「あの、あの……アゥ……」


 なんだかとても恥ずかしくて、言葉がゼンゼン出てきまセン……。
 四葉は今……女の子の誰もが夢見る、純白のドレスに……身を包んでいました。

 6月の花嫁……幸せの、ジューンブライドとして……。











ジューンブライドをプレゼント













「だーかーら、今日はやめとこうって言ってるの」

「ふぇ?」


 状況を把握しきれず、思わずトボけた声が四葉の口からポロリ。
 ほんのちょっぴり時間を掛けて、やっと「鈴凛ちゃんを遊びにお誘いに来たのにソッコーでお断りをくらった」と理解しました……。


「ええー!?」


 とりあえず、ショックと不満の声を上げる四葉。
 そんな四葉を前にして、鈴凛ちゃんはアンニュイに髪の毛をかき上げるだけ……。
 ムー! もっとマジメに考えてクダサーイ!!

 四葉は今日、大親友兼姉チャマな鈴凛ちゃんを誘い遊びに行くプランを立ててたのデス。
 実は……クフフッ、もうすぐ四葉のバースデーなんデス
 今日はその直前の日曜日。
 だから四葉、遊びに行くついでに、あのお店やこのお店で、四葉になにが欲しいかをオネダリ……しようとか別にそんなコトはナイデス……。
 ……ただドンナものをプレゼントしたら四葉が喜ぶかの「世間話」するだけデス! オネダリじゃないデス! ここ重要っ!!
 そんなワケで、鈴凛ちゃんをお誘いに来たのデスが……結果はギョクサイ。Oh my god!!

 電話より直接乗り込んだ方が、鈴凛ちゃんがお付き合いしてくれる可能性も高いと見越したのデスが……ムムム、見誤りました。
 いつもなら、ノリノリでもシブシブでもとりあえずは付き合いのいい鈴凛ちゃんが、今日に限ってどうして?
 ア……ある時期を境に激しく付き合いはワルくなりましたネ……。


「ま〜た鞠絵ちゃん関係デスね〜?」


 四葉は、鈴凛ちゃんにとって大切な人物の名前を提示しました。
 そらもう、オンナノコ同士のクセに「ラブラブ」としか言いようのないヘンタイさんな関係を築いている相手の名前デス。
 お陰で、鈴凛ちゃんは四葉とのお付き合いよりも鞠絵ちゃんのコトを優先するようになってしまいました。
 そんなワケで、四葉はヒニクたっぷりに問いかけたのデス。


「はい残念、アタシはこれでも四葉ちゃんのためを思って言ってます」


 まるで気にしないという感じにアッサリ即答。
 ……って、四葉のプランをダイナシにするコトのドコが四葉のためなんデスか〜?
 そう言おうと思ってたら、鈴凛ちゃんは意外なお名前を引き合いに出したのデス。


「あと、花穂ちゃんね」

「花穂ちゃん?」

「そ」


 意味がよく分からないデス。
 なんで花穂ちゃんの名前がここで出てきちゃうのデスか? と、当然のごとく疑問に思う四葉。
 四葉は突然挙げられた「花穂ちゃん」の名前と、鈴凛ちゃんがお誘いを断った理由との関係性を訪ね―――


「四葉ちゃんの愛しの愛しの花穂ちゃんがね」

「ギョわーーーーッッッッ!?!??」


 ナナなナナナなナナナナニをオッシャッてるのデスか鈴凛ちゃんわーーーーーッッ!??!!??


「え? だって四葉ちゃん、花穂ちゃんのこと好きでしょ? アタシが出張れない時とかいっつも連れ回してるし」

「ア、アレは助手デス、助・手!! 最近鈴凛ちゃんがゼンゼン構ってくれなくなったカラ、その代わりにスカウトしたダケのタダの助手デスーー!!」

「で、しもべとして扱うつもりでスカウトしたのに、
 時間を重ね、苦労も重ね……そしていつの間にか愛情が芽生えて、気づいた時にはこき使うどころか守ってあげるべき愛しい存在に……」

