「ありがとう、じいや」

亞里亞の目の前には大きな大きなショコラのケーキが運ばれてきました。
これは雛子ちゃんのバースデーケーキなの。

今日は雛子ちゃんのお誕生日。
だから亞里亞は、今日雛子ちゃんをお家に呼んで、一緒に大きなバースデーケーキを食べるの。

雛子ちゃんはきっと今頃ビックリしています。
だって雛子ちゃんは今日までパーティーの事を知りません。
パーティーの事を書いたバースデーカードは今日とどくようになってるの。
雛子ちゃんに今日教えてビックリさせちゃうの。

うふふふ・・・雛子ちゃんはきっと喜んでくれるの☆

もうすぐカードに書いた時間になります。
雛子ちゃんはもうすぐ亞里亞のお家に来てくれるの。
楽しみです。











あまいゆうわく













・・・・・・まだ来ないの?

亞里亞は雛子ちゃんとパーティーをするお部屋で雛子ちゃんを待っていました。
でも雛子ちゃんはまだきません。

雛子ちゃん・・・亞里亞の送ったバースデーカード見てないの?
だからまだ来ないの?
それとも・・・亞里亞のパーティーにはきてくれないの?

そんなのいや・・・。

せっかく雛子ちゃんのために大きなショコラのケーキを用意したのに・・・。
パティシエに頼んで今日のために特別に作ってもらったのに・・・。
雛子ちゃんと一緒に食べようって・・・思ってたのに・・・。

「亞里亞さま」
「じいや?」

じいやが部屋に入ってきました。

「あの、たった今雛子さまからお電話がありまして・・・」
「雛子ちゃん・・・!?」
「ええ、約束の時間には来れないそうなんです」
「・・・!」

そんな・・・雛子ちゃん・・・亞里亞のパーティーにこないの?

「ですが伝言を預かっています」
「でんごん?」
「はい、伝言です」

そう言ってじいやは亞里亞に紙を渡してくれたの。

「雛子さまが申したとおりに書いておきました」

亞里亞はじいやから紙を受け取るとすぐに見ました。
紙にはじいやの字でこう書かれてたの。





 

亞里亞ちゃん、

今日はヒナのためにバースデーパーティーを開いてくれてありがとう。

ヒナ、突然カードが届いたからビックリしちゃった。

でもね、ヒナ、今日はもう先にご用があるんだ・・・。

だから約束の時間には着けないの。

だけどヒナは亞里亞ちゃんのこと、

ダイダイダーイスキだから亞里亞ちゃんのパーティーには絶対行くよ!

絶対絶対行くから!

だから少しだけ待っててね。






よかった☆
雛子ちゃん、亞里亞のパーティーに来てくれるんだ。
しかも雛子ちゃん亞里亞のこと、スキって言ってくれて・・・嬉しいの☆
少しの間待てば雛子ちゃんは来てくれる・・・。
少しだけ待てば・・・
























まだなのかな?

亞里亞ちゃんは雛子ちゃんと一緒に食べようと思っていた大きなケーキとにらめっこしながら、
雛子ちゃんが来るのを楽しみに待っていたの。

「・・・雛子ちゃん・・・・・・まだ?」

雛子ちゃんが早く来ないから亞里亞は退屈です・・・。

ねえ雛子ちゃん、少しってどれくらい?
こんなに長いの?
まだなの?
全然少しじゃないの・・・。

「雛子ちゃん・・・」

亞里亞は退屈です・・・。
お腹も減ってきました

「・・・・・・」

目の前には雛子ちゃんと一緒に食べようと思ってた大きなケーキ。
亞里亞の好きなショコラがいっぱいのケーキ。

「・・・・・・」

雛子ちゃんが早く来ないから・・・亞里亞はお腹がすきました・・・。

「・・・・・・」

目の前のケーキはとても美味しそうです・・・。

「・・・・・・」

・・・・・・。

「ちょっとだけなら・・・」

こんなにこ〜んなに大きなケーキなら少しだけ食べても・・・

それに雛子ちゃんが早く来ないのがいけないの。
亞里亞を待たせるから・・・。

亞里亞は雛子ちゃんと一緒に食べようと思っていた大きなケーキの周りに塗ってあるショコラクリームを
少しだけ指でとってそのまま口の中に運びました。

するとあま〜い味が亞里亞の口いっぱいに広がりました。

「おいし〜☆」

ケーキはとってもと〜ってもおいしかったの。
パティシエに雛子ちゃんのために特別に、って頼んでおいたから
いつも食べてるおやつよりもすごくおいしかったの。

こんなにおいしいケーキ、早く雛子ちゃんに食べさせてあげたいのに・・・
なのに雛子ちゃんはまだ来ないの?
こんなにおいしいのに・・・
こんなに・・・

・・・・・・

・・・もうちょっとだけなら・・・。

亞里亞はまた大きなケーキを少し食べました。

「・・・やっぱりおいし〜☆」

亞里亞の口の中にもう一度あのあま〜い味が広がりました。
亞里亞は幸せです。

雛子ちゃん、ケーキはとってもと〜ってもおいしいよ。
だから早く来て・・・
早くこのおいしいケーキを雛子ちゃんに食べさせてあげたいの。
このおいしいケーキを・・・
・・・おいしい・・・ケーキ・・・

