注意)本人はギャグのつもりで書きましたが、
   春歌というキャラクターを著しく壊しております。
   冗談の通じる方だけご覧ください。
   読んだ後で文句言わないでください、頼みますから・・・。
























ここは、我が家の裏庭。
誰一人いない中、ワタクシは待ち人の到着を待っていました。


「こんな所に呼び出して・・・・・・一体何の用だい、春歌くん?」


背後ろから聞こえた待ち人の声。
それは、ワタクシに彼女の到着を知らせる合図となりました。

ワタクシは、振り向くと共に彼女に向かってこう一言、


「千影ちゃん・・・お誕生日おめでとうございます」


今日は彼女の誕生日。
彼女の生まれた大切な日。


「おめでとうなら・・・・・・さっき言ったじゃないか。 ・・・・・・まぁいいさ・・・・・・それで、なんでこんな所に?」
「これ、ワタクシからのプレゼントです・・・」


そう言って、大切に抱え込んでいた包みを差し出す。


「皆さんの前だと、どうしても渡せなくて・・・」
「そうかい・・・・・・? じゃあ、遠慮なく・・・・・・」


ワタクシの渡した包みを、ゆっくりと開けていく千影ちゃん。

ああ、早くアナタの喜ぶ顔が見たい・・・。

ワタクシがそう思っているうちに、包みはだんだんと開いて行き、
中にあるプレゼントがその姿を現しました。


「・・・・・・」
「・・・・・・」


一瞬の沈黙。


「・・・どうですか? ワタクシからのプレゼントは・・・」


その問に、彼女は一言、


ナンデスカコレハ?











 

千影ちゃんとワタクシとフンドシと














「もうすぐ千影ちゃんのお誕生日ですか・・・」
「そうね・・・」


ある晴れた日、ワタクシはお洗濯物を干しながら咲耶ちゃんとお喋りをしていました。


「うちは姉妹が多いからね・・・そんな無理してプレゼントする必要もないと思うけど」


確かに、ワタクシたちは12人姉妹という普通に考えても大家族の部類に入りそうな人数。
そのため、特にこったプレゼントをすることは、個人にかなりの財政危機を招くこととなるのです。
なんせ毎月誕生日の子が居るわけですから・・・。


「でも、そうはいきません。 なにせワタクシはまだ新参者」
「その表現なんか間違ってない?」
「でも、四葉ちゃん亞里亞ちゃんと同じく、ワタクシは皆さんと暮らしていた時間がまだ短いですから・・・」


ワタクシがドイツからこの日本へやって来て、そして他の姉妹と暮らし始めてもう随分時間が経つ。
しかし他の、元々この日本で暮らしていた子達と比べると、どうしてもその長い間のブランクを気にしてしまうのでした・・・。


「それで・・・モノで人の心を掴もうって腹ね
人聞きの悪い言い方は止めてくださいますか?


咲耶ちゃんは「冗談よ」と・・・コラ、何でそこで目を逸らすんですか!?


「問題は・・・何をプレゼントするか、ですわね・・・」


プレゼントは、当然相手の欲するものでなくては意味が無い。
もしくは、相手が気に入ってくれるような何か。
しかし、ワタクシには、千影ちゃんが何を欲しがり、また何を気に入ってくれるのか、
大よその見当をつけることができませんでした・・・。


「咲耶ちゃん、何が宜しいと思います?」
「知らないわよあんなのの趣味なんか」


・・・あ、“あんなの”?
仮にも姉妹だというのに・・・“あんなの”扱い?

た、確かに千影ちゃんは、他の子・・・いえ、他の人間とは違った独特の雰囲気をかもし出していますわね・・・。
クールでミステリアスなイメージがあり、もうミステリアス過ぎて何が欲しいのかサッパリ。
案外好みにうるさそうですし・・・まぁ、プレゼント自体は邪険に扱わずにいてくれるでしょうけど・・・。

いえ、ダメよ春歌、こんな所で挫けていては!


