「うーん……ただ良い悪いだけじゃなく、アタシたち自身が出来るかどうか……まずそっちの方が重要ね……」


 衛へのマッサージで、またまた中断してしまった会議。
 さっきから中断ばかりだけれども、なんだかんだ言って内容も大分進んでいた。
 そのため鈴凛は、この機会にここまでの意見をざっと振り返っていた。
 この、壮大なプロジェクトを……










 

ぷろじぇくとsnowh・BD

−後編−














 クラシック、お化粧品、お菓子、毛むくじゃらになる薬、などなど……今まで挙げられた案のいくつかはとても素晴らしかった。"いくつか"は。
 にもかかわらず、今までに出たそれら全ては却下された……。
 原因はハッキリしている。アイディア自体というよりは、メンバーとの相性の問題。
 毛むくじゃらになる薬に相性が合うメンバーも、それはそれでどうかと思うけど。


「鈴凛ちゃんのマッサージで良いんじゃないの? あれすっごく気持ち良かったし……」

「え? そう?」


 鈴凛が考えを巡らせていると、横から、心なしか少し浮ついた声で衛が話しかけてきた。
 その時、衛は恍惚の表情を浮かべ、マッサージの余韻に浸っていた。 
 例えそれで、今度買おうと思ってた最新モデルのランニングシューズが買えなくなったとしても、衛は満足だった。
 ああっ、油断してるとよだれが……。


「絶対にそうだよ! お金とってもいいくらい気持ち良かったんだから!
 それをタダで白雪ちゃんにしてあげたら、絶対喜んでくれるって! 普段の家事で溜まった疲労とか、全部飛んでっちゃうよ!」

「ムムム……確かに、ハタから見てても、衛ちゃんの満足そうな顔を見ると、そのくらいの価値はあると思いマス!」


 少し意外な展開。なんと、3人の内ふたりが、肩もみ案を熱心に推して来たのだった。
 さっき「手抜きの代表」とか言っていた四葉さえも、衛のあんな淫らな姿を見ては、そう動かずには居られなかった模様。
 いつか貸しを作ってタダでやってもらおう、と四葉はコッソリ思ってた。
 その前にデジカメの改良とか、作り掛けのものを黙っていじって壊しちゃったとか、今までの借りの方が多いのだけど。


「別にアタシは良いけど……それじゃあ衛ちゃんと四葉ちゃんの分のプレゼントどうするの?
 白雪ちゃんにお礼できるのアタシだけになっちゃうよ?」

「「はっ!?」」


 確かに、一瞬世界観が変わるほどのマッサージは、すばらしいプレゼントかも知れない。体験者がよだれ垂らすくらいなんだから。
 でもそれができるのは鈴凛だけで、衛と四葉の出番はない。
 だから「鈴凛のプレゼント」で終わってしまう。
 それでは、「3人でお礼をする」という目的が果たせない。


「だから、みんなで祝えるものを、ね」


 鈴凛は「でしょ?」なんて付け足して、ウインクをひとつ。
 祝うならあくまで"3人"で。
 そんな鈴凛の妹想いな面に心打たれ、四葉も衛も、心中は感動の渦に包まれていた。
 ただ、鈴凛が内心「……思いつかなかったらひとりでそれプレゼントしよう」とか思ってたりするのは内緒である。
 口に出さない分、誰よりもちゃっかりものの姉だった。

 肩もみが全てのトップに躍り出るのはどうかと思ったけれど、そこはともかくとして、
 ひとつの案を推したり、それに意見を口にしたり、その意見を吟味したりと、グダグダだった会議にしては良い傾向。
 この集まりもやっと会議らしくなってきた。
 案はまだまとまってないけれど。これからも出るとも限らないけれど。
 それでも鈴凛は思い描いていた通りの、きちんとした意見交流が出来たことに、とても満足した気持ちに浸っていた。
 そうそう、こうでなくっちゃね。
 そんな良い気持ちまま、鈴凛は会議を再開した。


「さーて、次は誰かしら?」

『え? ご姉妹の誕生日プレゼントですか……?
 ……お、お姉さまへのプレゼントだったら、現金……いえ、資金援助を……。
 でもプレゼントというなら、やっぱり機械の部品とかでしょうか……?』

「って、小森さんんんんんーーーーーっっ!!??」


 再生された声を聞いて、鈴凛の脳裏に「前言撤回」の4文字が過ぎった……。

 ちなみに小森さんとは、鈴凛のクラスメートの女の子のこと。当然、鈴凛たちの姉妹というわけではない……。
 鈴凛とは対称的に、普段は控えめで大人しくて、前に出ることなんて滅多にない子。
 だからか、ガンガン男子とも話せたり、何事にも物怖じしない鈴凛を、憧れの対象として見ている。


『やっぱり、そういう方って眼鏡の女の子がお似合いなんじゃないかなって思うんです。
 ……あ、でも個人的に病弱属性はダメだと思います。同じ眼鏡属性でも。
 お姉さまは優しいから、どんな方とも満遍なくお付き合いできるけど、
 病弱属性はときっとの相性が悪いと思うんです……なんとなくですけど。
 深く付き合うなら……まあ、どちらかと言えば、クラスメートの女の子とかがお似合いかな……なんて……』

