、妻との間に一子をもうけたが、幸せは長くは続かなかった。皆井がプロミストアイランドを買収しようとした事件で、買収先の不動産者が燦緒の会社だったのである。才能のある燦緒はかなりの重役であったが、この事件で航達や皆井との間で板挟みとなってしまう。
・会社を辞めるわけにもいかず、事件のせいで航や眞深との関係に亀裂が生じ始めて悩む燦緒の支えになったのは、今や妻と幼い子供だけであった。そんな時、航の妹・四葉が、皆井と会社が裏取引をしている疑惑を調査している事を知る。「航達を助けるのは今しかない!」と燦緒は、会社に従うふりをしつつ内部の資料を密かに四葉に渡し続けた。しかしそんな調査の最中、燦緒は突然腹に激痛が走り倒れる。急遽、病院に運ばれた燦緒だったが、彼の体は悪性の腫瘍にむしばまれ、余命三ヶ月という絶望の宣告を受ける。
・調査データは全て四葉に送り、残り少ない時間を彼は妻子とともに過ごす事に決めた。話を聞いた眞深と航は、自分たちが遠ざかっていた事を後悔し、急いで燦緒を訪れて涙ながら謝罪した。燦緒は「こうなったのも、自分のこれまで行った報いなのかもしれないな…」と自嘲的につぶやいた。
・やがて骨と皮だけになってやせ衰えた燦緒は、呼吸器をつけなければならないほど弱って昏睡状態の陥った。妻・竜崎はそんな夫の手を握りつつ、決して離そうとしなかった。燦緒はただ一言、「許せ…」と言い、そのまま息を引き取った。享年わずか35歳、最期を看取ったのは妻子と眞深・航・そして担当看護師だったひばりの5人であった。許せといった相手は、残された妻子だけでなく、眞深や航の事だったかもしれない。
 
 
 
じいや(女)
 
・海神家の執事をしていたじいや(男)の孫娘として生まれ、フランス人の父親を持つハーフである(つまり男じいやは母方の祖父)。幼少期は父の故郷であるフランスで暮らす。
・母の教育でフランス語・日本語共に完璧にマスターし、日本に留学。勉強の合間に、日本のジャニーズにはまって追っかけファンになる。
・大学卒業直後突然祖父に、フランスに戻り、亞里亞のメイドをするように命じられる。豪華なお屋敷での仕事にとまどいを隠せず、わがままに育てられた亞里亞とまだ年も若いじいやでは衝突が多く、亞里亞に振り回されて苦労する日々を送る。
・その上、亞里亞がプロミストアイランドに移り住み立派に成長したと聞くと、自分の育て方は間違っていたのかと思って落ち込んでしまう。一人っ子だったじいやは、兄妹のいる環境など想像できなかったのだ。
・そんな彼女を気遣ってか、1年遅れてプロミストアイランドに言ったらどうかと祖父に言われ、島に到着。亞里亞の方から迷惑をかけた事を謝ってきて驚くが、面倒をまた見てと懇願され、感激のあまり涙を流す。自分のしてきた事に間違いはなかったと自信を取り戻し、島で再び亞里亞の世話係をする。また、祖父の引退の伴い、他の兄妹達の面倒や相談役にもなった。
・亞里亞が大学に入ると仕事を引退し、お屋敷で共に働いていた同僚と結婚。子供にも恵まれ、平凡な人生になるかにみえた。
・子供達が成長し、教育に一区切りついたある日(前の項から既に10数年近くたっているが)、亞里亞が離婚したとの知らせを聞き、急いで駆けつける。
・今や外交官として活躍する一方で、連日多忙で張りつめた生活を送っていた亞里亞は、この件で心身共に弱っていた。今にも折れそうな亞里亞を、一生懸命励まし、再び彼女の元で働く事を決意した。
・その後再び大学に入るなど勉強に励み、亞里亞の私設秘書となる。外交官としてあちこちを飛び回る亞里亞の、公私ともに良きパートナーとして生涯行動を共にした。その一方で、他に外国で活躍する姉妹(可憐や鈴凛など)や、プロミストアイランドに残った面々との連絡役をも担い、海神家の重役もこなした。
・ちなみに彼女の夫は、家で妻の活躍を見守り、子供達の中には亞里亞の姉妹の子供達(つまり亞里亞の甥や姪)と結婚するものもいて、血縁的にも海神家の一員となった。
 
 
 
じいや(男)
 