「ギャっポぇーーーーッッ!? べべべべ!? 別に四葉、カカカカ花穂ちゃんのコトなんか!!
 ゼゼゼゼゼンゼン、レンアイタイショーにコト考えたコトもナイナイナイナイナイデス!!
 四葉は鈴凛ちゃんみたいなヘンタイさんじゃないデスーー!!」

「あら〜? アタシは別に、恋愛対象としてなんて一言も言ってないわよ〜」

「へ?」

「"愛しい"ったって、親の子供に対する愛情でも"愛しい我が子よ〜"とか言うでしょ〜?
 守る対象が全部恋愛対象なんて、一言も言ってないしぃ〜。愛情に至っても、ほら姉妹愛。
 あら〜? いったどこがヘンタイさんなのかしら〜?」

「チェッ、チェキぃッ!?」

「そう思う"何か"がないと、思わないはずなんだけどね〜」

「あ、アゥアゥアゥゥ……」


 オゥ、ジーザス……! り、鈴凛ちゃんの誘導尋問リーディング・クエッションにハメられました……!!
 言葉に詰まってしまう四葉を、鈴凛ちゃんはスッゴクイヤラシイ目つきで四葉のコトからかってきマス……ウウウ……。
 べ、別に! ホントのホントに、四葉は花穂ちゃんのことなんか、コレっぽっちもそんな風に見たことなんか思ってないデス〜!
 そもそも鈴凛ちゃんが言うと、そういう風にしか受け取れないんデスよ!!
 でも、そう言い返したところで、


「アタシは別に、鞠絵ちゃんと恋人じゃなくたって良いって思ってるもん」


 ほら、そうやっていっつも逃げるデス……。


「結婚式くらいは挙げたいけど」

「ええい、その時点で重度にのめりこんでるっていい加減認めんか」


 そして、なぜかニヤニヤ顔を浮かべながら四葉を見つめてくる鈴凛ちゃん。
 ウ〜、なんか! なんかなんか、く〜や〜し〜い〜デ〜ス〜!!


「ウッサイデス! トニカク四葉は、鈴凛ちゃんたちみたいなヘンタイさんじゃないデス!」

「いー加減素直になったら? 諦めな、アタシたちの女好きは、12人姉妹別宅暮らしを実現するようなオヤジの遺伝なんだから」


 えー。


「そ、そんなコトはどうでも良いのデス! で、花穂ちゃんと、四葉がお誘い断られるのと、どうカンケーあるのデスか!?」


 とりあえず、そこはかとなくブラック路線に走りそうなキョウダイそれぞれの出生の秘密は置いておいて……。
 四葉は、逸れた会話を本題へと引き戻す問い掛けを投げかけました。
 それを聞いた鈴凛ちゃんは、思い出したように「そういえばその話だったわね」ってクスリと笑ってから、四葉の疑問に答えてくれました。


「四葉ちゃんの誕生日ってもう目の前でしょ? 花穂ちゃんね、そのことでアタシに相談に来てたの」

「チェキ? 花穂ちゃんが?」

「で、まあ、なんと言いますか……その結果閃いた案ってヤツが、ちょっとばかし大掛かりな計画だったから、平日じゃ無理かなって思ってね。
 昨日なんにもなかったんなら、今日辺り花穂ちゃんからアプローチあるんじゃないかなー。
 って元探偵団として思っちゃうワケですよ、団長殿」


 ムムム……確かに、鈴凛ちゃんの言うコトも一理アリマス……。
 さすが我が探偵団のOB! 四葉の下で修行を積んだだけはアリマスね!
 っていうか、まだ除名したつもりはないから、今からでも戻ってきてくれても四葉はゼンゼン構わないのデスよ……?