「でも、何かあるでしょう?
 例えば・・・かんざしが欲しいとか、扇子が欲しいとか、着物が欲しい、などのようなことをこっそり漏らしていたとか」
「それは春歌ちゃんの趣味ね」
「ま、まぁ例えですから・・・。 ・・・それで、何かありませんでしたか?」


咲耶ちゃんは顎に手を当て、うーん、と小さく唸るような声を出しながら、考えること数秒、
何かを思い出したかのような表情に切り替え、「あ!」と声を上げたのでした。


「あるのですね!?」
「そうそう、そういえば確か・・・賢者の石が欲しいとか―――」
無理
「あとマンドレイクが―――」
死ぬ
ドラゴンの―――」
喰われる
「春歌ちゃん・・・普通、まずその存在を疑わないかしら?」
「あ、嫌ですわワタクシとしたことが・・・」
「まったく・・・」
「はしたない言葉遣いで・・・ポッ」
そっちかよ!!


結局、その場では千影ちゃんへのプレゼントの見当のつかぬまま、その話題は終了してしまいました・・・。
























「一体、どのようなものが良いのでしょうか・・・?」


咲耶ちゃんと別れた後、ワタクシは家の廊下を歩きながら、
千影ちゃんに贈るお誕生日プレゼントに一体何が相応しいかを考えていました。

やはり、こういうものは本人に直接聞くわけにもいきませんし・・・。


「ほんとだよ。 ヒナちゃんと見たもん」
「ウソだって、そんなの」


などとワタクシが考えを張り巡らせている時、雛子ちゃんと鈴凛ちゃんが廊下でそう言い合っていました。
お話と言うよりは、ちょっとした言い争いですね。
まぁ、険悪で利己的なものではなく、姉妹ならではの逆に心和むような程度のものですが・・・。

でも、今のワタクシには関係のないことですし、早く千影ちゃんのお誕生日プレゼントを・・・


「千影ちゃんがね、まっかっかーなフンドシはいてたんだもん」


・・・・・・。


「ふ、フンドシ!?」
「「あ、春歌ちゃん」」



雛子ちゃんの言葉が耳に入った途端、時が止まりました・・・。


「ひ、雛子ちゃん!? いいいい一体何を!?!??」


思わず、雛子ちゃんに近寄り会話に入るワタクシ。

聞き間違い?
いえ、今確かに!
でも、内容的に考えて・・・・・・やはり聞き間違いでしょうか・・・?


「だからねー、千影ちゃんがはいてたんだよ」
「ななな何をデスか!?」
「春歌ちゃん・・・動揺し過ぎて四葉ちゃんになってる」


動揺したワタクシに、鈴凛ちゃんが呆れ声でそう促してくれました。
ああ、ワタクシとしたことが・・・


「し、しかし、今・・・その・・・フンドシと言ったように聞こえたものですから・・・」
「なんで今フンドシを強調して言ったの?」
「ふつう強調しませんか?」
しませんね
「鈴凛ちゃん、アナタ本当に日本人ですか?」
なんでそこまで言われにゃならんのよ!!


フンドシ。

それは・・・そのたくましき肉体を、まさに芸術に呼ぶに相応しいまで昇華させた肉体美を、
最高潮にまで強調させるに最も相応しい、日本文化の最高峰遺産!!

それを穿きこなせる者はまさに漢の中の漢!!

そんな素敵下着を・・・―――


「―――・・・どうしてそんなに邪険に扱えるんですか!?」
見た目が悪い
「鈴凛ちゃん、アナタ・・・やはりその名の通り中国人でしょう? この非国民がッ!!
だからなんでそこまで言われにゃならんのよ!!


日本文化のなんたるかも分からない人はそこまで言われて当然ですわ!(←フンドシで日本文化の何たるかを語って良いのか?)


「しかし、女性である千影ちゃんがまさか・・・・・・やはりワタクシの聞き違いですわね・・・」
「聞き違いじゃないもん!」
「え?」
「ヒナちゃんと見たんだもん! 千影ちゃんがまっかっかーなフンドシをはいてるところ」
「雛子ちゃんまで何で強調してるの?」


・・・・・・。

・・・ええと、雛子ちゃんは今なんと・・・?


「そんなことないって。 ねぇ、春歌ちゃん」


確か・・・そう、千影ちゃんが赤フンを穿いている所を見た、とハッキリ。

そう、フンドシ・・・・・・千影ちゃんが・・・・・・・・・フンドシ!?


