さて、人類史上最高究極完全無敵体としてメタモルフォーゼを遂げた私は、台所へと足を運んだ。

 ちなみに、私の変身で変化するのは私の肉体だけで、服までは変化しないので、来る前にヒナたんのお洋服を借り、
 その服を着たところで、自分がトンでもなく激・エクセレント・マイ・ヘヴンに召された事実に気がつき、天国のような心地で血の池地獄を生み出してしまい、
 折角借りたヒナたんのお洋服とただでさえ血塗れの部屋を私の血で紅く染め上げてしまったというエピソードが準備段階にあったりする。
 ヒナたんの衣服を私の血で染め上げるという、まあ、それはそれで興奮するシチュエーション更に紅く染め上げてしまいそうだったが、
 血塗れのままでは本来の目的を果たせないため、吸血能力を持つ悪魔を召喚、服に染み付いた血と引き換えに、服をクリーニングにして貰うという、
 代価と契約を同時に行える合理的な方法で契約を果たし、その場を上手く収めた。
 それを見てた咲耶くんは「私、物語でも現実でも、こんなに不憫な悪魔を見たのって初めてだわ」とかこぼしていたけど。

 ああ……余談だがクリーニングは服だけで、可憐くんの部屋は血塗れのままだ。
 血塗れの部屋もついでに綺麗にして欲しいと咲耶くんから要望を受けたのだが……残念ながらできなかったんだ。
 悪魔との契約は軽々しくはならない、とか。キミ自らの手で綺麗にするからこそ切実な愛を与えられる、など説得して……。
 まあ、本当は一緒に処理できたんだけど、咲耶くんの悪魔をこれ以上辱めないための優しさ(嫌味)と、咲耶くんの可憐くんへの点数稼ぎのアシスト(建前)と、
 間に合わなかった時の一悶着とかが楽しみ(本音)だったので、
そんな面白いもん見過ごすわけにも行かない私の事情でできなかった。(←鬼)

 話を戻そう。
 つまりそんな状態だから、現在進行形でヒナたんのブルセラ衣装を着用するなんて大それたこの状態は、まさに神をも畏れぬ所業。
 そのため、常に出血多量の危機とは背中合わせなのだが、湧き上がる昂揚の脈動(鼻血)は、魔力を使って血管から流れ落ちる前に抑え、対応している。

 などなど、些細なやり取りも経たが、とにもかくにもターゲットであり心のラスボスでもある可憐くんの元へやってきた……。
 ヒナたん救出の、ラストミッションを遂行するために……。











 

千影おねえたまの狂った日常

−そのさん  なかなおりのでゅえっと・こーへん−













 ターゲットは予想通り、キッチンの棚を漁り、茶釜を探していた。
 現在はキッチンの下の棚を捜索中だが、キッチンの上の方にある棚の扉も開けっ放しになっているところを見ると、既に上の棚を探し終えた後だろう。
 もしかしたら、一度下の棚を探し終え、上の棚にも見つからないから、また下の棚を探している状態なのかも……?
 いずれにしろ捜索はなかなか困難を極めているようだ。
 まさに想定していたシチュエーション通り。お陰で打ち合わせ通り問題なく事を運べるというもの。
 私は、私に課せられた使命を全うすべく、捜索を続ける魔女の元へとさり気なく近づいた……。
 相手を騙すつもりならば最初が肝心。些細な仕草にも神経を研ぎ澄まし、雛子くんに成りきれ!
 自分に言い聞かせ、私は雛子くんの仮面を被り、魔女とのファーストコンタクトを実行した。


ヒ〜ナたんど〜こ行〜くの〜〜? その姉〜はぁ〜〜魔女〜な〜のよ〜〜〜♪

「雛子ちゃんは何を歌っているのっ!?」

ヒーナーたーん♪ どいてカレ
……ゲフンっゲフンっ……そいつせな―――

「可憐って言った!? 今可憐って言った!? え? 殺っ……!? え!? え!?」


 よしっ、子供らしく可愛らしく、お気に入りのお歌を歌いながらの登場! 我ながら完璧な掴みだ……。

 (備考=『ヒナたん退いてその妖怪コロセナイ…… −カレン・アレンジver.−』  作詞・作曲・編曲・歌:千影 脳内アルバム『HINAKO』のトラック5のアレンジ)

 魔女は、その心中に疑問を抱く事無く、その眼差しに疑いを浮かべる事無く、その言の葉に疑惑さえ持つ事無く、雛子わたしを受け入れるだろう……。


「ほ……本当に、雛子ちゃんなのかな……?」(←余裕で疑問を抱きながら疑いの眼差し浮かべて疑惑中)


 完璧だっ……!!(←心中に疑問を抱かないで、疑いの眼差しも浮かべないで、自分の言葉に疑惑のカケラも持たない人)


「えと……雛子ちゃん……どうしたの……?」


 突然の来訪者に、ターゲットは質問を投げかける。
 まあ、私は客人で、もてなされる側であるから、黙って部屋で待たず、こちらにやってくれば、当然だろう。
 故に予想通り、そして手はず通り。未だ我が計画に狂いなし。
 よって、私はあらかじめ用意しておいた通りの回答を返す。


「エヘッ ヒナねぇー、可憐ちゃんのお手伝いしようと思って来たのー

「いや、そういう意味のどうしたじゃなくて……。いや、そっちもなんだけど……」


 ……何!? そういう意味じゃない……?
 ならばヤツは、一体なにに対して「どうしたの?」と問いかけたのだ?(←奇妙な歌を歌って登場したこと)
 くっ、ヤツの思考が読み取れん! まさか始めから予定外の出来事が起きるとは……。(←歌の時点で計画狂ってマス)
 しかし、相手のペースに飲み込まれてはならない!
 今の私は子供なのだ! 究極完全生命体なのだっ! 負ける訳には……否! 負ける訳がないっ!!
 頭の中で即座に緊急時対応策パターンEを張り巡らせ、相手に思考を挟む間も与えず、次の一手を打った。


「可憐ちゃん……ヒナがお手伝いするの、邪魔……?」


 瞳をわずかに潤ませ、肘を体に密着させながら人差し指を軽く口にくわえ、内股で、首を傾げながら、子供の特権である「断れないオーラ」を全身より色濃く放出させた。
 これをやられると、相手はどのような考えがあろうとも、その主張を挟むことも出来なくなってしまう。
 現在進行中の会話さえ中断させて、こちらの主張のみに論点を限定させられる、
 尚且つ相手を一気にこちらのペースに引き込むことができる、子供ならではの高等会話術だっ!!
 特に、押しの弱い可憐くんには効果は絶大のはず。
 どんな正論も、幼児の美の前では愚論に成り下がるのさ!


