ねえ、雛子ちゃん、亞里亞ちゃん。

二人とも鞠絵ちゃんに逢いたくない?

雛子ちゃんも亞里亞ちゃんも鞠絵ちゃんに逢いたいよね?

そうだよね! しばらく逢えなかったから二人とも逢いたいよね!

花穂も逢いたいんだ・・・。

だったらさ・・・

みんなには内緒で・・・花穂達だけで鞠絵ちゃんに逢いに行かない?

あのね・・・花穂一人じゃちょっと心細いんだ・・・

だからね、一緒に行こう!

花穂達だけで・・・鞠絵ちゃんに逢いに行こう・・・。









みんなで逢いに行こう











うふふふ・・・雛子ちゃんも亞里亞ちゃんも待ちきれないんだね。

でももう少し待ってね。

あと少しで電車が来るから、それまで待たなきゃダメだよ。

大丈夫、電車が来たらすぐに鞠絵ちゃんに逢えるから。

だからそれまで二人ともガマンしててね。







雛子ちゃんは鞠絵ちゃんに逢ったらどうしたい?

ご本を読んでもらう?

ふふ・・・雛子ちゃんらしいや・・・。

亞里亞ちゃんは?

え? 特に何も無いの?

あ・・・うん、そうだね・・・

花穂もそう・・・鞠絵ちゃんに逢えるならそれでいいの・・・。

亞里亞ちゃんと一緒だね。

え? 雛子ちゃんもそう?

ごめんね、別に仲間外れにした訳じゃないの。

そうだよね・・・

みんな・・・鞠絵ちゃんに逢いたいよね・・・。













退屈だね・・・。

電車が来るまでまだまだだよ・・・。

なにかお話でもしてようか?

そうだなぁ・・・

やっぱり・・・鞠絵ちゃんの話、だね。






雛子ちゃんは鞠絵ちゃんのどんな所が好き?

優しい所?

え、亞里亞ちゃんも?

すごい、みんな一緒なんだ・・・。

うん、そうだよ・・・・・・花穂も・・・鞠絵ちゃんの優しい所が好き・・・。

花穂が辛い時・・・鞠絵ちゃんが支えてくれた・・・。






あのね、花穂には応援する事しかできないから

だから鞠絵ちゃんの事応援してた。

病気になんか負けないで、ってね。

そしたら鞠絵ちゃん、

花穂の応援のお陰で元気が出るって・・・そう言ってくれたの。

だからいっぱい応援したんだ、鞠絵ちゃんの事。






鞠絵ちゃんは花穂が支えてくれるって言ってたけど

ほんとは花穂の方が鞠絵ちゃんに支えられてたの。

花穂が元気ない時、挫けちゃった時、

鞠絵ちゃんが花穂の事励ましてくれた。

ほんとは鞠絵ちゃんの方が辛いはずなのに・・・。






だから花穂こんな事で挫けちゃダメだって思えるようになったの。

だから鞠絵ちゃんの事もっと支えてあげようって思ったんだ!

だからいっつも鞠絵ちゃんのために頑張って・・・そうしてたら・・・

そしたら・・・その・・・

・・・花穂・・・鞠絵ちゃんの事・・・

・・・・・・。






・・・・・・あのね・・・実はね・・・

花穂・・・鞠絵ちゃんの事・・・

・・・好き・・・に・・・なっちゃったんだ・・・。

え? 雛子ちゃんも亞里亞ちゃんもそうだって?

うん・・・そうだったね・・・。

でも花穂の好きはその好きとは違うの・・・。

本当はいけない事なの・・・。

・・・よく分からない?

いいんだよ・・・別に分からなくても・・・。












あのね・・・花穂、その事・・・鞠絵ちゃんに言っちゃったんだ・・・。

別に勇気を出して、って訳じゃないの。

ちょっとドジしちゃって・・・・・・えへへ・・・。

花穂ってやっぱりドジなんだよね・・・。

え! あー、ひどいなぁ雛子ちゃんは!

でも・・・確かにそうだよね・・・

花穂の方が二人より年上なのに・・・。

花穂もね、もう少ししっかりしていればよかった、って思うの・・・。






それでね・・・鞠絵ちゃんに花穂が好きだって事・・・知られちゃった時・・・

花穂、もうダメだって思ったの・・・。

え、雛子ちゃんが好きって事も知っているって?

亞里亞ちゃんも?

そうだね・・・でもね、さっきも言った通り花穂の好きとは違うから・・・

だから雛子ちゃんと亞里亞ちゃんの好きは別に知られてもいい事なの。

・・・やっぱりどう違うか分からないって?

いいんだよ・・・二人は分からないままで・・・。






それで・・・え〜っと、どこまで話したっけ?