「・・・春歌ちゃん?」
「ありり? 春歌ちゃんどうしちゃったの?」


ちちち、千影ちゃんが!?
あのクール&ミステリアスな千影ちゃんが!?!!?


あの究極の日本男児装備をッ!!!!!


「春歌ちゃ〜ん」


女性でありながら穿きこなしているですとーッ!!!?!??


「ああ、そんな、千影ちゃんアナタは、体は女でも、なんと漢らしいvv ポ、ポ、ポポポッvvv」
「春歌ちゃん、なにクネクネしてるの・・・?」


しし、しかし、雛子ちゃんが見たと言っても普通はそんなこと、あ、あり得ません・・・。
いえ、雛子ちゃんを疑う訳ではなくて・・・

ああ、でもフンドシv ああ、フンドシ・・・vv


「ダメだこりゃ」
「何がダメなの、鈴凛ちゃん?」


などと雛子ちゃんと非国民のお相手をしていると、
台所の方から我が家の料理長こと白雪ちゃんの声が聞こえてきたのでした。


「みなさ〜ん、姫特性のシフォンケーキが焼きあがりましたの〜」

「あ! おやつの時間だ〜♪」
「あ、雛子ちゃん! ・・・もう、しょうがないなぁ・・・」


おふたりは揃ってシフォンケーキの用意されているであろう居間のテーブルの所まで駆けてきました。

一方、ワタクシはというと、


「ああンv 千影ちゃぁんvv そんな・・・ポポポッvv」


千影ちゃんとフンドシのことについて深く思慮していました。

あの千影ちゃん、まさかフンドシを・・・
し、しかし・・・


「・・・しかし、千影ちゃんは女性・・・。 常識的に考えて・・・・・・」












    『新しい薬の・・・・・・実験体に・・・・・・大丈夫、死にはしないさ・・・・・・・・・・・・多分・・・』



    『すまない・・・・・・少し実験に失敗してしまって・・・・・・部屋が燃えたり凍ったり・・・・・・』



    『大丈夫・・・・・・ただ単に首が3つ在って、普通の犬より獰猛で強いだけだ・・・・・・。 君なら何とかできるさ・・・・・・・・・・・・多分・・・』












アレに常識問う方が無理だっつーのッ!!

あ・・・わ、ワタクシとしたことが、例え頭の中とは言えなんとはしたない言葉遣いを・・・ポッv


「とにかく、ここはやはり・・・・・・」
























ワタクシは、千影ちゃんのお部屋の、そのドアの前に立っていました。
ここに来た理由、それはもちろん、真実を見極めるため。

幸い、ほとんどの子は、白雪ちゃんの手作りのお菓子に夢中。
今の内に千影ちゃんのお部屋のタンスに、一体どのような下着が収納されているか、
しかとこの目で見届けるのです!


「ま、まぁ・・・女の子同士ですし・・・別に問題はないでしょう・・・」


言い訳するような独り言を口にして改めてドアに目をやると、
ドアには木でできたプレートが掛けられており、そこには赤い字で、


    『混ぜるな危険


「何を!?」


普通こういう時は『睡眠中』や『勉強中』や『立入禁止』などの字が書かれるのではないのですか!?
なのに『混ぜるな危険』?
何を言いたいのですか千影ちゃんは!?


・・・・・・


まぁ、立ち入りは拒否されていないみたいですし、


「お邪魔いたします・・・」












中に入ると、そこは暗黒が支配していました。
暗い、本当に真っ暗い部屋。

こういう部屋にはダニがわんさか・・・・・・いえ、考えるのはよしましょう・・・。

とにかく、こう真っ暗では見辛いことこの上なしです。
ワタクシはドアから差し込む僅かな光を頼りに、窓の方へと向かい真っ黒いカーテンを開き

出ていく時もう一度しめれば大丈夫でしょうし、カーテンのことをあとで千影ちゃんに問われても、
部屋の換気をしたと言っておけば問題はないでしょう。


「ありましたわ」


カーテンをあけると共に、目的の物がしまわれているであろうタンスが、
日の光に照らされ、その姿を明確に現したのでした。

万が一のため、しっかりと部屋のドアを閉め、そしてタンスの前に屈み、取っ手に手を掛けたところで、


「・・・なにやらワタクシ・・・俗に言う下着泥棒というもののようですわ・・・」


・・・ちょっとだけ罪悪感・・・。


いえ、諦めてはダメよ春歌!
これは雛子ちゃんの名誉のため!!