「じゃまぁ……?」

「え? あ、いや……あの……」

「じゃま……なのぉ?」


 舌っ足らずな口調と、潤んだ瞳で上目遣いのおねだりの仕草で更なる追撃。
 涙目の演出は、目薬なんて使わず、水の精霊の力を借りている。(←ああ……また犠牲精霊ぎせいしゃが増えた……。)
 フフフ……思った通り、相手はたじろいでいる……。
 幼児という究極の盾と、涙という最強の矛で、流れは既に戦況はワンサイドゲーム。
 そして遂に……


「えと……まあ、別にいいけど……」


 我が最強の一手に屈した魔女は、私の要求を断ることも出来ず、有耶無耶のまま首を縦に振った。
 
フフハハハッ!! やはり、幼いとは正義なのだ!(←こうやって妄想は深まっていきます)


「クシシっ、ありがとう陰湿極悪残虐魔女かれんちゃんっ!」

「今ヘンな当て字しなかった!?」

「え? 気のせいだよっ!」


 チッ……なかなか鋭いな……。
 上手く行ったと思った矢先に、違和感を察するとは……そうそう上手くは行かないということか……。(←余計なことすんなってことです)
 しかぁし! ヒナたんと一心同体になった今の私に敵はない!
 愛の力。最強の肉。萌のぱぅあー。そして半永久的に自給できる「ヒナたん分」!
 これほどの力で立ち向かっているのだ……今の私には、神すらも敵ではない!!
 今のやり取りで、自信は確信へと変わった!
 そう私こそは! 
超絶究極最強最美無敵……なんとかだーーーッッ!!(←あまりにも最上級の代名詞をインフレさせてたためもう思い浮かばない)











 とりあえず、目標との接触には成功。
 その後、2、3疑うような素振りをされたが、いずれも私の華麗な演技で上手くかわしてきた。
 しかしさっきのポーズ、左手をもう少し開いて、膝の角度深く曲げるべきだったな。
 台詞も、思わず「」を使ってしまったが、あそこは「」のタイミングだ……。
 それに、2度前のアレは肘の開く角度が7°、首を傾げる角度を右に3°足りなかったように思える。
 鏡で確認しながらならば分かるのだろうが、自分で目で確認できないといささか不安が残る……。
 他にも声のトーン、クセ、歩く歩幅、各四肢を動かす速度、現状況下における脈拍、
呼吸、体温、肌の血色、新陳代謝の速度……
 総合的に見て再現率は60%といったところか……くっ、見るのと実際に行うのとではやはり違うな……。(←こだわり過ぎ)
 次に同じことがあった時、その時こそは完璧にこなせるよう、毎晩トレーニングを行うとしよう……。
 別にまたヒナたんの姿になりたいからって理由作ってる訳じゃないんだぞぃ。ほんとだぞぃ。


「雛子ちゃん、なにブツブツ呟いてるの?」

「え? なんでもないよー」


 おっと、また声が漏れていたようだ……。
 怪しまれてしまったか? ……いや、この程度なら平気だろう。
 それよりも……そろそろ頃合だろうか?
 物事にはタイミングというものがあり、このミッションもそれに則って動いている。
 今回みたいな探し物の場合、ある程度捜索に集中し、互いが沈黙に飽いたところで適当な話題を振るのが自然な流れと考えた。
 私が手伝い始めてから数分から十数分経過。そろそろ動いても問題はない、か……。
 私は、とりあえず雛子くんの視点から見、雛子くんの感じたままのことから、話題に入ることにした。


「ねーねー……」

「ん? なあに、雛子ちゃん?」

「可憐ちゃん………最近……元気ないよね…………?」

「ど、どうしたの? 今度は千影ちゃんの口調で話しちゃって……」


 あ、しまった。つい普段通りの口調で話しちったよ。しっぱいしっぱい。テヘッ(←注:千影なんだよ)
 あれこれ考えてたせいで基本が疎かになっちった……ぐへー。(←注:千影なのです)
 とりあえず誤魔化さなきゃ、っと。(←注:千影ですことよ)


「えへっ それはヒナが千影ちゃんを愛しているからなのっ

「雛子ちゃん、千影ちゃんに洗脳されたんだね。今お塩かけてあげるからちょっと待ってて」


 え? なにそれ。なんでそうなるの?

 

 

 

   ― しばらくお待ちください ―

  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 | それっぱっぱー          |
 | しおぱっぱー           |
 | 雛子ちゃん元に戻ーれー  |
  \__  ________/
       ∨
      _           (';')
     '´   ヽ         (∴)
    !iy!ノノ)))〉  ,・。:゚ ァ[〉 ⌒⌒ 〈]
     liY!゚ ヮ゚ノiつ .∴; ゜/ノi ノ/从从|〉
    ノi⊂i⊂ 彡       ゝ!| - ノl
    ( ((く/_|〉ノリ       ⊂l水!⊃
      し'ノ          く(つつ

 

 







『ムフンっ あなたの心にハッピー・ホワイトスノゥ 今日のお料理講座は「お塩」についt(略)






「それでぇ……可憐ちゃん、最近お元気ないよね?」


 とりあえず、頭にこんもり塩を詰まれた状態で、再び同じことを問いかけてみる。
 (途中、お料理大好き内巻きロールですのっ娘の声が脳内でされた気がしたが完全スルーすることにする)
 今度は先ほどのようなミスはなく、ちゃんと雛子くん舌っ足らずな口調を再現することができた。
 再現率に変わらず不安が残るが……凡人にはこのくらい再現出来ていれば十分偽り通せる。


「そ、そんなこと……ないよ……」


 可憐くんはそう口にするが、彼女は本当に素直で、言葉とは裏腹に態度では正直に白状していた。
 これでは子供でなくても、勘の鋭い者なら容易に普通ではないことを察せるだろう……。
 当然、私はその辺りを突っ込んで問い詰める。


「ウソ。だって最近の可憐ちゃん、絶対おかしいもん!」

「えっと……えへへ。元気ないかな?」

「そーだよっ」

「じゃあ、疲れちゃってるのかな……? えへへ……」


 何度か食いついて問い詰めてみたが、その全てでとても誤魔化しきれない態度で答える。
 ……だが、肝心な部分は適当な理由ではぐらかされ答えようとしない。
 嘘だということは体全体で白状しているのに、本人が認めようとしないとは……やっかいだな。
 話を進めようにも、嘘と分かっていようがとぼけられ、会話にしようがない。
 では、ちょっとカマをかけてみるとするか……。


「そりゃあ……今日は咲耶ちゃんが来ちゃったからかもしれないけど……」

「え?」

「だって可憐ちゃん、咲耶ちゃんことキライなんだよねー?」

ぐぎゃげばがぁっ!!?


 カマをかけた人物ではなく、あらぬ方向から、とっても醜い潰れた悲鳴が聞こえてきた。
 その声だけではとても人物の特定はできなかったが、「可憐ちゃんに嫌われてる」という言葉に反応して、
 この世の終わり的な絶望感のこもった断末魔と、そしてこの屋敷にいる人物が限られている、という状況証拠から、
 人物の特定は容易だった……って、あんにゃろう、しっかり盗み聞いてやがるんじゃねーか。
 随分と余裕だな〜、今のうちに部屋の掃除やって無くていいのかね? まあ、私としてはそっちの方が面白いけど。


「そんなこと……ない……」

「……え?」


 そんな中……まるで、今の醜い悲鳴など耳に入らなかったように、真剣な声色の呟きが……。


「今…なんと……―――じゃない、今なんて?」


 あまりの真剣さに面食らい、一度引き締め直した気持ちが、思わずまた緩んでしまった。
 そんな私の失態も気にも留めず魔女は……いや、可憐くんは、紡ぎ始める。


「強引じゃなかったら……。だったら……可憐……」


 話自体は続いていた。
 ……だが、私の問い掛けは「今なんて言ったのか?」である。
 私としては事情を探れるので一行に問題はなかったが、細かいことを言えば、これは厳密に言って会話としては成り立っていない。
 つまり……私の言葉など既に耳に入っていない状況で語り始めた、ということなのだろう。