あっ、そうそう、もうダメだって思ったところだっけ。

それでね、花穂、もうダメだって思ったの・・・。

でもね・・・鞠絵ちゃん・・・

・・・・・・

・・・鞠絵ちゃんも・・・花穂の事・・・その・・・

花穂の事好きって・・・言ってくれたの・・・。

・・・花穂の好きと・・・・・・同じ・・・好き・・・で・・・。

えへへ・・・あの時は嬉しかったなぁ・・・。

花穂、あの時自分がドジで良かったって思ったの。

ヘンだよね、ドジでよかったなんて・・・。

あー! 雛子ちゃん、またそんな事言うなんて!

もう、ひどいなぁ・・・。






あのね・・・それでね・・・

これはちょっと恥ずかしいんだけど・・・

・・・・・・

・・・ええい、話しちゃえ!

花穂ね、それで・・・その・・・

鞠絵ちゃんと・・・・・・しちゃったんだ・・・

その・・・

・・・・・・

・・・・・・キス・・・。

えへへ・・・言っちゃった・・・。

花穂・・・初めて・・・だったんだぁ・・・

それに・・・あんなに幸せな気持ちになったのも初めて・・・。

え?

・・・うん、そうだね。

普通は男の人とするものだよね・・・。

でもね、好きな人だったら・・・男の人でも女の人でも関係無いよ・・・。

そう言うものなんだよ・・・。

え? 雛子ちゃんも大きくなったら分かるかな、って?

どうなんだろう?

花穂にも分からない・・・。

でもね、雛子ちゃんはそんな事・・・考えなくてもいいんだよ・・・。












もうすぐ電車が来るね・・・。

じゃあ二人ともそろそろ立って。

ほら、こっちに来て。

しっかり手を繋いでおこうね。

もうすぐだよ・・・もうすぐ鞠絵ちゃんに逢える・・・。

じゃあ行こうか。

あ!

いけない、忘れるとこだった・・・!

えへへ・・・花穂やっぱりドジだね・・・。

お前も逢いたいよね?

飼い主だったんだもん当然だよね・・・・・・ミカエル。












あ、ほら・・・電車が来たよ・・・。

ほら、あそこ・・・遠くで光ってるあれがそうだよ。

なに雛子ちゃん?

大丈夫・・・すぐに終わるから・・・。

雛子ちゃん?

雛子ちゃん、なに? どうしたの?

あっ! ちょっ・・・あ、暴れないで・・・!

あ、亞里亞ちゃん、大丈夫だよ!

心配なんて要らないよ! 怖い事なんてなんにもないよ!

ほら、雛子ちゃん落ち着いて・・・。

だ、ダメだよ・・・ほら・・・

ひ、雛・・・

鞠絵ちゃんに逢いたくないのッ!?

雛子ちゃんも鞠絵ちゃんに逢いたかったんでしょ!?

ダメ! ダメだよッ!!

もうこうしなきゃ逢えないんだから!

もう・・・こうしないと・・・・・・

死んじゃうって言うのはそう言う事なのッ!!






こうしないと・・・もう鞠絵ちゃんに・・・逢えないんだよ・・・。

二人とも・・・離さないよ・・・

離したりなんかしない・・・!

花穂一人じゃ心細いから・・・みんなで逢いに行こうね・・・。

雛子ちゃん・・・亞里亞ちゃん・・・ミカエル・・・。



    ・・・ガタン・・・・・・ゴトン・・・・・・


ほら、電車が来たよ・・・。

電車が花穂達を跳ね飛ばしたら・・・そこは鞠絵ちゃんの居る所・・・。



    ・・・ガタン・・・ゴトン・・・ガタン・・・ゴトン・・・



お星様の上だよ・・・。












ダイジョウブ・・・恐クナンカナイヨ・・・






ミンナノ好キナ鞠絵チャンニ逢エルンダカラ・・・






    キキィィィィィィィッッッッ・・・






今行クヨ・・・鞠絵チャン・・・。


あとがき

お兄ちゃま、おにいたま、兄や、あと・・・マイシスがミカエルの人(!?)は・・・“ご主人様”?
とにかく以上の方々、申し訳ありませんでした。
なんで記念すべき20作目にこんなダークなものを・・・
取り敢えず書くと、この話は「“死”の意味が分からない二人を連れての花穂の心中話」です。
そうなると雛子と亞里亞はかなり幼い事になりますね・・・。
で、花穂はそれより少し上くらいの歳で同性愛に目覚めた、と・・・。
じゃあ鞠絵はロリk(削除、寧ろ拒否)・・・兄上様、すみませんでした。
最後の雛子と亞里亞は恐怖してたのか、説得されてたのか、
とにかくどんな心境だったかは各人好きな様に取って下さい。


更新履歴

H15・7/19:完成
H15・8/9:修正
H16・6/29:細部修正


 

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