・・・・・・

雛子ちゃんと一緒に食べようと思ってたケーキはとっても大きいです・・・。



だったら・・・もう少しくらい食べても・・・
























「亞里亞さま、雛子さまがお見えになられましたよ」

じいやが部屋に入ってきて雛子ちゃんが来てくれた事を教えてくれました。

「亞里亞さま?」
「くすん・・・くすん・・・」

でも亞里亞はお部屋で泣いていたの。
雛子ちゃんがやっときてくれたのに・・・亞里亞は嬉しくありませんでした。
だって・・・

「!! 亞里亞さま、これは・・・!?」

一緒に食べようと思っていたケーキ・・・亞里亞がほとんど食べちゃったから・・・。

「くすん・・・くすん・・・」
「・・・・・・我慢できずに食べてしまわれたのですね・・・?」

亞里亞はコクンとくびをたてに振りました。



少しだけ、あと少しだけ、って食べてたら・・・大きなケーキはどんどん小さくなって・・・
ケーキの外側にいっぱい塗っていたショコラは・・・全部なくなって・・・
残ったのはボコボコの形をしたスポンジだけになっちゃたの・・・。

ケーキがおいしいのがいけないんだよ・・・
雛子ちゃんが遅いのがいけないんだよ・・・
だから亞里亞・・・ケーキ食べちゃった・・・

「くすん・・・くすん・・・」

でも亞里亞が泣いてたってケーキは元に戻らないの・・・
せっかく雛子ちゃんと一緒に食べようと思ってたのに・・・

「ねえじいや、ケーキ・・・また作って!」
「無理です」
「そんな事言わないで・・・雛子ちゃんが・・・雛子ちゃんが来てるのに・・・」
「亞里亞さま!
 私はいつもつまみ食いは駄目だと言っていたでしょう!」
「で、でも・・・雛子ちゃんが遅いから・・・ケーキがおいしいから・・・」

そうなの、いけないのは・・・

「でもケーキを食べたのは亞里亞さまでしょう!」
「!!」
「これは亞里亞さまがケーキを駄目にしたんですよ」

亞里亞が・・・亞里亞がケーキを・・・
雛子ちゃんのバースデーパーティー・・・だめにしちゃったの?
亞里亞が・・・全部いけないの?
亞里亞が全部・・・

「・・ひ・・・くっ・・・くすん・・・・すん・・・」

・・・じいやの言うとおりです・・・。

「亞里亞が・・悪い、の・・・・・・ぜん、ぶ・・あり、あが・・・」

せっかく喜ばせようと思ったのに・・・
せっかくきてくれたのに・・・パーティーはだめになって・・・

「・・・くすん・・・く、すん・・・ごめ・・な、さい・・・ごめ、ん・・な、さい・・・・・」

これじゃあ雛子ちゃんは逆に悲しんじゃう・・・。

「・・・・・・亞里亞さま・・・もうつまみ食いはしないと約束できますか?」
「くすん・・・くすん・・・」

亞里亞のせいで・・・大好きな雛子ちゃんを悲しませちゃう・・・。

「できるのなら・・・何とかして差し上げますよ」
「!!」

なんとか・・・できるの・・・!?
雛子ちゃんを悲しませなくてすむの!?

「して! なんとかして、じいや!」
「じゃあ約束、しますか?」
「する! ・・・亞里亞、もうつまみぐいしない! だから・・・」

大好きな雛子ちゃんを悲しませなくてすむなら亞里亞はつまみぐいなんてもうしません!
雛子ちゃんを喜ばせるなら・・・亞里亞はなんでもします!
だから、だから・・・

「わかりました・・・」
























「いらっしゃい雛子ちゃん」
「亞里亞ちゃん、ヒナのためにパーティーしてくれてありがと!」

亞里亞は雛子ちゃんをパーティーお部屋に案内しました。

「うっわ〜! おいしそーなケーキ!」

お部屋に入ると雛子ちゃんはテーブルの上を見てそういいました。
テーブルの上には普通より少し小さめのケーキがあったの。

「雛子ちゃん、どうぞ・・・食べて」
「うん!」

雛子ちゃんはとっても嬉しそう。
よかったの。



じいやのお話だと、あの大きなケーキを作った時に材料が少し余ってたみたいなの。
それでもったいないからってみんなのおやつ用に小さいこのケーキを大きなケーキと一緒に作ってたみたいなの。
雛子ちゃんにはその小さなケーキをバースデーケーキって言ってだしました。
ありがとうじいや、それとパティシエのみんな。
みんなのケーキ、なくなっちゃったけど・・・おかげで雛子ちゃんが喜んでくれたの☆

だからね、亞里亞はじいやとの約束どおり、もうつまみぐいしない!
亞里亞の大好きな雛子ちゃんがこんなに喜んでくれたの・・・
だからね、亞里亞、ぜったいのぜったいに約束します。
つまみぐいはもうしません!

雛子ちゃん、大きいケーキは今はもうなくなっちゃたけど・・・今度の雛子ちゃん誕生日には一緒に食べようね☆
























・・・・・・・・・・・・ところで・・・・・・“つまみぐい”ってなぁに?



あとがき

誕生日の当人より相手の方が幸せになるなりゅーのひねくれBDSS雛子編どうでしたか?
・・・色んな所で自分でツッコミたいです。
なんせこれは雛子の誕生日当日に思いついて(約15時)、 即行作り上げて(約19時半)、 ギリギリ間に合わせたものですから・・・。
もう雛子のBDSSは諦めようと思っていた時に思いついたろくでもない代物です。
大体百合か?
「大好きな雛子ちゃん」で無理矢理そう見せてるようにしか・・・
かと言って無理矢理キスさせるのもなんだし・・・。
しかも亞里亞の最後の台詞問題無いか?
ここまで無知にしていいモノか・・・。
雛子の出番が少ないのは別にいいです(←問題発言)。
だって『誕生日の当人より相手の方が幸せになるなりゅーのひねくれBDSS』ですから!
ちなみにタイトルをひらがなにしたのは、
漢字を混ぜたらなんか別のニュアンスに見えて仕方なかったから(笑)。
 

更新履歴

03年8月15日:ど根性で完成
03年8月16日:修正
03年9月24日:誤字修正

 

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