「可憐は…………咲耶ちゃんのこと……嫌いなんかじゃない……。
 咲耶ちゃんは……咲耶ちゃんは素敵なお姉ちゃん。理想で……憧れで……かっこよくって……優しくて……大人で……。
 それに……それに、可憐の気持ち……しっかり見抜いて、いる、だもの……。
 全然敵わないし……。でも、なのに……ううん、だから余計に……可憐の気持ち……分かってくれないの……。悲しいの……」


 途切れ途切れ、紡がれる言葉……。
 その文法は整ってなく、説明だって主観的。人に伝えるものとしてはとてもお粗末なものだった。
 恐らくは、湧き上がる気持ちの方が口にするより多く、溢れて、まとめきれずに、思考に言葉が追いついていないようだ。
 それはともかく三点リーダー(←"……"のこと)が多くて聞き取り辛いゾー。
 もうちょっと読む方の気持ちになってくれないか、全く傍迷惑な……。(←三点リーダー大量使用常習犯)


「もっとゆっくり……じっくり、時間を掛けて……積み重ねたいのに……。
 積み木みたいに積み上げて……ふたりで、ひとつひとつ、一段一段重ねていって……。
 積み重なった、その先で……一緒に結ばれたいのに……」


 それは、心のダムに堰き止めていた、「想い」という貯水が、私の言葉でできた亀裂から少しずつ少しずつこぼれ出したかのよう。
 亀裂からダムは決壊し、「想い」が激流となってあふれ出した。まさにそんな感じ……。
 告げる言葉を、なにか噛み締めているのか……意識は自身の言葉にのみ向いて、もう雛子くんわたしの姿など瞳に映ってさえいなかった。
 誰に聞いて欲しいわけでもない、ただ溜まった想いを言葉にしたいだけ。
 だから、誰に話すでもなく、ただただ自分自身に問いかけるように……。


「焦っているようで……イヤなの……」


 その一言を最後に、彼女は口をつぐんだ。
 そして訪れる静寂。
 静かな空間の中で、全てを聞き終えた私は、「ああ、なるほどな」と心の中で呟いていた。
 彼女は、あまり上手くは表現できてなかったが……この問題がなにを起点に始まったのか、お陰で察しがついた。


「可憐く……ちゃんは、咲耶ちゃんのこと、本当は好きなんだね……」


 答えは……沈黙。なんの言葉も返ってこない。
 だが私には、それが肯定の意を表すものと思えてならない。
 だから、雛子くんの仮面を着けたまま、"私の質問"が、口をついて出た。


「だったら、そういうところも含めて"咲耶ちゃん"じゃ、ダメ?」

「…………分かんない」


 問い掛けに、今度は言葉が返ってくる。
 返事はスッキリしないものだったが、会話として成立したことに安堵し、私は質問を続けた。


「でも、ヒナを誘っていたのは……咲耶ちゃんに会いたいからなんでしょ?」

「え?」

「千影ちゃんが来れば、咲耶ちゃんも来てくれるって思ったから?」


 雛子くんがこの家に居れば、私がこの家に来ようと考えるのは明白。
 そして、現在同じ家に住まわせて貰っている咲耶くんが、それを妨害するだろうことも。私がその程度で諦めるハズもないことも。
 私がなんらかの策を弄して、単独ここに来ることに成功すれば、現状で保護者気取りの彼女がこの家に来る理由になる。
 だから、彼女は雛子くんを常に自分の手元に置いておいた……喧嘩別れしたあの時から。


「……そう……なのかも、ね……」


 肯定の返事、だが本人の自覚は薄いものらしい。
 狙ってではなく、「こうすれば……」程度の軽い期待。
 もしそうだとしたら……やれやれ、私は飛んだ巻き込まれだな……。更には、彼女の頭の切れも、見直さなければならないか……。
 天然か計算か、それは私の与り知る所ではないが……下手をすれば、咲耶くんをも上回る知将ぶりを、今更ながらに思い知った。
 なんか別の世界で私を利用して咲耶くんのちゅーを奪う策を張り巡らせてそうなくらいだ。


「咲耶ちゃんに来てもらってからは、どうするつもりだったの?」

「分かんない……」

「それじゃあ、このまま会ったって……結局、変わらないのに……」


 だよね、なんて自嘲気味に答えて、自問自答するように、言う。


「本当に、なに考えていたんだろうね……分かんないや」


 分かんない……けど……―――……でも、


「大好き……」
























    ―――プツッ






かれーーーーーーーーーーんっっっ!!!


 禁断の呪文を唱えてしまったため、聞き届けた魔獣がラブの国から召喚されてしまった。
 獣は己の欲求を抑えきれずに、飛び出して獲物目掛けてまっしぐら。
 さっきのとっても醜い潰れた悲鳴も聞こえないくらい自分の世界にトリップしていた可憐くんも、さすがにこれには驚きに目を丸くしていた。
 っていうかさ、うぉ〜〜〜い。出てくんなよ超獣〜。さっきの2階でやった打ち合わせはなんだったのよ〜? 結局無意味に終わちゃたよー。(←「っ」抜きはわざとです)



「可憐ちゃん! そうね! やっぱりそうだったのね!? 私たち、両想いだったのね!!」

「さ、咲耶ちゃん!? ……き、聞いていたんですか!?」


 咲耶くんは喜びのラブ力で光の速度を超えて(比喩……多分)、あっという間に可憐くんの前に瞬間移動。
 これには沖縄のテニスプレイヤーだって驚きです。まさに動くこと雷霆の如し。
 咲耶くんは可憐くんの両手を取って、胸の前で握りしめると、さも嬉しそうに目をキラキラさせて言った。


「聞いてたわ! 聞いてた……! でもだったらどうして!? 私たち、両想いなのに……」

「それは……」


 まるで水を得た魚。「希望」と「期待」という力を得て、本来の力を取り戻し、最早誰にも止められない超獣と化している。
 対して、聞かれてはいけないことを聞かれてしまい、動揺しまくって弱っている可憐くん。
 先ほどのやり取りと、完全に立場が逆転してしまった。
 咲耶くんの中では既にカップル成立、明日に結納、婚前旅行はどこがいいかしら? という夢いっぱいの状態なのだろう。


「お互いの気持ちは通じ合っていたのよ! 両想いなのよ……ねっ?」

「あの……」


 …………だが、それではダメなのだ。
 もっとも、夢色のフィルターに包まれてしまった今の彼女には、分からないだろうな……。


「両想いなんだから! だから、私たち……」

「でも……だけど……」


 押しの弱い可憐くんは、両想いという確証を得た咲耶くんの押しの一手に対抗しきれるはずもない。
 ……と思いがちだが、しかし、彼女の意志は決して弱いものではない。
 今までは、自分の意に反しないからこそ、相手に譲ってきただけ。
 譲れないものであれば……彼女の貫き通す意志力は、恐らくは姉妹随一。
 その譲れない意志力を以って、咲耶くんの対抗しきれないはずの押しを……ほんのわずか、押し返す。


「恋人……じゃなきゃ、ダメなんですか……?」

「それ……どういう意味? だって両想いなんでしょ!?」

「でも……」

「いいじゃない! なんで? 両想いなのに……!?」


 咲耶くんも負けてはいない。ここまで勝利が確定した状況で負ける訳にも行かないのだろう。
 まるで自分の理屈こそが絶対のものとばかりに、「両想い」という言葉を何度も何度もしきりに主張する。
 相手の意見は聞き入れず遮って、自分の意見に「YES」と答えるまで、まるで耳を貸さないといったご様子だ……。
 いるんだよねー、同じクラスとかグループ行事とか飲み会とか会社の上司とか、こういうタイプってー。