「で、その案と言うのは?」

「ん?」


 先ほどの発言からすれば、鈴凛ちゃんはプレゼントの内容を把握しているご様子。
 それを見逃すは名探偵にあらず! ということですかさず質問。この辺の手際の早さは名探偵たる所以なのデス。
 しかし、今度は鈴凛ちゃんが、「え? あー、それは……」なんて言葉を濁すように口ごもりマス。
 あ! そっかデス、バースデープレゼントなだけにサプライズりたかったのデスね……。
 ムムム……そうなると四葉のこの質問は、ちょっとNGだったカモ……?
 とはいえ、名探偵としては、一度始めた調査を途中で放棄するなんて、なんだかダメな気がしマスし……。
 ウーン、どうすれば……? ウウウ……名探偵としての魂と、花穂ちゃんへの義理がセメギ合うのデス。


『♪〜〜〜〜♪〜〜♪〜〜♪ ♪〜〜〜♪〜♪♪』

「チェキ!?」


 と、そんな時、四葉の携帯電話が鳴り響いたのデス。
 四葉は一端、迷うのを中断して、鈴凛ちゃんに「シツレイ」と断ってから携帯電話を取り出しました。
 携帯電話の画面へと目を向けると……1通のメールが着信。


「花穂ちゃんからのメールデス……!」


 そしてそのタイトルは……『お誕生日前祝いのご招待』。
 ジャストタイミング!! そう、今まさに話していた内容のものだったのデス!
 あんまりにもタイミングが良すぎて、四葉ビックリ。
 ついつい、意見を求めるように鈴凛ちゃんに目を向けてしまいました。
 すると鈴凛ちゃんは、四葉の背中をバンッと叩いて。


「自分の目で確かめてきなさい!」













「あ、四葉ちゃん!? ……よかったぁ」


 メールで指定された場所に到着すると、そこには四葉を呼び出した張本人の花穂ちゃんの姿が見えました。
 花穂ちゃんも四葉のコトを確認すると、心底安心した様子で顔を緩めマス。


「来てくれなかったらどうしよう、って思ってたんだ……えへへ……」


 到着してすぐに花穂ちゃんはそんなコトを言いました。
 確かに、コレはサプライズに伴うリスクなのデス。
 内緒にしている分、驚きと喜びは倍増かもしれまセンが、別の予定を入れられちゃうキケンだっていっぱい!
 まあ、四葉もすぐにメール返せばよかったんデスケドね……いやー、ウッカリウッカリ。
 そう考えると……鈴凛ちゃんがいかに状況を予見しきっていたか、理解させられマス。
 ムムム……やはり我が探偵団に是非欲しい人材なのデス。たまにでいいから探偵団員として参加して欲しいのデス。


「それで、花穂ちゃんはいったい何を企んでるのデスか?」

「それはね……えへへっ


 メールには、ある場所に来て欲しいとだけ書かれて、なにを行うかは一言も書かれてはいまセンでした。
 しかぁしっ、四葉だって名探偵の端くれ!
 目的の場所に向かいながら、鈴凜ちゃんとのやりとりをヒントに、アレコレ推理してましたのデス!
 うん、推理はしたのデス……推理は……。結果が伴ってるかどうかは別の話デスよ……?


「ささっ! こっちこっち」


 花穂ちゃんは質問に答える代わりに、四葉の手を握って屋内へと引ぱっていきました。
 四葉が呼ばれた先は亞里亞ちゃんのお屋敷だったのデス。
 確かに、四葉たちだけに限定されマスが、何かイベントを起こすなら、モノでも場所でも、これ以上整った場所もないデスね。
 そして花穂ちゃんに従うまま、亞里亞ちゃんのお屋敷内を進んでいくと……


「あ〜ん、迷っちゃった〜」


 えー。


「だ、大丈夫だよっ! こういう時のために地図用意してもらってるからっ!!」


 さすが花穂ちゃん、既に己のドジを理解しているモヨウ。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」デスね。
 ちなみに、地図まで落としてるんじゃなういかと思いましたが、そんなコトはなかったデス。
 ウーン、花穂ちゃんが成長して嬉しいやら推理ハズして悔しいやら……。

 そしてふたりで地図を辿りながら、ひとつの部屋に到着。
 四葉がつれてこられた場所、そこは……ドレスルーム?
 仮装でもするのでしょうか?
 ハッ! まさかテレビの仮装大賞に出て、その優勝賞金で四葉にプレゼントを……!?
 イケマセン! それでは時間がかかり過ぎてバースデーのタイミングを逃してしまいマス!?
 いやいやいくらなんでもそんなコトは…………花穂ちゃんなら有り得る!?
 なんて頭の中で非っ常〜に失礼なコトを思い描いていると、花穂ちゃんは一着の服を手に取り四葉の下へ。