・元々英語教師をしていたが、事務技能に長けた所を外交官をしていた航の父親に認められ、彼の秘書官に転職。以後、長年にわたって彼を支える。
・若い頃から交友関係が深く、ジジやマダム・ピッコリは大学時代からの古い友人である(一説に、この3人は三角関係だったとも)。また、亞里亞のメイドの女じいやは孫娘に当たる。
・航の父親が多くの孤児を引き取ると、そのまとめ役として育て先を手配するなど活躍。後に仕事が多忙になった航の父親に代わって、航の世話とマニュアル本を託され、男手一つで航を育てた。
・航が高1の時に、かねてから航の父親の指令通り、多少強引ではあるが兄妹達をプロミストアイランドに集め、自身は船頭・教師・アンティークショップ店長など様々な面で補佐役に徹する。
・しかし、燦緒の来訪による航の東京帰還とプロミストアイランドへ戻ってきた件を機に、最初の1年が自分達の箱庭同然だったのではないかと疑問に持ち、外国を飛び回る航の父親と話し合い、あえて身をひいて航達の成長を陰から見守る程度にとどめた。
・具体的内容として、マニュアル本の鍵を海に捨て、役目も船頭のみに減らして相談役専門になった。さらに、孫娘の女じいやが島にやってくると、多くの仕事を彼女に譲りほぼ隠居状態になった。
・その後は先に亡くなったジジやマダム・ピッコリの冥福を祈ったり、航の父親と子供達を合わせるのに尽力するなどして、航と咲耶が結婚するのを見届けると、それから間もなく大往生を遂げた。
 
 
 
竜崎
 
・ごく普通の家庭に育ち、中1の時親とともにプロミストアイランドに渡り、星見ヶ丘西学園に入学。海神家の13人兄妹が島にやっていた時は中3(中等部の最上級生)、咲耶達と同じクラスになった。
・チアリーディング部に所属し、花穂を厳しくも温かく育てる。入学当時の彼女も花穂のような落第生で、彼女に対しては人一倍思い入れがあったのだ。後に、花穂や同じクラスの咲耶を仲介に、航達他の兄妹とも親密になる。
・その一方、高2の時から燦緒とつきあい始める。竜崎から見れば、「陽」の航に対し、燦緒はまさに「陰」。孤独ながら愛情に飢えている燦緒に、母性本能に近いものを感じたらしい。
・大学でもチアリーディング部に所属し、プロ並みの力で大活躍する。卒業後はOLとなって、その抜群のリーダーシップでこれまた活躍。男の上司には煙たがれるが、同僚や後輩からは熱烈な支持を受け、人望を集める。同じ会社に花穂の妹・雛子も働き始め、たいそうかわいがった。
・その後燦緒と結婚して退職。一子をもうけるものの、夫はわずか数年で若くして急死(燦緒の欄参照)。晩年の孤立した燦緒の一番の支えになったのは、彼女だった。通夜の日、彼女は落ち着いた態度で来客をもてなし、久々に再会した花穂も「燦緒さんが亡くなったのにあんなに落ち着いていて、私(大人になってからは、自分を花穂とは呼ばなくなった)には真似できない」との感想をもった。
・しかし皆が帰った夜、燦緒の前で彼女は子供を抱きながら声を殺して、だがそれも耐えきれず堰を切ったように泣き出した。皆の前では気丈に振る舞っていた彼女も、遂に緊張の糸が切れてしまったのだ。
・やがて悲しみを乗り越え、同じ会社に再就職。子供を後輩・花穂の勤務している保育園に預けながら、会社で再び頭角を現し、最終的に部長にまで出世する。ちなみに再婚をせず、女手一つで子供を育て上げた。
 
 
 