「なんで……そんなに? 必死になるんですか?」

「必死だなんて、そんなこと……」


 「YES」か「NO」だけを求めている咲耶くんに、それ以外の返事を返した可憐くん。
 今の咲耶くんならば、また「両想い」を主張して跳ね除けかねなかったが……その言葉だけは無為にせず、言葉に耳を傾けた。
 その上、一度は否定しようとした可憐くんの言葉に、どういう心境の変化か、「あるかもしれないわね」などと頷いてまでみせる。
 そうしてから、咲耶くんは彼女なりの思いの丈を、最愛の相手へと向けた。


「だって私たち……姉妹じゃない……。こんな関係……普通じゃない……から……。だから……だからすぐにでも証が、欲しいの……。
 お互いが納得行く何かを残せなきゃ……じゃないと私、離れてしまいそうで……遠くへ離れてしまいそうで、怖いの……」

「咲耶……ちゃん……」


 おりょりょ? 壊れギャグシリーズにあるまじき真面目な理由が飛び出してしまったぞいっ。
 でも大丈夫、私が「おりょりょ」でシリアスムードを緩めておいたから
 え? 余計なこと? うっせ、いっつも邪魔するツインテール総帥のことなんざ知るかッ!!
 というか咲耶くんキミもか? チミも三点リーダーを多用するのかね?
 これ書く方も意外と気つかうんだから、もうちょっと自重してくれたまえよ、まったく……。(←三点リーダー大量使用常習犯)


「だから、ね……。可憐ちゃん……」


 咲耶くんは、咲耶くんなりの理由を告げた。彼女をここまで突き動かしていたもの……それは、悲しい原動力。
 彼女は彼女で……人一倍、愛されないかもしれない不安に怯えて……だから、完成を求めていた。
 その理由に、私も可憐くんも、息を飲むしかなかった。
 一方咲耶くんは、伝えた思いの丈を全力でぶつけたからか、不安そうに震えながらも、その表情は柔らかに微笑んでいた。


「可憐ちゃん……」


 だが……残念ながら、このままキミを認める訳には行かないんだ……咲耶くん。


「あー……ならキミは…過程はいらない……と、そう言うのだね………?」

「え?」


 と、私が口を挟むなり、柔らかな目を恨み辛みたっぷりの視線に変えて向けてくる……。
 なんというか……「もう目的は達成したも同然なんだからアンタもうどっか行って良いわよ」と言わんばかりに。分っかり易いなー、この長女。
 まあ……気を悪くさせてしまうのは仕方のないことだろう……。
 私は…………キミにとっては、キミを邪魔するために声を掛けたのだろうからね……。


「なによ千影、良いところなのに邪魔して」

「え? 千影ちゃんだったんですか!? ……なんだ、おかしいとは思っていたけど、納得」


 なにぃ!? ずっと疑っていただとぉ!?
 そりゃ、私の持つ「ふしぎぱぅあー」を知るものなら、雛子くんへの変身も納得が行くのだろうが……あそこまでの完璧な演技を前に、雛子くんの異常を察せるとは……。
 くっ……やはりさっきのおねだりポーズの時の手の角度と足の角度と首の角度が甘かったのか……!(←違います)
 まあ、バレてしまったのなら仕方がない……こっちも変に気をつかわずに話せて、こっちも楽というものだ。


「言わなきゃ分からないなら………言ってやろうか……? ……可憐くんは………その"過程"こそを求めていたんだ……とね」

「……そうなの、可憐ちゃん?」


 私がいつも通りの口調に戻して話すと、咲耶くんは賛同しかねると言い出さんばかりに、顔をほんの少し、歪める。
 私の言葉の真偽を確かめるように、静かに可憐くんの方に目をやった。
 静かで……少し、威圧するような眼光だった。
 だが、可憐くんはコクン、と頷き、自分の意志に準ずる答えを返した。


「すまないね……。…本当は…言うべきじゃないとは思うのだが…………見ていられなくてね……」

「いえ、大丈夫です。……でも不思議な感じ、雛子ちゃんの姿なのに、頼れるお姉ちゃんになっちゃうなんて」


 可憐くんの顔は複雑そうな表情を浮かべて、この気持ちをどう表現して良いか分からないといった様子だった。
 が、その顔からは不快の意は感じ取れない。
 自分が余計なおせっかいをしているだと思っただけに、そのことに少し安心した。


「で、アンタは何が言いたいのよ?」


 咲耶くんが、不愉快そうに居直る。
 私も一度、咲耶くんの方へ顔を向けた……が、すぐにもう一度、可憐くんの方へと向け直し、目で問いかけた。
 私が言ってもいいのか、と……。
 可憐くんは、静かに頷く。
 彼女の了承を確認してから、私は再び咲耶くんの方へと顔を向け、答えを口にした。


「……キミが…可憐くんの気持ちを見失っている………ということさ……。
 …確かに…………キミたちが両想いだという…咲耶くんの予想は………見事に的中していたね……。
 だが……ここでキミ達が恋仲の関係になってしまえば………キミは可憐くんから……大切なものを永遠に奪い去ってしまう……」

「それが"過程"って訳ぇ?」

「ああ……」


 私が噛み付いた時からずっと歪めていた顔を、更に苦々しく歪めていた。
 共同戦線をほのめかしておきながら今更邪魔するなんて……とでも考えてるんだろうね、あの顔は。
 咲耶くんから見たら、確かにそうかもしれない。それは自覚しているさ。
 だが、キミたちふたりの仲を取り持つ役目を負った以上、私はこれを妨害とは考えない。
 キミにとって最高で……可憐くんにとっても最高である結末を導いてやらないことには、私は雛子くんの期待するキューピッド
失格だからね……。


「完成してしまったら……未完成を知ることが出来なくなる……」

「へー。どういうことか私にも分かるように説明してくださるかしら?」


 普段私に使わないような丁寧な口調で話すクセに、感情を隠すことなくストレートにぶつけて来る。
 もっとも、同じ台詞を可憐くんが口にしていたとしたら、ここまで感情をあらわにもしなかっただろうが、可憐くんでは主張しきることも難しかっただろう。
 ならいっそ、敵意に近い方が、こちらもやり易いか……。
 なんてことを考えながら、私は、「分かり易い例を言えば……」と前フリを置いて、そして即席で組み立てた解説を行った。


「……そうだな…推理小説なんかが良い例だろう……。
 …犯人が分かってしまった状態では…………その真の楽しみを得ることは…出来ないだろう……?
 誰が狙われるのか……そして真相は……? …物語に寄せる期待や予想……そしてそれを裏切られることさえ…また一興…………。
 ……巻末には到達する"答え"に向けて………読み手は様々な思いを馳せられる…」


 それは無知ゆえの感動。……それは、ただ一度の機会でしかない……。
 終着点へ着けば、読み手は「答え」を知ってしまう。
 知ってしまえば……読み手はもう、期待を抱くことはしない。
 知っている結末を、裏切られるわけもない。