「小森さんは何を言ってるのですかー!?」

『クラスメートの子と付き合う……深く付き合う!? きゃー クラスメートのKちゃんと付き合う!? きゃー♥♥

「小森さんも自分の言葉に自分で興奮しないで!!」


 とまあ、こんなご様子で……。普段は控えめで大人しくて、前に出ることなんて滅多にない子なんだよ、ほんとだよ?
 ラジカセに向かって叫ぶ鈴凛を眺めて、衛は「録音した音声に話しかけても通じるわけ無いよ……」なんて思ってた。


『あ、はい……申し訳ありません、お姉さま……』

「え? 通じた、そんなバカな!? このカセットさっきからなに、裏で同時進行してるんじゃないの!?」


 ……恐るべし小森さん。


「なぜ!? 何故にKOMORIさん!? ほわっと!? ホワイ!? why, or why not!?」


 あまりの出来事に混乱して英語の使い方も、それ以外にもなんか色々間違えまくりで問い詰める鈴凛。
 思考回路はショ−ト寸前、今すぐ会いたいよ。……誰に?
 そのくらいぐっしゃぐっしゃの鈴凛さん、アタシ今は童話の中。
 いや、そんなことは無い。とりあえず落ち着けアタシ。
 花穂ちゃんの歌といい、こんな無秩序全部通じる人なんていないから。


「え? だからミンナにインタビューしようって……」

「そりゃ言ったけど、なんで全く無関係の人に尋ねるかなこのスカポンタン!?」


 とりあえずほんのわずか、一匙くらいの冷静さを取り戻して、四葉に突っかかる鈴凛。
 姉妹間にだけ質問で回ってると思ったら、こんなところにまで手を伸ばしていたとは想定の範囲外。
 それが悪い……とは言わないけれど、肝心の白雪ちゃんへのプレゼントについては一切答えてくれてないです。
 というか、白雪ちゃん知らないんじゃないの?


「シスターオンリーという狭い世界に囚われず、幅広い層から意見を求めるコトこそがインターナショナルの第一歩だと思いマス!」


 今にも壊れそうな鈴凛に、ドドーンと答える四葉。突き出す胸は……やっぱり小さい。
 やってることはめちゃくちゃだけど、しかし言ってることは正しい。
 正しいけど……普段素っ頓狂な行動に躍り出る四葉ちゃんに言われるとなんか悔しい。とか鈴凛は思った。
 ついでに衛も同じこと思ってた。
 あと、衛は同時に、自分のクラスメートでなくて良かった、とか薄情な思いを馳せていたりする。
 自分を良くからかう真理子ちゃんとか来られた日には……


『衛ちゃんにブラジャー』

「って、真理子ちゃんんんんんーーーーー!!??」












「はい。じゃ、気を取り直して行くわよ」

「了解チェキー」


 と、まあ、再開された直後から、四葉のトンでもないというか、前進的というか、前に進み過ぎて誰一人付いていけないというのか、
 そんな仕込みに出鼻を挫かれはしたものの、一同はまたまた気を取り直してテープを再生した。
 もう何回気を取り直したか分からないけれど、それでもその度気合でまた気を取り直す。
 挫けるわけには行かないのだ、我らが聖女のため。
 だからいい加減衛も、ブラジャーについてからかわれたことを立ち直るべきだ。


『プレゼント……? そうですね……わたくしは……』

「お。お次は鞠絵ちゃんだね」


 古びたスピーカーとカセットテープ越しのため、その声も今まで流れたものと同様にちょっと変質していたけど、
 「わたくし」なんて自称を淑やかに口にするのは、姉妹の中でひとりしか居ない。
 それが、今衛が口にした「鞠絵」である。
 もっとも「ワタクシ」とカタカナで同音異義(?)表記する姉妹がもうひとり居るのだけど、
 今のはひらがなで発音されたものなので、鞠絵であると判断した。
 ひらがなとカタカナを音だけでどうやって判別したのか、考えたら負けである。

 鞠絵は、大人しくて清楚なイメージの漂う、落ち着いた女の子で、恋愛小説などの文芸を好んでよく読む。
 少し体が弱く、一緒に暮らす前は療養所で家族や街から離れて暮らし、寂しい思いをしてきたという暗い過去がある……。
 鈴凛はそのことを知って、得意のメカや発明で、寂しい思いをした分を取り戻してあげているとか何とか。
 それがきっかけで何か鞠絵が大胆になったとかなんとか、その辺はまた別の話……。


『わたくしは……やっぱり丈夫な身体こそが、宝だと思います……』


 その意見はきっと、自分の身体が、他人よりも弱いからこそ、真に思えること。
 持たざるものだから、誰よりも健康こそが大切なものと知っている……。
 少し、切なくなる……


『そう……鍛えて、鍛えて、鍛えて鍛えて……! 日々努力、日々精進!
 己の才能に慢心する事無く、上を目指す! そのためには身体が資本!!』


……うん?