千影ちゃんがフンドシをお召しになっていることを証明して、雛子ちゃんの名誉を守るためですわ!


でも、もし本当に・・・まま、万が一、このタンスからフンドシが出てくるようなことがあれば・・・
わ、ワタクシは如何すれば宜しいのでしょうか〜〜?


ああ、そんな千影ちゃん、輝いていますv
素敵ですわ・・・ポポポッvv

はっ!


「いけませんわ・・・ワタクシとしたことが、なにを同性にときめいて・・・」


しかも妄想の姿に・・・。

いいですか、ワタクシ。
これはあくまで雛子ちゃんのために行うのですよ。

・・・ですから、決してワタクシがフンドシを拝みたい一心でこのよーなことを行なっている訳では・・・。

雛子ちゃんを信じる心があるからこそ、
雛子ちゃんが嘘を吐いていないという証を手に入れるため、
こんなコソ泥みたいな真似事をするのです!!

ああ、なんと素晴らしき姉妹愛!!

雛子ちゃんのため、ワタクシがあえて!
そう、あえて、汚名を被るのですわ!!

・・・ですから、決してフンドシを拝みたいからではなく・・・。

そう、これは真実の探求!!

千影ちゃんがフンドシを・・・千影ちゃんの・・・はぁはぁ・・・千影ちゃんのフンドシが・・・はぁはぁ・・・。(←ヤバイ)


「いざ!!」


タンスの引き出しに手を掛け、その手に力をグッと込め、




    かしゃ




「・・・・・・」


思いっきり引っ張ろうとした瞬間、謎の音と謎の閃光がワタクシの身に。
音と光のした方向を向くと、そこにはきちんと閉めたはずのこの部屋の入り口のドアがうっすらと開いており、
その隙間から人影が見えていました。


「クフフゥ・・・春歌ちゃんの意外な趣味をチェキしましたデス・・・」

「・・・・・・」


姿は見えず、声だけが聞こえて来る状況ですが、
我が家に「クフフ」と笑う人間はひとりしか居らず、また、「チェキ」が口癖の人間もひとりしか居ません。
そして、それは同一人物であることから、


「よ・つ・ば・ちゃん」
「チェキぃっ!?」


今の言葉を発した人物の特定は容易に行なえました。


「ち、違いマス! 四葉は四葉じゃありません!!」


手前ェ今自分で四葉言ってるだろうがッ!!(←頭の中の声ですが、あえて低いトーンでどうぞ)


「では、一体誰だと申すのですか?」
「それは・・・ええと・・・」


ドアを開いて、直接確認されれば向こうも納得して早い気もしますが、
ここはこのまま話を進ませて、どうにもならなくなるまでお付き合いしてあげることにいたしました。


「・・・よ、四葉は花穂ちゃんデス」


・・・四葉ちゃん、アナタ、自分の日本語がおかしい事に気づいていないのですか?


「・・・じゃあ、どうして“四葉”なんて言っているんですか、“花穂ちゃん”?」
「はぅっ!! え、えっと・・・四葉・・・じゃなかった・・・花穂は花穂ちゃんデスから、またいつも通りドジしちゃって、四葉と名前を間違えました」


いくら花穂ちゃんでも名前を間違える程のドジはしないでしょうに!