 "知る"と言うことは、"知らない"を失うこと。"分からないこと"が"分からなくなってしまう"こと。


「へー、なるほどね……大そうなご意見をお持ちで」


 と表面では言いはするが、まるで納得していなさそう。


「別にそんな不完全な形なんていらないじゃない! ふたりが愛し合って、そして愛が育まれる!!
 思い出なんて、その後からいくらでも作っていけるわ!!」

「ほう……どんな思い出も作っていけると……?」

「ええ! 私たちは愛し合っているんだから!!」

「そうか……」


 咲耶くんも頭の固いことで……いや、必死なのだろう。
 先ほども、本人の口から認めていた……その根源にあるものが「恐怖」だと。
 だから、そんな彼女に私の言い分を強いるのも、少し酷な気がした。

 なぜなら、彼女の言い分には一理ある。そんなことは頭のどこかでとっくに理解している。
 なにが正しいかなんて私が決めることでもないし、自分が絶対的に正しいとも考えていない。
 どちらも正しいし、どちらも正しいと信じるから、戦争が起こる……。
 正直、咲耶くんと可憐くん、どっちがどうなろうとも私には関係ないさ……。
 ただ……このまま咲耶くんの暴走を許せば、可憐くんの望みは断たれる。
 そうなれば……ふたりの仲を取り持つキューピッドとして、雛子くんの期待を裏切ってしまう……。
 私はただ、私の愛する者の期待に応えるだけ……。
 ……なら、


「なら問おう……。……そうだな…………今の君に……彼女とのファーストキスの思い出を作れるのかい………?」


 私の質問に、咲耶くんは一瞬拍子抜けした感じに、呆れた表情を浮かべる。
 そして表情を、強気なそれに変え、胸を張って答えた。


「アンタも知ってんでしょ? そんなの経験済みよ!」


 その通り……。
 彼女たちが既に口づけを交わしていることは、私も水晶で覗き見たので存じている。
 だが……


「経験済みかどうかなんて聞いていない…………"これから作れるのか?"……と聞いているんだ………」

「は? そんなの無理に決まってるじゃ……」


 言いながら何かに気がついたのか、末尾が有耶無耶になっていく。
 恐らくは、はっきり分かった訳ではないだろう……。けれど、私の言いたいことの一部が、垣間見えた。そんなところだ。
 彼女がまだハッキリと掴めない「なにか」に怯んでいる間に、追い討ちを掛けるよう、同じ意味の言葉を分かり易く言い直した。


「可憐くんが憧れて止まなかっただろうファーストキスの思い出を…………"これから"最高の形で作ってあげられるのか?」

「……それ、は……」


 咲耶くんが答えるまでもない。そんなもの、答えは間違いなく「NO」だ。
 そんな分かりきった質問に、咲耶くんは答えられずにいる。
 完全に動きの止まった彼女に、私は言葉を吐き出し続ける。


「ロマンティックにする方法なんて……マニュアル染みた方法だけとってみても…………たくさんあるだろう………?
 ちょっとした言い伝えのある木の下で行う……? 観覧車の一番上でロマンティックに交わす……? それとも海岸で夕日に照らされながら……?
 可憐くんほどの純情乙女が相手なんだ……まさか野暮ったいシチュエーションではないだろう……?」

「それ……は……」

「ああ、経験済みといったな…? そこまでに達するのに君は何をしたんだ?
 やり直しは利かないし、だからこそ、その唯一が思い出となるんだろう……?
 で、キミのエピソードは? 何をやった? どんな思い出がある? どんな苦労をした?
 キミが焦って、奪って、それで終わり……? ハッ、まさかね……!?
 キミの相手は"あの"可憐くんなんだ、さぞや素敵なロマンスを経てきたんだろう?
 一体、どんな人に誇れる恋愛談をこなして来たんだい? 聞かせておくれよその大恋愛成就の自慢話を!?
 なあ、聞かせておくれ、素敵な素敵な姉くん様よぉ!?」

「……あ……、ぅ……」

「彼女も複雑だろうな! 最も望んでいたことを、もっとも望まない形で実現されては―――」

「もういいですっ!!」


 私の、既に尋問のように投げ掛けて続けた言葉の応酬を差し止めたのは……可憐くんだった。
 可憐くんは、まるで咲耶くんから私を遠ざけるように、私と咲耶くんとの間に割って入った。


「もう……いいの……」


 目の前の咲耶くんは……思考回路が追いつかず、ただ立ち尽くすばかり。
 何の言葉も、身動きさえも取れずにいた。
 表情は硬直して……まるで今にも泣き出しそうな、そんな雰囲気さえ醸し出している。
 そこで私自身、ハッとする。
 私としたことが……少々熱くなってしまったな……。


「咲耶ちゃん……。雛子ちゃんの……ううん、千影ちゃんの言う通りなんです」


 やりすぎてしまった私に代わり、可憐くんがそのまま後釜を継いで、咲耶くんへと語り始めた。
 当然か……これは彼女たちの問題だ……。第3者である私がここまで導いて来ただけも、上出来というものだろう。
 私の役目はここで終わり、ということだ……。


「咲耶ちゃんの言う通り、愛し合っているから、恋人同士になる……多分、間違ってないと思う……。
 ……けど……でも、それじゃあダメなの。上手く言えないけど……大切なものが、欠けている。そんな気がして……ダメなの……」

「可憐ちゃん……」

「可憐ね……ゆっくり……じっくり……しっかり……積み重ねていきたい……。
 完成された積み木のお城を眺めるだけじゃなくて、ふたりで積み上げていく過程も楽しみたいの……。
 思い出にして……しまっておきたいの……。だから……」


 さっきまで、口にすることさえ許されなかった想いを、可憐くんはやっと、自らの口で告げることができた。
 私と同じ言葉でも、それはまったく違う意味を持っていた。
 可憐くんが告げるからこそ意味があり、それに比べれば私の言葉など前菜にさえ届かない。
 だがそれで良い。彼女を導けただけで……私の役目は十分なんだ。
 気がつけば、咲耶くんに押されていた可憐くんが、咲耶くんを優しく守ってあげるように包み込んでいる……。
 ある意味で彼女自身を追い詰めていた相手に対して。
 抱く想い、そのもので……。

 はぁ……こんな魔女を認めるのはしゃくだが……。
 キミは立派に……咲耶くんを愛しているよ……。誇っても良いほどに、ね……。


「未来は補えても………過去は補えない……。そう……君たちは、まだ未完成なんだ…………」


 その不完全さを嘆くことはない。
 完全にするため、己を磨くこと、共に手を取って歩んでいくこと、辛い挫折も、大きな試練も。
 それら全てが、宝石のように眩い記憶となるのだから。


「過去に、出会うことの叶わなかった者たちもいる…………未来しか得ることのできなかった恋人たちもいる……。
 …でも違う……君たちは未完成なんだ………。…未完成だから…………今からでもまだ拾える……たくさん拾うことのできる。
 ……"未完成"の思い出を捨ててまで………君は一足飛びの"完成"を得たいのかい………?」

「千影……」


 だから知ることが悪い訳という訳じゃない。
 なぜなら真相を知った状態で見る推理小説も、また別の楽しみもある、ということさ。
 この時犯人はどう動いていた、あの瞬間ではヒロインはどう動いてた、犠牲者はこの時……トリックはこの時に……。
 そんな風に、別の見方で楽しめる。でもそれは知った後で味わったって良いだろう?
 2度楽しむ方法がそこにあって、それをわざわざ投げ捨てるなんて、勿体無いだろう……?