『そしていつかは……いいえ、次こそは春歌さんに勝ちますわっっ!!』

「柿ノ本さんだったんだっ!?」


 古びたスピーカーの音質が変わってたので、多少の声色の違いも録音のせいと思ってたらこういうオチ。
 音質が違うっていうか人間が違ぇ。
 衛、まんまと騙される。

 ちなみに、鈴凛たちには春歌という姉が居り、こちらが「ワタクシ」の自称を使う方。
 ドイツで育ったというのに純和風なほど日本文化に精通した少女。
 将来は立派な大和撫子志望で、その理想像を目指し、多くの習い事をこなしては日々精進に明け暮れている。
 柿ノ本さんは、その春歌の"自称"ライバル。
 春歌同様多くの習い事をこなし、そのため複数の習い事教室で春歌と顔を合わせている。
 その全てで春歌へ勝負を挑み、その全てで敗れてきた人である。
 一応柿ノ本さんの名誉のために言えば、柿ノ本さん自身の実力もかなりの腕前である。ただ、春歌はそれよりも上なだけ。
 なので、柿ノ本さんの対春歌の執念は相当のものだったりする。
 まあ、一応春歌とは友達ということで落ち着いているらしい。
 勝負と友情は別物とメリハリをつけているみたいだ。時々、一緒に遊びに行ったりするし。

 まあ、ひとつ前の小森さんの件もあったので多少免疫が出来たのか、
 それとも、もう自分たちが被害の対称になることはないという安心感なのか、
 鈴凛も衛も、とりあえず黙って「インターナショナル」を目指してみることにした。


『という訳で、それに伴ってやっぱり腕良いい家庭教師を雇うとか、有能な指南書、参考書を渡すというのはいかかでしょう?
 プレゼントするならそういった己を高められるものをが良いと思いますわ。
 あ、でも……そういうものって結局、わたくしのように高みを目指す意志がないと失敗するものですよね……』

「ムムッ! 失敬な白雪ちゃんはお菓子作りや料理の腕を上げることにドンヨクなのデスよ!」


 さり気に、「わたくしのように」を強調して、自分自慢をする、テープの中の柿ノ本さん。
 その態度に、まるで白雪をバカにされたように思ったのか、四葉が反論した。
 しかし当然ながら、録音された音に対して文句を言ったところで、本人の耳には届かない。
 ……って、


「うぉーい、ちょっと待てー。インタビューしたの四葉ちゃんだろ。そん時言えよー」


 その件に関しては鈴凛がツッコミを担当した。気だるそうに、いつも以上に言葉を崩して。


「本人目の前にして言ったらなじられるに決まってマス! こういうコトは居なくなってカラ言うのデス!」

「陰口カッコワルイ!」


 さも当然のように主張する四葉の顔つきはキリッと凛々しく、自信に満ち溢れたもので、台詞と全く合ってなかった。
 それに対して至極当然のスパッと鋭いツッコミを再び重ねる鈴凛。何でカタコトなのかは……なんとなくだと思う。
 そんな四葉は置いておいて……とりあえず一同、柿ノ本さんのインタビューの続きに耳を傾け直した。


『そうですね……では、わたくしは、"わたくしの春歌さんへの勝利"を捧げます!』


 もらってどーする。
 一同は思った。
 要約すれば、「あなたの誕生日プレゼントに姉をぶちのめします」。
 そんなこと言われて、喜ぶ妹がどこにいるのだろうか?
 口にはしなかったけれど、3人の心は今、確かに通じ合った。
 そして心が通じ合っていることを確信していた。
 この会議が始まってから、これ以上ないくらいの一体感で。


「これは……さすがに参考にできないよ、ね……?」


 衛が、苦笑いに顔を歪めながら、一応鈴凛に確認を取ってみた。
 鈴凛は、当然「却下で……」と、短く返答を返す。むしろ可決されても困るのは3人の方だし。
 可決した場合、春歌をぶちのめさなくてはならない。自分たちの姉を仕留める、なんて非常識なプレゼントだか。
 いや、「ぶちのめすこと」以上に、「返り討ちにあう」可能性のが遥かに高いからだ。春歌だけに。


「あ、チナミに、鞠絵ちゃんはこの後に入ってマス」

『そうですね……思いを伝えるのなら……恥ずかしいのですけど……き、キス、なんて……。
 できれば……くちびるに……。なんて……わ、わたくしったら……は、はしたない……。
 あ……でも、ゴーグルの似合うメカ大好きな女の子はだめです……。彼女にはきっと先約が……―――ブツッ

「…………次に行きましょう」

「えー、どうして途中の切っちゃうのデスかー?」

「……次に行きましょう」

「四葉、特に鈴凛ちゃんのコメントが聞きたいのデスがー」

「次行きましょう!!」


 鈴凛は無理矢理終わらせた。












「もう結構進んだよね……。残りって……?」

「えっと……あとは春歌ちゃんだけね」


 現在四葉はトイレ休憩中。既に会議も結構時間が掛かっており、そういう生理現象が発生しても仕方がない。
 そんな折、衛がしてきた質問に、鈴凛は今までのインタビューをメモした用紙を見て答えた。
 途中、友人関係にまで手を伸ばされた時は完全に意表を突かれたけれど、鞠絵のインタビューも無事聞き届けている。
 そしてその前に可憐、咲耶、亞里亞、千影、花穂、雛子と来て、姉妹の中で残るのは春歌のみとなっていた。