「アハハー、よつ・・・花穂ホントにドジデス! よりにもよって名前を間違えるなんて」
「か、花穂、そんなにドジじゃないもん!!」
「ちぇ、ちぇきぃっ!?」


あ、扉の向こうからもうひとりの声。
まぁ、今自分で名前を名乗りましたから誰かはすぐに分かりましたけど・・・。


「かか、花穂ちゃん!?!」
「ヒドいよぉ・・・花穂、確かにドジだけど、そこまでドジじゃないもん!」
「あ・・・えと、す、スミマセン・・・!」


まぁ修羅場。
本物登場でニセ花穂ちゃんが慌てているのが手に取るように分かりますわね。


「四葉ちゃんのバカ!」
「あ、あー、ま、待って、待ってクダサーイ!!」


    ガシィッ


「待つのはアナタの方ですよ、四葉ちゃん」


ニセ花穂ちゃんが本物花穂ちゃんと話している間に、既にワタクシはドアの前にまで歩み寄り、
そのドアを静かに開けることまでの工程を既に終えていました。

ドアの向こう側の人物はワタクシの思った通り
―――というか考えるまでもない上に途中花穂ちゃんが答えを申していましたが―――我が家の迷探偵こと四葉ちゃん。

ふと足音の聞こえる左側に目をやると、そこには花穂ちゃんのトタトタと走る後ろ姿が・・・あ、転んだ。






「さぁ四葉ちゃん、今のお写真、ワタクシに渡してくださりますか?」
「アー・・・うー・・・エー、っと・・・そのぉ・・・」


なんともばつの悪そうに言葉にならない声を連呼し、ハッキリしない様子の四葉ちゃん。
ちなみに現状は、ワタクシの日頃の鍛錬により鍛えられた握力が、
四葉ちゃんが逃げ出せないよう頭をガッシリと掴んでいる状況です。

花穂ちゃんを追えないのは多少可哀想かもしれませんけど、
ワタクシの名誉がかかっているのでこの際諦めてくださいv(←酷ェ)


「四葉ちゃん、お返事は?」
「え、っとぉ・・・ぁ・・・うぅ・・・」
「四葉ちゃん?」
「こ、これは、四葉の努力の結晶で・・・その・・・」


しどろもどろにブツブツと呟くように喋る四葉ちゃん。
まぁ、内容を要約しますと「渡したくない」ということは伝わりましたが、
それでは大和撫子を目指す者としてのワタクシの名誉に関わります。


「では言い方を変えましょう」






(削除)






「ありがとうございます」


四葉ちゃんは、すんなりカメラを渡してくれました。


春歌ちゃんコワイ春歌ちゃんコワイ春歌ちゃんコワイ春歌ちゃんコワイ春歌ちゃんコワイ・・・・・・


四葉ちゃんは、まるで鬼でも見たかのように怯えきった様子で、
何度も何度もうなされるように、謎の言葉を呟いていました。

一体、何があったというのでしょうか?(←アンタだ)












「それにしても・・・最近のカメラは進んでいますわね・・・」


四葉ちゃんの持っていたカメラはデジカメと言って、
写真をフィルムではなくデータとして記録しておくという、なんとも画期的なカメラでした。

ワタクシは使い方をよく知らないので、四葉ちゃんに使い方を聞きながら、ワタクシの名誉毀損の写真を探していました。
そのついでに、今まで四葉ちゃんが取ったであろう決定的瞬間を次々と見てしまう結果に・・・・・・うあ・・・。(←何かを見た)


「・・・よくもまあここまで取ったものですわね・・・。 あらら、こんなとこまで」


中には、白雪ちゃんがシフォンケーキに昆布のダシを入れている姿、
鞠絵ちゃんが隠れて七輪でカエルの丸焼き作っている姿といった、色んな意味で驚いてしまうような写真から、
寝ている亞里亞ちゃんの横からキャンディーをこっそり取る雛子ちゃんの映像や、
その仕返しなのか、鈴凛ちゃんの作りかけのメカの中に雛子ちゃんの大切なクマさんを隠す亞里亞ちゃんの姿など、
ほのぼのとした可愛らしいお写真まで。


「四葉ちゃん・・・こんなことしている暇があるのなら、お勉強のひとつでもした方が宜しいのでは?」
「春歌ちゃん、まるでオバサンみたいな意見イタイイタイイタイ頭割れマス頭割れマスイタイイタイッ!!


四葉ちゃんがうるさかった為、掴んでいる手にほんのちょっぴり力を加え、軽くおしおきしておきました。


ギャァァアァァアアァァアァッッ!!!


まったく、この程度で音を上げるなんて・・・と、声をあげる四葉ちゃんに少々呆れていました。

しかし、次の瞬間。


「・・・ッ!?!? こ、これはッ?!」


とある一枚の写真が目に入り、ワタクシは驚きのあまり体の動きを止め、そして思わず声をあげてしまいました。


「あ、ちゃ、チャンスデス!」


その際、つい四葉ちゃんを捕獲していた手の力を緩めてしまい、四葉ちゃんにその隙を突かれ逃がしてしまいましたが、
そんなことはどうでもいいくらい衝撃的な映像が、ワタクシの目に写っていたのでした。

その写真に写っていた映像。
それは、千影ちゃんがこっそりと赤いフンドシをお干しになっている、決定的瞬間が写されていたのでした!