「はぁー……。私……ばかなのかな……?」


 ふたりの邪魔をしないように、独り言として呟いたつもりだったが、気を取り直した咲耶くんは聞いていたらしい。
 自嘲するように、誰に問い掛けた訳でもなく、そんなことを呟いた。
 そこに、敵意に近い感情はもうなくなっていた。
 だから答えてみせる。


「ばかだよ」


    ―――メリッ……


 そしたら咲耶くんの拳が顔面にめり込んだ。それでこそいつもの調子。
 さよならシリアスモード、おかえりギャグモード。
 最近は色々派手になってきたツッコミも、一巡したのか、今回は単純な拳での制裁に舞い戻っていた。
 単純だったけど、正攻法ってその分余分な無駄がなくて、実は一番強力だったりするのよ。だから余計に痛かった。


「いたーい、いたーい、いたーい。なんだよぅ、ムキになるなよぅ」

「ごめん、例え私が人類史上類を見ない大マヌケぶりを披露したとしても、アンタにだけは言われたくないと気づいたの」


 えー、侮辱罪〜。つーか、それ以前に今の私雛子くんだぞ。
 幼児に手を出すなんてなんてヤツだ! ぷんぷんっ!!(←注:This is a 千影!)


「まったく………別に……恥じることでもないだろう…………?」


 私もつくづくお人好しかもしれない……腕を組んで、私を小バカにするように見下す咲耶くんに、殴られた傷も放って置いて、塩を送ろうというのだから。
 ……まあ、ヒナたんの期待キューピッドさまのアフターケアだ。受け取ってくれたまえ。
 既に呆れ気味の姉に対して、私は今の発言の「Becauseなぜなら」を口にする。
 結末を先に言えば……私の次の言葉で、彼女の態度は驚いて、意外そうに感心するのだった。


「恋すりゃみんなばかになるさ」












「いつか……はい、って、答えるから……。だから今はまだ、待って欲しいの……」」


 とりあえず、このふたりの結末については……「おあずけ」という形で片がついた。
 咲耶くんの女の勘が、下手に両想いだということに気づいていたからこそ、ハイになって一足飛びしてイケイケに発情し、生まれた悲しいすれ違い。
 不安を埋めようとした悲しい側面も在ったのだろうが……結果として、大切なものまで失うところだった。
 だからこそ、その大切なものをきちんと積み重ねた時、思い出にしまって置けるようになった時……
 可憐くんが納得行った時、その時こそは、きちんと「恋人同士」になるという。
 それまでちゃんと、恋人までの道のりを積み重ねていくそうだ。


「可憐ちゃん……。その言葉……信じていいのね?」

「…………はい」


 もちろん、恋人同士ではないので頻繁にちゅーしたり、もんだり、えっちなことしたり、ちょめちょめしたりとかはなし。
 ただし、可憐くんが心が許せる心境だったりムードが整っていればOKという、「恋人未満」という形で落ち着いたそうな。
 心が許せる……というのは、当然「積み重ね」が重要となる。
 まあ、咲耶くんがまた焦って一足飛びしようとして可憐くんに拒否られ罵られ快感を覚えまた落ち込んで、のくり返しになりそうだが。
 なんだか今までと変わらない気がしないでもないが……「積み重ねればいつかは……」ということを知っているだけでも、
 このふたりの関係は随分と変わるだろう。
 まあ、今回の件で間違いなく可憐くんが主導権を取ったな。
 こいつ本当に天然の知将だ。「魔女・カレン」は「天然知将魔女・カレン」へとクラスチェンジした。(←注:勿論千影の脳内だけでです)


「可憐がOKするまでの道のりも……きっと楽しい思い出になるから……。だからそれまで、ちゃんとアプローチ……してくださいね?」

「もちろんよ勿論よモチロンよもちろんよ勿論よモチロンよもちろんよ勿論よモチロンよもちろんよ勿論よモチロンよ……」

「ちゃんと理性保ってくださいね(汗)」


 私も雛子くんの姿から既に元の姿に戻り……その様子を眺めていた。
 ちなみに服置いてきたまんまなので
今、下着姿なの…………なんて読者サービスなんぞなく、
 四次元空間に用意しておいた予備の服を取り出して着用している。
 この作品は、「そんな都合の良い四次元物置設定なんてなくて普通に下着姿を晒す18禁PC版ではなく、「過激成分カットの全年齢対象PS版仕様なのだ!!
 読者サービスだぁ? 私がやるのはヒナたんに対するサービスだけだ! 
だから今着用してるのはうさぎさんのきぐるみだぁぁぁッッッ!!!

 おっと……話が逸れたが、つまるところ丸く収まったのである。
 そして、ふたりのその穏やかな様子を眺めながら、思った……


「それまでゆっくりと、積み重ねていきましょう……。ふたりで……ね?」

「ええっ……!」


 ……なんか、それってもう告白OKと同じじゃね?
 とか、心の中でこっそりツッコミ。
 や、だって可憐くんって、ひたすら一途だから他のヤツ好きになりそうにないしよぉ〜。
 ……まあ、それは私の価値観と言うことで、咲耶くんには当てはまらないらしい。
 きちんとした「恋人」称号があって初めて実感できる難儀な性格らしいので、もう既に可憐くんの「OK」の返事を貰うことに燃えている。
 そしてだからこそ、こんな状況でも「未完成」を謳歌できるみたいだ。
 なんだかんだで上手くまとまったなら、それに越したことはないさ。

 満面の笑みのふたり。今度こそ本当に、すれ違うことなく通じ合った心。
 いつ見ても……いいものだ……。私のヒナたんを誑かす輩が減るのは。(←どこまで行っても雛子中心)

 と、そこに、ふたりとは別の方向から、ぱちぱちぱち、と手を叩く音が響いた。


「クシシ おふたりとも、おめでとうございます

「その声!? ヒナたん!?」


 祝福の声……まるで小鳥のさえずりの(略)破滅をブレンドした甘美な響きの声。
 振り向くと、私のマイすうぃーと究極最高最美最なんたらかんたら(←思いつかない)、雛子くんが、そこで拍手を送っていた。

 ちなみに、ヒナたんのお洋服は私が借りてたので、ヒナたんも私と同じく四次元物置の着物を着ている。
 フフフ……ぱんつ一丁なんて読者サービスするはずがない。
 いや、私は見たいのだが、
私以外のヤツにヒナたんの裸体を見せるなどさせる訳がなかろうがっっ!!
 という訳で、ヒナたんも私と同じきぐるみ、しかもヒナたんの大好きなくまさんのだ。
 四次元物置はヒナたんを悦ばす物しか置いていないので、着る物はきぐるみしか入れてなかったのだよ。

 いやそれはともかくなぜ!? なぜ2階にいるはずのヒナたんがここに?
 私が目をぱちくりさせて、何が起こったのか必死で頭を働かせて思考する。
 が、答えを紡ぎだす前に咲耶くんから説明が入った。


「あ、私たち、一緒に下りてきてたのよ。雛子ちゃんはずっと隠れて見てたらしいけど」

「……そうだったのか…………」


 つまり心配になって我慢できなかった咲耶くんについてきて、一緒に隠れて見ていたとのこと。
 咲耶くんが飛び出してきた後は、ひとりで様子を眺めていたらしい。
 そのまま出てこなかったのは、なんでも"おとなのはいりょ"だそうだ。ちなみにその直後「"おとなのはいりょ"ってなに?」と問いかけたヒナたん萌え。