 ……え? コレ、って……


「はい、四葉ちゃん。これに着替えてっ」












「あの、あの……アゥ……」


 四葉は今……女の子の誰もが夢見る姿に身を包んでいました……。
 アンビリーバブル……信じられないデス。
 だって、いつかはコレを着る日が来るとは思っていたケド……でもそれが今だなんて……信じられない。

 でも、四葉は今、確かにその身を…… 白い……真っ白なドレスに包まれていました……。
 純白の、ウェディングドレスに……。


「えへへ…… あのね……6月の花嫁さんのこと、ジューンブライドって言うよね?
 でね……四葉ちゃんのお誕生日って6月だからさ……。折角なんだから、って思って……。
 女の子にとって、最高の憧れだしね……えへへっ


 花穂ちゃんは、ほんの少し赤く染まった顔で、はにかみながら説明しました。
 そう、花穂ちゃんのプレゼントとは「ジューンブライド」のコトだったのデス。


「えへへっ……鈴凛ちゃんに相談に乗ってもらって思いついたの……」


 そう言われて鈴凛ちゃんが相談に乗られたこととを思い出し、そして、その内容に非常に納得していました。
 きっと鈴凛ちゃんと鞠絵ちゃん、どちらかが6月生まれなら「ジューンブライドにカコつけてケッコン式をプレゼント」……とでも言ったのでしょう……。
 あのふたりならやりかねないのデス。
 でも残念ながらおふたりのバースデーは4月と7月なので、そのコジツケは不可能だったのデス。
 でも……6月生まれの四葉になら、それを出来ると花穂ちゃんに吹き込んだ。
 なぜだか四葉を花穂ちゃんとくっつけたがる鈴凛ちゃんらしい口添えデス……。
 あ、ナルホド、さっき鈴凛ちゃんが「結婚式」発言でニヤニヤしてたのはこのセイだったのデスね。
 確かに、さっきの会話の中にヒントは隠されていました……。「結婚式は挙げたい」って言うキーワードを……。
 この名探偵ともあろう者が、そんな重大なヒントを見落とすとは不覚……。
 でも、今は悔しさに身を震わせている余裕なんかなくて……ドキドキする気持ちが、抑えられないくらい、四葉の中ではしゃいでました……。
 だって、信じられないんデスもの……四葉が、お嫁さんだなんて……
 そして隣には……立派なタキシードを着こなした、おムコさんの姿までありマス……。
 ハナムコも女の子だけど……もうほとんど完璧に、ウェディングなのデス……。


「花穂ね、こんなことくらいしかできなかったけど……でも……これが花穂に出来る、最高のプレゼント……です」


 それはきっとシンプルな発想。
 でも、シンプルだから、祝福してくれる優しさも、温もりも、すごく伝わってくる……気持ちも想いも……。


「ハッピーバースデー、花嫁さんv」


 花穂ちゃんは、四葉の晴れ姿にとびっきりの笑顔で祝福の言葉を、贈ってくれました……。


「幸せになってね、花婿さんvv」


 そして、四葉の隣の衛ちゃんに向かっても。


「……あー、ナゼ?」


 ウェディングドレスを着た四葉は、別に好きでもナンデモナイ(キョウダイとしては大好きデスが……)タキシードを着た衛ちゃんと腕を組んで、
 私服の花穂ちゃんの前で「愛するふたり」を演じていました。
 ムムム……コレが良く聞く「愛のないケッコン」と言うヤツなのデスか……?
 まあ、ドレスを着たドキドキだけで四葉は満足しているカラ、別に……別に……。


「え? だって四葉ちゃんにはお嫁さん気分を味わってもらおうっていうのがお誕生日プレゼントなんだから、だったらお婿さん役は居た方がいいかな、って……」

「アー……マァ、そーなんデスが……」


 ヴェールの上から頭をポリポリポリ。
 言ってることはモットモらしいデスが……ちょぴっと論点がズレた回答デス……。
 四葉の複雑な表情を見て、花穂ちゃんは可愛らしく首を傾げてました。