こ、この写真は・・・千影ちゃんがフンドシを愛用しているという動かぬ証拠!!


やはり千影ちゃんは、フンドシを愛用していたのですわーーッ!!!






・・・・・・



・・・・・・



・・・・・・














「―――・・・と、いう訳ですわ・・・ポッv」
「・・・・・・(汗)」


千影ちゃんの手にある開けたばかりのプレゼントの包みには、
なんとも素敵な赤いフンドシが、神々しい輝きを放っていましたわ・・・ポッv(←錯覚)


「ワタクシ、千影ちゃんがフンドシを愛用していると知ってから・・・その・・・胸の辺りがおかしくて・・・」
「・・・そ、それで、ここ数日の・・・・・・・君の、私を見る目がおかしかったのか・・・・・・」


ああ、どうしてでしょう?
イケナイ事と分かっているのに・・・抑えても止まらない、この胸のときめき・・・v


「やはり、こういうものを愛用しているというのは、なかなか恥ずかしいものです・・・しかも、それが女性であるなら尚更・・・。
 しかし! それをものともせず、その素敵下着を穿きこなす勇姿!!
 ワタクシ、千影ちゃんのその漢っぷりに心を打たれ、そのまま心を奪われてしいましたわ〜〜〜vv ポポッvv」
「す、素敵下着・・・・・・?!?」
「いけないとは思いつつ、抑えられない気持ち!! でも! ああ、でも!!
 理性と欲望の狭間で揺れ動くワタクシ!! そしてワタクシはアナタのために影になることを選びます!!」
「あの・・・・・・春歌くん・・・・・・」
「その心意気を持つ千影ちゃんを、影で支え続けることを固く誓います!!
 だからこそ、ワタクシ、恥を忍んでフンドシを買って来ました!!」


ああ、これも全て、アナタがたくましいのがいけないのですわよ・・・。


「安心してください。 ワタクシは誰にもこのことを言っていません。
 そして、四葉ちゃん、雛子ちゃんにはキツク口止めをして、これ以上その事実が漏洩しないよう―――」
「折角で悪いんだが・・・・・・コレは、さすがに・・・・・・」


千影ちゃんは、ワタクシの言葉を遮ってそう言いました。
その表情は、普段から暗い顔を更に暗くしており、喜びとはまるでかけ離れたものでした。

お気に召さなかった?
まさか。

千影ちゃんはフンドシスキーなんですよ。(←謎語&決め付け)
ミカエルはお母さんなんですよ。(←関係ない)


フンドシなんて、いくら素敵な魅力を備えているとは言え、
女性ならば恥ずかしく、とても気軽に買いに行けるような代物ではないはず。

だから買う手間が省けるのはいいことであると同時に、
こんなに神々しくて、漢らしく、そして素敵な、赤いフンドシ!!

ああ、素敵過ぎますわ・・・ポポッv


「フンドシスキーの千影ちゃんが・・・・・・はぁはぁ・・・まさかそんなこと・・・・・・はぁはぁ
「鼻息荒くして何を言っとるんだ君はっ!?」
「別に照れなくても、ワタクシは全て存じておりますわ・・・ッ!! ・・・はぁはぁ
「あのね、私は・・・・・・別にフンドシを愛用しているわけじゃ・・・・・・」
「こ、この期に及んで、まだそんな事を!!
 千影ちゃんがフンドシをお召しなっていることはもう分かっているのですのよ・・・ッ!! ・・・はぁはぁ


恥ずかしがって認めようとない千影ちゃん。
千影ちゃん・・・一体どうしたというのですか・・・?