「えへへ ヒナね、千影ちゃんのかつやく、ず〜〜〜っと見てたんだよ

「ワァオ!! 咲耶くんナイスぅ〜〜〜〜★★★


 そうかそうか……私のあの見せ場を、雛子くんが見ててくれたのか……。
 私の美しい姿(雛子くんだったけど)を……雛子くんが……。ああ……ヒナたんへの得点アップ〜。
 つれて来てくれた咲耶くんありがとう、キミのことを小さじ一杯の砂糖くらい見直したよ。


「そっかぁ〜、見ていてくれたんだぁ〜……あはは、うふふ」(←注:千影でございま〜す)

「うん、意味はわかんなかったけどね

「あじゃぱー」


 そっか、そうよね……。子供にアレはむつかしいよね。
 うん、そんなヒナたんもかぁいいんだけどね、でもかなしぃよ。かなしぃよ〜ん。
 でもいいんだ、おねーさん報われないの慣れてるから、いーんだー。くすん……くすん……。


「でもね……」


 雛子くんは、ギャグマンガよろしく涙でアメリカンクラッカーを行う私に、そっと頭に手を乗せ……今日出会った時と同じように、なでなでしながら……


「千影ちゃんがカッコよかった、ってことはわかったよ












「わー、千影ちゃんスゴーイ」

「本当に沸かしてる……」


 全てが解決した後、まるでエピローグのようにみんなで茶釜を探し出して、私は鼻で茶釜を沸かしていた。


「フフンッ、私は口にしたことはやる人間SA!」


 丁度全員下に降りてきていたので、そのまま1階の居間にお茶請けなどを準備し、4人でお茶屋お喋り楽しむこととなった。
 ちなみにお茶は今私が沸かしているものを使う。まあ、熱湯を扱うんだ、下手に個人の部屋で行うのも危ないだろうしね。
 あー、それにしても……後で可憐くんが自分の部屋に入った時、繰り広げられた惨場また咲耶くんとの関係こじれるの楽しみだなー。


「どうだ咲耶くん! この私の美技は!? 嘘ではなかっただろう……?」

「そうね……美しいかどうかはともかく、確かにね……」


 私はニヤリ笑いを浮かべながら誇らしげに言い放つ。
 おいおい、咲耶くん。折角のお披露目なんだから目を逸らさないで直視してくれたまえよ。キミの要望だろう?


「あー……でも雛子ちゃんになるくらいだものね。そのくらい別になんてことないって思えてきたわ……」

「フフンッ、私は口にしたことはやる人間SA!」

「そうね……まあ、一応、疑って悪かったわね」

咲耶くんと可憐くんを破局させる…………フフンッ、私は口にしたことはやる人間SA!


    
―――ッドぅンッッッ


 フフ……これが咲耶くんだ……。
 悪魔に授かったラブ力でただ思いっきりぶん殴る。
 たったそれだけの技だが……スピード・タイミング・破壊力、共に……人智を越えていた……。


「フフフ……痛いよ咲耶くん………。あとこぼしちったよ、熱いよ……」

「黙ってろ、埋まってろ、かぶってろ」


 咲耶くんの一撃に壁までぶっ飛んで、お湯塗れになりながら壁にめり込んだ。
 雛子くんはきゃっきゃきゃっきゃと喜んで、可憐くんは「可憐のおうちがー!?」なんて叫んでいた。
 大丈夫、キミの部屋は
もっとすごい惨場になっているから!!


「ヒナ知ってるよ。千影ちゃんと咲耶ちゃんみたいなカンケーを、"まんざいコンビ"っていうんだよね?」

「ちょっと! 私のパートナーは可憐ちゃんだけよ!」


 後ろで可憐くんが、「まだOKしてません!」なんて、真っ赤になって否定をするが……満更でもなさそうだ。


「まあ………キミとの漫才コンビというのも……悪くはないさ……」

「……え!?」


 咲耶くんは、私が満更でもないという事実が意外だと言わんばかりにうろたえ始めた。
 まるで告白でもされたかのように、顔を真っ赤にして、チラチラと、意中の相手に目を配っていた。


「だ、ダメよ……私は可憐ちゃん一筋で……例え恋愛感情じゃないとしても、アンタなんかと組むなんて……」

「良い漫才コンビほどコンビ中は悪いって言うからね♥♥


    ―――ゴシャ


でロぷっバッ!?

「うふふっ、それだったら私も歓迎ね♥♥


 満面の笑みで、猛獣のオーラを放ちながら奥底に潜む能力ば最大限に瞬発的に引き出して殴られたばい。(←なぜか九州弁)


「全く……いい加減にしてくれたまえ………。…いい加減……殴る擬音と悲鳴のネタが尽きているんだ…………」(←作者の本音)

「アンタがボケるのをいい加減にすればいいのよ。私、ツッコミなんでしょ?」


 ……確かに、それは当然の理屈か。
 蛇口から水を出したければ蛇口を捻る。逆もまた真なり。
 ボケがなければツッコミは出てこない。単純且つ至極当然の理屈だ……。


「…………だが…それは……無理な相談だな………」

「なによ、雛子ちゃんが悲しむから、とか?」

「いや、個人的な趣味を奪われたくないだけ」

「千影、もう擬音と悲鳴一ネタ追加ねー」


    ―――ゴシャッッ



 咲耶くんの鉄拳の轟音と私の断末魔(省略したけど)が響く。
 私たちは、いつの間にかいつもの調子に戻っていた。
 咲耶くんと可憐くんはあるべき関係に、丁度良い距離感を保つことになった。
 だから雛子くんも解放されて……きっと全てが元に戻った。
 いや、今まで以上に良い関係が繰り広げられるだろう……。


『はーい、あなたの心でハッピー・ホワイトスノゥ


 これでめでたしめでた―――え、なんで出てくんの? 別に料理の話もなんも出てないじゃん。
 つーか私、もうシメに入ってんじゃん。とんだ番狂わせだよ。


『それですの! もうすぐ終わっちゃうから、出れる時に出ておかないと……!!』


 いや、理由が揃ってないのに出てくるのはダメだろ?
 もうちょっと筋というものを考えなさい。おねーさんは恥ずかしいですよっ!


『え? このSSでそれを言うですの?』


 いーから引っ込んでなさい。もうすぐ終わるんだから!


『うわーん、折角外巻きロールにしてきたのにー! あねあねのバカー!! ですのー!!』


 あ、ホントに外巻きにしてきたんだ。ご苦労様。でもごめんよ、文書だけだから全く分からんかったわ。
 おっと、もう行ってしまったようだ。
 ……あれ? どっか行くもなにも私の心の中のことだから自由自在なんじゃないの?
 あれれ? 勝手に別人格が出来上がってる?
 え? 精神分裂症の兆候? ありり? 私危ない?(←別の意味では間違いなく「危ない」)

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・



「……げ…………かげ…………千影! 千影っ!」

「はっ……!?」

「なにボーっとしてるのよ? 今の話聞いてた?」


 どうやら、お料理大好き内巻きロールですのっ娘改めお料理大好き外巻きロールですのっ娘の相手をしていたせいで、
 まるで白昼夢でも見ていたかのように、咲耶くんの発言を聞き損ねてしまったらしい。
 なにが「こういうのは現実時間じゃ1秒も経ってないのがセオリーなんですの」だ。ボーっとしてるパターンでが適応さちゃったじゃねーか。


「いや…すまない………。…それで……今なんと………?」


 とりあえず、天然ボケキャラが定着しないように、平静を取り繕って聞きなおした。


「あ、アンタの家直ったって。今朝連絡来たから、とっとと荷物まとめて出てってね、今日中に」


 ……………………………………………………………………………………はひ?