綾小路
 
・先祖は良家の出身だが、戦後没落して斜陽族に。彼の世代はごく普通の家になっていたが、先祖がどれだけ貧乏になっても絶対に売らなかったというピアノに興味を持ち、ピアニストになる夢を抱き、ピアノ塾に通い始める。
・小学生の頃、塾で可憐出会う。可憐に初恋を抱くが、当の可憐はアウト・オブ・眼中。幼い頃にわずかにあっただけの兄・航に夢中だった。
・自分など相手にされない事に悔しがった綾小路は、思わず「兄妹は結婚できない」と言って可憐を傷つけ、ビンタされてしまう。後悔して激しく泣いた綾小路だったが、時既に遅く、ここに彼の初恋は終わりを告げた。
・その直後、可憐は引っ越ししてしまい(可憐の欄参照)、後に自分を慕っていたゆかりと交際を始める。
・大学では可憐とは別の音大に進学。ゆかりとは学生結婚をして、一児の父となった(できちゃった婚かも…)。
・しかしある日、ピアノの練習中に指に炎症を起こし、急速に悪化。その結果、ピアニストの道を完全に絶たれてしまう。自暴自棄になった綾小路は、急速に家庭内環境が悪化し、ゆかりは子供を残して離婚、去ってしまう。
・だが、彼が子供に虐待するような悲劇もなく、無事立ち直ったのは、子供が通っていた保育園の保育士、花穂の存在によるものだった。彼女の誠実で温かい心に、子供が笑顔を浮かべるのを見て、思い直したのである。ピアニストがダメならと、音楽教師への道を決意し、見事就職した。
・それからしばらく後、かつての初恋相手・可憐と再会し、和解。花穂が彼女の妹と判明する。それ以降、彼は急速に花穂を避けるようになる。花穂に恋し始めた自分と、その姉、可憐を傷つけた過去から、ましてや他人との子供がいる自分などとはうまくいくはずがないと思ったのである。
・しかしそんな彼の後押しをしたのは、なんと可憐であった。「そこまで花穂ちゃんを考えてくれてる綾小路くんなら、きっとあの子を幸せにしてあげられるわ」との励ましを受け、また花穂の元先輩の竜崎からも叱咤され、思い切ってプロポーズ。結果何と承諾され、はれて結婚できた。
・その後は(かつて初恋相手のライバルでもあった)、義兄の航達にも尽くしていき、花穂との間にも子供が2人生まれ、先妻との子と隔てなく育てた。退職後、花穂に先立って他界。
 
 
 
皆井
 
・都心部出身で教育熱心な両親の元、エリート小・中学校を経て、美駆鳥居高校に入学。それまで航がいたせいでNo.1になれなかったが、航のまさかの不合格を聞き、それまでの悔しさから航を思い切り見下しながら、航と決別、全く違う道をゆく事になる。
・高1の時は新たに燦緒がライバルとなりかけたが、燦緒はなぜかわずか1年で退学、航と同じ星見ヶ丘西学園というどこの馬の骨かもわからない(皆井の視点)学校に入学。しかも、航から元気でやっているというメールなども、勉強に明け暮れる自分を馬鹿にしていると思い、いよいよ勉強オンリーの道に突き進む。
・難関大学に合格し、海外に留学するなど着実にエリート階段を登り詰め、高級官僚となる。衆議院選挙でも当選し、代議士として国政の一翼を担う事になる。航の結婚を聞いた時も、全く関心すら持たなかった(当然、結婚式など行かない)。
・しかし、徐々に金と汚職の世界にまみれ、とある不動産業社と結託し、プロミストアイランドを買収する計画に乗り出す。
・その最中、相手先の社員の中に燦緒がいて亡くなったとの話を聞き、元同期のよしみで参列する。燦緒の墓前に札束を置いて帰ろうとする皆井を呼び止めたのは、あの航だった。気にも留めない皆井だったが、残された眞深や竜崎の立場も考えない皆井を見て、航は思い切り彼を罵倒した。「もう二度と俺たちの前に姿を見せるな!!」と。
・その一言が、なぜかしこりとなって残った皆井。だが彼はもう一つ大事な事に気づかなかった。燦緒が実は自分の悪事を調査し、四葉に伝えていた事を…
・四葉や燦緒の独自の調査により、皆井は収賄容疑が発覚し逮捕、地位も名誉も何もかも失った。獄中で皆井は自分のこれまでの人生は何だったのかを、初めて顧みるようになった。航や眞深・竜崎の許しを得て、和解する日は果たしてくるのか?それは、皆井の心がけ次第である。
 
 
 