 先ほどもちょろっと触れたように、春歌はあらゆる稽古事に精通している3人の姉。
 そのため、特技も多く、礼儀作法も完璧。
 その上、先ほどの柿ノ本さんとは違い、自分の実力に自惚れることもない。
 むしろ、まだまだ未熟と思っているほど、真面目で勤勉である。反面、ちょっとお堅い一面もあるが……。
 世話好きな一面があるため、白雪同様、この家の家事担当を自ら請け負っている。当然、部屋の整理整頓は完璧。
 ちょっと時代錯誤なところと、やや暴走気味な部分を除けば、ほとんどパーフェクトな存在だけに、3人の期待度はとても高い。

 次のインタビューが最後……しかし、最後の大トリに相応しい人物が残っているとは……。
 最後のチャンスではあるけれど、最大のチャンス。鈴凛も衛も、不安よりも期待が大きく勝っていた。


「チェキー、スッキリしたデスー」

「あ、やっと戻ってきた」

「ほら、始めるわよ。早く座って座って」

「チェキ! ラジャーデス!」


 トイレに行ってた四葉が戻ってくるなり、膨らませた期待から急かすように座らせる。
 長かった会議も次で最後……。
 そう思えば、なにか気持ちが引き締まるような緊張感が巡ってくる……。


「じゃあ、行くわよ」


 鈴凛は一言声をかけ、一時停止させていたラジカセを再生させた。


『やっぱり、ケーキとか……ほら、バースデーなら、尚更。それも市販のものじゃなくて、手作りのもので。
 その方が気持ちが十分に込められますし―――』

「ケーキ?」

「あら珍しい」


 インタビューの回答の途中だというのに、つい口を挟んでしまったのは衛と鈴凛だった。
 というのも、ドイツ育ちの純和風少女春歌ちゃんが、洋風な意見を出すなんてことに思った以上に虚を突かれたからだ。
 更には、亞里亞の意見と被ったこと、それも、春歌の性格を思えばこそ、よりいっそうの意外性を感じられた。
 厳密には亞里亞の意見をヒントに、捻り出したアイディアと、であるが。
 しかし……反面、相手に合わせた意見を言ったと考えれば、それはそれで春歌として納得の出来る言葉でもある。
 鈴凛と衛は、ほんの少しだけ反省の念を抱いた。
 自分たちは、「春歌ちゃん=和風」という固定観念に囚われ過ぎていたのかもしれな


『それだけで姫は、十分気持ちが伝わると思うんですの……』

「テメェぇぇはなに直接本人に聞いてんだぁよぉぉぉぉっっっ!!」


 鈴凛の必殺ツッコミ「魔拳・鈴凛拳参式」が四葉のおでこを捕らえた。
 マンガだったら大ゴマか見開きの2ページを使って、鈴凛は拳を振りぬいた体勢で、四葉は仰向けで宙にぶっ飛んでいる状態で制止し、
 その後ろで、でかでかと「ドォーーーーーーンッッ!!」とか「DoGoooooooM!!」とかの効果音が描かれている状態だろう。
 まあそんなのはイメージ映像であり、実際には四葉が「きゃうっ」と短く可愛い悲鳴を上げて後ろに倒れただけなのだけど。


「フーッ! フーッ! フーッ!」

「わー!? 鈴凛ちゃん落ち着いて! 落ち着いて鈴凛ちゃーん!?」


 息を荒げて、とうとう爆発した鈴凛を、とても困った顔で止めに入る衛。
 しかし、鈴凛は衛の制止に気づいてもいないように、目を見開いて顔を真っ赤にしてこめかみに青筋を立てていた。
 さらば理系姉。グッバイ合理主義。クールエディションじゃあね。
 そのくらい、かつての沈着冷静頭脳はキャラから変貌してしまった鈴凛。
 この会議に、かなり真剣に臨んでいただけに、爆発はかなりのものだったのだろう……。


「エゥー……。だってだって、直接本人に聞いた方が、本人が欲しいものをダイレクトに分かると思って〜」


 四葉は体を起こし、ちょっと赤くなった額を涙目でさすりながら申し開きをする。


「そりゃダイレクトに分かるだろうさ! 分かるけど、だからって本人に聞くあほがどこにいるっ!?」

「ココにいマス!」


 四葉、その返事は自分があほだと認めたということだよ。
 でも肝心の四葉は「本人に聞く」だけ受け取ってて、そのことに全く気づいていなかった……。


「あー、もうっ! ……ったく、秘密にして行うから意味があるんでしょ! お祝いするしないはともかく、プレゼント内容は!!
 何が来るか分からないワクワクがあって、その上で盛大で素敵で立派なものがくるから、喜びも跳ね上がるってもんでしょ!?」

「ワァオ!! さっすが鈴凛ちゃん! それは確かにアリマスね!」

「だからそんなことしちゃうと―――」

『上手い下手なんて、それはもうどうでもいいですの……。大切なのは心』


 その時、鈴凛の叱咤を遮るように、まるで母親のような語り声が、古びたラジカセから響いた。
 別に声が大きかった訳じゃない。特別なことがあった訳でもない。
 ……だけど、鈴凛はその耳に届いた声に、思わず言葉を止めてしまった。


『その人が一生懸命作ったものなら、きっとどんなにいびつでも、それは素敵なオリジナル。
 そして、素敵なハート……。大きなものも、高いものも、立派なものも、何もいらない……。
 姫は、ハートがこもっているものなら、なんだって構わないと思いますの……』