「へ? なんだそれ? 何でこのタイミングで?」

「だから今朝、電話来てたでしょ? 特撮見るちょっと前」


 ……そういえば、前編の141行目、2057文字目から着信音が鳴ったあの電話?(←行数と文字数で言われてもわかんないから)
 え? あれ?
 嘘、アレってそんなシリーズ設定を根底から揺るがすような内容だったの? ってかめちゃくちゃ軽くね?


「しょうがないじゃない。だって私、可憐ちゃんとのことで落ち込んでいたんだから

「いや、理由になっておまへん!」


 既に可憐くんとの仲が今まで以上に修復され、超・ご機嫌な咲耶くんは、まるで悪びれず、ハートマークまでつけて言った。
 見た感じはいつも通りだったが……その内部は明らかにハイボルテージ。今にもメルトダウン寸前。
 もし可憐くんとの仲が上手く行かなかったら、どのタイミングで言うつもりだったんだよ?


「という訳で、ち・か・げ……」

「は、はひ……?」

「さっさとアンタの荷物片付けて出てってねー アンタ、結構荷物持ち込んでたから、今日中に運ぶなら、今から帰って準備しなきゃ

「あ……い、いや…………今は…ヒナたんとのすうぃーとたいむを堪能したいので………それはまた後で……。
 ヒナたんは折角魔女から解放されたし……。…荷物だって………精霊や魔物の力を借りれば結構簡単に終わ―――」


 優しく微笑みつつ、拳をパキポキ鳴らす……。
 その威圧に、私の言い分など言い切ることもままならず、口は金縛りにあったようにその動きを止めた。
 こういう時、笑顔なのが余計に怖い。
 さっきの威圧は全然大丈夫だったのに、この笑顔には、逆らえない……。

 ああ、そうか……彼女はこれから、可憐くんとの約束通りに、様々な想いを積み重ねようとしている。
 そしてその手始めに行われるのは……邪魔者の排除。
 脅迫的警告で近づけなくするか、物理的排除で近づけなくするか、彼女にとっては大差ない……。
 彼女の頭の中では、「私の家に上がってってね可憐ちゃん」で色々妄想が暴走してるのだろう。
 つまりそれを妨害すことわるようならば……私は次の輪廻に旅立ってしまう訳だ。


「フ、フフフ…………分かったよ……従うさ………。私は……自宅に戻る準備のために……戻るとする…よ………。
 でも……雛子くんはつれて行っても……問題は…ないだろう………? そもそも……私の目的は…最初からヒナたんだったのだから……」

「あ、雛子ちゃんは私の点数稼ぎに使えるから残っておいて貰いたいの」


 目が、「雛子ちゃんはもうちょっと遊んで行きたいんだもんね〜」と言っていた。いや、本音と建前が逆転してますよ咲耶さん。


「で……私の言いたいこと、分かるわよ、ねぇ……?」


 邪魔スンナ。
 ドッカ行ケ。
 二度ト家ニアガラセナイ。
 可憐チャンらぶ。

 ああ、痛いほど伝わってくるさ……。
 要するに、今この瞬間から、彼女の点数稼ぎが始まっているという訳で、使えるものは妹でも使うと、そういう愛欲の亡者なのですね。

 本能が告げた。愛を手に入れたこの超獣は、今まで以上の力を内に溜め込み、超進化を遂げていると……。
 そして、"コレ"には勝てない、と……。
 そうか……私にとっての活力が「ヒナたん分」ならば……彼女は今「可憐ちゃん分」に満ち満ちているのだろう。
 そしてそこにヒナたんが絡まない以上…………フ、フフ……私にかなう道理は無い訳……か……。
 は……ははは………あはは……あっはははっ……!


「ち、
ちくしょー!!


 今、私に逃げる以外の選択肢はない……だが、目的を見失うな千影!
 ヒナたんのために生きるのなら、ここは引く時だ!
 最終的にヒナたんと愛し合えれば、それが私の勝利じゃないか!!
 だから今は下手なプライドは棄てろ! そして、なんとしても生き延びるんだ……!!


「次、火事になってももう二度と来ないでね〜 っていうか用があるとき以外もう来ないでね〜♥♥


 こうして、超獣ツインテール総帥の憎ったらしいほどの清々しい笑顔に見送られながら、
 ひとつのハッピーエンドがひとつの結末を迎え、そしてひとつの転機も迎えて……様々な思いを残したまま、私は敗走した。

 けど負けない! 私の愛の力は、きっといつだって、ムキだから……。










 


あとがき

天城せつなさんからの10万ヒットキリ番リクエスト、そして当サイト最強のぶっ壊れシリーズ『千影おねえたまの狂った日常』の続編!

なりゅーの作品の中でこの作品ほど様々な経緯を経た作品もないと思います。
というのも、まずこのシリーズを最初にリクした方と、この作品をリクした方が別人という状態です。
その分広く愛されていると思えば、嬉しいものです。……というか、こんなキャラが破壊され尽くした作品が果たして愛されているのでしょうか?(苦笑
更に、始めにこの作品のリクしてくださった方がリク権を辞退されまして、そこで一度はお蔵に入るところだったりします。
そこを、リクエスト権を取った天城せつなさんが再度このシリーズの続編を希望するという、不死鳥のような経緯がありました。
そのため、実は一番最初のリク者の希望が、色濃く反映されてたりします。
内容が「仲直りモノ」というのも、実は前の方のリク内容だったりしますし(笑

しかも……色々とこっちの問題などあり、最初目標に設定した時期から更に1年を要してやっと完成するという有様。
という訳で、ほんっと〜〜〜〜〜〜〜〜うに、随分な経緯を経て、なんとか完成の日の目を見ることができました。
期待していただいた皆様には随分と待たせてしまい、申し訳ないです。

さて、そのため前作を書いてから時間が経っており、昔より丁寧に書けるようになったと思いますが、
その分このシリーズの特徴の「カオスさ」が薄らいでしまったのではないかと危惧していますが、多分そんなことは無かったと思います(笑
むしろついて来れる人がいるかどうかの方が心配です。ついてこれなくても楽しんでいただければ良いです。

普段は、時期ネタは封印している私ですが、リミッター解放100%を自負するこのシリーズに関しては、全くもってフルオープン。
そのため、1年以上前の時期ネタと2007年現在の時期ネタやマイブームネタが入り混じってるため、よりカオスさを引き立てて居るというすごい状況となりました。
マイブームって言うか、掲載2日前に仕入れたネタも平気で使っている代物です(爆
また、前に別のリクエスト者の注文もついでに果たしてみようと思ったら、もうトンでもない状況になって、まさにこのシリーズらしい出来となったと思います(ぇー
千影の秘密の呪文についても……いやー、インターネットって便利な時代になりましたねー(ぇー

今までで最長の作品となってしまいましたが、それでも待ってくれた方、ダレずに読みきってくださった方、
そして何より、楽しんでくださった方全てに、ありがとうごさいました!!


更新履歴

H19・8/14:前中後編あわせて完成


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