「花穂ちゃんがハナムコさんやってくれるんじゃ……?」


 四葉はついつい、自分が予想していた展開と、現状との違いを確認するようにクエスチョンしました。


「ええっ!? だって花穂、全然男の子らしくないよ! 折角のお婿さんの役なら、もっと相応しい人がやるべきじゃない」


 ……もっともデス。
 そもそも、さっきモノローグ中にも言ったように、四葉の隣のおムコさんはタキシードを「着こなしてる」ワケで、
 残念ながら花穂ちゃんにはタキシードを着こなせるワケないデス。
 だってこんなにこんなにカワイイんだから。


   ――――鞠絵ちゃんなら着こなせるわよ!!


 ……まあ、四葉の想像の中で思わず思い浮かべちゃった、某親友兼姉チャマな少女R(プライバシー保護のため名前は伏せマス)の、
 常人には理解できないオカシな発想からくるミョーな訴えはこの際おいておいて……。


「で、花穂が知ってるお婿さんに相応しい人って、衛ちゃんくらいしか知らないから……」

「それでボクですか……」


 ……要するに花穂ちゃんは、ジューンブライドにかけた「ウェディングごっこ」を四葉にプレゼントしようとしてるだけ。
 つまりはプレゼントは、純粋な「おヨメさん気分」であって、おムコさんはそのための完全なオプション扱い。
 親友兼姉チャマな少女Rが口添えしたような、「気持ちだけならホントのホンキなウェディング」とは、全然意味合いが違うってコトデスね……。
 (ちなみに衛ちゃんは、オトコノコ用のドレスルームで待機していたので、ケッコン式がはじまって初めて顔を合わせたのデス。)
 まあ、意味を履き違えちゃう辺り花穂ちゃんらしいといえば花穂ちゃんらしいデス……。
 それに、そんなの当たり前デス。四葉たち、女の子同士なんだから……四葉は一体ナニを期待してたんでしょうね……。


「はっ!? き、期待だなんて、ちがっ!? 四葉は花穂ちゃんのコトそんな風に思ってなんかないデス!? 四葉、ヘンタイさんじゃないデス!!」

「四葉ちゃん、どうしたの?」


 勝手に自分で思い浮かべて思わず言い訳。
 なんにも知らない花穂ちゃんと衛ちゃんは、四葉の様子にタイソウ驚いてしまいました。
 四葉と花穂ちゃんは女の子同士なのに……コトもあろうに花穂ちゃんとのケッコン式を期待するなんてコト……。
 ア〜〜、マッタク何を考えてるんデスか!?

 衛ちゃんならゼンゼンなにも感じないのに……オトコノコみたいな衛ちゃんでも、別にそんな他意は一切考えないのに……
 なのにドコをドウ見ても女の子な花穂ちゃんになら、ドキドキ意識しちゃうなんて……アアゥ〜〜、四葉完ッ全に毒されてマス!!
 コレも親友兼姉チャマな少女Rが、毎日のように花穂ちゃん花穂ちゃんなんてオカシなコトを四葉に吹き込んでくるせいデス!!
 毎度毎度ヘンタイさんなご様子をチェキさせられるから、ミョーな先入観が受け付けられちゃったんデス〜。恨むデスよ〜。


「あのさ花穂ちゃん……そりゃ相応しかったかもしれないけど……ごめん、ボクこれでも女の子なんだよね……」


 と、四葉が精一杯理性を取り戻そうと奮闘している隣では、おムコさん役に抜擢された衛ちゃんが、抜擢した花穂ちゃんプロデューサーに異議を唱えていました。
 ナルホド……衛ちゃんは普段オトコノコっぽいけど、それでもオトコノコ扱いされるのはちょっと気にしてるのデスね。
 すかさず手帳にチェキ! ドレスは着ててもチェキノートは離さないのが四葉の探偵スピリッツデス!
 でもこのドレス、ポッケがなくてちょっと困るので、本番の時はポッケ付きのドレスを頼むことにしようと思いマス。ふむ、コレもチェキ、っと……。