 白雪自身の口から語られる、白雪の望むもの、白雪が本当に欲しいもの……。
 本人の口から語られたそれはきっと、誕生日でも、そうでなくても、プレゼントを贈る時に当たり前に必要な品物。
 当たり前で、単純だけど……見失ってしまいがちになる……。


『お料理だって、その人のことを思うハートがあれば、その人が好きなハンバーグさんとか頻繁に作っちゃうんですの。
 逆に、嫌いなニンジンさんとか、ピーマンさんとか、そういうのは気をつかって入れないですのよね?
 まあ、栄養が偏っちゃってマズいって思ったら、心を鬼にして入れちゃうかもですのけど……
 でもそれも全て、その人を思うハートがあるから』


 主役本人の言葉を聞いて、3人は黙って聞き入っていた。
 そして、それぞれが自身の胸に問いかけた……。
 自分たちは、盛大なプレゼントにばかり目が行っていて、果たして「ハート」はどうだったのか?


『そぉんな感じで、相手を思えば、自然とハートは入りますの。だ・か・ら……質よりハート、ですのっ


 カセットテープの声は、その得意気に口にした言葉を最後に、一切の話すことはなくなった……。
 ラジカセからは、会議の始めに耳にした独特のサーッという低音のノイズが流れ続け、
 それは録音したインタビューが全て聞き終えたことを告げていた。
 辺りには、物静かで重苦しい、言いようの無いしんみりとした空気が漂っていた……。


「なんか、分かっちゃったね……白雪ちゃんの気持ち」


 結局……白雪は明確な欲しい物を口にはしなかった。
 いや、ただひとつだけ……「ハート」を、欲しいと願った。


「うん……アタシ、見失ってた。大切なこと……」


 どんなにいびつでも良い。
 どんなにヘタクソだって良い。
 手作りじゃなくったって良い。
 クラシックの演奏に失敗したって、お化粧品が自分に合わなくたって、手作りのお菓子が失敗したって、構わない。


「デスぅ……」


 だって彼女は、形のないものきもちを喜ぶ聖女だから……。






「四葉のおカゲ? 四葉のおカゲー?」

「あー、はいはい、四葉ちゃんのお陰だね、ありがとう」


 と、空気を読まずに自分の手柄を持ち上げる四葉。
 なんか折角のしんみり空気も台無しだった。
 でも満更嘘でもないので、鈴凛はものっそい棒読みでものっそい邪険に社交辞令的なお礼を言っといた。
 それでも四葉は素直にキャッキャッと喜んでたけど……幸せ者である。


「あれ? 結局春歌ちゃんのインタビューは?」


 思い出したように衛がそんなことを言う。
 そういえば、再生しっぱなしのテープは、さっきからずっとサーッという音を出してる。
 他の全員は(本来聞いちゃいけない本人も含めて)それぞれインタビューをしてるのに、期待の星・春歌にだけインタビューが無かった。


「……失敗シマシタ」


 虚ろな瞳と怯えた表情で、ガクガク震える四葉。
 多分、「思い出し怯え」とやらでもしているだろう。
 その様子を見て、また咲耶ちゃん時みたいなことやったんだろうなぁ、とふたりは暗に察した。

 春歌にはちょっとお堅い面があるので、型破りな四葉はいつもその説教の対象になってしまう。
 鈴凛もよく怒られる、はよ金返せとか。
 衛は根が素直なのでそんなことは滅多にないけど。
 なので、部屋に不法侵入して洋服ダンス漁ったりなんかしたら、
 今まで鍛え上げられた全ての技術をフルに炸裂させて折檻をされかねない。
 ……というか、この様子では既に似たようなことでされているのだろう……。
 一体どんな恐ろしい目に遭わされたのか……。


「ほらほら、一緒に行ったげるから、それなら怖くないでしょ?」

「ウウウ……ソーリーデス……。恩に着マス……」


 慰めるように「怖かったんだね」と頭を撫でてあやす鈴凛。
 さっきから適当にあしらったり、金ヅルにしたり、必殺技ぶちかましたりもしてたけど、
 そんな優しい接し方も、しっかりしてあげてるってことは、やっぱりふたりは姉妹で親友なんだろう。


「じゃ、一回みんなで春歌ちゃんに突撃インタビューして、その後もっかい全員の分洗い直そっか」

「ハイデス。四葉のチェキによりますと……春歌ちゃんは現在お稽古中。デスが、今から出れば、丁度終わる頃には到着できマス!」

「え? 行くの? 帰ってくるまで待って……られないか。うんっ! 行こうよっ!」


 3人は、はやる気持ちを抑えられずに一斉に立ち上がった。
 そこで、鈴凛が思い出したように、


「あ、もちろん……」

「「「今度は、ハートを込めることを中心に考えてね!」」」


 3人同時に同じことを口にして、笑い合った。


 どんなものであれ、みんなで白雪ちゃんのことを思って、白雪ちゃんのことを考えて、
 それで、みんなが「これなら白雪ちゃんが喜ぶ!」ってものを贈れればいい。
 きっとそれが、最高のプレゼントになるから……。


「じゃっ、ふたりとも、行くわよーっ!」

「オーッ!」

「オー、デスーっ!」


 ドタドタドタ……慌しく足音を響かせて、3人は部屋も散らかしたまま、突撃取材へと出て行った。
 会議はまだまだ続きそう。
 ただひとつ、「盛大にお祝いをしよう」という目的は、「精一杯気持ちを込めよう」に変更して。
 3人とも、なんだかとっても良い顔をして、家を飛び出して行った。