柿ノ本
 
・茶道の名門出身で、幼い頃から様々な教養をたしなむ。しかし本人はおてんばで負けず嫌いな性格で、むしろ弓道や合気道といった武道に熱中した。
・中1の時親とともにプロミストアイランドに渡り、星見ヶ丘西学園に入学(但し、竜崎より1年遅れ)。翌年航達が島に移り住み、春歌が同じクラスになる。
・茶道の家に生まれながら武道ばかり夢中になる自分が、変わった目で見られたためか、彼女は自分の功績をアピールする事でプライドを保ってきた(要するに「エヴァンゲリオン」のアスカみたいな感じ)。しかし、何でも万能にこなす春歌がやって来ると、危機を感じてことごとく対抗するがいずれも敗北。プライドを崩され打ちのめされる。
・しかし持ち前の強い精神力で、自力で持ち直し、以後春歌を好敵手として認め合う。その一方、まっすぐで正義感が強いため、春歌に負けた事を逆恨みして姑息な手段を使った麹町に憤慨。果たし状を送り、麹町をこてんぱんにやっつけてしまった。
・この性格だったため、警官学校に入りそのまま警官に就職。プロミストアイランドは治安がいいので、都心に異動される。
・春歌に負けない数々の武勇伝を残す。新聞社に立てこもった殺人犯が、説得していた四葉を誤って撃ってしまう事件が起こった時(春歌・四葉の欄参照・先に行っていた警官仲間が、乱入したのが問題だったのだが)、春歌が犯人を倒している間に自分も駆けつけ、すぐさま大けがを負った四葉の応急手当をした。これが四葉の命を救う事となり、後に話を聞いた春歌は涙を流して彼女に感謝したという。
・また、プロミストアイランド買収事件(燦緒・皆井の欄参照)で大企業会社への捜査に及び腰な重役達に、「事件は会議室じゃない、プロミストアイランドで起こっているんです!!」と某刑事バリにタンカをきる。捜査で真っ先に動き、皆井と相手企業の社長を自ら手錠に繋いで逮捕した。
・一方、茶道の家ではある実家とは別に縁を切ったわけではなく、家の方からお見合いを薦められそのまま結婚。子供は花穂の経営する保育園に預け(花穂の欄参照)、その後も警官を定年まで続けた。
・退職後もプロミストアイランドには戻らず、都心で暮らしていたが、年取ってから再び茶道などを本格的に嗜むようになる。それが縁でまた春歌とつきあいを始め、プロミストアイランドを訪ねるなど、交際は生涯にわたって続いた。
 
 
 
佐々木
 
・両親は共にプロミストアイランドの従業員で、サブキャラの中では、子供の頃からプロミストアイランドに住んでいた数少ない人物。
・中学時代から咲耶や竜崎とは同じクラスメートになる。常識人でクールな性格から、熱しやすい2人のツッコミ役としての地位を確立。まとめ役として毎年委員長も務める(咲耶は家でのまとめ役があるので、学校ではあえて就かない)。
・地味ながらも、衛とは違った意味で対人関係が幅広く、13兄妹・サブキャラの隔てなく、良好な関係を築き上げる。航にも多少恋愛意識があったが、咲耶が激しく抵抗するので、からかう程度。
・頻繁にカフェやコーヒーショップに行くためか、味に詳しくなって、スターバックスなどのカフェで働く。一方家事もごく標準にこなし、ごくフツーに結婚、出産し、平々凡々な専業主婦になる。
・年を取っても咲耶や竜崎との友情は続き、咲耶が流産した時や、竜崎が夫に早くに先立たれた時では(咲耶・竜崎の欄参照)、なにかと彼女達の相談役になってあげた。
・生涯にわたってプロミストアイランドに住み続け、100歳以上になっても長生きし、島の語り部的存在になった。ドラマで言うとナレーション的役割だった彼女は、単に普通なだけでなく、細く長く生きた人生の典型例といえるだろう。
 
 
 
小森
 
・特に変わった環境ではなかったが、子供の頃から男性を苦手としてきた。さらに、内向的性格から読書に熱中し、少女小説の読み過ぎで「男性と恋愛することはおかしい」と思うようになる。
・13兄妹と同時期に星見ヶ丘西学園に入学。実験でケガしたクラスメートの鈴凛を助けてからあっという間に、鈴凛の大ファンに。同学年には春歌や柿ノ本もいたが、社交的な2人と違い、自分の世界に潜りがちな小森は彼女たちとも特に友達になることなく、ただ鈴凛だけを追いかけていった。当の鈴凛はかなり困惑していたらしく、兄妹達に何とかして欲しいと相談したりしていた。
・学校でも小森の行動は目を引くものがあったので、燦緒と共に変わり者扱いされていた(燦緒の欄参照)。ただし、ちゃんと女性も意識して後に竜崎と結婚した燦緒と異なり、小森は正真正銘の男嫌い(特に山田などは生理的にダメらしい)のレズだったが…。
・高3の時文系にもかかわらず、鈴凛と同じく留学を志望。必死に勉学にいそしむが、さすがに留学はできず。それでも急速に理数系の才能を見せ始め、名門学校に合格、そのまま工学部に所属。
・いとしの鈴凛と同じ屋根の下働いたり生活する事を夢見て、いつしか彼女は(さすがに鈴凛には及ばないものの)日本でも優秀なエンジニアになってしまった。遂に、鈴凛も彼女を日本支部の重役に登用する。小森恐るべし。
・しかし、鈴凛はアメリカで活動しているのに対し、自分は日本で働く身。なかなか会う機会すらないのが難点だった。
・50代になり、鈴凛が拠点を日本に移す(鈴凛の欄参照)。やっと念願の鈴凛の側で働けると思った矢先、アメリカからのオファーが来る。この結果、小森は日本人顧問として鈴凛と入れ違いでアメリカに移らざるを得なくなってしまった。
・その後も日本に帰国しても、当の鈴凛は慈善事業で世界を飛び回っていたり等、最後まで鈴凛とはすれ違いの人生を送り、遠いアメリカの地で寂しく客死した。エンジニアとして多くの業績と名声を残したものの、目的と手段がいつしか逆転してしまった小森本人にとって、あまりにも浮かばれない人生であった。
 