「う〜ん……でもね、衛ちゃんはカッコイイから、ときどき男の子なのか女の子なのか分かんなくなるの」

「いや、そこは分かろうよ!? どんだけドジっ娘!? それってボクの人権はどうなるの!?」


 ……花穂ちゃんは花穂ちゃんでさらりとトンデモナイコトを口にしてマス。
 っていうか、それってもうドジとかそういう問題じゃないデス。


「でね、花穂、思ったの……だったもう衛ちゃんを男の子として扱っちゃえばいいんだ、って!!」

「なに名案だって感じで言ってるの!? しかもなんでいい笑顔してるの!? なんでそんな結果になっちゃったの!?」

「え? どっちつかずは良くないって先生が……」

「だったら女の子側につけて!! そりゃ男の子になりたいって思ったことはあるけど、そんな扱われ方なんかヤダよ!!」

「えー」

「なにそれ!? その『えー』こそ『えー』だよっ!!」


 …………さすが花穂ちゃん。
 理由は上手く説明できまセンが、思わずそう思っちゃってる四葉がそこに居ました。
 花穂ちゃんは最早ドジっ娘を超えたドジっ娘、「ドジ聖」の位をも冠するスーパードジっ娘なのデス。
 花穂ちゃんはパンッと手を合わせて、一言。


「さて! じゃあ話もまとまったことだし、」


 ゼンゼンまとまってネー。


「結婚式、再開しちゃおっか♪」


 弾む声で提案しました。
 花穂ちゃんのマイペースなご様子に、四葉と衛ちゃんは目を合わせマス。


「ま……花穂ちゃんが折角用意してくれたことだし、ね」

「お嫁さん気分と素敵なドレス……それに―――」


 四葉は花穂ちゃんのその気持ちと……とびっきり笑顔で十分カナ……?


「クスっ」

「あははっ」


 ハナヨメさんとハナムコさんは向かい合って、そしてなぜだか笑い合いました。
 それは、アイコンタクトで気持ちを通じ合ったカラだと思うのデス。
 気持ちを通じ合わせてるけど、別に恋愛感情は芽生えてまセンので、アシカラズ。


「え? ふたりとも、なに?」

「「なんでもない」デス」


 ドジっ娘で、しょうがなくて、頼りなくて、心配ばかり掛けちゃって……
 でも、気持ちだけなら人一倍……そんな花穂ちゃんの気持ちに報いるためにも、このケッコン式は絶対成功させよう。
 これが通じ合った気持ち……ふたりで、ふたり共大好きな花穂ちゃんを喜ばす。
 アハッ、どーして誕生日の四葉が花穂ちゃんに尽くしちゃってるのデスか?
 コレじゃあ立場がゼンゼン逆デスよ〜。

 でも……今年のプレゼント、「花穂ちゃんが喜んでくれる」でもいっか……。












あとがき

6月といえばジューンブライド。じゃあ6月生まれにバースデーウェディングってネタもありだよね……?
なにの、6月生まれの四葉をお嫁さんにするプレゼントを1回も見たことがない!?
そんなバカな!? どうして、「6月生まれ」と言う強みを誰も使わないのか!?
……という、気持ちをこのBDSSにぶつけて作ってみました(笑
とりあえずそれと、あと「素直じゃない四葉」と「ちょっとズレてる花穂」を堪能していただければこの作品は満足です。

本当はもうちょっと続けたかったのですが、オチが上手く〆られなくなるため、ラストの部分は泣く泣くカットしたエピソードあり。
微妙にほぼ出来上がっていたのと、何気にネタ詰め込んだ箇所だっただけにちょっと悔しい……。
でもそういう思い入れのあるネタをシビアに切り捨てることを乗り越えるのも、また創作家なんでしょう……と思うことでこの悔しさを埋めることにする(苦笑

ちなみに、花穂がどうやって亞里亞から諸々レンタルできたか、これを読んでくださった各読者の想像にゆだねます。
なりゅー的解釈を書いてもいいのですが、あえて読者の想像力に任せるの「自由度」もまた一興でしょう。
なので、体で払ったなりなんなりご自由に(ぇー
四葉の「ヘンタイさん」って、パターン化させてるはずなのにすっごく久しぶりに書いた気がする(苦笑


更新履歴

H19・6/21:完成・掲載


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