 そして、残されたテーブルやメモ用紙などを片付けにやってきた、ひとつの人影が……。


「まったく……丸聞こえですの……」


 ぽつり、口癖の「ですの」を交じえて、そんな言葉をこぼす。

 みんなが行き来する居間で、例え大々的に「立入禁止」とプリントアウトしたA4用紙をドアに貼り付けされていても、
 あんなに白熱して言い合っていては、立ち入らずとも丸聞こえ。
 特に、居間に近いキッチンで今日の晩ご飯の下ごしらえしていた者には。
 さっきまでこの場にいた3人にとっての、聖女には……。


「姫は、いっつもみんなから、素敵な日常分けて貰っているのに……」


 鈴凛ちゃんは得意の発明で、いつもみんなに「楽しい」をくれる。
 みんなに笑顔を咲かせてくれる。
 暗いお顔が大っキライで、だからみんなのキモチ、明るく照らしてくれる。

 衛ちゃんは、姫のお買い物にも付き合ってくれるし、荷物持ちだって進んでやってくれる、力持ちさん。
 それに、姫のお料理、おいしそうに食べてくれる。いっぱい運動した後なんかは特に。
 これって、作ってる側にとってとっても嬉しいこと。それでこそ作り甲斐がありますの

 四葉ちゃんは……四葉ちゃんは………………えーっと…………あ、ガマン強いですの……。
 探偵業は忍耐ですの、あと咲耶ちゃんにいぢめられても懲りませんの。……これは悪い例かな?
 えーっと……あとドーナツとか喜んで食べてくれて、作ったものとしてそれはとっても嬉しいですの。……あれ? もう言っちゃった?

 みんな、それぞれに魅力を持っている。今、言えなかった以外にも、いっぱいの魅力がある……。
 それぞれが姫にいっぱいの素敵なものをくれる。
 なのに、誕生日には更にプレゼントをくれるだなんて……姫、これ以上の贅沢はないですの。
 自分のことを思ってくれる3人の気持ち。
 それだけでもう、素敵な素敵なバースデープレゼント。

 ううん……だめだめ。
 そんなんじゃ3人は満足しないっそう言ってたじゃない。
 だから、プレゼントを受け取って、それで「大成功」って満足そうなみんなの笑みを見よう。
 喜んだみんなの顔も、一緒に頂いちゃう……折角の誕生日なんだから、そのくらいワガママさんになっても良いよね?


「さってと……」


 キッチンで会議を聞いている間、朝に予定していた晩ご飯から急遽予定変更して下ごしらえしている3人の好物。
 3人が帰ってくるまでに仕上げなくっちゃ……ですの












「「「ハッピーバースデー白雪ちゃん! それから、いつもありがとう!」」」


 あっという間に一週間が過ぎ、白雪の誕生日当日がやってきた。
 3人はまず、口を揃えて、お祝いの言葉とお礼の言葉を白雪の贈った。
 練習でもしたのか、重ねた声にズレはなかった。


「わぁ……ありがとうですの

「これ、」

「ボクたちからの、」

「精一杯のキモチ!」


 白雪からの返事を聞いてから、今度は3人順々に台詞を口にする。こちらも練習したのか、タイミングはバッチリだった。
 そして、白雪は、3人からリボンつきの小さい箱を差し出された。


「開けちゃっても……良いですの?」


 白雪の質問に頷く一同。
 白雪はプレゼントボックスを受け取ると、ワクワクしながら3人のプレゼントを取り出した。


「「「なっとうです」」」


 …………………………………………………………。



 ……な、



 何、故……?



 何故ーーーーーーーっっ!?



「ぁぅあぅぁうぁあぅ……」


 金魚のように口をパクパクさせる白雪……。

 春歌ちゃん!? 春歌ちゃんなの!?
 一週間前に春歌ちゃんが「日本食といえば納豆ですわ」とか何とか口添えして、それで採用しちゃったの?!
 そりゃ、和のものを好む彼女としてはありえなくないですの。
 姫が食べ物関係に興味が深いってことも間違ってないですの。
 それに、納豆の原料である大豆には肉や魚と同等のたんぱく質が含まれて、必須アミノ酸であるリジンやアルギニンも豊富。
 牛乳に匹敵するカルシウムに、その吸収を助けるポリグルタミン酸とビタミンKも同時に含まれていて、ミネラルバランスも効率的。
 ビタミンB群だって豊富に含まれていて、特に豊富なビタミンB2は糖尿病や合併症の予防にも効果的だし、
 納豆にしかないナットウキナーゼという酵素も含まれ、制ガン作用、強壮効果があり、血液も固まりにくくしてくれる。
 更に更に、血管をきれいにするリノール酸も豊富で食物繊維も多く整腸作用もありますの。
 そんな非常に栄養価の高い、素敵な素敵な食べ物。
 だからって……なにも誕生日の日にくれなくても良いじゃないっ!!