 
 
ひばり
 
・小学校に入り立ての頃から病気がちで、療養所での生活を余儀なくされる。鞠絵とは早くから友達になり、療養所という狭い環境の中での数少ない楽しみであった。
・鞠絵と同様、百合子先生のお世話になり、献身的なその姿から自分も看護師の道を志す。
・徐々に体調が良くなり、鞠絵に若干先だって小学校卒業と共に退院。鞠絵も中学からプロミストアイランドに引っ越す事が決まっていたので、共に少女時代を過ごした療養所を後にした。
・退院後は定期検査を受けながら、普通の、でも本人にとっては充実した学生生活を送る。鞠絵とは文通を頻繁にやりとりし、彼女の紹介で航達の兄妹を知る。
・環境の良い場所を探していた両親と意見が一致し、高等部から星見ヶ丘西学園に合格。鞠絵と再会できただけでなく、同学年の四葉や白雪という新しい友達もできた。
・看護学校に入学を希望し、寮生活を経て念願の看護師になる。
・人質立てこもり事件で四葉が大けがした時は(四葉の欄参照)、手術後の四葉の担当を任され、四葉が息を吹き返した時も姉妹達と共に涙を流して喜んだ。一方、燦緒が悪性の腫瘍で倒れた時も(燦緒の欄参照)彼の担当看護に選ばれ、臨終の際には航・眞深・竜崎とその子供と共にその最期を看取った。
・病院で生と死を見つめ、幼い頃自分自身病弱だった彼女は、看護師の仕事以外でも病院の中での講演で命の大切さを患者や子供達に話し、その講演をモデルにした物語を鞠絵が執筆し、ベストセラーとなって大きな感動を呼んだ。
・ひばり本人はたまに病気を患う事はあっても大病にはいたらず、その後も普通に結婚・出産などを経験した。看護師の仕事も育児期間の休職期間を経て、内科師長までに昇格して、定年をもって引退。後輩や世話をした患者からの寄せ書きをもらい涙を流す。
・老後は環境のいいプロミストアイランドに戻り余生を過ごす。鞠絵の死を見届け、自分も数年後に天寿を全うした。
 
 
 
◆総論
 
 私の回答の特徴は、「社会参加」の一環としてサブキャラにもスポットライトを浴びせました。例えば、綾小路は可憐、ひばりは鞠絵のキャラコレにしか登場せず、非常に限定的なキャラクターとなっています。折しも、熊谷さんのSS等で、サブキャラが対象の妹以外のキャラとも関わって活躍しているのを見て「これだ!」と思い、気がつけばサブキャラの方にむしろ力を入れて書いてしまったくらいです。
 私の「60年史」では、可憐に振られた綾小路を本来全く関係のない妹・花穂と結びつけていますし、燦緒と竜崎先輩に至っては登場作品も違うサブキャラ同士のカップリングになってしまいました。また、じいやも第一期の男じいやが祖父、おなじみのメイドじいやはその孫娘というのも、考えてみれば全く縁のないキャラ同士で、私のオリジナル設定です。あと、12妹以上に波瀾万丈な生涯を送るキャラもいれば、早死にさせてしまった燦緒、割を食った扱いの皆井(航のと生涯の対比)・小森さん(目的と手段を取り違えた者の悲喜劇)等もいて、今思えば扱いがひどいなあと反省してます。
 また、肝心の12妹もみなさんがすばらしい回答なさっており、それに引き替え自分の場合、四葉は事件に巻き込まれ大けが、亞里亞は離婚、咲耶は航と結婚したものの最初の子供を流産という、かなりシビア展開ばかり見せてしまい、これもファンのみなさんに申し訳ありませんでした。m(_ _)m

 


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