「ならば決定的な証拠があれば満足するのですね!!」
何故そこでスカートを掴む!?
「それはもちろん、ここでスカートをまくって、千影ちゃんがフンドシを愛用して穿いていることを証明するためですわ!!」
「ま、待ってくれ! そんな事しなくても私は・・・」


慌てふためく千影ちゃんは、スカートを押さえ必死で抵抗を見せる。


「や、やめ・・・・・・頼むから・・・」


フンドシを穿きこなす千影ちゃんとは思えぬ醜態。
あのたくましいアナタはどこへ!?(←“あのたくましいアナタ”を見ましたかアナタ?)

・・・いいでしょう、今ワタクシが楽にして差し上げますわ!!


「さぁ、観念してそのロングスカートを!!」
「ま、待ってく―――」


    ばさぁっ


「・・・・・・」
「・・・・・・」


・・・・・・。


「・・・うさぎ?」


うさぎ、とても可愛らしいうさぎさんパンツ。

まくったスカートの下に在ったのはフンドシなどではない。
日本男児のたくましい男らしさとはかけ離れた、いかにも女の子らしい可愛いうさぎさんのプリントの入ったぱんつ。


「え? あ、あれ・・・? そ、そんな・・・」


おかしい、
おかしい、
何かがおかしい。


「で、でも雛子ちゃんが・・・そ、それにワタクシ自身千影ちゃんがこっそり干すお写真を・・・」


千影ちゃんはため息ひとつ吐くと、渋々その口を開き始めました。


「私はね・・・・・・占いでその日の下着を決める時があるんだ・・・」
「へ?」


う、占い?


「この間・・・・・・雛子くんがふざけて覗いた時・・・・・・その日はフンドシと出た日で・・・」
「ちょ、ちょっと待ってください!!」


唐突過ぎる内容に動揺を隠せないワタクシ。
しかし、千影ちゃんの言ったことをまとめる位はできました。


「では、フンドシは占いの結果に従っていただけというのですか!?」
「ああ・・・・・・そう言うことさ・・・・・・」


頭の中で除夜の鐘がゴーン。


「そ、そんなバカな・・・」


思わずそう口からこぼれ、ワタクシはガクッと膝と肩を同時に落としてそのままへたり込んでしまいました。

勘違い。
女性がフンドシを愛用するなど、在り得ないと分かりきっていることを、
妄想でカバーし、そうだと決め付けていただけのワタクシの一人相撲。

・・・まぁ、穿いていたのは事実ですけど・・・。


ああ、ワタクシったらなんと恥ずかしい・・・しかも下着について、しかもフンドシについて、
しかも勘違いでなにやらやたらめったらヤヴァイ発言をしていたような・・・
ああああああ・・・・・・未来の大和撫子にあるまじき恥ずべき行為ですわ〜〜!!


「分かって・・・・・・くれたかい?」
「・・・ええ。・・・でも、どうしてわざわざそんなことを・・・?」
「風水や星占いでも・・・・・・こうした方が良い、と言うだろう? それと同じように考えてくれれば良い・・・・・・」
「そ、そんなの当たるモノなんですか!?」
「ああ・・・・・・大体はね。
 その証拠に・・・・・・雛子くんの時は、たまたまそんなアクシデントがあったが・・・・・・
 その日1日の運勢としては・・・・・・なかなか良い日だったし・・・・・・。
 それに、今日は占いを怠けてしまったから・・・・・・君に見られてしまったじゃないか・・・・・・」


なるほど。
今日は占いを怠けたから・・・


「・・・って、ちょ、ちょっと待ってください!?」

占いを怠けた・・・ということは、
今千影ちゃんが穿いているぱんつは、占いの結果ではなく自分の意思で穿いているもの!
つまり!