『ズガガン! ガガンガン!(Do the Muscle♪)』

「はっ?!」

『ズババン! ババンバン!(HUSTLE Muscle♪)』


 突然、元気のいいBGMが、いつからか用意されていテープレコーダーから流れ始める。
 マッスルがハッスルしそうなくらい、勢いのある曲。確かに元気は出そうだけど、全然女の子らしくない。


『GOッ!(GOッ!)♪ GOッ!(GOッ!)♪ FIGHTッッ!(FIGHTッッ!)♪』


 白雪は、冷や汗を滝のように流し、何かに戦慄するように体中を小刻みに震わせいた。
 そんな様子に、全く気がついていないのか、3人は無神経に口を揃えて言った。


「「「これも、アタシたちからです」」」


 ピシィッッ―――……白雪が、完全に凍りついた音だった……。
 もっとも、いくら冬といっても屋内の、しかも暖房の効いた室内では人が凍りつくような環境になく、凍りつくと言っても所詮イメージの上でのこと。
 しかし……その音は、白雪の心の中では確実に、響いた。


『遥か広がるー戦いの荒野へーー♪』


 花穂曰く「元気の出る曲」が、空しく鳴り響く……。

 誕生日。
 人が、生命が誕生するという、素晴らしき出来事を祝う日。
 「生まれてきてありがとう」、その思いを伝える、大切な日。
 その日に……なっとう、って……。


『おま゛ぁーえはい・まーーっ♪ 地図もーー♪ 持たずー歩き出したばーかりぃーー♪』


 おまけに全然女の子らしくない音楽掛けてもらって……。
 お化粧とか、手作りケーキとか、話してたじゃない。
 ああ、でもみんなが一生懸命考えた、ハートのこもった…………え? ハートこもってる?
 姫ってこんなイメージ?


『その地平には・数々の―――……♪ ………………〜♪』


 素敵な素敵なバースデー……に、なるはずだったのに……。
 だったのに……。


『…………………〜♪ ………………………〜♪』


 なんだかBGMも遠くに聞こえる。
 姫の気も遠くに飛んで行っちゃう……。
 姫の素敵な誕生日……。
 ハートの溢れる誕生日……
 折角の、誕生日が……。

 こんな……。


 こんな……―――






  ・

  ・

  ・

  ・

  ・






























    ―――プツッ



















「姫の誕生日返しやがれーーーーっっ!!」

「へ?」「は?」「ちぇき?」






 (☆しばらく音声のみでお楽しみください。☆)






『WOW! WOW! WOW!♪ 全バキッー分厚ーいMuガシッcle♪ドォンッ

「ぎゃー!? 白雪ちゃんが四葉ちゃんにラリアットくらわせてから衛ちゃんを一本背負いしたー!」

『おまベキッーカラズダァンッーのそのおーギリッメキメキメキッー♪』

「うわー!? 鈴凛ちゃんにリバースニールキック食らわせてから、
 四葉ちゃんの脇の下から腕を通し、首を掴んだままジャンプして、浮かせた四葉ちゃんの身体を腕全体で床に叩きつけて、
 そのまま後ろから右手で四葉ちゃんの右肩を、左腕で顔面を裏側に捻りあげる、チキンウイングとフェイスロック複合変形技っぽいのに持ってったー!?」

「チェキー!! なんか四葉だけヒドいのはナンデー!?」

『流れているぅの・さーー♪』

「ちょ……待ってください白雪さん……」

「…フゥ〜〜〜…フゥ〜〜〜。……クワッ

「ほ、本番はこれから……」

『愛さえ友情っさ「「「ぎゃーーーー!?」」」


 この後、白雪はBGMに合わせて、ジャーマンスープレックス、ヘッドバット、卍固めを華麗に決めた後、
 相手の両股を手で掴み頭上に逆さに持ち上げ、相手の首を自分の肩口で支えた状態で尻餅をつくように着地し、
 衝撃で同時に首折り、背骨折り、股裂きのダメージを与える大技などを3人に炸裂させて、3人の悲鳴を音楽の合いの手に挿入させていた。
 「元気の出る曲」は、見事彼女の「家事場のクソ力」を発揮することに成功した……。

 そんなドタバタな状態のまま、3人の少女達による、ひとりの少女の誕生日を巡った壮大なプロジェクトの話は、これにて終わりを迎える……。
























 ……と、その前に。


「うるさいの……くすん」

「みんなー、おぎょうぎわるいですよー。めっ! だよ」


 居間で暴れる4人を傍から眺める雛子と亞里亞の最年少妹コンビ。
 騒ぎを聞きつけ……というわけでもなく、ただ単に喉が渇いたから飲み物を取りに来ただけ。
 暴れまわる白雪の姿を、雛子は怯えるでもなくのほほんと、亞里亞はちょっと怯えた顔で眺めていた。


    『ブッ……ざ、ザザ……キュルルッッ……――ん生日に………何をプレゼントするか……かい…? フフフ…………そうだね……。』


 丁度その時、「元気の出る曲」は終わりを向かえる。
 ノイズを挟んだ後、上書きされる前に入っていたカセットテープの音が流れた。
 幼い子供たち、居間で流れるその音に気づかず、キッチンでそれぞれのやり取りを楽しんでいた。
 それでも止める者の居ないラジカセは、ひとり空しく語り続けた……。


    『まずはこの……体中が毛むくじゃらになるクスリをあげると言って…………一度…ガッカリさせるんだ……。
     …もっとも……そんなものあげて…喜ぶ人間なんて居ないだろうね………。…………というか居たら引く…』



「わぁ……みてみて雛子ちゃん……。テーブルの下、ケーキがあります」

「え? ……あ! ほんとだ! すっごーい! お店のよりおっきーいっ!!」


    『チェキぃ……だったら言わないでクダサイ』

    『……いやいや……本番はここからさ………。……このクスリは偽りのプレゼント………つまりフェイクさ……』



「でもなんでこんなところにあるのかな?」

「かたち……ぼっこぼこです……。あんまりきれいじゃないけど……でもでも、ドーナツが乗ってて……とってもおもしろいです……くすくす」


    『チェキ? フェイク?』

    『そう…。……こんな貰っても嬉しくないものをあげて………一度落胆した所に…………本物の贈り物を贈るんだ……』



「あ、だめだよ。これ"白雪ちゃんへ"ってかいてあるもん!
 きょーは、白雪ちゃんのおたんじょう日だから、きっとそのためのケーキだよ。 だから、食べたらダーメっ!」


    『……一度落としてから…………持ち上げる……。
     少し意地悪かもしれないが………その分…喜びは……いつも以上になると……思うよ…………フフフ……』



「ええーっ……! ……くすん。……でもわかりました。
 亞里亞がまんします。これで"うえじに"しても、それは白雪ちゃんのためを思っての"ぎせい"なの……」

「亞里亞ちゃん……それって"ひにく"っていうんだよね……?」


    『ナルホド! そんなテクがあったとは、スバラシイデス!! 分っかりました! 四葉、みんなにこの方法、おススメしてみマス!』



「はやく食べたいです……」

「クシシッ……亞里亞ちゃん、こういうのはね白雪ちゃんがいいよっていったら、食べてもいいんだよ」

「ほんとー……!」


    『ああ……。…私には…………何をあげれば良いのか見当は付かないからね……。……こういう方法しか…………教えあげられないけど……』

    『いえいえ、サンコーになりました! どうもありがとーゴザイマス!』



「だから白雪ちゃんが落ち着いたら、もっていってあげよっ☆」

「はい……


















あとがき

2007年度、白雪BDSS! この作品の作者はあほだと言ってくれればそれで満足です(笑
実は、構想を閃いたのは「学園キノ」という、オフィシャルでパロディやってるギャグ小説(?)を読み終えた直後だったので、
多分その影響からこんなおバカな話が誕生したんだと思います。

内容は、特に料理担当係にお世話になるであろう料理できない3人組の奮闘記として描いてみました。
そのため、普段とは違い三人称で書いてみましたが……現時点で単品は90作超えてますが、三人称で書くのは確か"まだ"2回目……。
お陰さまで、慣れない作業なものだからちょっと文体が堅くなってしまったかも。
更にはやたらキャラクターの解説が長くなってしまった……姉妹全員出番を与えようとすると、
どうしても長くなってしまうのは仕方ないですけどね。
お陰で当初の予定より3、4倍近く膨れ上がってしまった……。
でもBD主役の出番少なさは、あくる日のなりゅーらしさが見事に戻ってきたと思います(ぇー

鞠絵ネタは正直、ネタの配分に迷いました。
というのも、マイシスなだけに贔屓がちになってしまうのは否めないので、
バランスを取るためいっそ今回の出番をなくする、という配慮も考えてたりしたからです。
考え過ぎなのかもしれないですけど、個人的にはそういうバランスって大事だと思うんですよね。
しかし、「複数物でないがしろにされる鞠絵」だからこそスポットライトを当てるべき、
という思考とも板ばさみにあい、結果今回の量に落ち着かせました。
ちなみに、鞠絵と鈴凛の関係はそれぞれの解釈で好きなように受け取ってくださいまし。
鞠絵の一方通行でも、鈴凛の踏みとどまりでも、フォーリンラブでも、白雪一筋なんだけど攻めてくるからちょっと困ってるでも。

鈴凛が衛にマッサージするシーンは、官能小説張りの妖艶さを目指したつもりです……が、結果は見ての通り(汗
普段やらないことなので苦労しましたが、なんか慣れない事はするもんじゃないなぁと思いましたね。
ネタとして扱うのなら良いんですけど、これ以上は無理っぽいと察しました。

それにしても、今回パロディが多いですね。しかも分かりにくそうなのばっか。
普段は知ってる人も知らない人も共通して楽しめるようにって、
パロディ抑えてるつもりなんですけど、今回はなんだか暴発してしまったです。
特に後編始めの鈴凛の大混乱は、執筆当時ほとんど頭が働いてなかったらしく、思いついたままが羅列してました。
最後の確認作業の時見直したら、ちょっとアレかなぁとは思いましたが……。
でもそのまま続行することに決めました、だってその方が大混乱らしいし(ぇー
まあ、「元ネタが分からなくも楽しめる」がなりゅーの求めるパロディの在り方であり、
今回もそうなるように描いたつもりですので、成功してたら幸いです。失敗してたらゴメンナサイ。

というわけで、こんなあほな仕上がりになりましたが、楽しんでくれる人がいれば、それで十分です。
余談ですが、本当は金田さん(46歳・♂)のインタビューも考えていたんですけど、
どうにも手が追いつかずにカットすることとしました。残念。


更新履歴

H19・2/11:前後編あわせて完成
H19・2/15:あとがき追加
H19・2/20:誤字修正


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