「千影ちゃんは普段うさぎさんぱんつを穿い―――」


思わず大声を上げてしまったワタクシの口を、
千影ちゃんは両手で押さえ、ワタクシの言葉を強制的に抑止したのでした。


「ま、まぁ・・・・・・私にだって色々と・・・・・・」


千影ちゃんは、普段のクールでミステリアスな印象をかもし出している彼女らしからぬ仕草で、


「このまま・・・・・・フンドシを愛用していると思われる方が不名誉だから・・・・・・
 君には本当のことを話すが・・・・・・こういうのが普段着なんだ・・・・・・」


ほんのり赤くなった表情を俯かせ、目を横に逸らすような照れた仕草で、


「このことも・・・・・・フンドシのことも・・・・・・誰にも黙っていてくれないか?」


そうお願いしてきたのでした。


「・・・・・・」
「・・・・・・」


そしてお互い沈黙。
数秒の後、先に沈黙を破ったのはワタクシのこの言葉でした。


「うさぎさんの千影ちゃん・・・・・・ポッv」
「・・・・・・」
「照れてる千影ちゃん・・・・・・可愛いですわ・・・・・ポポッvv」
「・・・・・・(汗)」
「誰も知らない貴女を、ワタクシだけが・・・・・・ポポポッvvv」
「・・・・・・(後退り)」
「ポ、ポ、ポポポッvvvv」
「・・・・・・(ドンッと壁にぶつかり内心焦る)」


「千影ちゃ〜〜〜んvv」
























「うわぁ、千影ちゃん速いね、そんなに長いスカートはいてるのに。 ボクも負けてられないなぁ」
「のんびり見てないで・・・・・・助けてくれないかい!?」

「ああ〜〜んv 千影ちゃ〜〜〜んvv まってくださ〜〜〜い」


我が家の広い庭で、縁側に座ってのんびりしている衛ちゃんに見守られながら、
千影ちゃんを追い掛け回すワタクシv


普段感じる、クールな印象とはかけ離れた可愛い趣味の持ち主。
そう分かった瞬間、今まで以上の感情の昂りが、ワタクシの心に押し寄せてきましたvv


「もっと、もっと貴女を知りたいですわ〜〜v ポッv」

「春歌ちゃん、千影ちゃんと仲良くしたがっているみたいだよ」
「それが過度だと何故気づかん!?」


普段見かけることのできない千影ちゃん。
赤く染まった顔で、いつも通りを保とうと必死でクールな表情という仮面を被る千影ちゃん。
その剥がれかけた仮面から見え隠れする本当のアナタ。


「アナタの下着を、一生洗い続けてあげますわ〜〜vv ポポッv」

「ほら、毎日洗濯当番引き受けてくれるみたいだし」
「君にはアレの意味するものが何か分からんのか!?」


綺麗や美しいといった表現の似合う顔が、可愛らしいという言葉が似合う表情に変わった瞬間、
そのギャップに、“支える”ではなく“守り通したい”という気持ちが、溢れるほど湧き上がってきましたvv


「どうして逃げるのさ。 仲良くしてあげれば良いのに」
「あいにく・・・・・・私は君と違って同性に興味は無い!!」
「ふ〜ん・・・」
って否定しないのか!?


そう、まるでバネが反発するように、
今まで感じていたときめきが、そのまま正反対の方向に働いていくのが分かりましたわvv

ああ・・・ワタクシの心は、そんな隠れた可愛い千影ちゃんに、

奪われてしまいましたわ〜〜vv ポポッvv


「ちv かv げv ちゅわぁ〜〜〜んvv」
「ああ・・・・・・占い、怠るんじゃなかった・・・(滝涙)」


本当は可愛いものが大好きなアナタv
そんな可愛いアナタを、



「ワタクシが、いつまでもアナタをお守り致しますわ〜〜〜vv」






 


あとがき

誕生日の当人より相手の方が幸せになるなりゅーのひねくれBDSS千影編。
今回は何気ないやりとりから生まれた原案を元に作ってみたアホ話です(苦笑)
兄君さまごめんなさい、今回はなかなか春歌を酷い方向に壊してしまいました(滝汗)
でも注意書きも用意しましたので、“そこまでのもの”として受け止めてください・・・。

普段、あんまりフォントをいじる演出をしないため、そこら辺がちょっと失敗している気がします・・・(汗)
今後はそういう演出の経験をつんで行こうかと思いました。
また、春歌がどんどんフンドシの千影にときめいていく過程という見せ場をカットしたため、
何気に展開が早く、ちょっと物足りない出来な気がします(苦笑)
しかし思いつかなかったものはしょうがないのです(えー)

とにかく、色んなところで消化不良な気がしてなりません・・・(凹)
しかも、最初予定していた話とかなり違う気がします(汗)
でも、なりゅーの作品はいつもそうなってしまいます(笑)

それと、衛の相手は好きに想像してください(笑)


更新履歴

H16・3/3:完成
H16・3/7:微修正


 

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